あらすじ
幾多の人の死なないミステリに挑んできた凜田莉子。彼女が直面した最大の謎は大陸からの複製品の山だった。しかもその製造元、首謀者は不明― 仏像、陶器、絵画にまつわる新たな不可解を莉子は解明できるか
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Posted by ブクログ
家の積読本を整理していて、昔読んだことがあったけど結末は忘れていたので読み返した
最初からちょっとしたヒントがあるしトリックは大胆で面白い
日中関係、作中の作品の師弟関係のようにうまく行けばいいのになと思った あと安倍総理のことを思うとつらい リアリティあっていいけど実在の人物を出すのはかなりリスクがあるかもな〜
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万能鑑定士シリーズの長編。
今回は2010年代に問題となった日中関係の悪化を根元に贋作物をテーマとした壮大なストーリーが展開されていく
今回は表紙に『謎解き』と題されているように途中までに真相を知るまでのヒント・伏線が全て載せられており、最後の真相を明かす前に小笠原がミステリー小説のごとく「読者への挑戦状」がありミステリー小説好きとしてとても面白いと思いました。
事件の真相はとても驚きの物であった。自分と一緒に行動していた人物がまさかの贋作グループの一員に物語の中でなっていたという所がとても驚きで、今までに無い物であると思いました。見方だと思っていた人物が実は敵で、逆に怪しい人物は全く事件に関与していないというのはミステリーとしては定石の展開なのにも関わらずこれに気づけなかったのは作者の人物描写の巧みさなのだと思いました。
そして贋作グループの目的がお金儲けではなく自分たちをオリンピックの駒としてさんざん使い捨てた国家に対する復讐であるという所に目的があると言うのがとても意外性があって面白いと思いました。この本の中での日中関係は現実にも起こりうる事でもあるのでどんな風に傷をつけずに落ちをつけるのかが楽しみであったが、まさか両国の職人が交流をした結果作られた物で、この職人達のように両国もともに歩んでいこうとするという所にオチを持ってきたのがとてもさわやかな結末だと感じました。今年、このシリーズを読むのは後2冊、じっくりと読んでいきたいと思います。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
凜田莉子:佐藤聡美
小笠原悠斗:寺島拓篤
葉山翔太:中村悠一
宇賀神博樹:神谷浩史
荻野甲陽:平田広明
宮牧拓海:福島潤
弧比類巻修/黎弥:関俊彦
林蘭芳:茅野愛衣
肖外龍:濱野大輝
佐々木和郎:斧アツシ
雛暁軍:壤晴彦
杉浦周蔵:藤真秀
桑畑光三:園部啓一
倉本麻耶:長谷川育美
猪島清仁:佐藤正治
藤柴隆平:土岐隼一
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大陸から怒涛のごとく押し寄せる複製品の謎に挑む莉子。
冒頭から莉子がいきなり北京語をぺらぺら操っていてびっくりした。そして後半に入る直前に差し込まれた【読者への挑戦by小笠原さん】もイイ。さすがタイトルが謎解き。犯人も真相も分からず読み進めたけど、いつものように読後感は爽やかだった。コピアの慧眼に唸る。
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中国の複製品製造グループの摘発に協力する莉子だったが、その実態はなかなかつかめないでいた。折しも中国との芸術品との所有権をめぐって日中関係が悪化する中、莉子は二つの謎の解決のため動き出す。
今作もいろいろな知識を詰め込みつつ、ミステリとしてのトリックに意外性のある展開と相変わらず予測できない展開が続き面白かったです。
日中間をまたにかけるストーリーも今までになくスケールが大きく、実際の政治家の実名を出すあたりや中国の暗部や芸術品に対する歴史的背景を描いたりと、ストーリーに社会派的要素やリアリティを出しているあたりも良かった点だと思います。
莉子と小笠原の関係性なども一つの区切りがついた感じで、ここからシリーズをどう展開していくのかも気になるところです。
Posted by ブクログ
初めて万能鑑定士Qシリーズの本を読んだが、ストーリ上難なく読み通す事が出来た。内容は日中関係を背景に主に贋作やいわゆる「パクリ品」をメインテーマに据えた物語。凛子の万能さを堪能させてもらった。安倍首相やKADOKAWA等実名が登場した事で、物語にリアリティを持たせている事に面白さを感じた。
このお蔭もあってか、具体的な想像を促す効果があり、読み易さもグッと増しているのかな、なんて思った。
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随分と趣向が変わったなと
途中で読者謎解きのためにきちんとページが挟まれているなんて!
確かに今まではさくさくと読めてしまうがゆえに、気が付いたら事件解決してましたってのが殆どだったので、今回こういうのみたいなのも悪くはない。
二人の仲もやっとこさ次の段階へと目が離せない
あと、あんまり関係ないけど、松岡作品って中国系おおいよね
人名、地名が覚えられない自分がいます。
すんません、完全にこちらの都合です、はい。
にしても、通巻20巻か。。。長くなったものだ
Posted by ブクログ
〇 評価
サプライズ ★★★☆☆
熱中度 ★★★★☆
インパクト ★★★★☆
キャラクター ★★★★☆
読後感 ★★★★☆
希少価値 ★☆☆☆☆
総合評価 ★★★★☆
シリーズ通算20作目。扱っているテーマは、中国の贋作と中国との外交問題である。フーヂーズという謎の贋作集団についての捜査と、弥勒菩薩像と瓢房三彩陶の二つが日本で作られたものか、中国で作られたものかという点が謎の焦点である。フーヂーズは、中国のスポーツ政策への反抗から、スウという名士が作った組織で、中国がオリンピックをボイコットすることを目的として活動していた。途中、中国の贋作輸出額が2位の国が、意外なことにブラジルである…という伏線がある。
弥勒菩薩像と瓢房三彩陶は、実は同じものが二つあった。これにコピアの存在を絡めてくる。
物語としての完成度は高い。先が気になって一気に読んでしまった。しかし、サプライズ感は薄め。ランファンなどBICCが寝返っていたり、一見良い人風の白良浜美術館の倉本館長代理が悪役だったり、サプライズ風の要素はあるが、明かし方が驚かせようというものになっていない。最後に一気に明かすタイプではなく、パラパラと真相が描かれる。また、ミスディレクションがないので、消去法でランファン達が犯人だと分かってしまう。
サプライズ面こそ弱いが、話作りのうまさ、キャラクターの魅力はさすが。日中の関係が良好になり、莉子と悠斗の関係も一歩前進するというラストは読後感も良い。
いきなりこれから読むとそれほどでもないかもしれないが、20作目として読むと非常に楽しめる良作。★4で。
〇 メモ
北京にて。工場を閉鎖し、喘息の娘を持つツァイ一家が騙され、1000万元の負債を負う。凜田莉子が医師を連れて訪れ、「フーヂーズ」という違法なコピー品を製造している正体不明の団体の仕業であることが分かる。莉子は知財調査の関連会社の支払いでツァイの娘の治療をさせる。
莉子は、中国国内に溢れかえる偽物商品の摘発に尽力するプロ集団であるBICC(ベスト・インターナショナル・コンサルティング・カンパニーリミテッド)の調査員である林蘭芳(リン・ランファン)に連絡をし、フーヂーズの拠点の一つである倉庫に踏み込む。
ランファンの上司である肖外龍(シャオ・ウワイロン)の協力もあって、フーヂーズの関係者を確保。フーヂーズの総指揮者であるソンダーダオテイの身柄を確保する。証拠隠滅桶を利用した証拠隠滅を、莉子の機転とランファンの行動で阻止する。ソンダーダオテイの正体は、スウ・シアオジュンという名士だった。小笠原の活躍もあり、スウの逃亡を阻止する。
ランファン達は、スウが自供した秘密工場に突入する。蘭ファン達が突入してから30分ほどして警察が突入。秘密工場はもぐりのスポーツクラブだった。この捜査に人手が割かれたことを利用し、スウは脱走する。
莉子は警察で、葉山翔太警部補から依頼を受ける。中国から輸入されている偽物の山を前に、東アジア貿易担当大臣を務める杉浦周蔵から、次世代ガソリンといわれる「グローグンファクターZ」の偽物が作られないようにしなければならない。情報提供などで協力してほしいという。
孤比類巻修が保釈される。孤比類巻黎弥が立ち会う。保釈金を出したのは黎弥。黎弥は、莉子に、「後になってこの方が良かったと感じられるはずだ」と言い、更に「のろまを自覚しているペンギンを、すばしこさに自信のあるシロクマは、決して捕まえられない」というアドバイスをする。
翔桜寺の弥勒菩薩像について、非公式の洋上鑑定が行われる。弥勒菩薩像は中国に奪われる。洋上鑑定の実現に尽力したのは杉浦大臣。中国は、日本から返還を受けたと発表。瓢房三彩陶という陶器で、二度目の洋上鑑定が実施されることになった。莉子も鑑定家として同乗することになった。莉子は、瓢房三彩陶が日本で作られたものと鑑定し、中国側のリウ・ドウチユンという鑑定家を納得させる。瓢房三彩陶は日本に引き渡される。
中国は、瓢房三彩陶が日本に奪取されたと発表する。
二度の洋上鑑定について、日本では秘密裡に行われていたこともあり、大きく報道される。グローグンファクターZの工場で爆発事故が起こる。莉子は報道陣に追われるが、月刊角川の編集部の助けもあり、東京を脱出する。翔桜寺の弥勒菩薩像を研究していた博多港外にある白良浜美術館に向かう。
白良浜美術館で、「館長代理の倉本麻耶に会う。同美術館で、パルトロメーオ・アンチェロッティ作の「十二使徒」の絵のうち、最も価値のあるマタイが紛失するという騒ぎに遭遇する。
莉子は、ランファンと連絡を取る。ランファン達の助けを借り、秘密裡に中国に入国する。中国に向かう船の中で、悠斗は莉子に告白する。
莉子達は、例のもぐりのスポーツジムを隠れ家として捜査を行う。中国政府が、弥勒菩薩像があったと主張する潭拓寺に向かう。帰り道で、莉子は、偶然、パルトロメーオ・アンチェロッティ作の「十二使徒」のマタイの複製画を見付ける。
莉子は「贋作村」と言われる大芬村を訪れ、本物のマタイを見付ける。その額縁からメモリーカードが見つかる。メモリーカードは犯罪計画書であり、グローグンファクターZについての記載もある。莉子は、機械を欺き、4リットルのグローグンファクターZを盗み出す方法を思い付く。
莉子と悠斗は眠らされ、船の中で起きる。船の中で、桑畑光蔵館長と出会う。桑畑が言うには、弥勒菩薩像は、翔桜寺と潭拓寺に一つずつあったという。瓢房三彩陶も二つあった。洋上鑑定は2箇所で行われていたのだ。
謎解き。莉子はもぐりのスポーツクラブこそ、フーヂーズの最高司令部であるという。莉子と悠斗が中国に入国できたのは、旅券の贋作があったから。マタイの複製画を発見させたのも、ランファンが意図してその道を通らせたため。犯罪計画書を莉子に見せたのは、サンプルを奪取する方法を考えさせるため。
スウもスポーツジムにいた。スウの目的は、中国がオリンピックをボイコットすること。そのために、日本との関係を悪化させていた。莉子は理想実現のために不法を見逃せないとして、スウ達を説得する。
莉子は帰国し、白良浜美術館に行く。館長代理として働いていた倉本麻耶こそ、莉子の偽物として洋上鑑定に臨んだ人物だった。洋上鑑定で偽の莉子にあったリウの立ち会いのもと、麻耶は中国公安部に身柄を確保される。
洋上鑑定。弥勒菩薩像と瓢房三彩陶は二つあることが確認される。複製品輸入の問題もフーヂーズが自然消滅したことで解決。日中の関係が修復する。
杉浦大臣は、弥勒菩薩像と瓢房三彩陶が二つあるのはコピアの仕業ではないかと主張する。莉子はコピアにそっくりの兄が保釈されていることを理由に、コピアの仕業とは言えないと主張。黎弥が言っていた「後になってこの方が良かったと感じられるはずだ」とは、このことだった。
エピローグで、莉子は、「同じ発音の漢字を充てるの。ひらがなやカタカナがない中国の人が、分からない漢字を書くときには…」と、悠斗が質問していたことへの答えを伝える。莉子と悠斗が手を取り合って駆け出すシーンでエンド
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毎回、最後には「めでたしめでたし」でまとまるので安心して読めます。
そこが、このシリーズの面白さの特徴ではあるのですが、緊迫感に欠けるような。日常ミステリなので、このくらいでちょうどいいのかな。
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今回の舞台は中国と日本。贋作組織をめぐる騒動が話の中心。タイトルに「謎解き」と付くように、犯人当てをさせる趣向がなされている点は評価できる。話もまあまあ面白い。ただ、贋作をめぐって二国間の外交問題になってしまう展開はちょっとやりすぎじゃないかとも思う。まあ、やっと小笠原氏が莉子に告白して二人の仲は進んだのでその面で良しとしたい。これで万能鑑定士シリーズも制覇。続刊が違う形とは言え発行されることになったので、それを楽しみにしたいと思う。その前に「探偵の探偵」シリーズも読んでおかねば。
Posted by ブクログ
やっと莉子と小笠原がここまでというところで終わったけど、まだ続くのかな?日中関係を題材にした話は危惧された偏向はなくて安心したけど、日中友好はありえないことも再確認出来たかな。
Posted by ブクログ
万能鑑定士シリーズ第20弾。
中国から押し寄せる偽物問題に対して、莉子が挑む。
読者懸案の小笠原との関係にも一定の進展が見られ、
これまでの主要キャラが出ないにも関わらず、内容は高いレベル。
人の死なないミステリーここに健在という感じ。
日中関係という社会問題にも言及し、
単に楽しめる小説から一歩進みつつあると思う。
Posted by ブクログ
長編ミステリとして、なかなか読み応えのある話だった。
人が死なない作品だと分かっていても、ドキドキしたりハラハラしたりヒヤヒヤさせられる、そういう表現が上手い。
そしてなんと今回はあの2人の仲に進展が!?
これだけ長く続くシリーズなのにまだまた読みたいと思わせられる。
Posted by ブクログ
「のろまを自覚しているペンギンを、すばしっこさを自慢しているシロクマは捕まえることはできない。」この言葉、視野や考え方を広げる柔軟性って大事だよね。
Posted by ブクログ
今回も安定の面白さでした
日中関係などの社会情勢や、またもや贋作のナゾなど
面白かったし、やっぱりコピアはまだまだ出てくるのね
中国のコピー生産の現実がリアル。
松岡さんの話は商品の実名、企業名がよく出るけど
今回は実在の人物までも実名で登場してこういうのって
読んでてノンフィクション的な感覚になるわ笑
Posted by ブクログ
人の死なないミステリ「万能鑑定士Qシリーズ」記念すべき20作目。
本作では「謎解き」という題がつけられているように、ミステリ色がこれまでよりも色濃く出ており、いわゆる「読者への挑戦」までもが用意されている。
本作の主な舞台は中国。日本と中国がそれぞれ自国のものと主張する仏像と焼き物、それぞれ非公式に日中の中間点である洋上で鑑定を行うことになる。莉子は焼き物の鑑定を依頼され、日本で作られたと鑑定し、合意のもとで日本に持ち帰るが、中国側から強奪されたとの非難があがる。
いつも以上に時事ネタを盛り込み、中国が抱えるスポーツ選手の養成とそこから落伍した人たちのたどる運命さえも物語に取り込み、千里眼シリーズを彷彿とさせるようなスケールの大きな物語となっている。ただ、スケールが大きい割には動機の部分にやや難があり、そのためにそこまでするか?という思いも拭いきれない。
それにしても、いつもながら作者の知識量と作品の一定以上のレベルを維持する能力には感心させられる。そして、テンポよく読ませ、あっという間に最後まで読み切らせる筆力もまた健在である。
Posted by ブクログ
夏休を利用して読書。
読者への挑戦みたいなページもあったし、やっぱりこの作者さん読者アンケートとかちゃんと見てんのかな。
肝心の話自体は面白かった。
そろそろ人が死ぬミステリ読もうかな。
Posted by ブクログ
今回はトリックの内容がかなり複雑でした。理解するのに少し時間がかかりました。 それにしても、作者の知識の深さにはいつも感心させられます。政治的な内容も多かったのですが、それがわかりやすく端的に書かれていたので、読んでいて非常に勉強になりました。結末もなかなかいい感じでした。
Posted by ブクログ
2014年刊行本。Qちゃんシリーズで、読んでなかった本であったので今更ながら購入。
日中関係は相変わらずギクシャクしているが、当時は著作権や違法コピーの問題もあったんだっけかなぁ。
最後は日中両国の2トップが実名で登場するというサービスぶりなんだが、関係がもっとギクシャクしている今となっては、おとぎ話のように思えてしまう。
やっぱ松岡さんの小説は旬の時期(発売直後)に読まないと、面白さも半減してしまう。
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スケールを広げたねぇ~国宝の所有を巡る日中間の争いは、戦争の危機を孕んでいく。暗躍していたのは、日本の偽ブランドを送り込んでいる中国の元エリートアスリート達の団体だった。莉子と小笠原は日中を股にかけて謎解きと問題解決に奔走する~まあ、身の程でない広げ方だったかなぁ
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卓越した鑑定眼と論理的思考の持ち主、凛田莉子歳。幾多の“人の死なないミステリ”に挑んできた彼女が、『週刊角川』記者の小笠原悠斗とともに、最大の謎に直面する。大陸から怒涛のごとく押し寄せる複製品の山。しかしその製造元も、工場の所在も、首謀者もあきらかではなかった。仏像、陶器、絵画にまつわる新たな不可解を、莉子は解明できるか。
Posted by ブクログ
いつも通りそれなりに良かった。序盤は疾走感があるんだけど微妙な感じだったかな。 進んでいくと問題なく楽しめた。 わざわざ読者への挑戦状にするほどのトリックではないと思うがそういうシャレだったのかな?
Posted by ブクログ
我らがQちゃんこと、凛田莉子!
今回は、中国は北京のとある街角から始まる。
経営者から貧乏暮らしに転がり落ちた男。
彼には喘息の娘がおり、その治療を受けさせるために病院へ向かった。
しかし、すでに病院前には人、人、人!!!!!
金さえあれば......
そこに金が転がり込む。
怪しすぎるカネ、そう、それはまさにあぶく銭。
このマジックを作り出した輩を追いかけ、凛田莉子は中国と日本を行き来する!
落ちないスピード感、高まる二人の関係進展への期待、そして巧妙に現実世界を混ぜた物語。
これがあって、やはり本作の魅力と言えるだろう。
凛田莉子の偽物が登場したり、妙にきな臭い美術品の「交換」だったり、人は死なないミステリだとわかっているのに、一触即発と言える展開にどきどきする。
日中間の、自分のところこそが正統だ、いや、こちらの方こそ本家本元だ、そんなやりとりが時に悔しかったり、もどかしかったりする。
著者のメッセージは終わりの方で見て取れる。
これこそ、大団円、めでたしめでたしだとほっとする。
もちろん、現実ではこううまくいくことばかりではない。
ほとんどのことが意地の張り合い、プライドのぶつかり合い、国内世論の顔色伺いで、なかなか解決まで至らないことの方が多いだろう。
しかし、だからこそ、本作の終わり方には未来を見てしまう。
こうなったらいいな、こうしたいな、そうやって未来を見てこそ、人である喜びなのだ。
Posted by ブクログ
小笠原くん、頑張った!( ´ ▽ ` )ノ
活躍はしないんだけど、小笠原くんが莉子を支えてる感じがとても好き。
今回は中国か舞台。日中関係がテーマと重めで、最後の解決もうまくいきすぎな感じもするけど、気持ち良い読後感。
Posted by ブクログ
ここまで固有名詞を出してよいかわからないが、こんなに簡単に国交問題が解決するとは思えないが、そうなったらよいなという作者の希望なのだろう。