中原淳のレビュー一覧
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これまでの社会人の経験を振り返るための手がかりとして、本書を再読した。以下は気づいた点のメモ。
本書は、日本社会における転職を、感情的判断や偶発的出来事としてではなく、データと行動科学に基づいた体系的な現象として捉え直す試みである。その出発点として、著者らは日本の転職観に潜む「隠れた前提」に着目する。すなわち、本人が自分の志向や能力を正確に理解していること、その自己像が短期間では変化しないこと、企業や仕事の実態を求職者が十分に理解していること、企業と仕事が安定的に維持されること、そして両者が変化せずに相互に適合する機会を得られるという前提である(p.40)。しかし現実には、人も組織も常に変化 -
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田中聡氏と中原淳氏による、新規事業創出における「人と組織」の役割に焦点を当てた実証的な研究書『「事業を創る人」の大研究』。
約1,400名の新規事業担当者への調査を基に、事例に基づいて新規事業の成功要因や組織内の課題を明らかにしている。だからこそ、コンサルの書くような「ぼくが考えるさいきょうの新規事業のつくりかた」的書籍にはないリアリティがある。
特筆すべきは、あらゆる理屈を乗り越えて、なお「やる人間」がどういう存在かをあぶり出す一冊になっていることだ。データも図表も多いし、調査対象者数も膨大。だからこその説得力を含めて、読み進めるほどに組織の中で誰にも祝福されない挑戦を始める人の「孤独」 -
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人事部門に異動してきた初任者に特にオススメ。
見えづらい人事のキャリア形成について俯瞰でき、後ろ指をさされがちな人事の意義を捉えなおすことで自信につながる1冊だと思う。
また、大企業人事部門へのインタビューから心構え・思考・仕事術を学ぶことができ、さながら複数のメンターから助言を受けているよう!
人事パーソンの現在の仕事の特徴である「新規課題沼」「エンドレスワーク」「社内ぼっち」とその問題は強く共感を覚えます。
また、「専門性に対する幻想」は勉強になりました。離職理由の上位である専門性の高まりについて、自分のスキルが本当に汎用的なのか疑う視点を得ることができて満足です。 -
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コンサルティングとあるが、事業会社の人事パーソンであっても読むべき一冊。
【メモ】
・人材開発は「人が学ぶというメカニズム」を手段として用いる
・組織開発は「人と人との関係を変える」ことをきっかけとする
・人材開発・組織開発は、企業の「業績」に直接的に影響しないが、現場の管理職や従業員の「行動変容」を導くことによって、戦略の実行を後押しし、「間接的」に業績(利益)に貢献する
・アカデミック・プラクティショナー:高度な科学知に根差しながら、経営・現場に価値貢献できる実践者
・職場における3種類の支援
①業務支援
②内省支援
③精神支援
・越境学習:人が組織内外を往還しながら、組織の外で学ん -
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中原淳先生の実践及び研究の成果を凝縮してまとめた集大成のような書籍。幅広くコンサルティング業に関わる人の他、組織内コンサルタントである人事職の人にもおすすめ。特に新人の方や育成に関わる方。人材開発、組織開発の基本的な考え方が非常に平易な文章でわかりやすく解説されている。注釈や巻末のブックガイドで参考となる書籍や研究が丁寧に紹介されており、この一冊から派生して勉強を進めるのにとても良い。何よりクライアントとの出会いから課題の特定、試作の実施、評価と別れまで一連の流れを体系化、構造化した解説は見事。特に7ステップに分解した流れの中で、「実践」フェーズに割いたページ数が非常に少ないのが印象的というか
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中原淳先生の本を読むのは「フィードバック入門」に続いて2冊目。前の本もだが、抽象的な話と具体的な話のバランスが程よく混ざっていて、読みやすく、理解も進む。
これからマネージャーをする人に向けて、具体的にその心構えや起こりうる事態か挙げられていたので、とてもためになった。
すでにマネージャーの立場にある人にもためになりそう。
ことあるごとに読み返そうと思った。
以下、覚えておきたいこと
⚪︎マネージャーとは、他者を通じて物事を成し遂げること→マネジメントの本質は、他者によって物事が成し遂げられる状態をつくること
⚪︎マネージャーが乗り越えなければならない課題
①部下育成
②目標咀嚼
③政 -
Posted by ブクログ
人材開発などを専門とする著名な大学教授である中原淳による新書。新任マネジャーに向けた、プレイヤーとマネジャーの仕事の違いと、その挑戦課題(いわゆる、チャレンジ・ぶつかる壁)とその乗り越え方に関するヒントを描いている。これを読むことで、そもそもマネジャーに期待される仕事は何なのか、どんな難しさがあるのか、どのように捉え、どのように対処すれば良いのか、イメージを持つことができる。また、実例も多く紹介されているため、他のマネジャーはどう感じてきたのか、他の人の捉え方や具体的な状況におけるチャレンジを知ることもでき、より理解を深めることができる。なお増補版は、業績を伸ばしつつ残業を抑えるチャレンジにつ