あらすじ
▼宮坂 学氏(東京都副知事)推薦!
「シェアド・リーダーシップ」が未来を切り開く。
旧来のトップダウン型からの脱却がなぜ重要か、
そしてシェアド・リーダーシップへの移行方法を探ることができる一冊。
▼金井壽宏氏(立命館大学 食マネジメント学部 教授、神戸大学 名誉教授)推薦!
優れたリーダーの実践から導き出された方法をもとに、
リーダーシップをどのように「シェア」すればよいのかが可視化されている。
孤独になりがちなリーダーシップの旅を救ってくれる良書だ。
──「はじめに」より (一部再編集のうえ抜粋)
マネジャーの皆さんへ
中原 淳
この本は、現在マネジャーを担っている方、また、これからマネジャーを担っていくであろう方に向けて書かれたものです。マネジャーおよびマネジャー候補生の皆さんが、自分の職場やチームを「全員活躍チーム」の状態にしていくこと。すなわち、チームの全員がリーダーシップを発揮して活躍し、成果を上げるチームのあり方である「シェアド・リーダーシップ(shared leadership:共有されたリーダーシップ)」を、いかに実現していくかについて、様々な研究、データに基づきながらご説明をしていきます。
全員が活躍するチームづくりを社内に広めようと考えている企業の経営者や人事部門の方々、また、大学などでシェアド・リーダーシップを学ぼうとされている学生の皆さんにも活用いただける内容となっています。
【内容紹介】
昨今、イノベーティブ企業などをはじめとした、成果を上げている様々なチームで「シェアド・リーダーシップ」というチームのあり方が実践され、注目を集めています。「シェアド・リーダーシップ」とは、職場の「一人ひとりがリーダーシップを発揮し、その影響力が、複数のチームメンバーによって担われている創発的なチームの状態」を指します。一言でいうと「全員活躍チーム」です。
本書の内容は、日本の大手イノベーティブ企業14社にご協力をいただき、シェアド・リーダーシップな全員活躍チームを実現させているマネジャーを対象とした調査に基づいて構成されています。調査から見えてきたことは、マネジャーたちは何となく自然に全員活躍チームを実現したのではなく、シェアド・リーダーシップの実現をしっかりとイメージして、「意図」を持って、それをつくり上げていたことでした。マネジャーが、意図的に仕掛けるプロセスでは、自身の行動を変えていることが見えてきました。つまり、マネジャーの行動面での「リーダーシップ・シフト(リーダーシップの変化:leadership shift)」によって、チームの「リーダーシップ・シフト」を生じさせていることが、発見できたのです。
本書では、マネジャーの行動のシフトによって、シェアド・リーダーシップな全員活躍チームへとシフトさせていくプロセスを5つのSTEPで解説します。
■目次
序章 マネジャーを取り巻く変化
第1章 シェアド・リーダーシップとは
第2章 STEP1 イメトレしてはじめる
第3章 STEP2 安心安全をつくる
第4章 STEP3 ともに方針を描く
第5章 STEP4 全員を主役化する
第6章 STEP5 境界を揺さぶる
第7章 シェアド・リーダーシップを組織の力に
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
昨今話題になっているシェアドリーダーシップに関わる本。意外と大事なのが「自社におけるリーダーシップの定義は何か、一般の定義から何をどう濃淡つけるのか」をグループ内で認識を揃えることだと思う。そこから、イメトレ(自分がとある状況になったらどう対処するかのプロセスまでをトレーニングすること)や安全安心の文化など、次のステップに行けるのだろうなと思う。また、リーダーシップそもものは、役職の有無にかかわらず私たち自身が発揮していくもの、ということを忘れずにいたい。
Posted by ブクログ
ここ数年やってきたことを後押しして、さらによくできると思える内容。
いくつかヒント得たので、チーム運営に取り込んでいきたい。
周りのマネジャーにも薦めてみてるけど、こういうのを信じられるかどうかがまずは大事。成果もすぐに目に見えてでてくるわけではないので、成果を感じ取れるまで、信じ続けられるかどうかかな。
Posted by ブクログ
リーダーシップの定義を従来の「リーダーとなったものが発揮するナニか」ではなく、「集団の共通目標の達成に向けて発揮させる影響力のプロセス」としているところがとてもしっくりくる。
その既成概念の「リーダーシップ」からのシフトを具体的なステップを踏んで変えていく説明はとてもわかりやすい。
ビジネススピードの変化に伴う事業範囲の広がりや責任範囲の曖昧さを乗り越えていくためのマインドをシフトすることとそれを時間を駆けて変えて必要性を感じる一冊だった。
Posted by ブクログ
リーダーシップを「集団の共通目標達成に向けた影響力のプロセス」と定義し、その内容を説明しています。
役職に就いていない個人が示す優れたリーダーシップの特徴として、理想の明確化、課題解決への探求、信頼の構築、そして組織内外での連携開拓を挙げています。特に、リーダーシップは一人の人間に限定されるものではなく、「シェアドリーダーシップ」の重要性を強調しています。
マネージャーは、担当チームの事業・仕事のビジョン、メンバーの活躍のさせ方、そして自分自身のあるべき姿を内省し、少し未来まで想像することが重要です。
特にメンバーの活躍については、事業目標と個々の成長を連携させて考え、マネージャー自身がどこをリードし、メンバーに何を任せるかを明確にする必要があります。リーダーの機嫌がチームの協調性に影響を与えるという研究結果もあり、マネージャーにこそ「余裕」が不可欠です。
単に仲良く話すのではなく、対話を通じてチーム内に共通認識(共有メンタルモデル)を築くことが成功には不可欠です。そのためには、対話の内容をポジティブな要素から順に提示し、テーマを一つずつ区切って議論することが推奨されます。また、メンバーの発言をまずは受け入れ、決定の経緯と根拠を丁寧に説明しつつ、意見への感謝と配慮を忘れない姿勢が大切だと強調しています。
個々の強みを活かした役割分担の重要性を強調し、技術的なスキルから対人スキルまで幅広い強みを考慮したアサインメントを推奨しています。次に、任せる仕事の意義を丁寧に伝えることが、メンバーのエンゲージメントと組織へのコミットメントを高めると指摘しており、個人のキャリア形成との関連付けが鍵となります。さらに、メンバーが自信をもって表舞台に立てるよう後押しすること、そして活動における適切な軌道修正を問いかけを通じて行うことで、自主性を育む重要性も示されています。最終的には、特定のメンバーにスポットライトを当てることで彼らの存在感を高めつつ、他のメンバーへの配慮も忘れないように促しています。
Posted by ブクログ
感想
読みやすい。過去のリーダーシップ研究も入ってて、わかりやすい。
評価
リーダーシップのやれそうでやれないところを、
マネージャー目線でうまくまとめていて、
かつシェアドリーダーシップの要諦をかいつまんで、
伝わりやすくしててすごい。
内容
Posted by ブクログ
職場やチームが「全員活躍チーム」になること、すなわち、「シェアド・リーダーシップ」をいかに実現していくかを様々な調査・研究に基づき明快に解説しています。
シェアド・リーダーシップの概要やメリットの解説も充実していますが、それに留まらず、それを実現する(=リーダーシップをシフトする!)ためにマネジャーが取り組むべきことを5つのステップで具体的に説明しているところが本書の一番の特徴かと思います。
関連して、「心理的安全なチーム作り方」や「仕事の任せ方」のポイントや実際に職場で行える具体的ワークの紹介なども非常に有用に感じました。
特にマネジャーの皆さんにお勧めしたい良書です。
Posted by ブクログ
新人マネジャーにとって、メンバーとの関係性は本当に難しい。
そんな時に大好きな中原先生の名前の本!
実質的な著者の堀尾さんにも中原イズムが感じられ、実務に活かせそうです。
Posted by ブクログ
シェアド・リーダーシップにより、変化の激しい状況に対応できるようにする。
マネージャーを取り巻く環境が変化し、マネージャー(リーダー)だけのリーダーシップでは仕事への対処が難しくなっているという状況を踏まえ、本書はチームメンバー一人ひとりがリーダーシップを取れるようにするシェアド・リーダーシップを提唱している。
シェアド・リーダーシップを進めるため、具体的に5つのステップを踏む必要があるとして、本書は一つ一つもかなり具体的に解説してくれる。まずは自分がイメージを固めたうえで、心理的安全性の確保に動くというのが、難しいかもしれない。自分自身も目指したい方向性として、本書で学んだことを順に考えて対応していきたいと感じた。
Posted by ブクログ
メンバーの一人ひとりがリーダーシップを発揮することで、全員活躍チームを目指すシェアド・リーダーシップ。
その有効性の科学的根拠に続き、5つのステップで組織の作り方を示す。
リーダーシップは全員が発揮するものという考え方は、今では目新しくはないが、それを意図的に引き出すという点で、いくつかの気づきがあった。
まず、順番が大事だということ。
特に1.イメトレしてはじめる。2.安心安全をつくる。3.ともに方針を描くの順番は必須。
そのうえで4.全員を主役化する。5.境界を揺さぶる。
チームの規模や、チームの目的目標、構成員によってもかなり差があるとは思うが、1〜3だけでも相当な労力と時間を要するイメージを持った。
マネジャーは、結果や変化を焦らず、忍耐強く一つずつステップを登ることが求められるのではないか。
したがって4半期ベースの業績KPIだけを追い求めるチームで取り入れるには、かなりハードルが高そうだ。
その期間を耐えられるかどうかに、実践企業の本気度が現れそうな気がした。