谷川俊太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトル『ありがとう』と、あどけない少女の表情に惹かれました。谷川俊太郎さんの詩です。
卒業を前にした緊張感と、自然とこみあげてくる少女のありがとうの気持ち。そして周りも自分も大切にしてほしい、そんな谷川俊太郎さんの気持ちがあふれていました。
卒業証書授与式のセッティングし終えた、ひんやりと、ひっそりした体育館。職員同士で「いよいよ明日ですね」とホッとして話すひととき。当日の緊張感と寂しさを自分の中で感じるひととき。好きだなあ。
高校のときだったか“ありがとう”を漢字で書くと“有難う”だと知ったとき、今までの何倍も、この言葉が好きになりました。語源は“有(あ)り難(がた)い」。滅多にないことなんだよなあ。当たり前のことなんて、この世の中にないんだよなあと。
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Posted by ブクログ
こんな風に文章のやり取りができたら素敵だなぁ,と素直に思った.
大好きな二人の手紙のやり取り.
・・・「鋼鉄爺さんvsパンク姐さん」笑
僕の中では谷川俊太郎さんは「鋼鉄爺さん」だし,ブレイディみかこさんは「パンク姐さん」なのだ.
谷川俊太郎という人は,本当に不思議だ.
とても優しく,含みを多分に持ち,いくらでも解釈できる余白を残した詩を書く.
なのにその奥には,社会を見通す鋭さと,人間への冷静な観察がある.
人間という生き物を,どこか冷徹に捉えている.
そして最後には必ず,「それでも生きろ」と言う.
ただ漂って生きていればいいわけじゃない.
しなやかに,鋼の魂で生きろ.
そんな檄を飛ばしてくる.
だから僕の中ではどうしてもメタルな感覚になってしまう.
優しい言葉の奥に,鋼の芯が通っている.
一方のブレイディみかこさんは,相変わらずパンクだ.
地べたを這う生活者としての怒りや違和感を,力強く言葉に紡ぐ.
思想を語るときでも,必ず生きる者の感覚を手放さない.
現実の泥の中から,言葉を引きずり出してくるような強さがある.
そんな二人が語る「あの世とこの世」.
音楽,人生観,死生観・・・
あの世の代表=谷川俊太郎?
この世の代表=ブレイディみかこ?
え?なんて大変失礼かつ不謹慎なことを思って,ちょっとニヤニヤしながら手に取った一冊だったけど・・・
読んで良かったなぁ.
ますますお二人が好きになりました!
人を思い,自分を思い,言葉にする.
出来そうで出来ないこのシンプルな難題に,二人はまったく違う方法で答えてくれている.
メタルとパンク.
方法論は違うけれど,どちらも同じ方向を向いている音楽だ.
お二人のやりとりは,言葉という楽器でセッションしているのを見ている気分だった.
この往復書簡は,論争でも対話でもなく,
生きることについての熱い共同戦線のように僕には映った.
こんな会話を続けながら歳をとれたら,きっと悪くない人生だと思う. -
Posted by ブクログ
ネタバレ詩と、
ちょっとしたエッセイのような文章?が、
織り交ぜられていた本でした。
小学校のときに国語の授業で習った作品が乗っていたりして懐かしかった、けれど私はその後、詩を鑑賞することはほぼなく、とても久しぶりな感じで読んだ。
詩について、
現実とフィクションと、その絶妙な塩梅みたいなものがあるらしい
文章を少し四んだだけでわかるものではないけれど、
現実にもフィクションみたいなところがあり、
詩にも現実味があるからこそ成り立つというところがあり、
あと歳を経ることによる考え方への影響って本当に大きそうだなーと改めて。自分も実際にそんなことを最近経ているような部分もあるけれど、
さらにこれからも、そうやって
いつの間にかそんな歳になっているんだろうなーと思う。
そのときはどんな技術環境であったり、世界があるのか分からないけれど
谷川さんもAIのことについて書いたりしていたけれど、
変化に知らぬふりをするのではなく、拒絶するのでもなく、
使いこなせなかったとしても、ふわっと付き合えたらいいなーと思う。
_言葉は大したものじゃないんです
過大な期待を抱かないほうがいい
僕は意味の深みよりも
言葉の連なりが生み出す美しさを大事にしたい -
Posted by ブクログ
小6の教科書で『生きる』を読んで感動して以来、谷川俊太郎さんの詩集を何冊も読んだ。谷川さんの詩はまわりくどい比喩表現も難解な言い回しもなく、とても平易なことばが紡がれているので好き。分かりやすいし、何より温度も触感もストレートに伝わってくる。
ふだんは頭で音読せずに本を読むのだが、詩はそれができなかった。頭の中の声でことばを反芻することで詩は形と意味を成すんだなと初めて気がついた。ひらがなだけの詩は、特にひと文字ひと文字を音で確認することで体にじんわりとことばがしみてくる感じ。これも、新しい発見だった。
正直言うと、帯の「解説・斉藤壮馬」で手にとった本だけれど、久しぶりの詩集は大満足だった -
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【目次】
しんでから 010
*
内なる子ども
言葉に言わせる
未知のふるさと
わたしの大磯
午後二時の
岩
さて
*
であう
(おなかのなかは)
(ほんとをおしえて)
(そらにかかる)
(まんびきは)
(えだをひろげる)
(かぎりないそらから)
(わらわないのは)
(およいでいうようで)
(わたしのなかの)
(みみがさわる)
(ひとつ)
(あなたをしりたいんじゃ)
(ここどこか)
(おっかしいね)
(みちにぼうっきれが)
(かどがあるから)
(ここからあそこへ)
(わたしはともだちに)
*
言葉の方舟
言葉の放恣
あら
自分だけ
小さな他人
かくれんぼ
カンチェンジュンガの縄
テーブルと仔ライオン
死神
桜の詩
静かな画
風
丘
木
知らない人
下を噛む
ふと 1
ふと 2
enigma
意味の美味
*
piano tweet
*
対詩 いつかなじんだ靴を履いて
(谷川俊太郎 覚 和香 -
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谷川さんの関わるものは、詩集以外にもいくつか、触れたことがある。
エッセイや対談等々、それぞれに発見があり面白い。
ブレイディみかこさんの作品も、読んだことがある。この取り合わせはちょっと不思議で、どんな化学変化が起こるのかと興味があった。
往復書簡の体裁を取るやりとりで、谷川さんからの返信にはいつも、詩が入っている。詩という形が、彼にはきっと一番、自分を表現できるツールなんだろう、というよりも、彼自体が詩の一部のような感じなのかも、と想像してしまうようなやりとりだった。
何かを論じるというのでもなく、と言ってブレイディさんが無理に合わせるというのでもなく、それぞれの発したものにそれぞれが、それぞれの感性で受け取ったものをそのまま、反射して跳ね返したら、また違う光が予想もしないところから当たって違う色を見せてくれるような。
ブレイディさんのエピソードは、なんとなく、うんうん、そうだろうなぁ、という感想。対する谷川さんの反応は、これまで読んできたものから私が勝手にイメージしていたものとはちょっと違って、意外で、面白かった。
ゆるやかなちぐはぐさが却って、2人をそれぞれに際立たせているような気がする。
なんだか、新たな谷川さんに出会えたような気がして、これまで出会ってきた作品とも出会い直せるような気がして、嬉しくなった。 -
Posted by ブクログ
自分の中で起こっていること、世界を含む自分以外のところで起こっていることを、心の目を通して俯瞰で見ている。そこに諦観が加わってじわじわと言葉たちが心に沁みてくる。その言葉は決して難解なものではなく、普段私たちが遣う平易な言葉で深いところを探っている。「黙る」という詩は「生きる」をフォーマットにしていたのが印象的。歌人の俵万智さんが本作のことについて、谷川さんが亡くなった後に手元に届いて「ああ、まだ近くにいらっしゃるんだ」という思いを強くしたというようなことを語っていたが、身体は無くなっても言葉は残るのだということを本作を読んで改めて実感した。