谷川俊太郎のレビュー一覧
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タイトル『ありがとう』と、あどけない少女の表情に惹かれました。谷川俊太郎さんの詩です。
卒業を前にした緊張感と、自然とこみあげてくる少女のありがとうの気持ち。そして周りも自分も大切にしてほしい、そんな谷川俊太郎さんの気持ちがあふれていました。
卒業証書授与式のセッティングし終えた、ひんやりと、ひっそりした体育館。職員同士で「いよいよ明日ですね」とホッとして話すひととき。当日の緊張感と寂しさを自分の中で感じるひととき。好きだなあ。
高校のときだったか“ありがとう”を漢字で書くと“有難う”だと知ったとき、今までの何倍も、この言葉が好きになりました。語源は“有(あ)り難(がた)い」。滅多にない -
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こんな風に文章のやり取りができたら素敵だなぁ,と素直に思った.
大好きな二人の手紙のやり取り.
・・・「鋼鉄爺さんvsパンク姐さん」笑
僕の中では谷川俊太郎さんは「鋼鉄爺さん」だし,ブレイディみかこさんは「パンク姐さん」なのだ.
谷川俊太郎という人は,本当に不思議だ.
とても優しく,含みを多分に持ち,いくらでも解釈できる余白を残した詩を書く.
なのにその奥には,社会を見通す鋭さと,人間への冷静な観察がある.
人間という生き物を,どこか冷徹に捉えている.
そして最後には必ず,「それでも生きろ」と言う.
ただ漂って生きていればいいわけじゃない.
しなやかに,鋼の魂で生きろ.
そんな檄を飛 -
Posted by ブクログ
ネタバレ詩と、
ちょっとしたエッセイのような文章?が、
織り交ぜられていた本でした。
小学校のときに国語の授業で習った作品が乗っていたりして懐かしかった、けれど私はその後、詩を鑑賞することはほぼなく、とても久しぶりな感じで読んだ。
詩について、
現実とフィクションと、その絶妙な塩梅みたいなものがあるらしい
文章を少し四んだだけでわかるものではないけれど、
現実にもフィクションみたいなところがあり、
詩にも現実味があるからこそ成り立つというところがあり、
あと歳を経ることによる考え方への影響って本当に大きそうだなーと改めて。自分も実際にそんなことを最近経ているような部分もあるけれど、
さ -
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小6の教科書で『生きる』を読んで感動して以来、谷川俊太郎さんの詩集を何冊も読んだ。谷川さんの詩はまわりくどい比喩表現も難解な言い回しもなく、とても平易なことばが紡がれているので好き。分かりやすいし、何より温度も触感もストレートに伝わってくる。
ふだんは頭で音読せずに本を読むのだが、詩はそれができなかった。頭の中の声でことばを反芻することで詩は形と意味を成すんだなと初めて気がついた。ひらがなだけの詩は、特にひと文字ひと文字を音で確認することで体にじんわりとことばがしみてくる感じ。これも、新しい発見だった。
正直言うと、帯の「解説・斉藤壮馬」で手にとった本だけれど、久しぶりの詩集は大満足だった -
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【目次】
しんでから 010
*
内なる子ども
言葉に言わせる
未知のふるさと
わたしの大磯
午後二時の
岩
さて
*
であう
(おなかのなかは)
(ほんとをおしえて)
(そらにかかる)
(まんびきは)
(えだをひろげる)
(かぎりないそらから)
(わらわないのは)
(およいでいうようで)
(わたしのなかの)
(みみがさわる)
(ひとつ)
(あなたをしりたいんじゃ)
(ここどこか)
(おっかしいね)
(みちにぼうっきれが)
(かどがあるから)
(ここからあそこへ)
(わたしはともだちに)
*
言葉の方舟
言葉の放恣
あら
自分だけ
小さな他人
かくれんぼ
カンチェンジュンガの縄 -
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谷川さんの関わるものは、詩集以外にもいくつか、触れたことがある。
エッセイや対談等々、それぞれに発見があり面白い。
ブレイディみかこさんの作品も、読んだことがある。この取り合わせはちょっと不思議で、どんな化学変化が起こるのかと興味があった。
往復書簡の体裁を取るやりとりで、谷川さんからの返信にはいつも、詩が入っている。詩という形が、彼にはきっと一番、自分を表現できるツールなんだろう、というよりも、彼自体が詩の一部のような感じなのかも、と想像してしまうようなやりとりだった。
何かを論じるというのでもなく、と言ってブレイディさんが無理に合わせるというのでもなく、それぞれの発したものにそれぞれが、 -
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自分の中で起こっていること、世界を含む自分以外のところで起こっていることを、心の目を通して俯瞰で見ている。そこに諦観が加わってじわじわと言葉たちが心に沁みてくる。その言葉は決して難解なものではなく、普段私たちが遣う平易な言葉で深いところを探っている。「黙る」という詩は「生きる」をフォーマットにしていたのが印象的。歌人の俵万智さんが本作のことについて、谷川さんが亡くなった後に手元に届いて「ああ、まだ近くにいらっしゃるんだ」という思いを強くしたというようなことを語っていたが、身体は無くなっても言葉は残るのだということを本作を読んで改めて実感した。