堂場瞬一のレビュー一覧

  • 漂泊 警視庁失踪課・高城賢吾

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    失踪課のメンバーである明神愛美が偶然居合わせた火事のバックドラフトに巻き込まれ負傷。
    物語は愛美の復帰までと、火災現場に残された二つの遺体の事件の解明。
    失踪届が出された人気ミステリー作家の行方を追う三つのストーリーが同時に進行し、互いに絡み合う複雑な様相を呈していく。
    昇進に並々ならぬ意欲を持つ阿比留に気を使いつつ、高城は人気ミステリー作家である藤島の行方を追う。
    ストーリーは二転三転しながら、徐々に事件の核心に近づいていく展開は相変わらず面白い。
    本調子とはいえないまま現場復帰を果たした愛美へ素直に優しくできない不器用な高城もいい。
    優しい言葉のひとつもかけられない人間は、ちょっとした優し

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    2017年04月16日
  • 神の領域 検事・城戸南

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    殺された被害者の身元が判明しないまま時間は過ぎていき捜査も行き詰る。
    主人公である城戸は被害者が身につけていたある物に注目し、被害者の身元を確定させる。
    事件の真相と城戸の忘れられない過去が交錯し、絡み合い、「勝つということ」の意味をも考えさせる物語になっていた。
    事件の捜査や真相とはほとんど関係のない場面が一番印象に残った。
    スカウトのために訪れたグラウンド。
    余力を残しながら最終周まで走り続け、最後の最後で抜き去って1位となった選手への久松の言葉が強烈だ。
    勝つことは当たり前の前提としてあり、記録を狙い、記録を更新し、結果として勝利も手に入れる。
    才能と言ってしまえばそれまでだが、一段高い

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    2017年04月14日
  • 解

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    大学時代の夢を叶え、大江は中堅政治家として頼りにされる存在となった。
    鷹西はジャンルを時代小説へと移行し、安定した売上を見込めるシリーズを持つ作家となった。
    互いに忙しく以前のようには会えなくなったけれど 、友情は少しも変わらない。
    だが、鷹西が記者として地方に転勤になっていた時代に起きたひとつの未解決事件が二人の関係を変えてしまう。

    物語の最後で提示されるひとつの未来。
    それが正しいのか、それとも間違っているのか。
    鷹西にもたぶんわからないままなのだろう。
    まさに鷹西が問い詰めようとしたあの瞬間起こった出来事に、運命のようなものを感じてしまった。
    時代が、国が、必要としている存在。
    そんな

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    2017年04月11日
  • 埋れた牙

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    東京、吉祥寺が舞台の小説。ここが犯罪多発地帯でもないため、主人公は新人指導を兼ねて2人で捜査を開始。守護者でありたいと願う瀧の地元ならではの土地鑑と人脈が捜査を前に進めて行く。東京に不案内な私にとって、主人公の目を通した街並みはさながらタウンマップのようでした。そうそう犯罪率も高くないので、続編は無理かなあ...

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    2017年04月04日
  • 親子の肖像 アナザーフェイス0

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    短編集。
    一人息子・優斗が誕生する直前から物語は始まっている。
    家庭のことは妻・奈緒にすべて任せ、目標でもあった捜査一課への異動を目前にし、やる気が漲っている大友の姿が描かれている。
    しかし、時は経ち、やがて優斗も成長していく。
    相変わらず捜査に明け暮れる日々の中で突然起きた信じられない出来事。
    奈緒の事故死・・・大友は奈緒の存在の大きさを改めて思い知らされる。
    優斗が生まれたときから父親だったはずなのに、いざ一人きりで育てていなかなければならなくなったとき、多くの選択を大友は迫られる。
    刑事としての仕事を取るか、人として父親としての立場を取るのか。
    優斗はまだ幼く、遠回りになることを承知で大

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    2017年04月04日
  • 牽制 警視庁失踪課・高城賢吾

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    失踪課、今回の事案は、プロ野球ドラフト一位指名の高校生スーパースターの失踪。
    家族にも、野球部にも、指名した球団にも告げず、突然行方をくらました。何があったのか、野球賭博事件も浮上し、その行方が気になるが、結果は・・・。
    いつもなら妄想として、捜査を助言すべく、失踪した娘の綾奈が、高城の前に出現するのだが、今回は無し。
    どうしたかと思っていたら、ラストの一行!
    続けて第9弾を読まないわけにはいかない。

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    2017年04月03日
  • 沈黙の檻

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    事件を追う警察小説には不適切な表現かもしれないけれど、堂場さんの物語はいつも安心して読める。
    ひとつずつ丁寧に積み重ねられていく事実。
    どの人物の描写もしっかりと描かれていて、物語の中に入り込んでいきやすかった。

    真実を暴くことがいつも正しいとは限らない。
    もちろん基本的には法律によって裁かれるべきだろうし、そうでなくては社会の秩序は守られないだろう。
    けれど、もしかしたら別の罪の償い方があってもいいのかもしれない・・・そんなふうにも思える物語だった。
    「沈黙の檻」、これ以上にこの物語にあう題名があるだろうか。
    自由のようでいて自由ではない。
    目には見えないけれども、確かに自分を囲んでいる檻

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    2017年04月03日
  • 共犯捜査

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    「複合捜査」に続く「検証捜査」シリーズ。
    福岡県警で起こった女児誘拐事件。
    担当するのは娘が生まれたばかりの皆川。
    身代金を受け取った犯人を追跡するが、死亡させてしまう。
    その後、共犯者が浮上。
    そして、次の誘拐事件が発生。
    しかし、何かがおかしい…
    ただの連続誘拐事件ではなく、複雑な状況が徐々に明らかになっていく。

    2017.3.30

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    2017年03月31日
  • 歪 捜査一課・澤村慶司

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    警察小説のシリーズのはずなのだけれど、男女の逃避行に物語のほとんどが費やされている。
    善悪の区別はつくけれど、何が悪いのかはわからない。
    自分が生きるために、自分が思うように進んでいくために、何の逡巡もなく人を殺すことができる。
    殺人という、人として高いハードルを越えることに対するためらいはない。
    日向とはそんな男だ。
    だが、日向をさらに上回る人間もいる。
    日向にとって他人は踏み台でしかない。
    ときには恭順の意を示しても、それはけっして本心からではない。
    嘘も方便と言うけれど、自分以外の人間を信じない日向にとって重要なのは「利用できるか、できないか」。
    それがすべてのはずだった。
    真菜は日向の

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    2017年03月20日
  • 潜る女 アナザーフェイス8

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    シリーズ第8弾。シリーズで初めて、知能犯と言われる捜査二課の手伝いに駆り出される大友。今回は結婚詐欺グループの一員とされる女性に、正体を知られずに接触するのが目的。「女性は苦手」と何かと自称する大友。犯人グループである美智留の正体に今一つ近づけない。犯人グループの検挙を急ぐ、大友や捜査二課をあざ笑うかのように、主犯格の男性が殺害され、事件は一気に動いていく…今回は合間に同期の女性刑事・高畑の様子がおかしいことも伏線として描かれる。中盤まで、全く見えない犯人像に、高畑の件も含めて、どうまとめるのか、先の展開が気になったが、まさかの結末!この作品の1つ前ぐらいに追跡捜査係とのコラボ作があったが、今

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    2017年03月15日
  • 第四の壁 アナザーフェイス3

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    アナザーフェイスシリーズ第3弾ですが、主人公大友鉄が、かつて所属していた劇団の20周年講演で起こった劇の脚本通りの連続殺人&殺人未遂事件で内部犯行は間違いないところで、誰が犯人なのか?という物語がなかなか面白かったです。
    毎回、独身の大友が女性との間で繰り広げられる恋愛一歩前という展開もシリーズの定番なのかもしれません。

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    2017年03月14日
  • 凍る炎 アナザーフェイス5

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    コラボ作品だと聞いて期待して読み始めたのだが、多少リンクする場面もある・・・といった程度だった。
    何となく肩透かしをくらった気分だ。
    大友と一人息子・優斗との関係も、優斗の成長にしたがい徐々に変化してきている。
    少しずつだが自分の世界を持ち始めている優斗。
    相変わらず子離れができない大友。
    しかし、今回の事件を通して、大友は刑事としての本来の自分を取り戻していく。
    これまではやや強制されて捜査に参加していた姿勢が、自ら望んで捜査に取り組んでいく描写が何度かあった。
    本格的に復帰するのも近いのでは?と期待したくなる。
    そして、これも相変わらずだけれど女性記者が本当にイラッとする。
    ここまで強烈な

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    2017年03月09日
  • 逸脱 捜査一課・澤村慶司

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    シリーズ第1弾だからなのか、澤村の抱える過去のトラウマが何度も意味ありげに登場する。
    いまだに過去に縛られ、「完璧な刑事」として生きることを目的にした澤村の心情が描かれている場面も多いが、いまひとつ響いてこなかった。
    ただ、構成や展開は面白かった。
    徐々に真犯人へと近づいていく澤村の行動がわかりやすく、無駄なく描かれている。
    プロファイリング担当の橋詰のキャラクターもいい。
    プロファイルを理解しようとしない澤村と、理解させる気もない橋詰。
    ふたりの会話は噛み合わず、互いに自分の言いたいことだけを伝え、自分の聞きたいことだけを聞こうとしていて奇妙な面白さがあった。
    早々に犯人はわかってしまうけれ

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    2017年03月08日
  • under the bridge

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    20170228
    NYで起こった人質立てこもり事件。犯人は射殺。裏にはNYメッツ買収にからむ3つのグループの争いが。

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    2017年03月05日
  • 刑事の絆 警視庁追跡捜査係

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    警視庁追跡捜査課シリーズ。
    刑事が撃たれた。
    同僚たちは殺気立ち、指令以外でも動き始める。
    追跡捜査課の沖田と西川も要請はないが、じっとしているはずがない。
    撃たれた刑事が過去に関わった事件を洗い始め、少しずつ犯人に近付いていく。

    2017.3.4

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    2017年03月04日
  • 敗者の嘘 アナザーフェイス2

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    アナザーフェイスの第2弾作品ですが、刑事総務課の主人公大友が放火殺人事件の被疑者が自殺した後に、弁護士の女が真犯人だと出頭するという展開の事件に入っていくという設定から始まります。
    大友の地道な捜査により、やがて事件の真相が明らかになっていく訳ですが、事件が二転三転の様相をみせつつも、最後がややなんだかな!という捻り過ぎの展開に若干腑に落ちない終わり方で、少し拍子抜けしましたかね?
    第3弾に期待したいと思います。

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    2017年03月04日
  • 虚報

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    ネタバレ

    地方の支局から本社に転勤してきたばかりの長妻は、やり手キャップの市川と組んで「集団自殺」事件を追うことになる。
    他社に抜かれることは、記者にとっては負けを意味する。
    たびたび他社に抜かれた長妻は、焦りもあって取り返しのつかないミスをおかしてしまう。
    取材相手について十分な調査をしたはずだった。
    裏をしっかりと取ったうえで記事につもりだったが、内容は事実とは大きく違っていた。
    いわゆる「虚報」である。
    自殺をキーワードに、報道の最前線で働く新聞記者たちの生き様を描いている。
    法の専門家である上山は、何故自殺を肯定するようなサイトを開いたのか。
    その謎が、彼の持論である「人には死を選ぶ権利がある」

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    2017年03月02日
  • 漂泊 警視庁失踪課・高城賢吾

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    明神愛美が、火事に伴なうバックドラフトにより重傷を負い、入院。そんな衝撃的な冒頭部に、たちまち作品世界に引き込まれた。
    彼女はいつの間にか、高城賢吾にとってかけがいのない相棒になっていたことを痛感しながら、失踪者を追いかける高城。今回の失踪者は、火事現場の遺体かもしれない有名な作家。
    そして、その失踪には、哀しい背景があった。
    この作家の告白の一部には、著者の思いもあるのだろうか。自分の小説に疑念をいだき悩むこの作家と著者の立場は、対極に位置するのではと、一般読者は邪推するが・・・

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    2017年03月02日
  • 第四の壁 アナザーフェイス3

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    大学時代の大友の姿が多く登場する「アナザーフェイス」シリーズ3作目。
    学生時代に芝居をやっていたことは知っていたけれど、まさか4度も舞台を踏んでいたとは。
    しかも、中には主要キャストとも呼べるような配役まであり、けっこう本格的にやっていたんだなと驚いた。
    劇団という特殊な集団の中で起きる軋轢。
    誰もが小さな国を作り王様になりたがる・・・なるほどなと、妙に納得した言葉だった。
    「夢厳社」の王となった笹倉は、けっして反逆を許さず徹底した服従を望んだ。
    芝居に関しては、誰の助言も聞かずに劇団を思い通りに動かそうとして殺された笹倉。
    「役者馬鹿」という言葉もあるが、笹倉も「芝居馬鹿」だったのだろう。

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    2017年02月28日
  • 高速の罠 アナザーフェイス6

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    5の話の続きは、別のシリーズに引き継がれてたのですね。
    さて、撃たれてから、勘がなかなか取り戻せない大友鉄。今後どうなっていくのか?
    高速バスの話なので、動機という点においては、予想できるもの。でも、何だか悲しい事件です。
    ラストの、大友鉄の言葉は、杉下右京を思い出しました。

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    2017年02月27日