あらすじ
バブル経済絶頂期、大学生の大江波流と鷹西仁は、政治家と小説家になる夢を語り合う親友同士。代議士の息子の大江は、大蔵省へ入省。鷹西は、社会勉強と文章修業のため新聞記者になった。目標実現のためにキャリアを積む二人だったが、大江の父親が急逝したことで忌まわしい殺人事件が……。めまぐるしく転変する彼らの人生を辿りながら、“平成”という時代を抉り出す骨太の長編社会派ミステリー。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
目次を見て、2011年が終章だったので、もしかしてこの作品にもあの大震災が関わってくるのだろうか?と思いつつ、読み終わって、そうきたか、と思ったのでした。
物語の初めに犯人がわかってしまっているので、誰が犯人なのか?わからないでドキドキするということはありませんでした。でも、果たして誰が犯人だったのかが明らかにされるのだろうか?というドキドキ感はなかなか新鮮でした。追求し切ってもらいたいような気持ちと、追求・公表してどうなるっていうんだ?という気持ちの両方が、読んでいる自分の中にあって、読み終わってから、どっちが良かったかなぁ?と考えてしまいました。
Posted by ブクログ
大学の同級生が大人になり、青春時代に語り合った夢を実現していくが。。。バブル崩壊や阪神淡路大震災など当時の社会の波を背景に二人の人生を交差させながら描かれるミステリー。しっかりと地に足を付けながらけれども容赦ないスピード感あふれるストーリーは一気に読ませる!面白すぎて途中でやめられなくなるので睡眠不足にご注意を!
Posted by ブクログ
大学時代の夢を叶え、大江は中堅政治家として頼りにされる存在となった。
鷹西はジャンルを時代小説へと移行し、安定した売上を見込めるシリーズを持つ作家となった。
互いに忙しく以前のようには会えなくなったけれど 、友情は少しも変わらない。
だが、鷹西が記者として地方に転勤になっていた時代に起きたひとつの未解決事件が二人の関係を変えてしまう。
物語の最後で提示されるひとつの未来。
それが正しいのか、それとも間違っているのか。
鷹西にもたぶんわからないままなのだろう。
まさに鷹西が問い詰めようとしたあの瞬間起こった出来事に、運命のようなものを感じてしまった。
時代が、国が、必要としている存在。
そんな無言のメッセージを鷹西も感じたのではないだろうか。
大江と鷹西が過ごした年月を、時代を行き来しながら描いていく。
当時の日本の空気を背景に、夢に向かってひたむきに進んでいこうとする彼らの姿は、そのままその頃のあちこちにいたかもしれない夢を掴もうとする人たちの姿なのだろう。
硬派な社会派ミステリーという煽り文句に違わない物語だった。
Posted by ブクログ
物事の善悪は別として、人生の機微を感じる場面が何度かあった。2人の主人公の、目標を達成する為に、迫られる選択に対しての苦悩をすごく感じた。自分が生きた時代背景を思いながら読んだため、一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
ちょっとキレイに作り過ぎたかな、と言いたくなるほどの出来栄えだと感じた。主人公2人?と世代が被る自分としては物語よりも、時代背景との絡みに共感できるものがあった。