堂場瞬一のレビュー一覧
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一之瀬シリーズ第5弾。
捜査一課に異動してから、2作目。
捜査一課で初めての後輩が出来、その後輩・春山と共に都内で起きた強盗殺人事件の容疑者の引き渡しのために、福島に向かうところから、物語は始まる。
福島で引き渡しを受けて、駅まで送還するだけで、今回の業務は完了するはずだったが、その途中で何者かの襲撃に遭い、容疑者を取り逃がしてしまう。
警視庁と福島県警は、警察の威信にかけて、奪還した犯人たちや、容疑者を追うが、背景には複雑な事情が…
今回は福島県警との合同捜査と言うことで、震災後、福島に移った同期の城田などの登場シーンも多く、新人から成長してきた同期たちの様子も描かれる。
事件の背景自体に、 -
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もしも恵の捜索を依頼してきたのが瀧の友人でなかったとしたら。
もしも瀧が武蔵野中央署に転属になっていなかったとしたら。
もしも家庭内のごたごたに気をとられて恵の失踪に気づかなかったとしたら。
そう考えると、知らないところで事件が闇に埋もれてしまっていることは案外あるのかもしれない、と考えてしまう。
堂場さんの物語にしては結論ありきのように感じた物語だった。
瀧が願い出て武蔵野中央署にやってきた理由やあかねの人物像も、 ある結末に導くためのように感じてしまった。
瀧の人物像もピリッとしておらず、珍しく中途半端な感じが残る主人公だった。
前半に差し込まれた場面も、唐突に差し込まれていたため犯人に結 -
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父親が殺害され、留学先のアメリカから帰国した14歳の一人娘・美咲。
天才少女という設定を保つために、天才ゆえのエピソードや展開が優先されていたように思う。
堂場さんの物語の中では、踏み込みが足りないと感じてしまった。
自分の命が狙われているかもしれない。
同行している刑事の身も危ない。
そんな状況の中で、いくら大切なことだったとしても状況を無視した行動をとるだろうか。
天才だとは言ってもそれは頭脳的なこと。
精神的にはまだまだ未熟で、だからこそ最善の策とはいえない方向へと走ってしまった。
そう考えればよかったのだろうか。
他のシリーズの主役たちが顔を見せる意味もわからなかった。
読者の楽しみ -
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何者かに殺害され、建築中の家の基礎部分に埋められていた綾奈。
その事件の犯人がようやく明らかになる。
解決・・・という言葉は使いたくないと思うような結末。
ずっと高城が苦しみ続けてきた綾奈の失踪事件。
思いがけない出来事から遺体が発見され、捜査本部も設置され、気の遠くなるような地道な潰し作業の末に高城はようやく犯人へとたどり着く。
失踪課のメンバーや長野たち、あらたにたった捜査本部で捜査を続けてくれている警察官たち。
多くの人たちが高城の娘・綾奈のために動いてくれていた。
思いはひとつだろう。
何故小さな命は奪われたのか・・・。
敵をとってやりたい・・・。
どんなに後悔しても、どんなに謝っても -
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交番勤務の21歳の警察官が拳銃を携帯したまま失踪する。
法月が所属する警務課をはじめ、失踪課も高城を除くメンバーが行方不明の警察官の捜索に動き出す。
一方高城は、プロ野球のドラフト会議で一位指名を受けた高校球児の失踪届が出されたことからその行方を追う。
ふたつの失踪事件は真逆の解決をみる。
警察官は自ら命を断ち、高校球児は自らの意志で戻って来る。
事件は解決したものの、高城の心はすっきりとしない。
雑とまでは言わないけれども、ずいぶんとご都合主義のような物語の展開で驚いた。
未成年者、ましたメディアにも取り上げられるような有名高校生が手術をするのに両親の同意書がないのはどうなのだろうか。
優秀 -
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失踪課のメンバーである明神愛美が偶然居合わせた火事のバックドラフトに巻き込まれ負傷。
物語は愛美の復帰までと、火災現場に残された二つの遺体の事件の解明。
失踪届が出された人気ミステリー作家の行方を追う三つのストーリーが同時に進行し、互いに絡み合う複雑な様相を呈していく。
昇進に並々ならぬ意欲を持つ阿比留に気を使いつつ、高城は人気ミステリー作家である藤島の行方を追う。
ストーリーは二転三転しながら、徐々に事件の核心に近づいていく展開は相変わらず面白い。
本調子とはいえないまま現場復帰を果たした愛美へ素直に優しくできない不器用な高城もいい。
優しい言葉のひとつもかけられない人間は、ちょっとした優し -
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殺された被害者の身元が判明しないまま時間は過ぎていき捜査も行き詰る。
主人公である城戸は被害者が身につけていたある物に注目し、被害者の身元を確定させる。
事件の真相と城戸の忘れられない過去が交錯し、絡み合い、「勝つということ」の意味をも考えさせる物語になっていた。
事件の捜査や真相とはほとんど関係のない場面が一番印象に残った。
スカウトのために訪れたグラウンド。
余力を残しながら最終周まで走り続け、最後の最後で抜き去って1位となった選手への久松の言葉が強烈だ。
勝つことは当たり前の前提としてあり、記録を狙い、記録を更新し、結果として勝利も手に入れる。
才能と言ってしまえばそれまでだが、一段高い -
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大学時代の夢を叶え、大江は中堅政治家として頼りにされる存在となった。
鷹西はジャンルを時代小説へと移行し、安定した売上を見込めるシリーズを持つ作家となった。
互いに忙しく以前のようには会えなくなったけれど 、友情は少しも変わらない。
だが、鷹西が記者として地方に転勤になっていた時代に起きたひとつの未解決事件が二人の関係を変えてしまう。
物語の最後で提示されるひとつの未来。
それが正しいのか、それとも間違っているのか。
鷹西にもたぶんわからないままなのだろう。
まさに鷹西が問い詰めようとしたあの瞬間起こった出来事に、運命のようなものを感じてしまった。
時代が、国が、必要としている存在。
そんな -
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短編集。
一人息子・優斗が誕生する直前から物語は始まっている。
家庭のことは妻・奈緒にすべて任せ、目標でもあった捜査一課への異動を目前にし、やる気が漲っている大友の姿が描かれている。
しかし、時は経ち、やがて優斗も成長していく。
相変わらず捜査に明け暮れる日々の中で突然起きた信じられない出来事。
奈緒の事故死・・・大友は奈緒の存在の大きさを改めて思い知らされる。
優斗が生まれたときから父親だったはずなのに、いざ一人きりで育てていなかなければならなくなったとき、多くの選択を大友は迫られる。
刑事としての仕事を取るか、人として父親としての立場を取るのか。
優斗はまだ幼く、遠回りになることを承知で大