坂口恭平のレビュー一覧

  • 徘徊タクシー(新潮文庫)

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    面白いような気もするけれど、時に難解。急の作者の世界にぶっ飛ぶので、ついていけないというか、理解が追い付かなかった。蠅にいたっては、状況が全くつかめず?だらけでした。

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    2017年04月15日
  • 徘徊タクシー(新潮文庫)

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    徘徊癖をもつ90歳の曾祖母が、故郷熊本で足下を指しヤマグチとつぶやく。ボケてるんだろうか。いや、彼女は目指す場所を知っているはずだ!認知症老人の徘徊をエスコートする奇妙なタクシー会社を立ち上げた恭平と老人たちの、時空を超えたドライブを描く痛快表題作と、熊本震災に翻弄された家族の再生を探る「避難所」など、三編を収める新編集小説集。巻末に養老孟司との特別対談を収録。

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    2017年03月24日
  • 隅田川のエジソン

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    下町ロケット的な話かな?
    と思って手にした本作でしたが、
    全然違った!(笑)
    まさかの隅田川沿いに住むホームレスの話。
    お金を稼がなくても生きていく術を発明と例え、
    そのあまりの充実した暮らしぶりがすごい。
    主人公のすーさんには
    実在のモデルがいて、筆者自ら取材しているだけあって、話の細部が生々しく、リアルさが伝わる。

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    2017年03月13日
  • 徘徊タクシー(新潮文庫)

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    面白いと思う。短すぎて物足りなさが残った。それは期待の裏返しということで。
    あらすじ(背表紙より)
    徘徊癖をもつ90歳の曾祖母が、故郷熊本で足下を指しヤマグチとつぶやく。ボケてるんだろうか。いや、彼女は目指す場所を知っているはずだ!認知症老人の徘徊をエスコートする奇妙なタクシー会社を立ち上げた恭平と老人たちの、時空を超えたドライブを描く痛快表題作と、熊本震災に翻弄された家族の再生を探る「避難所」など、三編を収める新編集小説集。巻末に養老孟司との特別対談を収録。

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    2017年03月05日
  • 幻年時代

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     僕の幼年時代。それは幻の時間である。


     小学校よりも前、あの頃の自分がしていたこと、何を考えていたか、どうやって生きていたのか。
     ほとんど記憶がない。
     記憶を手繰り寄せると、最初に出てくるのは幼稚園の入口の坂の下に生えていたグミの木の実をチマチマ摘んでは食べていた記憶を思い出す。

     幼いころの記憶はあいまいで、いつ俺が俺になっていったのか分からない。

     だから、筆者が今でも私小説として四歳児だったときの自分を書くことができるのがすごいと思う。
     読んでいると、確かに幼いころの世界は今とは違って見えていたことを思い出す。

     天井の木目をいつまでも眺めていたり、ベランダから見下ろす

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    2017年01月25日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    都市型狩猟採集民がどのようにして生活しているかが細かく書かれており、直ぐにでもホームレスでやっていけそうな気にはなってくる。

    根本的な「土地も水も誰のものでも無いので、お金を出して買わないといけないのはおかしい」と言う考えには共感できないが、「物を大切に」や「自給自足」と言う観点からは勉強になる。

    【学び】
    東京の大気は汚いが、2時間もすれば雨が流してくれるので、水道水より純度の高い水になる。2時間後から雨水を貯める。
    電化製品はガソリンスタンドで廃棄処分された12ボルトの車用のバッテリーで動く

    都市型狩猟採集民は自発的によく働く。ニートや引きこもりの人々は一度彼等の元に修行しにいくとい

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    2016年09月13日
  • 現実脱出論

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    坂口さんは、双極性障害(躁うつ病)を患っているそうです。
    本の中で、もっとも印象に残ったのは、
    自分が、現実だと思っているものは、本当は、現実ではないかもしれない…
    別の現実が、存在するかもしれない…
    という箇所。
    過去があるから、今がある、だから、今の現状に満足がいかなくても、それは自己責任。
    そんな考え方は、つらいよね…。
    皆、一生懸命やってきたじゃない、なのに、こんな現実、ありえないよね。
    これは、夢にちがいない。

    それでは、また。

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    2016年07月05日
  • 家族の哲学

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    エッセイととらえるべきか、小説ととらえるべきか。
    何が足りないかわからないが、好きな作品というには紙一重な感じ。

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    2016年02月10日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    「路上生活者」を、「都市型狩猟採集民」と捉え、彼らの生活を「都市型狩猟採集生活」として検証する。
    0円でも、なに不自由なく生活することが出来ることを皆さん知っていましたか?
    もちろん、この本が取り上げる「都市型狩猟採集生活」をすることを全面的に肯定するわけではありませんが、都市型狩猟採集民がもつ「物事の見方を変える」という思考のスタンスや発想の柔軟さはとても有意義なものだと思います。

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    2016年01月14日
  • 隅田川のエジソン

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    会社の倒産後、全財産を盗まれてしまった硯木正一は、隅田川沿いに小屋を建てて生活を始めます。彼は、クロやモチヅキさん、ハシモトといった、金もなければ地位もないけれども、底抜けに明るく毎日を生きている人びととの出会や、そこにあるもので工夫をかさねていく生活に、充実をおぼえるようになります。

    「豊かさ」とはなにかという根源的な問題を読みとることはもちろん可能ですが、イデオロギー的な主張は抑制されており、登場人物たちの魅力がストーリーの駆動力となっていて、おもしろく読みました。

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    2015年11月13日
  • 現実脱出論

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    いやあ、SF小説を読んでいるかのような、ハリウッド映画を観ているかような、それこそ現実空間が歪むふしぎなスピード感を持った本だった

    親族に躁鬱の人がいるのだけど、F1カーと中古車のくだりはああたしかにこんな感じだ見ていると、と思った。自殺したいと思う気持ちは、からだの誤作動なのだ、なるほどなあ。

    それにしても奥様・フーさんの存在は大きい
    過剰にならずにあるがままを認めること、寄り添うことって、簡単なことじゃないけど構えたらできない
    しばし頭をぐるぐるしそうな一冊
    これを現実に発行した、編集者という翻訳家の力もものすごいな

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    2015年03月28日
  • 現実脱出論

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    ・狭い居酒屋だったのが、満席になるとより狭く感じるかとおもいきや、大空間に感じる。
    といった空間が膨張したり、停滞したりする瞬間のほうが、正確に測った堆積や均等に流れているはずの時間よりも真実味を感じてしまう。

    ・4歳から98歳までの自分の98個の鍵盤のようにズラリと横一列に並べて歩いている。
    55歳の自分が何をしているのかを想像することと、10歳の時の記憶は音色こそ違えど同じ色。
    ・人間を機会として捉えることは「人間的」には見えないかもしれない。しかし木の枝に擬態するナナフシを思えば、人間が機会に擬態することも「生物的」な行動であることがわかる。(鬱は脳の誤作動、と捉えること)

    ・ルドル

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    2015年02月14日
  • 現実脱出論

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    あるブログで薦められていたので、手に取る。

    冒頭から引き込まれ、一気に読めた。論というほとカタくなく、むしろ著者独自の体験に根差した提案であり、エッセイ集という感触だった。また、『独立国家のつくりかた』(未読)の著者とは知らなかった。
    文章が美麗。修辞が豊か。単なる麗句ではなくて、その表現である必然を感じる。

    広義の創造行為が鍵かな、と。

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    2014年12月09日
  • 現実脱出論

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    「現実逃避」ではなく、「現実脱出」。似ているようでまったく異なる。
    坂口氏は、一般的に言われる「現実」も、自分の周りにいくつかある仮想空間のうちの1つでしかないという。彼の言う「現実を脱出すること」=「思考」であり、「まずは、現実に自分の体を合わせるのではなく、自分自身の思考をちゃんと中心に置くことだ。現実という他者に合わせて生きるのではなく、自分が捉えている世界を第一に据えよう。」と主張する。
    思考こそが、生きることそのもの。見えているものが世界のすべてではない。数年したら再読してみたい一冊。

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    2014年11月03日
  • 現実脱出論

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    前著「独立国家のつくりかた」が面白かったので楽しみにしていた。そこでいわれたレイヤーを掘り下げる本かと思ったが、しかし、どうも違う。うまく読めない。僕としては珍しく、一日数ページずつというスローペースで読んだ。



    どこまで読んだかわからなくなって行ったり来たりする。ここは読んだよな、いやはじめてかもしれないな。既視感がある。デジャブを否定されて悲しむ著者に自分を重ねたりしてみる。



    「しっかりと言語化されていない叫びを人々に投げかけたとしても、誰も耳を傾けないだろう。他社もまた自分だけの空間を持っているのだから。土足で入り込んではいけないのだ。現実さんともそのように接する必要がある。」

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    2022年06月01日
  • 現実脱出論

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    現実逃避ではなく現実脱出について考察した作品。
    ここで表現される現実とは、社会とか一般常識とかに置き換えるとわかりやすい。

    ツイッター上などでも告白しているが坂口氏自身は重い躁鬱病を患っており、日々苦しい闘病生活の中でこのような考え方が確立されたのだと思う。

    ただ、現実の空間を管理する多くの人々がいることで、この世の中が成立していることも忘れてはいけないのだ。でもたまには、時間や空間など現実の壁を忘れて、自分の営巣本能に従い籠ってみるのも面白いのかもしれない。

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    2014年10月08日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    ホームレスの生活を観察した本。文明に縛られた人間が自由であれる場所として路上生活を説明してる。お金などなくても生きていけるのである、都市の幸はどこにでも転がっているのだから。

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    2014年08月26日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    坂口さんの洞察はとてもためになるのだが、氏の他の著作と内容丸被りな部分が多く見受けられるので、初めて坂口さんの本を読む方以外にはあまり勧められない

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    2014年03月12日
  • モバイルハウス  三万円で家をつくる

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    映画のノベライズ版とも言うべき一冊。

    既にいくつかの著作が出ているので、それらを要約したような感が否めないが、モバイルハウスの集大成の一冊。

    土地に対する疑問の取っ掛かりが斬新で、モバイルハウスという解の出し方も斬新。この斬新さは改めて驚き、共感するところだ。

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    2013年12月18日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    ネタバレ

    都会の路上で暮らすことを想定して、その方法論を説く実用書。アルミ缶ひろいなどの仕事や、たきだしについてなど、ホームレスのほうがむしろ幸せなのでは、というだいぶエッジの効いた論旨が面白かった。

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    2013年10月26日