坂口恭平のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
新書版(2014年出版)が書かれた時点(2008年に遡るらしい)では著者は確実に「気が狂っていた」と思わざるを得ない。良くこの状態で他者の理解に開かれた文章を書けたものだと心底驚愕する。才能と環境と何より人の縁に恵まれていたのだろう。その希少性は想像を絶するものがある。増補部分(2020年執筆)を読むと少し安定しているようだが、それでも直近の症状から1年に満たないので危うい感じは消えない。
創造と狂気は昔から気になるテーマのひとつではあるのだが、これはその当事者研究者のようだ。
「人に合わせずに、膨大な量を作る、これだけが創造を仕事とする人には重要なことです。(中略)とにかく毎日、作る。(中略)無尽蔵に生まれるくらいの好きなことに毎日3時間くらい集中できるようにする、ということくらいです。大事なことは。」
「食っていけてない人は単純に作っていないだけです。」
「自動的に死ぬまで作り続けることを見つけるんです。(中略)飢え死にしてもいいと決めて、ひたすら夢中でやってみるんです。飢え死にするよりも先に、作品が売れると確信しています。」
全くもって狂気とは縁遠く合理的に作家業を営んでいるように見える森博嗣と同じことを、坂口恭平が言っているのがとても印象的。
躁鬱は浮き沈みがあるので、毎日同じ時間割で生きるのはしんどいのではと思うのだが、逆に生活サイクルの固定化が病状に良い影響を生んでいるのかもしれない。
-
Posted by ブクログ
著者は「いのっちの電話」という、自殺願望のある人向けの。いわば私設の電話相談をおこなっている人。著者自身も躁鬱病でありながら、このような相談受付をおこない、一人でも多くの人を救おうとしているが、電話で対応できる人数にはおのずと限界があり、もっと多くの人を救おうとの想いでこの本を執筆するに至ったとのこと。
自分も仕事の好不調に応じて、逃げ道を探したいときにひどく気分が落ち込むことがあり、この本を読むことでなにか心の癒しを得ることができれば、あるいは勇気づけられることがあればと思い読んでみることに。
自分の場合はいのっちの電話にかけなければいけないほど、ひどい状態ではありませんが、それでも、「あなたは『24時間悩み続けることができる人』、これは結構すごいこと」という一文には救われた想いです。
悩んでいるとき、頭に浮かんでくることを言葉にして書いてみる、は自分にとっては有効な処方箋かもしれないと思いました。 -
Posted by ブクログ
実在のホームレスをモデルに書かれた「小説」。主人公の硯木が著者に向かって語り聞かせているような文体でサクサク読める。この本より後に書かれた『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』で著者の主張や、いろんなホームレスがいることを知っていたので驚きもせず読んだが、予備知識なしにこれだけ小説として読んだら、けっこう突飛なものだと思うかもしれない。主人公たちの創意工夫や生活態度には、ヴェルヌの『神秘の島』を髣髴とさせるものがある。また、隅田川を流れるチョウメイさんやラストシーンなどファンタジー風味すら感じる。
『ゼロから・・・』より、むしろ小説形式のこちらの方がホームレスの辛い側面も率直に描かれる。結局は体力・気力・才覚、そして仲間がいないとやっていけないのである。本当に狭いニッチに生きる人たちなので、誰にでも真似できるかと言えばそうではないだろう。
ラストは主人公らの旅立ちの場面であるが、実際、街中でなければこの生活は無理だろうな。
解説が石川直樹というのも意外なような納得感があるような。彼が書くように、他人と喧嘩しない硯木のしなやかな姿勢も読みどころのひとつ。 -
Posted by ブクログ
★ホームレスが作る0円ハウスについて書いた本。
誰かが捨てたもので可動式の簡易ハウスが作れて、おまけに家を必要に応じて簡単に作り変えることができる優れもの。
想像力と生命力さえあれば、活きているTOKYOという街に住む人の偉大さを描いた本。
■気付き1:
知識とやる気さえあれば、お金をかけなくても快適な生活が送れる
■To Do 1:
快適さを追求しよう。1次的に努力の後はずっと快適さが残る。
■気付き2:
人と人とはコミュニケーションでつながりあっている
■To Do 2:
笑顔で、いろんな人と接しよう。話しかけよう
■気付き3:
捨てる神あれば拾う神あり
Give & Giveで本当の関係が築ける
■To Do 3:
一瞬の得でずっと損より、一瞬の損で一生の得を得られるように思いやりをもとう