坂口恭平のレビュー一覧

  • 隅田川のエジソン

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    ホームレスとして暮らす主人公・硯木と隅田川沿いのホームレス仲間たち。「ホームレス」と言ってしまうとイメージが良くないけれど、お金ではなく知恵と工夫で生き抜いていく姿に、生き物としての本来の暮らし方を考えさせられた。
    暮らしを楽しみ、ふわりと、しかし前向きでしなやかな生きていく――読んでいて楽しく、爽快な気持ちに。

    p250
    人間は、アイデアを使い、工夫し、方法を発明することで自分にとって必要な最小限の空間を発見することが出来る。さらに壁に囲まれた空間だけを家を感じるのではなく、脳味噌を使うことで、壁を通り抜けて広大な世界を自分の空間と体感出来る。
    硯木は無意識にこの極小と無限大の感覚を同時に

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    2020年09月12日
  • 独立国家のつくりかた

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    この本が出版されてから8年。昨年、参院選後に見つけた著者と山本太郎さんの対談の動画に、ご本人が「そんなこともありましたね」とコメントされてたけど、もうここに書かれていることは、坂口恭平さんにとっては過去のものなのかな?
    タイトルは『独立国家のつくりかた』だけど、「坂口恭平ができるまで」という感じでもある。「新政府総理大臣」ということは知ってたけど、具体的なことはこの本を読んでようやくわかった。私の知らない人の名前(有名な方でも)や本のタイトルがたくさん出てきて、この方の頭の中はホントどうなってるんだろうと・・。つまんない言い方しかできないけど、頭の良い方であるのは間違いないよね。
    最後の方、鬱

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    2020年08月25日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    自分でやってみようとは思わないが、もう一つの都市暮らしの一面を覗いたようでとても面白かった。自分の暮らしを言葉にして楽しそうに語れるようになりたい。

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    2020年05月21日
  • 隅田川のエジソン

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    今から20年以上前、舞台は1990年代後半の東京、主役の路上生活者が読み手を終始わくわくさせてくれる物語であった。著者は東京の路上生活者を取材した「TOKYO 0円ハウス 0円生活」という本を書いており、その取材ネタを元に小説に落とし込んでいるので準ノンフィクション的な小説である。

    僕自身、出世しないタイプというか、宝探しや小さなリサイクルや小屋建てや青空宴会が大好きであって読んでてずっとわくわくだった。またこれは小説の要素だと思うけどクロやモチヅキさんのようなひたすらに利他的な仲間がすごくいいなあと思った。

    テレカ、モーニング娘。、時代を感じる一方、あの頃は今より絶対息苦しくない緩い時間

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    2020年05月17日
  • 隅田川のエジソン

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    ネタバレ

    隅田川に暮らすホームレスの生活を舞台にした小説。東京にはこれだけゴミがあったんだなあと思う。建築学科卒の作者だけあって、やっぱり、「家」についての知識がすごい。

    建物としての家と、そのなかに展開されるホームとしての家。ハードとソフトのどちらについても考えさせらる内容だった。

    もちろん、人の暮らしはどんな家にすむか、というハードに左右されるところがあって、どんな家にすみたいか、というのはその人の哲学が反映されるところでもある。家とは、中であって外でもあるんだなと思う。今までなかった「家」ができてくるのは、新しい哲学の誕生なのかも。ていうか、ホームレスってすごく原始的というか古いものだと思って

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    2020年01月23日
  • モバイルハウス  三万円で家をつくる

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    「モバイルハウス、自分もいつか絶対作ってやるぞ!」って思った。

    著者は無駄に高額な住宅建築費用に疑問を投じ、モバイルハウスを思い付き、それを実現させたのですが、自分は純粋に「費用的に誰でも作れるし楽しそう!」そんな気持ちでした!
    夢膨らむアイデア、読んでめっちゃわくわくしてきましたよ!!
    2階建ての自分の書斎も夢じゃないんだな~。
    モバイルハウスについては自分でもうちょっと研究してみようとい思います。

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    2019年06月03日
  • TOKYO0円ハウス0円生活

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    東京の路上生活者の暮らしを狩猟採集、都市をそのフィールドとして人工の自然と捉え、そこでの暮らしを観念でなく、リアリティを伴って描いている。そのリアリティが重要であり、著者同様に彼らの生活の豊かさに勇気付けられる。電気がタダで手に入る話が衝撃。

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    2019年02月10日
  • TOKYO0円ハウス0円生活

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    自分の知らない世界を知れた本。ホームレスにも色々あることを改めて知った。特に夫婦でホームレスをしている方々へのインタビューと追跡は、事細かに書かれている分、想像もしやすく面白かった。

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    2019年01月07日
  • 独立国家のつくりかた

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    かなり危なく、ぎりぎり面白い。
    そういった印象だった。

    今の国家を否定し、新しい国家をつくるということ。
    それは、坂口さんが考えて考えて考えた結果の、行為だ。

    “こんなんじゃ駄目だ”と思った事柄に対し、向き合い必死に考える。

    何が必要なのか。
    何をすべきなのか。
    どうしたら世界が変わっていくのか。
    その行動力や態度に対しては、尊敬を覚えるし、
    思考の広がりや組み立てかたには、面白さを覚える。

    考え自体には、かなりギリギリな印象を覚えつつも、それでも惹き込まされる。
    読んでよかった本であるし、考え方の幅を広げてくれる意味で非常にいい本だと感じた。

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    2019年01月04日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    高い解像度の視点で都市を眺めれば、多様な階層(レイヤー)が存在することが分かる。その中から、他人が必要としていないが自分が必要とする「都市の幸」を過不足なく手に入れていく生き方。必要なものは必要な時に都市から手に入れればよいので、財産やモノに束縛されなくなる。既存の社会の枠組みにも束縛されず生きる。そんな都市型狩猟採集生活を熱く説く本。家や仕事に執着しなくても、自分自身の家や仕事を自分で作り出すことができる。

    無理スジに思えるところもある主張だが、自分をひたすら家畜化して生きる現代人(含むボク)には突き刺さる問いかけではなかろうか。ジャレド・ダイアモンドが「銃・病原菌・鉄」のプロローグで書い

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    2018年11月05日
  • TOKYO0円ハウス0円生活

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    ネタバレ

    こんな風にとらえたことがなかったのでとても衝撃でした。
    今の私たちの生活っていかに無駄などが多いのだろうかとも思いました。

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    2018年07月27日
  • 独立国家のつくりかた

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    ネタバレ

    *印象に残った言葉※
    ・歩き方を変える。視点を変える。思考を変える。それだけで世界は一変するのである。自分に無数の「生」の可能性があることを知る。
    どんな退屈な世界に身を浸していても、冒険を見つけ出すことができるようになった。何かを「帰る」ことが革命なのではない。むしろ、革命がすでに起きていることを、思考の転換によって見つけだすことができる。それは「変える」というよりも「拡げる」方法論である。生き方は無数にあるという事を気づく技術

    ・「考える」とは何か。
    これはつまり「どう生き延びるか」の対策を練るという事である。「生きるとはどういうことか」を内省し、外部の環境を把握し、考察することである。

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    2018年03月25日
  • 現実脱出論

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    躁うつ病で本人もいのちの電話を解説してる坂口恭平の人生論。

    実際に色んな行動をしてるだけあって、とても示唆に富んでいて面白かった。

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    2018年02月10日
  • 2030年の旅

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    8人の作家が2030年の日本を舞台に“未来”を描いた短編集。AIやドローンなど今より少しだけ進んだ技術描写が面白い。個人的には支倉凍砂の『AI情表現』がコミカルな中に切なさとある種の爽快感があって好きだった。クライマックスでの自身の限界を認識しているようなAIの言葉の数々が刺さる…

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    2017年12月23日
  • 2030年の旅

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    2030年を想定して書かれた近未来SF。ここまでは進まないんじゃないか、いやもっと進むんじゃないかという様々な考えがあって面白い。2030年には私は60歳ですが、どんな世界になっているんでしょう?

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    2017年11月29日
  • 2030年の旅

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    未来の日本のお話を描いた恩田陸を含む8人の作家による短編集。私が気に入った作品。

    恩田陸「逍遥」。意識上で集まった3人がなくなった時計の謎に挑む。それは空間を越えて、情報を他人と認知できる能力。いつの世界も技術が発達しても、ひとがやることは変わらないのですね(笑)

    小路幸也「里帰りはUFOで」日本のどこかの、どいなかの街。そこは日本でインフラが整備された街。友達と里帰りすることになった大学生の野宮淳一は、UFOの目撃話を聞いて。。
    自動運転が当たり前になった社会。世の中の暮らしがどう変わるのか。

    支倉凍砂「AI愛情表現」。AIに恋愛相談をもちかける浩太。AIはひとのパートナーになりうるの

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    2017年11月05日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    今いる場所のまま、見方を変えるだけで違う世界に見えること。
    同じ土地のなかで違う階層に住んでいる人がいること。
    そういうことがとても興味深く、社会システムは変えなくても、変わらなくても、そのなかで自分が決意さえすればいつでもそれに惑わされずに生きることは可能なのだ、と思えるのは心強い。
    でも、現実問題、女はやはり難しいような気がする。

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    2017年02月26日
  • ゼロから始める都市型狩猟採集生活

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    都市的幸: 你会得衣服,鞋子,餐点,小酒,シャワー,娯楽,商品和住舍。常時中高級房子的ゴミ,教会有衣服,鞋子,小酒和商品。時々渋谷区代々木公園,荒川区南千住玉姫公園有也。台東区東上野的SSS,教会也上野・隅田・駒形公園有餐点也シャワー。公共施設也川崎的六郷橋有娯楽也雀荘。アルミ缶,金属,貴金属,電気製品,オモチャ,情報也服務是全部商品!毎早5-7点開催盗人市場在付近玉姫公園。下雨了2点后的水是純水。

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    2017年02月25日
  • 現実脱出論

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    『僕たちは、簡単に知覚しうるものだけで構成された「現実」という名の立体空間を、無意識下で作り上げた。さらに集団を形成することで、「社会」と呼ばれる、言葉をもとに人間を管理し、抑制する空間も生み出した。

    もちろんそれらは、個では生きることができない人間にとって欠かすことのできない装置である。普通や常識という概念や尺度も、馬鹿にはできない。それによって、円滑に社会が進むのは事実だ。現実という指針があるからこそ、危険を感じ、身を守ることができているのだろう。

    しかし、・・・』

    面白かった。
    アンリ・ベクルソンが『時間と自由』で言ってることを、すごく日常的な言葉で簡単に表現してる感じかな。たぶん

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    2016年11月07日
  • 現実脱出論

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    脱出したいと思って購入(笑)
    が,この本は生に悩んでる人や躁鬱な人向けの本でありました.俺の場合金銭で解決できるからそういう点ではあまり役に立たないかな.
    ただクリエイティブな面で気づかされることが多々あったので良かったです.
    そしてこういう考えの人がいるってのも面白いと思ったのでした.

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    2016年05月06日