坂口恭平のレビュー一覧
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面白そうと思って貸りたら、1日のしおりをつくるのが好き!とか、死にたくなったら電話して!と見覚えのある話が。あれ?これどこかで…と思ったら、躁鬱大学の方だった。(ちゃんと著者を確認せずに読んでた)
本書は、著者がお医者さん、ワークショップに集まった人が患者さんとしてお悩み相談形式で進む。
以前、躁鬱大学を読んだ時の私は、結構鬱が酷い時で、高頻度で死にたくなっていた。その時は、坂口さんのことを朝4時に起きたり、スケジュール決めてそれを遂行したり、いのっちの電話したり、躁鬱でもバイタリティが溢れてる人だな〜という印象を受けた。なんなら少し、一方的な印象もあった。(自分の薬をつくるを読んでも、結構ハ -
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ネタバレ死にたい人でお金を持っている人はほとんどいませんでした。これは死にたい、んじゃなくて、お金がないだけなのではないかと考えるようになりました。
才能とは継続すること
「生活水準は下げろ。自分の水準を上げろ」
「生活に必要な様々な量を知ると、不安がなくなる」
「イメージしている原型に近い、すでに流通している物質」を見つける。
経済とはお金ってことじゃなくて、人間関係ってこと
僕は仕事を依頼する時、頼んだ日に即日で全額払います。もらっちゃったら、やるしかないじゃないですか。いい仕事をするしかない。楽しいし、 やるしかないという 緊張感も持てる。むしろ、なぜ 出版社は作家に本を頼む時に即日 -
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タイトルは「継続するコツ」ですがHOW TO本という訳でもなく、ビジネス本では全くなく、エッセイっぽい感じもするけどそうとも言い切れないな、と。
こういう本だと一言で表すのが難しい一冊です。
本というものを作る過程について自分はよく知りませんが、編集者など他者の目が入ったら削り取られたり軌道修正されたり(時としてそれは洗練と言われるのかもしれませんが)しそうな部分が、結構そのまま残っているな、という印象がありました。
それはきっと著者の坂口さんが絶対に譲れないところだったんだろうし、その削り出しのゴツゴツとした感じがこの本の個性になっていると思います。
あと面白いなと思ったのが、過去に建築 -
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いつまでビビっとるんじゃい!
終章のギアの入り方すごかったです(笑)
継続するためのHOW TOを説いた本ではないですが、そんな小手先のHOW TOじゃ、凄まじい力をもつ「人間の否定力」に勝てねぇぜって話。
挑戦している人、好きなことやってのびのびイキイキしてる人へ否定的な言葉をかけたり、足を引っ張ろうとする人たち個人が悪いんじゃなくて、もうこの国の教育制度とか、社会保障とか、全部そういう大きな仕組みのねじれのせいかもなぁ。
みんながもっと自分に素直になって、生活保護が必要になるような暮らし方・生き方に変わった時、社会は変わるかな?今の社会が失うものは沢山あるかもしれないけど、新しく得る -
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ネタバレ薬ってのは「日課」なんです
自分の薬をつくる=自分の日課をつくる、ということ。
好奇心がないのは、外の情報をインプットしたくないからなんです。大事なことは食べるの(インプット)をやめて、少し運動でもしながら、消化してウンチを出すことなのです。
多くの悩みごと、それぞれの人が抱えている思っていること、それは相談したらいいんですよ。解決するかはわかりませんが、口にすることで、それは悩み相談ではなくなる。
人の言葉を勝手に予測しないこと
病名をつけないこと
手を動かすこと
今の僕の薬は、毎日畑に行くこと、です。そして、通院、服薬を完全にやめました -
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隅田川のブルーシートハウスに暮らしている鈴木さんとみっちゃんの話を著者が聞き出し、自分たちの生活する空間をデザインするような暮らしかたの可能性について考察を展開している本です。
「解説」を執筆している赤瀬川原平は、「これまでにもホームレスの報告はあったのかもしれないが、あったとしてもそれはたぶん政治的な方向づけをもった上でのものだろうと思う。その場合は好奇心など論外のものとして、外されているだろう。その好奇心を、著者は百パーセント装備している」と述べています。本書のとくに後半では、著者が少年時代からどのようなことに関心をいだいてきたのか、大学の建築科在籍中にどのような体験をしたのか、そしてブ -
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いのっちの電話の坂口恭平氏が精神科受診を模したワークショップをする中で人の悩みに対する位置づけや対処方法を提案する。じっさいにワークショップをしているのかは分からないけど,その演劇ワークショップに参加する文脈(医者役である坂口氏と受診する患者役の各人,密室ではなくパーティションで診察室が作られていて,その外に音が丸聞こえの状況で待合室がある)では,自分の悩みを語り,他者の悩みと医者役の対話を聞くことで自分の悩みを相対化していく。
坂口氏のいのっちの電話経験に基づく「人の悩みは大体同じ」というのが大切。多くは感じやすい人や感じやすい時期にいわゆる病というものが発症しているが,病のほとんどは便宜的 -
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新書版(2014年出版)が書かれた時点(2008年に遡るらしい)では著者は確実に「気が狂っていた」と思わざるを得ない。良くこの状態で他者の理解に開かれた文章を書けたものだと心底驚愕する。才能と環境と何より人の縁に恵まれていたのだろう。その希少性は想像を絶するものがある。増補部分(2020年執筆)を読むと少し安定しているようだが、それでも直近の症状から1年に満たないので危うい感じは消えない。
創造と狂気は昔から気になるテーマのひとつではあるのだが、これはその当事者研究者のようだ。
「人に合わせずに、膨大な量を作る、これだけが創造を仕事とする人には重要なことです。(中略)とにかく毎日、作る。(中