加藤陽子のレビュー一覧

  • この国のかたちを見つめ直す

    Posted by ブクログ

    最近、加藤陽子さんの発言などに関心をもっていて、初めて著書を読んでみた。ざっくり読んでしまって、専門の近代日本史などに関する鋭い言及などは消化不足でごめんなさい。
    冒頭のほうのインタビュー記事を起こしたところがよかった。「そもそも何の落ち度もない個人が、一方的に著しく時間と手間を強いられる制度の方が問題なので、悪い制度には誠実に対応しすぎないことが肝心」(p.37)というのは自分にとって至言。最近意地を張るかのように遵法精神旺盛なときがあったりするので、もっと都合よく生きないといかんなあ。

    0
    2024年08月28日
  • あの戦争になぜ負けたのか

    Posted by ブクログ

    6人の学者や作家による座談会。私の理解力が足りないのか、話についていけない部分も多かった。
    だが、どうして戦争が始まってしまったか、当時の状況などはよく分かった。
    特に特攻に関しては考えさせられた。

    0
    2024年03月06日
  • 歴史の本棚

    Posted by ブクログ

    未来のために過去がある、と言いたくて本書は書かれたそうだ。
    前作「この国の形を見つめなおす」の第6章の書評を通じて著者の思考や指向を開陳したスタイルを本作では全面的に展開している。
    著者の1930年代の日本の軍事と外交に資するような文献が多い。
    それでもジョンルカレや近代史と一見関係のないタイトルも見かける。
    全体の構成としては以下の通り
    1 国家の役割
    2 天皇という孤独
    3 戦争の教訓
    4 歴史を読む
    5 作品に宿る魂

    本書で取り上げられた書物はほとんど読んだことのないものばかりだが、以下興味をもったものを記す。
    1から「情報参謀」「インビジブル」「帝国の計画とファシズム 革新官僚、満州

    0
    2023年12月07日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

    Posted by ブクログ

    著者(教授)の授業形式で歴史(戦争)を学んでいく。
    歴史を学びたくて読み始めたが、そもそもなんで歴史を学びたいのか。それは私たちがこれからどのように生きて、なにを選択してゆくのか、その大きな力になるのではないか。
    戦争責任問題についても責任を問う側と問われる側、2つの姿勢を持ち続けることか大切。確かに問われる側のことはあまり考えていなかったなと。

    0
    2023年10月28日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

    Posted by ブクログ

    感想
    後から振り返ればそこには戦争への道がある。だが当時はそれが見えていなかった。今も私たちの前には崩壊への道が横たわるのか。踏み出さない勇気。

    0
    2023年01月07日
  • 天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀

    Posted by ブクログ

     大正天皇の皇太子、摂政として活躍した時代から第2次世界大戦までの昭和天皇を中心に描く歴史だが、思ったより天皇が出る幕はなかった、普通の日本史という印象である。著者はむしろ立憲民主主義の象徴天皇に近い存在として、一貫してその歩みを捉えているように感じた。蒋介石も毛沢東も、昭和天皇を戦争に導いた軍に対する国民の側と考えて、戦争責任を問う考えは無かったという説明は納得がいく。1921年6月22日にはフランスのヴェルダン戦跡を訪問し、「戦争とは実に酷いものだ」と呟いたとの記述があるとのこと。天皇自身が決断する場面は少なかったとは良く言われるが、2・26事件の投降を促された村中孝次の質問に対して、山下

    0
    2022年12月17日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

    Posted by ブクログ

    学術会議問題について、学術会議側からの意見。率直な当時の感想としては、政府の発表が中身がなさすぎるのと、また他方批判側の論点もあまりに日本的リベラルすぎて、薄い内容が引き延ばされただけの情報が続き、何が何やらというのが正直な印象でした。
    ふとこの本を手に取る機会があり読んでみたのですが、全く状況は変わりませんでした。

    中で繰り返し主張されていたように違法なら、行政訴訟をすればいいのではないかという素朴な疑問もありましたが、政府が説明しなすぎるのは肯定されないとも確かに思いました(それっぽい理由ぐらい考えればいいのに、と)。個人的にはメディア露出する活動的な人文系のアカデミアは政治活動に傾倒し

    0
    2022年12月07日
  • 歴史の本棚

    Posted by ブクログ

    以前著者の本を読んで、異論が渦巻く日本の1930年代の歴史を切れ味よく語る学者と常々思っていたところ、学術会議の6人の報道に「さもありなん」と注目して、新刊を待っていたので早速本書を手に取ってみた。
    書評にとりあげられた57冊のうち小生が読んだことのある本は「神聖喜劇」(大西巨人)一冊のみ。「あらら」と思いながらも読み進むと、最後の「おわりに」に「本書が対象とした書籍の多くは研究書だ」とある。
    小生が読む本の多くは、歴史にしろ政治にしろ、一般向けに分かりやすく紐解いた解説書である。研究書に直接当たるのはちょっとハードルが高い。
    しかし、本書の書評をそれなりに楽しめたのは、今まで読んできた一般向

    0
    2022年09月26日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

    Posted by ブクログ

    学術会議新会員の任命拒否問題。単なる驕った政権の思いつきではなく、発足当初から狙われていたこと、理解できた。ただ、一般の人たちに理解してもらうことを放棄したかのような難しい論文ばかり…ウーン。

    0
    2022年08月16日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

    Posted by ブクログ

    新聞等で一時期賑わせたが、結局なんだったのか?理解していなくて読んでみた。任命拒否された側の本、その当人達も執筆している。そのため偏りのある意見が書かれている事は容易に想像できた。人文系の文は自分には読みにくくスッと頭に入らない。とにかく任命拒否は法律違反がベースにある。過去の歴史事例を引き合いに出し議論がなさている。
    全体的にもっと簡潔に説明出来ないものだろうか?と思う。


    学術会議自体が具体的に何をしているのか?そもそも任命拒否された人がいたために国民がデメリットを被ったのか?その辺が追加で知りたい。

    0
    2022年05月13日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

    Posted by ブクログ

    明治維新からの日本の動きを踏まえて語られている点はわかりやすくて非常に興味深く読んだが、ところどころに著者が問題があると思っている政治家や軍人の考え方に対して「面白い」という単語が使われていることに少し違和感を感じた。日本人だけでなく多くの人がなくなった戦争の経過をたどるのには別のいい方があっていいと思う。

    0
    2021年01月17日
  • あの戦争になぜ負けたのか

    Posted by ブクログ

    第1部は識者6人による座談会。
    第2部は6人それぞれの補遺的文章。

    あの戦争で当時のメディア(新聞とラジオ)が果たした役割はとてつもなく大きかった。開戦を賛美し、国民を扇動熱狂させた。恐ろしい!

    終戦の日はいつか?
    ポツダム宣言受諾を敵国に通告したのは8月14日。
    それを国民に伝えた(玉音放送)のは8月15日。
    ポツダム宣言受諾文書に調印したのは9月2日。
    日本人は「終戦記念日は?」と問われれば8月15日と答えるが、国際的には「9月2日」が一般的だそうだ。

    あの戦争の経緯が分かる文書はまだまだ未公開のモノが多い。なぜ開戦したのか?戦争の経緯は? 歴史的な解明はまだまだ先のようだ。

    0
    2020年08月04日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

     一級資料に当たるという事はとても大切なことだと思うのだが、それでも真実への道はまだまだほど遠い気がする。

     大学教授だから話の内容が正確だというわけではない。あくまでもその文献等に長く身を置いているという事だけが判断する一つの有効な事柄だという事も認識しておかなければならない。

     だからこそ、読み手が一人一人考えることが大切であり、たとえ、考えた道筋が間違えていたとしても、それが一つの経験になり、次への糧とつながれば良い。

     

    0
    2019年12月05日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

    Posted by ブクログ

    中高生への特別講義を本にしたもの。また、この中高生たちがなんとも賢い。

    まず戦争というものが持つ重み、政治的インパクトを確認している。大量の犠牲をともなう総力戦においては、国民を戦争へ向けて統合する国家目標や、犠牲者の弔いが必要になる(日比谷焼打事件が教科書で出てくる例か。本書でも満洲への執着の要因として日露戦争の犠牲があげられる)。さらに、戦争は国家間において、相手の国家の憲法(またはそれに類する大事な主権とか社会契約)への攻撃という形をとるとするルソーの説を紹介する。

    第一次大戦参戦時に、英米から太平洋にまでは出ないように釘を刺されていた。これが野党に知られることによって、主権侵害であ

    0
    2018年11月05日
  • シリーズ日本近現代史 5 満州事変から日中戦争へ

    Posted by ブクログ

    日中戦争を勉強しはじめて2冊目に読んだ。 かなり難しかった。 時系列、地理的条件などの全体像が最後まで把握できなかった。 次はもう少し簡単な本を選ぼう。

    0
    2018年10月13日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

    Posted by ブクログ

    明治維新から太平洋戦争までの時期を対象として、為政者や国民が世界情勢と日本の関係をどのように捉え、どのような論理の筋道で戦争を受け止めていったのか、その論理の変遷を追っている。当時の日本における、朝鮮や満州の位置づけがわかりやすく、近現代史のよい復習になった。

    0
    2021年08月08日
  • あの戦争になぜ負けたのか

    Posted by ブクログ

    第一部の座談会は話があちこちに飛んで、結局なぜあの戦争に負けたのか結論が分かりにくい。この手の設問にはいくつかの回答パターンがあって、①圧倒的な国力差で最初から勝ち目がなかった、②戦争指導者に終戦に至る大局的展望がなかった、③補給の軽視や精神論の偏重など実戦レベルでの無能力、の3パターンである。
    本書にもこれらがもれなく登場し、いつもの議論で新たな視座はない。
    だが色々知らなかった史実があったり、昭和天皇が意外に『君主』だったり面白かった。

    0
    2018年06月08日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    面白いし、分かりやすい。聴講している高校生達は本当に賢いと思うし、高校生とは思えないほど。私も歴史を勉強して、思考に深みを持たせたい。

    0
    2018年03月04日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    ●→本文引用

    ●次に、日本と戦っていた中国が、三国同盟をどう見ていたかをお話ししましょう。(略)1940年8月4日の蒋介石日記を読んでみましょう。(略)日本が南下したい、石油を取りたいと思っているときに乗じて、中国に有利な条件を日本が出すなら、それで講和するのは悪くない、と述べています。(略)これは当時、部内で「桐工作」と呼ばれた和平工作の一つです。講和案のの内容が蒋介石まで届けられていましたし、昭和天皇もその成否を非常に気にかけていました。(略)蒋介石のもとで作戦を指揮していた軍令部長の徐永昌が、9月29日に蒋介石にこう提言していました。(略)日本軍と中国国民党軍双方が死力を尽くして戦えば

    0
    2018年01月14日
  • あの戦争になぜ負けたのか

    Posted by ブクログ

    対談。なぜ戦争になったのか。どこで間違えたのか。こういう本を読むと、自分がいかに知らなかったということを痛感する。そしてこういう本を読んで思うのは、過去のこととして知識にするのではなく、今、自分のいるまわりに活かせることはないか、ということなんだよね。

     大正七年の原敬首相から昭和七年犬養毅が五・一五事件で暗殺されるまでを日本の政党政治の黄金期という。

     では、原敬の何がすごかったのか。

     偉大だったのは、としていわれること。

     原敬日記をひいて、すごくこまめに軍人に会っていることを指摘している。

     こまめに、ひょっとしたら自分と反対意見の人とも会って、パイプをつくっていたこ

    0
    2017年09月22日