加藤陽子のレビュー一覧

  • 太平洋戦争への道 1931-1941

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    敗戦記念日がまた近付いてきたこともあってか、ふと手に取った。お三方(特に加藤さんと半藤さん)の著作はこれまでにちょくちょく読んでいるので、おさらいという感じで読んだ。

    当時の色々な人の色々な思惑と事実とを照合すると、「対米戦を回避する術はあった筈」とやっぱり思ってしまう。

    リットン報告書やハル・ノートに対する、冷静さを欠いた威勢がいいだけの感情的な煽りは、発行部数を伸ばすのにはよかっただろうが、亡国ぎりぎりまで民族を追い込んだ、という面では、マスコミの罪はとてつもなく大きいと思う。

    また、五・一五事件のあと、実行者の助命嘆願書が百万を超える数集まり、裁判でも実行者が自身の信じる主義主張を

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    2025年07月05日
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか

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    帯に、「神話」より「対話」を! とあるが、まさにそれ。
    人は歴史を物語として理解するが、その認知に落とし穴がある、という、冷静になればまあ当然の意見を、何度も、多方面から、手を変え品を変え、しつこく、投げかけてくるのが、奥泉光の小説だ。
    ネチネチ、しかしユーモラスに、文体の工夫、引用の多層性、書く人であると同時に読む人。
    ユーモアは奥泉光の生来の志向だと思うが、同時に認識をズラす(物語批判)ための意図的な武器でもある。
    その材料を提供してくれる歴史学者との対談が、面白くないわけがない。
    上のテーゼに加えて、改めて気づかせてもらったのが、軍部と国民の間に「社会」が挟まる時間的余裕が、日本の近代化

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    2025年06月02日
  • この国のかたちを見つめ直す【毎日文庫】

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    歴史を見る目に対して信用している著者の本。
    内容は歴史認識よりも現代の政治に関するところが多く、少し期待はずれ。
    しかし、過去と照らし合わせて批判的に考えることは重要だと思う

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    2025年01月26日
  • この国のかたちを見つめ直す

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    最近、加藤陽子さんの発言などに関心をもっていて、初めて著書を読んでみた。ざっくり読んでしまって、専門の近代日本史などに関する鋭い言及などは消化不足でごめんなさい。
    冒頭のほうのインタビュー記事を起こしたところがよかった。「そもそも何の落ち度もない個人が、一方的に著しく時間と手間を強いられる制度の方が問題なので、悪い制度には誠実に対応しすぎないことが肝心」(p.37)というのは自分にとって至言。最近意地を張るかのように遵法精神旺盛なときがあったりするので、もっと都合よく生きないといかんなあ。

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    2024年08月28日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    6人の学者や作家による座談会。私の理解力が足りないのか、話についていけない部分も多かった。
    だが、どうして戦争が始まってしまったか、当時の状況などはよく分かった。
    特に特攻に関しては考えさせられた。

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    2024年03月06日
  • 歴史の本棚

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    未来のために過去がある、と言いたくて本書は書かれたそうだ。
    前作「この国の形を見つめなおす」の第6章の書評を通じて著者の思考や指向を開陳したスタイルを本作では全面的に展開している。
    著者の1930年代の日本の軍事と外交に資するような文献が多い。
    それでもジョンルカレや近代史と一見関係のないタイトルも見かける。
    全体の構成としては以下の通り
    1 国家の役割
    2 天皇という孤独
    3 戦争の教訓
    4 歴史を読む
    5 作品に宿る魂

    本書で取り上げられた書物はほとんど読んだことのないものばかりだが、以下興味をもったものを記す。
    1から「情報参謀」「インビジブル」「帝国の計画とファシズム 革新官僚、満州

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    2023年12月07日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

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    著者(教授)の授業形式で歴史(戦争)を学んでいく。
    歴史を学びたくて読み始めたが、そもそもなんで歴史を学びたいのか。それは私たちがこれからどのように生きて、なにを選択してゆくのか、その大きな力になるのではないか。
    戦争責任問題についても責任を問う側と問われる側、2つの姿勢を持ち続けることか大切。確かに問われる側のことはあまり考えていなかったなと。

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    2023年10月28日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

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    感想
    後から振り返ればそこには戦争への道がある。だが当時はそれが見えていなかった。今も私たちの前には崩壊への道が横たわるのか。踏み出さない勇気。

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    2023年01月07日
  • 天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀

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     大正天皇の皇太子、摂政として活躍した時代から第2次世界大戦までの昭和天皇を中心に描く歴史だが、思ったより天皇が出る幕はなかった、普通の日本史という印象である。著者はむしろ立憲民主主義の象徴天皇に近い存在として、一貫してその歩みを捉えているように感じた。蒋介石も毛沢東も、昭和天皇を戦争に導いた軍に対する国民の側と考えて、戦争責任を問う考えは無かったという説明は納得がいく。1921年6月22日にはフランスのヴェルダン戦跡を訪問し、「戦争とは実に酷いものだ」と呟いたとの記述があるとのこと。天皇自身が決断する場面は少なかったとは良く言われるが、2・26事件の投降を促された村中孝次の質問に対して、山下

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    2022年12月17日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

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    学術会議問題について、学術会議側からの意見。率直な当時の感想としては、政府の発表が中身がなさすぎるのと、また他方批判側の論点もあまりに日本的リベラルすぎて、薄い内容が引き延ばされただけの情報が続き、何が何やらというのが正直な印象でした。
    ふとこの本を手に取る機会があり読んでみたのですが、全く状況は変わりませんでした。

    中で繰り返し主張されていたように違法なら、行政訴訟をすればいいのではないかという素朴な疑問もありましたが、政府が説明しなすぎるのは肯定されないとも確かに思いました(それっぽい理由ぐらい考えればいいのに、と)。個人的にはメディア露出する活動的な人文系のアカデミアは政治活動に傾倒し

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    2022年12月07日
  • 歴史の本棚

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    以前著者の本を読んで、異論が渦巻く日本の1930年代の歴史を切れ味よく語る学者と常々思っていたところ、学術会議の6人の報道に「さもありなん」と注目して、新刊を待っていたので早速本書を手に取ってみた。
    書評にとりあげられた57冊のうち小生が読んだことのある本は「神聖喜劇」(大西巨人)一冊のみ。「あらら」と思いながらも読み進むと、最後の「おわりに」に「本書が対象とした書籍の多くは研究書だ」とある。
    小生が読む本の多くは、歴史にしろ政治にしろ、一般向けに分かりやすく紐解いた解説書である。研究書に直接当たるのはちょっとハードルが高い。
    しかし、本書の書評をそれなりに楽しめたのは、今まで読んできた一般向

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    2022年09月26日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

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    学術会議新会員の任命拒否問題。単なる驕った政権の思いつきではなく、発足当初から狙われていたこと、理解できた。ただ、一般の人たちに理解してもらうことを放棄したかのような難しい論文ばかり…ウーン。

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    2022年08月16日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

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    新聞等で一時期賑わせたが、結局なんだったのか?理解していなくて読んでみた。任命拒否された側の本、その当人達も執筆している。そのため偏りのある意見が書かれている事は容易に想像できた。人文系の文は自分には読みにくくスッと頭に入らない。とにかく任命拒否は法律違反がベースにある。過去の歴史事例を引き合いに出し議論がなさている。
    全体的にもっと簡潔に説明出来ないものだろうか?と思う。


    学術会議自体が具体的に何をしているのか?そもそも任命拒否された人がいたために国民がデメリットを被ったのか?その辺が追加で知りたい。

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    2022年05月13日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

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    明治維新からの日本の動きを踏まえて語られている点はわかりやすくて非常に興味深く読んだが、ところどころに著者が問題があると思っている政治家や軍人の考え方に対して「面白い」という単語が使われていることに少し違和感を感じた。日本人だけでなく多くの人がなくなった戦争の経過をたどるのには別のいい方があっていいと思う。

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    2021年01月17日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    第1部は識者6人による座談会。
    第2部は6人それぞれの補遺的文章。

    あの戦争で当時のメディア(新聞とラジオ)が果たした役割はとてつもなく大きかった。開戦を賛美し、国民を扇動熱狂させた。恐ろしい!

    終戦の日はいつか?
    ポツダム宣言受諾を敵国に通告したのは8月14日。
    それを国民に伝えた(玉音放送)のは8月15日。
    ポツダム宣言受諾文書に調印したのは9月2日。
    日本人は「終戦記念日は?」と問われれば8月15日と答えるが、国際的には「9月2日」が一般的だそうだ。

    あの戦争の経緯が分かる文書はまだまだ未公開のモノが多い。なぜ開戦したのか?戦争の経緯は? 歴史的な解明はまだまだ先のようだ。

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    2020年08月04日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

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     一級資料に当たるという事はとても大切なことだと思うのだが、それでも真実への道はまだまだほど遠い気がする。

     大学教授だから話の内容が正確だというわけではない。あくまでもその文献等に長く身を置いているという事だけが判断する一つの有効な事柄だという事も認識しておかなければならない。

     だからこそ、読み手が一人一人考えることが大切であり、たとえ、考えた道筋が間違えていたとしても、それが一つの経験になり、次への糧とつながれば良い。

     

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    2019年12月05日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

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    中高生への特別講義を本にしたもの。また、この中高生たちがなんとも賢い。

    まず戦争というものが持つ重み、政治的インパクトを確認している。大量の犠牲をともなう総力戦においては、国民を戦争へ向けて統合する国家目標や、犠牲者の弔いが必要になる(日比谷焼打事件が教科書で出てくる例か。本書でも満洲への執着の要因として日露戦争の犠牲があげられる)。さらに、戦争は国家間において、相手の国家の憲法(またはそれに類する大事な主権とか社会契約)への攻撃という形をとるとするルソーの説を紹介する。

    第一次大戦参戦時に、英米から太平洋にまでは出ないように釘を刺されていた。これが野党に知られることによって、主権侵害であ

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    2018年11月05日
  • シリーズ日本近現代史 5 満州事変から日中戦争へ

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    日中戦争を勉強しはじめて2冊目に読んだ。 かなり難しかった。 時系列、地理的条件などの全体像が最後まで把握できなかった。 次はもう少し簡単な本を選ぼう。

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    2018年10月13日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

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    明治維新から太平洋戦争までの時期を対象として、為政者や国民が世界情勢と日本の関係をどのように捉え、どのような論理の筋道で戦争を受け止めていったのか、その論理の変遷を追っている。当時の日本における、朝鮮や満州の位置づけがわかりやすく、近現代史のよい復習になった。

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    2021年08月08日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    第一部の座談会は話があちこちに飛んで、結局なぜあの戦争に負けたのか結論が分かりにくい。この手の設問にはいくつかの回答パターンがあって、①圧倒的な国力差で最初から勝ち目がなかった、②戦争指導者に終戦に至る大局的展望がなかった、③補給の軽視や精神論の偏重など実戦レベルでの無能力、の3パターンである。
    本書にもこれらがもれなく登場し、いつもの議論で新たな視座はない。
    だが色々知らなかった史実があったり、昭和天皇が意外に『君主』だったり面白かった。

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    2018年06月08日