加藤陽子のレビュー一覧

  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム
    ハーマンについて実践的に論じてくれた上間さんの回がとりわけ素晴らしかった。トラウマ経験者にとって、震えながら読んだ。

    上野さんの半身で組織に関わる提言も素晴らしい。
  • 太平洋戦争への道 1931-1941
    ■関東軍の暴走
    ■国際協調の放棄
    ■言論・思想の統制
    ■中国侵攻の拡大
    ■三国同盟の締結
    ■日米交渉の失敗
    この10年間をこのように分けていくとこんなに解りやすかったとは、という思い。結局国民には事実を伝えることなく、自分達の立場を曲げられないことを前提に「仕方ない」という言い訳でアメリカとの戦争に...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム
    フェミニズムに関わる本とそれで描かれるフェミニズム要素について、4名の方が書かれてるんだけど、どれも異なる視点で面白かったです。読めてよかった!

    『侍女の物語』『誓願』は前から気になってたけどいっそう読みたくなったな〜。最悪な構造の中で異なる立ち位置にいる女性たちが描かれる物語、気になる‥‥。

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  • 太平洋戦争への道 1931-1941
    最後に半藤氏が諭すように言われている通り、我々は学び続けないといけない。令和になって戦争を知らない世代だけになり、いつか来た道をまた歩きだしてる気がしている。威勢だけは良いが、覚悟の全く無い人たちが政治を動かし、戦前と同じくらい社会の不平等も拡大してきた。なんとも不気味である。
    ただこの本を読んでア...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム
    特に上間陽子さんの解説が良かった。やはり現場に入り込んでいる人の言葉は重いし、そして思いにあふれている。上間さんが紹介した「心的外傷と回復」を是非読みたいと思ったが、高額すぎて少し躊躇する。
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗
    教科書には載ってないことが掘り下げて書かれている。
    戦争を阻止する選択肢がいくつもあったこと、知りました。
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ
    読んでいてめちゃくちゃ楽しかった本。
    日本人なら人生で一回は読んでほしい!と思うくらい、いろんな人におすすめ。
    小中学生の頃は学校の科目の中で歴史が一番好きだったけど、高校で進路の関係上理系を選択して以来歴史にはノータッチ。
    でもやっぱり、私は歴史が好きなんだなあと思った。難しい言葉もちょくちょくあ...続きを読む
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで
    日本の状況を、現在のロシア・中国に当てはめると
    似たような状況が見えてくる気がする。

    日本人の法律万能的観点は現在も同じ状況にある。
  • 太平洋戦争への道 1931-1941
    半藤一利さん、加藤陽子さん、そして編者の保坂正康さんによる対話形式で進む、1931年の満州事変から1941年の日米開戦までの、特に日本がとった行動とその背景について説明してくれる。

    軍部を中心とした思い込み、慢心、根拠のない自信、精神論。今までおぼろげながら認識していた昭和史を再認識させてくれた。...続きを読む
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ
    日清、日露から第二次大戦終結まで。高校生への講義として平易な言葉で解説がなされてはいるが、”過去を振り返る”歴史ではなく、その時代、その状況だったらどう考えるだろうか、という歴史家の視点が明確で、読みごたえがある。19世紀末~20世紀の戦争と政治、経済を取り巻く世界の重層的な動きを捉える入門書として...続きを読む
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く
    憲法学、政治学、歴史学と3つの視点から今を読み解く。あまりにも刺激的で、新書をこんなに真剣に読み込んだのは本当に久しぶりである。

    地に足がついた議論。
    日本は防衛費増税だの、敵基地攻撃能力の保持だの様々な論点がいきなり飛び出してきた。きっちり議論も分析も、歴史に学ぶこともない、とてもふわふわした捉...続きを読む
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く
    加藤陽子氏は歴史学者の視点で現代社会を分析する力が秀逸。故に政府に警戒されたとも思えるが、このような見識を敵に回すのは愚か。菅総理は歴史に悪名を残す。

    日本の政治
    歴史に学ばず 合理性の欠落 日米開戦と同じ
    権力型・・・命令と服従 ←「説明と納得」できない
    小選挙区は組織力の闘い 宗教↑ 労働組合...続きを読む
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか
    歴史を学ぶ意義を重く認識させてくれる名著 「歴史は『物語』として理解される」
    ここに歴史の面白さと同時に「怖さ」がある
    1.国家の統合 ①統治=政治 ②統帥=軍隊 明治は分立 民主国家は政治優位
     日本・ドイツは後発国、ゆえに政治の熟成を待てず、皇帝主導・軍優位の国家体制
    2.日本の稚拙な植民地経営...続きを読む
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか
    小説家の奥泉さんと歴史学者の加藤さんの対談集。
    単一の物語に回収されないように歴史を語るべきとはポストモダン以来の歴史の見方だとは思うのだけれど、それをアジア・太平洋戦争に当てはめて語ってくれている。
    当初単なる軍人のモラルだった軍人勅諭が変質し政治に関わることの正当化に使われたところから、共通の思...続きを読む
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか
    歴史は「物語」の形でしか語られ得ず、またそうならなければ人を動かす力を持ち得ない。多くの国々で、明白に贋物とわかる歴史の「物語」が流通する現状があるのも事実だ。
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か
    菅首相による学術会議の任命拒否について、簡略に説明されている。学術会議の歴史、現状、拒否された本人からの推測についてマスメディアよりも詳しく書いてあるので、学術会議についての基礎的な知識と任命拒否の問題点を知るにはよい。
  • この国のかたちを見つめ直す
    歴史学は何をする学問か…「歴史の闇に埋没した『作者の問い』を発掘すること」…歴史上一定の時代に現れたり創られたりした制度・組織・論理が、なぜその時代に現れるのかを考える態度…制度や組織を創り出した「作者」の思索の跡をたどるのが歴史学の役割…(p28)

    歴史の真実は、人間の行動の記録として残された事...続きを読む
  • 太平洋戦争への道 1931-1941
    近現代日本史の碩学、三人(半藤一利、保阪正康、加藤陽子)による鼎談。元は2017年8月15日にNHラジオで放送された番組に加筆されたもの。日中戦争については、現在のロシアによるウクライナ侵攻と重ね合わせて読むこともできる。
    万民必読の書といえるかも。
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗
    日本が戦争へと向かっていくまでの歩みを史料から読み解いている。6回に渡る講演を書籍としたものなので、会話をするかのごとく進行する。
    世界が日本にどうすのか問いかけられた3つの交渉を史料から読み解き、当時の状況を適切に理解することを目指している。
    一つ目の交渉は、1931年9月に関東軍が主導した満州事...続きを読む
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ
    学術会議メンバーから外されてしまいましたが、決して左に寄ってる訳でもありません。中立で客観性がある良書だと思います。