加藤陽子のレビュー一覧

  • 戦争と日本人 テロリズムの子どもたちへ
    不思議な読後感というか、佐高の現政権批判にどこか違和感(現政権を僕が肯定/否定というのではなく、本の構成として)を感じつつも、取り合わせの妙に読んでしまった。キーワードとなる「不幸の均霑」のもとの『徴兵制と近代日本』を読みたくなった。
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで
    時の権力者たちが、戦争の「大義名分」を如何に得たかの分析。

    前半の日露戦争・第一次大戦あたりまではかなり説得力があったのだが、日中戦争以降は、僕の読み込みが足りないせいもあるのだろうが、ちょっと迫力不足のような印象を受けた。
    背景としてアメリカの世界戦略があって、戦略は石原莞爾のグランドデザインの...続きを読む
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ
    東大の教授である筆者が栄光学園にて5日間特別講義をした内容を書籍化したもの。

    日清、日露、第一次世界大戦、日中、第二次世界大戦の5つについて当時の情勢、文化、特に軍部の動きなどを事細かに解説し、何故戦争が起きたのかを語っている。
    学園の生徒との対話形式の叙述はわかりやすく、また考えさせられる。
    ...続きを読む
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで
    [ 内容 ]
    日本はなぜ太平洋戦争に突入したのか?
    明治維新以降の「戦争の論理」を解明した画期的近代日本論。

    [ 目次 ]
    第1講 「戦争」を学ぶ意味は何か
    第2講 軍備拡張論はいかにして受け入れられたか
    第3講 日本にとって朝鮮半島はなぜ重要だったか
    第4講 利益線論はいかにして誕生したか
    第5...続きを読む
  • あの戦争になぜ負けたのか
    NHKで昨年放映された、首脳部ぐだぐだ座談会を思い出しながら読んだ。
    戦争をするも続けるも、雰囲気と気遣いと押しの強い弱いによって決まったようだ。
    遺伝子に組み込まれた国民性なのか、空気が決める傾向は、今も変わっていない気がする。
    我らは猿以下か。
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで
    近現代の日本が何故対外戦争を仕掛けたのか。
    高校までの授業じゃそんな事は教えない。
    何故なら
    『日本史は高々、入試に使う科目であり、暗記科目に過ぎない。せいぜい常識として我が国の事を知る為。』
    と言う前提程度しか教える方も学ぶ方も考えていないからだ。

    だが、この本は東大生に教えた、『教育』ではない...続きを読む
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで
    明治維新から太平洋戦争に至るまで、戦争を許容する「民意」が如何にして形成されてきたかを問う本書。内容的には、左翼的な「扇動論」とも「司馬史観」とも一線を画しており、冷静に資料を積み上げていこうとする姿勢に好感が持てる。紙幅の関係か、論証が論証になっていない部分もあるが、形成された民意の是非を扱ったり...続きを読む
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで
    国民や世論というのは本当に流されやすく、熱狂に走りやすいものである。万国共通ではあろうが、特に日本人は日々のマスコミ報道でも顕著なとおり、与えられた情報に過敏に反応し、熱狂しやすいという性質があるのではないか。

    昭和の戦争だって「軍部がわるかった」というのが一面真実であっても、世論をかき立てて自ら...続きを読む
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで
    大変勉強になりました。自分はあまり頭がよくないので、少しずつ読んで、頭を整理して、の繰り返しで、読むのに時間がかかりました。歴史そのものを知ることが勉強になったというよりも、文中で『歴史を学ぶ意味』を教えてもらい、『歴史学の手法や考え方』を学べたことが勉強になりました。歴史学の手法や考え方(詳しくは...続きを読む
  • あの戦争になぜ負けたのか
    あの戦争になぜ負けたのか ものすごく疲れる。なにも歴史から学んでないし。歴史の授業で取り上げるべきだ。
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで
    新書と思って軽い気持ちで読むには非常に難しい本。
    中学レベルの知識すら危うい自分が読むには結構苦労した。
    何せ「第一次世界大戦ってどの国が参加してどうなったっけ?」という状態だったので。
    この本は戦争の概要を述べた教科書の延長上のような本ではない。
    「なぜ戦争が起こったのか」という背景を深く...続きを読む
  • あの戦争になぜ負けたのか
    6人の学者や作家による座談会。私の理解力が足りないのか、話についていけない部分も多かった。
    だが、どうして戦争が始まってしまったか、当時の状況などはよく分かった。
    特に特攻に関しては考えさせられた。
  • 歴史の本棚
    未来のために過去がある、と言いたくて本書は書かれたそうだ。
    前作「この国の形を見つめなおす」の第6章の書評を通じて著者の思考や指向を開陳したスタイルを本作では全面的に展開している。
    著者の1930年代の日本の軍事と外交に資するような文献が多い。
    それでもジョンルカレや近代史と一見関係のないタイトルも...続きを読む
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ
    著者(教授)の授業形式で歴史(戦争)を学んでいく。
    歴史を学びたくて読み始めたが、そもそもなんで歴史を学びたいのか。それは私たちがこれからどのように生きて、なにを選択してゆくのか、その大きな力になるのではないか。
    戦争責任問題についても責任を問う側と問われる側、2つの姿勢を持ち続けることか大切。確か...続きを読む
  • 天皇の歴史1 神話から歴史へ
    日本の歴史を改めて知ろうとしたら、やはり天皇と公卿の成り立ちからかと思い、この本を手にしました。

    なかなか難しく、かなり読みきるのに時間を要してしまいましたが、とても勉強になる一冊でした。

    天皇家のレガリアが玉、鏡、剣の三種神器であることを知って、宝剣が大切に保管されている奈良の神社まで出掛けて...続きを読む
  • 太平洋戦争への道 1931-1941
    感想
    後から振り返ればそこには戦争への道がある。だが当時はそれが見えていなかった。今も私たちの前には崩壊への道が横たわるのか。踏み出さない勇気。
  • 天皇の歴史9 天皇と宗教
    日本の長い歴史の中で、天皇は国民のための祭祀を神に捧げることが重要な役割であったし、また現に毎日のように多くの祭祀の時間が割かれていることは改めて思い知らされた気がする。仏教と関係は7世紀の伝来当時から異国の宗教であり、日本の神の怒りを招く考えられていたこと、それが幕末からの神仏分離の流れに続き、「...続きを読む
  • 天皇の歴史8 昭和天皇と戦争の世紀
     大正天皇の皇太子、摂政として活躍した時代から第2次世界大戦までの昭和天皇を中心に描く歴史だが、思ったより天皇が出る幕はなかった、普通の日本史という印象である。著者はむしろ立憲民主主義の象徴天皇に近い存在として、一貫してその歩みを捉えているように感じた。蒋介石も毛沢東も、昭和天皇を戦争に導いた軍に対...続きを読む
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か
    学術会議問題について、学術会議側からの意見。率直な当時の感想としては、政府の発表が中身がなさすぎるのと、また他方批判側の論点もあまりに日本的リベラルすぎて、薄い内容が引き延ばされただけの情報が続き、何が何やらというのが正直な印象でした。
    ふとこの本を手に取る機会があり読んでみたのですが、全く状況は変...続きを読む
  • 歴史の本棚
    以前著者の本を読んで、異論が渦巻く日本の1930年代の歴史を切れ味よく語る学者と常々思っていたところ、学術会議の6人の報道に「さもありなん」と注目して、新刊を待っていたので早速本書を手に取ってみた。
    書評にとりあげられた57冊のうち小生が読んだことのある本は「神聖喜劇」(大西巨人)一冊のみ。「あらら...続きを読む