加藤陽子のレビュー一覧

  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

    Posted by ブクログ

    2020年10月 菅政権で日本学術会議会員への任命拒否案件が起こったが、対象となった6名がこの重大問題を論じている.加藤陽子の議論は問題を掘り下げてよく考察している従来の流れだったが、芦名定道の議論は聖書をベースにしたもので意外性があった.理解できない部分も多かったが、このような議論ができる人がいたことを誇りに思う.宇野重規の対話方式は取っつき易い形を取りながら、重要な視点を与えてくれる素晴らしい構成だと感じた.政府がこの問題に明快な回答をするとは思えないが、この六名の陣容だったら対話自体が無理でかみ合わない結果になると思う.

    0
    2022年10月11日
  • 昭和史裁判

    Posted by ブクログ

    「半藤一利」と「加藤陽子」が太平洋戦争に関わった日本のリーダー5人(「広田弘毅」、「近衛文麿」、「松岡洋右」、「木戸幸一」、「昭和天皇」)について裁判風に対談・討論した作品『昭和史裁判』を読みました。

    『日本国憲法の二〇〇日』に続き「半藤一利」作品です。

    -----story-------------
    リーダーたちはどこで誤ったのか?
    白熱対談!

    太平洋戦争開戦から70年。
    「広田弘毅」、「近衛文麿」ら当時のリーダーたちはなにをどう判断し、どこで間違ったのか。
    「半藤゛検事゛」と「加藤゛弁護人゛」が失敗の本質を徹底討論!
    -----------------------

    歴史探偵「半藤一

    0
    2022年09月28日
  • この国のかたちを見つめ直す

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読書は趣味、気楽なものがいい。
    でも、たまにはと、この本を手に取った。

    (著者は、政府に任命拒否された日本学術会議の新会員候補の一人。
    歴史学の手法で首相官邸側の思惑を解き明かす時評を含む反骨の論評集。) 出版社より

    老化の進む脳には厳しくて、メモを取りながら読んだ。
    歴史学って 興味深いなあ。
     
    真理に向かうための誠実で真摯な研究。
    その一端をのぞかせてもらった。

    記録を大切にしない風土の根幹には政治の不在がある。
    そして、あとがきで著者は言う。
    真実の歴史を「言葉」から探ること、本書ではこれを目指した、と。

    ≪ 国家とは 危機の時代に 問い直す ≫

    0
    2022年09月18日
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか

    Posted by ブクログ

    歴史学者と歴史物語を批評的に読む小説家が対談という形で、太平洋戦争とは何か、なぜ始めたのか、なぜ止められなかったのかについて、太平洋戦争に関する書籍の紹介について語っている。当事者の日記やメモ、書簡、様々な書籍から太平洋戦争について詳細に解説されており、映画やドラマなどで流布している物語的な歴史とは異なる内容が知れて良かった。偏った主張はなくフラットに記載されており、ポツダム宣言についても様々な資料からそこに至る経過が示され、敗戦した日本だけでなく、戦勝国もその事実を知り互いに学ぶ必要があると思った。

    0
    2022年09月03日
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか

    Posted by ブクログ

    「物語なしに現実というまのを認識できない仕組みの中に生きている」
    戦争を正当化する「わかりやすい物語」が必要だったに納得。

    0
    2022年08月28日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    半藤さんさんと保坂さん、加藤先生の鼎談ラジオ番組を保坂さんが章ごとにまとめを入れて編集した一冊。あれこれ読んでも結局よくわからん感じのこの時代の流れ、会話形式だし保坂さんがまとめてくれているのですっきり入ってくるのが◎。教科書にはこの事件の結果こうなった、しか書いてないけど、なぜそうなったのかがわからないといかんよね。
    研究し尽くした人がたどり着くのは現代に対する警鐘。歴史を学ぶことは今を学ぶことだ、という恩師の言葉をあらためて胸に刻もう。

    0
    2022年08月06日
  • この国の戦争 太平洋戦争をどう読むか

    Posted by ブクログ

    想定読者層はある程度の時代背景の知識画求められているのだろう。手とり足取り噛み砕いて話をしてくれる訳ではないが、明確かつ端的なやり取りは腹落ちもいい。
    歴史を単層的かつ都合よく物語化することの危険性は、まさにその通りだと思う。日本だけではなく世界中で同じような傾向が発生しているように感じている。とても怖い。

    0
    2022年08月06日
  • 学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か

    Posted by ブクログ

    学術会議任命拒否をされた、当事者の6人が、この問題について論考したものである。それぞれの学者が、自分のよってたつ学問を通じて、この問題に関して、当事者でありながら、冷静に客観的に、分析されている。拒否の説明責任は、政府にあるが、この間の他の問題と同様に、理由にならない理由を繰り出し、ダンマリを決め込む。この国の政治の劣化はコロナ禍で明確になったが、民主主義を守るためには声を上げ続けることが必要だろう。その意味では、当事者の冷静な論考は声を上げるための後押しになる。

    0
    2022年06月29日
  • この国のかたちを見つめ直す

    Posted by ブクログ

    東大教授加藤陽子氏のコラム&エッセー集。日本学術会議の6人除外当事者であり、事件についても詳しく語られている。

    0
    2022年04月06日
  • この国のかたちを見つめ直す

    Posted by ブクログ

    各一章を読んだあと
    ふーん なるほど
    そういう視点のとらえ方があったか
    と 思わせてもらえる一冊

    考えながら
    行きつ戻りつしながら
    読ませてもらいました

    新年早々に
    心地よい刺激をもらえました

    もし、未読の方にお勧めするなら
    p169~
    ー井上ひさしが追い続けた「かけがえなさ秘めた笑い」
    の一章から を挙げたい

    0
    2022年01月13日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    「こうなる運命だった」というような言葉は真実のときもあるだろうけど、ほとんどの歴史においては間違いなんだとわかる。運命ではなく、選択の結果。 一般国民の当時の考え方を、国民と対極な場にある人間の視点から知るという歴史学独特の見方を教えてくれたり、軍部の話が熱を持ってきたらすぐさま全く別の、例えば天皇の意向について触れたり…ついつい入れ込みすぎてしまう聞き手の感情を冷静に引き戻してくれるような揺さぶり方が好き。2冊しか知らないけど、この先生はW.A.ワードのいう偉大な教師にはいるんじゃないかな。

    0
    2021年12月19日
  • この国のかたちを見つめ直す

    Posted by ブクログ

    近代歴史学者の著者による評論集。第一章:国家に問う、第二章:震災の教訓、第三章:「公共の守護者」としての天皇像、第四章:戦争の記憶、第五章:世界の中の日本、歴史の本棚。文書を大切にしない国は歴史をも大切にしない。中国には史官という役目の官僚がいたのに。今の日本には、後から批判される可能性がある都合の悪い文書はみんな破棄する悪弊を官僚が持っているのか…。

    0
    2021年11月16日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

    Posted by ブクログ

    なぜ日本は戦端を開いてしまったのか。比較的簡潔に、丁寧に知ることができる良書です。日本人なら一読すべきだと思います。

    本書では、中国との開戦以前から米英との開戦までを時期を章ごとに分けて議論し、章末に保阪氏による解説が記載されている。冷静な分析で議論をリードしていく加藤氏と、熱くも丁寧に語る半藤氏・保阪氏の対談はとてもバランスが良く、読みやすかった。三者の話を読んでいる(聞いている)と、「なぜ日本は戦争という道を選んでしまったのか」という理由が、朧げながらも全体像を掴めたような気がする。

    【梗概】
    "軍部・マスメディアの罪と大衆の不勉強"
    日本が米英との開戦を迎えるまで

    0
    2021年09月09日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

    Posted by ブクログ

    最近よく、政府のコロナ対策が「太平洋戦争の時の作戦と同じで、その教訓を活かしていない」とか言われているので、ちょっと興味を持って本屋さんで目に付いた本を選んだ感じです。
    2017年の終戦の日のラジオ対談を書籍化。2017年というのは、盧溝橋事件が起きた年から80年になる節目ということもあったのでしょう。1931年の満州事変から1941年の真珠湾攻撃に至るまでの、太平洋戦争突入前の10年間をいくつかのターニングポイントごとに、原因や判断や起因するもの、そして結果と検証していくのですが、ラジオ番組らしくわかりやすく読めます。

    コロナ対策がどこか戦争の時の対応と似ているというのは、戦略がないなど、

    0
    2021年09月03日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

    Posted by ブクログ

    <目次>
    序章   太平洋戦争とは何か
    第1章  関東軍の暴走~1931満州事変から1932満州建国まで
    第2章  国際協調の放棄~1931リットン報告書から1933国際連盟脱退まで
    第3章  言論・思想の統制~1932五・一五事件から1936二・二六事件まで
    第4章  中国侵攻の拡大~1937盧溝橋事件から1938国家総動員法制定まで
    第5章  三国同盟の締結~1939第二次世界大戦勃発から1940日独伊三国同盟まで
    第6章  日米交渉の失敗~1941野村・ハル会談から真珠湾攻撃まで
    第7章  戦争までの歩みから、私たちが学ぶべき教訓

    <内容>
    ノンフィクション作家の保坂正康を中心に、作家

    0
    2021年08月18日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

    Posted by ブクログ

    日本が無謀な太平洋戦争へと進むに至った重要な6つの局面について昭和研究のスペシャリスト3人が語る。

    安定感がありすぎる3人なので、熱い議論が交わされるというより、これまでも3名が論じてきた考え方をそれぞれが改めてコンパクトに語っている感じです。何か新しい発見があるというわけではないですが、ポイントを整理するという意味ではいい本だと思います。

    また、各章に挿入された保阪さんの論考は鋭く、読ませます。
    そして、最後の半藤さんの現代の日本人に向けたメッセージは、我々がしっかり受け止めなければならないと思います。

    0
    2021年08月16日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    中高生と学んだ前著が良かったため、本書を紐解いた。ジュンク堂の呼びかけで同じく中高生と学ぶという状況は同じだが、彼ら彼女らの発言が少ない印象を受けた。

    内容は、リットン報告書、三国同盟、日米交渉。どれも初めて知る事実ばかりで歴史の厚み、多面性が感じられた。

    与党批判がところどころ発せられ、そこだけ浅薄が際立ってしまったように感じる。

    0
    2021年06月04日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    リットン報告書、三国同盟、日米交渉の3点に絞って、戦前の日本の歩みを解き明かす授業を本にしたもので、非常に楽しめた.学校の授業では近代の部分は学期末になることから、あまり詳しく教えられていないが、このような形の授業が今後も継続されることが必要だと感じた.特に三国同盟については知らない部分が多く、松岡洋右が国際連盟の席を立っていく写真(1933.2)を覚えているくらいだったので、参考になった.日米交渉については、陸軍、海軍及び政府間での情報の共有が十分でなかったことが、国としての行き方を間違った方向に進めたのだと感じた.著者の『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は我が本棚の中央に鎮座している.

    0
    2021年01月30日
  • 昭和史裁判

    Posted by ブクログ

    昭和史の重要人物にスポットを当てて、検察側(半藤氏)、弁護側(加藤氏)に分かれて議論を交わすという企画に惹かれて購入しました。


    かなりレベルの高い議論が交わされますが、基本的な概念についても注を付けてくれているので、助かります。
    それでもある程度の前提知識がないとついていくのは辛いかもしれません。

    0
    2020年11月19日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

    Posted by ブクログ

    時の人となってしまった方の名著。

    (登録してたと思ったてたの…)

    講義形式などは読みやすくて良かったと当時思いました。

    0
    2020年10月02日