加藤陽子のレビュー一覧
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この方の「歴史観」歴史へのスタンスは素晴らしい 権力に対峙し軸がブレない
だから政府は恐れ、学術会議から外したと理解できる 実力を認識している
1.危機の指導者 長期的戦略思考力とは
対米戦争で長期化は回避と理解はしているが、具体策ないまま開戦 最悪
ロジスティクスの算段が出来る指導者の不在
2.戦後の「天皇退位規定」天皇の戦争責任論 一般人として極東軍事裁判
3.危機対応 平時も戦時も基本は同じ「構想手法」(下平拓哉防衛省)
①現状の把握 ②問題の析出 ③解決策の案出
4.現代資本主義経済体制の閉塞 水野和夫氏
1971 ニクソン・ショック
1973 オイルショック
5.必要な政治改革=参議院改革 衆議院に対して強すぎる -
Posted by ブクログ
複数の切り口からの情報、考察を以って、当時の状況をうまく分析、評価している。
その意味で、分かり易いか?というと、そのような感想はなく、その理由は、日本が満州事変、日中戦争へと進むことについて極めて中途半端な、なし崩し的な判断で進んでいることがよく理解できるからだ。
誤算は、
・中国に対しての英米の思惑。国際金融、市場として日本に独占されることを良しとしていなかった。
・満州国設立に典型的に言えることだが、中国人のナショナリズムを過小に評価していた。(五族協和は、結局は絵に描いた餅でしかなかった)
日本はワシントン体制下、大国の一員になっていたものの、結局、反ワシントン体制側につくことになった。
そのコストもあるのだろう。
因みに、反ワシントン体制にあったのは、ソ連であり、ドイツであり、中国。(軍事的に中国とドイツが協力関係にあったのも興味深い)
2.26事件が起こされた理由をゾルゲは、日本の農民と都市小市民の社会的窮境に求めていた。兵士の重要な供給源である農民は、政治組織を持たず、農民に対する二大政党の関心が形式的にすぎない以上、まず第一に陸軍が農村と都市のこれらの層の強まる緊張の代弁者と機関たらざるを得ない。
日本は、ドイツが着手したような、農民を支援する政策を全くしなかった。
陸軍が、この問題の重要性を見ているだけでなく、農業問題を実践的にそれに取り掛かる必要があることを、少なくともそれが理論的に可能なことを知っているほとんど唯一の集団であった。
議会に代弁者をもたない農民や都市商工業者の社会変革要求を、陸軍が代弁している特殊日本的な構造に、ゾルゲは着目していた。
・「東亜新秩序」とは、第一次世界大戦後に公然と正当性を主張できなくなった帝国主義・植民地主義にかわる説明形式の必要性と、ワシントン体制的協調主義の否定というモチーフのはざまに、知識人によって考え出された自己説得の論理であるといえた。
・石原莞爾が望んだのは、①ソ連がいまだ弱体の時、②中国とソ連の関係が悪化している時、③日本とソ連が将来的に対峙する防衛ラインを、中ソ国境の天然の要害まで北に西に押し上げておくことであった。将来的な対米戦の補給基地としても満州は必要とされていた。しかし、それは国民の前には伏せられ、条約を守らない中国、日本品をボイコットする中国という構図で、国民の激しい排外感情に火が点ぜられた。 -
学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か
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Posted by ブクログ
「半藤一利」と「加藤陽子」が太平洋戦争に関わった日本のリーダー5人(「広田弘毅」、「近衛文麿」、「松岡洋右」、「木戸幸一」、「昭和天皇」)について裁判風に対談・討論した作品『昭和史裁判』を読みました。
『日本国憲法の二〇〇日』に続き「半藤一利」作品です。
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リーダーたちはどこで誤ったのか?
白熱対談!
太平洋戦争開戦から70年。
「広田弘毅」、「近衛文麿」ら当時のリーダーたちはなにをどう判断し、どこで間違ったのか。
「半藤゛検事゛」と「加藤゛弁護人゛」が失敗の本質を徹底討論!
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歴史探偵「半藤一利」と歴史学者「加藤陽子」が、太平洋戦争の責任を問う法廷の形式で縦横に対談した作品、、、
この手の作品って、対象になるのは軍人が多いのですが、本作品で裁かれる人物は、敢えて軍人を外してあり、「広田弘毅」、「近衛文麿」、「松岡洋右」、「木戸幸一」という歴史を動かした4人の政治家と「昭和天皇」の合計5人が裁かれています。
■第1章 広田弘毅
開廷に先立って
東京裁判と『落日燃ゆ』 ほか
■第2章 近衛文麿
天皇の次に偉い男
金はなかった、人気があった ほか
■第3章 松岡洋右
外務省「大陸派」
伏魔殿、帝国外務省 ほか
■第4章 木戸幸一
自称「野武士」、ゴルフはハンディ「10」
名家の坊やが抱えたルサンチマン ほか
■第5章 昭和天皇
初陣の日中戦争
勃発からひと月で海軍の戦争に ほか
■あとがき 加藤陽子
■登場人物牽引
検事役の「半藤一利」が彼等の過ちを告発し、弁護人役の「加藤陽子」が最新の研究成果を交えて反論するという展開を基本としていますが、、、
対談が盛り上がると、検事・弁護人で同意したり、お互いに触発されて立場が入れ替わったりしながら、当事者がどのように考え、どのような気持ちで、そのような行動をとったのかという、当事者の主観的な情報を取り出すような展開となっており、今までに知らなかった新事実を知ることもできることが多く、面白く読めましたね。
この時代を描いた作品は何冊か読んだことがありますが、軍人が中心の作品が多く、政治家を中心に描かれた作品は初めてだったので、勉強しながら読んだ感じ… 「昭和天皇」が、、、
「広田弘毅」は「あきれるほど無定見、無責任」だと言っていたことや、
あっさり日独伊三国同盟を決めてしまった「近衛文麿」に対し「近衛は少し面倒になるとまた逃げだす様なことがあっては困るね、こうなったら近衛は真に私と苦楽を共にして呉れないと困る」と言ったこと等… 二人を信用していなかったことが印象に残りましたね。
本作品で取り上げられている4人の政治家のことは、あまり詳しく知らなかったのですが… 一番心象が悪くなったのは「木戸幸一」かな、、、
「昭和天皇」に情報を正しく伝えず、自身の都合により情報を統制したことで、重要な意思決定に影響を与えたことが否定できないですね… そして、自らは責任を逃れているんですからね。
この人の影響… 日本国家に与えて悪影響は計り知れないな、、、
でも、程度は違えど、他の3人も同類なのかもしれませんね… だからと言って、別な人物がいれば歴史が変わったかと言うと、あまり大きな差はなかったのかもしれないな。
世論や軍部の情況を鑑みると、大きく転換することはできなかったかも… という気もします。
あと、個人的に初めて知ったのは、
「昭和15年(1940年)の日独伊三国同盟調印は、欧州戦線でのドイツの大進撃から、早晩に欧州ではドイツが勝つとなることを見越して、終戦までに戦勝国の仲間になり、終戦後にアジアでの勢力を拡大(フランス領やオランダ領を支配)しようという火事場泥棒的な発想があったんじゃないか」
「昭和16年(1941年)の日ソ中立条約調印は、ソ連を枢軸国側に引き入れ、最終的には四国による同盟を結ぶ(日独伊ソ四国同盟構想)ことが目的と言われているが、それ以上にアメリカのアリューシャン列島への進出を恐れたために早期調印となったのでは」
という2点かな… 勉強になった一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読書は趣味、気楽なものがいい。
でも、たまにはと、この本を手に取った。
(著者は、政府に任命拒否された日本学術会議の新会員候補の一人。
歴史学の手法で首相官邸側の思惑を解き明かす時評を含む反骨の論評集。) 出版社より
老化の進む脳には厳しくて、メモを取りながら読んだ。
歴史学って 興味深いなあ。
真理に向かうための誠実で真摯な研究。
その一端をのぞかせてもらった。
記録を大切にしない風土の根幹には政治の不在がある。
そして、あとがきで著者は言う。
真実の歴史を「言葉」から探ること、本書ではこれを目指した、と。
≪ 国家とは 危機の時代に 問い直す ≫ -
学問と政治 学術会議任命拒否問題とは何か
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