加藤陽子のレビュー一覧
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「半藤一利」と「加藤陽子」が太平洋戦争に関わった日本のリーダー5人(「広田弘毅」、「近衛文麿」、「松岡洋右」、「木戸幸一」、「昭和天皇」)について裁判風に対談・討論した作品『昭和史裁判』を読みました。
『日本国憲法の二〇〇日』に続き「半藤一利」作品です。
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リーダーたちはどこで誤ったのか?
白熱対談!
太平洋戦争開戦から70年。
「広田弘毅」、「近衛文麿」ら当時のリーダーたちはなにをどう判断し、どこで間違ったのか。
「半藤゛検事゛」と「加藤゛弁護人゛」が失敗の本質を徹底討論!
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歴史探偵「半藤一 -
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ネタバレ読書は趣味、気楽なものがいい。
でも、たまにはと、この本を手に取った。
(著者は、政府に任命拒否された日本学術会議の新会員候補の一人。
歴史学の手法で首相官邸側の思惑を解き明かす時評を含む反骨の論評集。) 出版社より
老化の進む脳には厳しくて、メモを取りながら読んだ。
歴史学って 興味深いなあ。
真理に向かうための誠実で真摯な研究。
その一端をのぞかせてもらった。
記録を大切にしない風土の根幹には政治の不在がある。
そして、あとがきで著者は言う。
真実の歴史を「言葉」から探ること、本書ではこれを目指した、と。
≪ 国家とは 危機の時代に 問い直す ≫ -
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なぜ日本は戦端を開いてしまったのか。比較的簡潔に、丁寧に知ることができる良書です。日本人なら一読すべきだと思います。
本書では、中国との開戦以前から米英との開戦までを時期を章ごとに分けて議論し、章末に保阪氏による解説が記載されている。冷静な分析で議論をリードしていく加藤氏と、熱くも丁寧に語る半藤氏・保阪氏の対談はとてもバランスが良く、読みやすかった。三者の話を読んでいる(聞いている)と、「なぜ日本は戦争という道を選んでしまったのか」という理由が、朧げながらも全体像を掴めたような気がする。
【梗概】
"軍部・マスメディアの罪と大衆の不勉強"
日本が米英との開戦を迎えるまで -
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最近よく、政府のコロナ対策が「太平洋戦争の時の作戦と同じで、その教訓を活かしていない」とか言われているので、ちょっと興味を持って本屋さんで目に付いた本を選んだ感じです。
2017年の終戦の日のラジオ対談を書籍化。2017年というのは、盧溝橋事件が起きた年から80年になる節目ということもあったのでしょう。1931年の満州事変から1941年の真珠湾攻撃に至るまでの、太平洋戦争突入前の10年間をいくつかのターニングポイントごとに、原因や判断や起因するもの、そして結果と検証していくのですが、ラジオ番組らしくわかりやすく読めます。
コロナ対策がどこか戦争の時の対応と似ているというのは、戦略がないなど、 -
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<目次>
序章 太平洋戦争とは何か
第1章 関東軍の暴走~1931満州事変から1932満州建国まで
第2章 国際協調の放棄~1931リットン報告書から1933国際連盟脱退まで
第3章 言論・思想の統制~1932五・一五事件から1936二・二六事件まで
第4章 中国侵攻の拡大~1937盧溝橋事件から1938国家総動員法制定まで
第5章 三国同盟の締結~1939第二次世界大戦勃発から1940日独伊三国同盟まで
第6章 日米交渉の失敗~1941野村・ハル会談から真珠湾攻撃まで
第7章 戦争までの歩みから、私たちが学ぶべき教訓
<内容>
ノンフィクション作家の保坂正康を中心に、作家 -
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リットン報告書、三国同盟、日米交渉の3点に絞って、戦前の日本の歩みを解き明かす授業を本にしたもので、非常に楽しめた.学校の授業では近代の部分は学期末になることから、あまり詳しく教えられていないが、このような形の授業が今後も継続されることが必要だと感じた.特に三国同盟については知らない部分が多く、松岡洋右が国際連盟の席を立っていく写真(1933.2)を覚えているくらいだったので、参考になった.日米交渉については、陸軍、海軍及び政府間での情報の共有が十分でなかったことが、国としての行き方を間違った方向に進めたのだと感じた.著者の『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は我が本棚の中央に鎮座している.