戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

1,430円 (税込)

7pt

●受賞歴
紀伊國屋じんぶん大賞2017受賞

●内容紹介
かつて日本は、世界から「どちらを選ぶか」と三度、問われた。
より良き道を選べなかったのはなぜか。日本近現代史の最前線。

この講義の目的は、みなさんの現在の日々の生活においても、将来的に大人になって社会人になった後においても、
交渉事にぶちあたったとき、なにか、よりよき選択ができるように、相手方の主張、それに対する自らの主張を、
掛け値なしにやりとりできるように、究極の問題例を挙げつつ、シミュレーションしようとしたことにあります。(「講義の終わり」により)

*************

読んでいて、一段階ずつがスリリングで、ダイナミックで、おもしろい。〔…〕
この書評を書きながら反省したのだが、結論に走ってはいけない。自分の意見に合うところだけつまみ食いしてはいけない。
史料を読んで、過程を辿って、その中から今後に役立つものを誠実に抽出する。これはそのよい練習になる本である。
――池澤夏樹さん(2016年9月4日掲載、毎日新聞書評)

日本の未来を真剣に考えるすべての人にとっての必読書だ。
――佐藤優さん(2016年9月12日号「AERA」書評)

著者の知識に接する中高生たちの問題意識の鋭さは頼もしい。
「普遍的な理念の具体化」が欠けていた時代だったという結論を読者もまた共有する。
――保阪正康さん(2016年10月2日掲載、朝日新聞書評)

ページを捲るたびに、自分の視野の狭さに気づき、自分ならどう判断していただろうかと考えさせられた。〔…〕
単純化した物語に回収することはいくらでも可能であろうところを、事実にもとづいて、より豊かな物語として
理解していくプロセスを楽しませてくれる。
――開沼博さん(2016年9月25日号「サンデー毎日」書評)

当時は「これしかない」という空気が作られ、現在も「日本は戦争に追い込まれた」といういいかたがされる。
しかし、加藤が中高生たちと史料を読んでいくと、別の様相が見えてくる。
――永江朗さん(2016年9月9日号「週刊朝日」書評)

キーワードは「選択」で問題の「本質」が選択肢に反映されているか否かを、国外・国内の情況や対抗関係をみすえ解読する。〔…〕
「戦争まで」の動きがたんねんにたどられ、中高生ならずとも、多くの知見を得る。
――成田龍一氏(2016年9月25日、日本経済新聞書評)

著者の采配に従い史料を読む受講生の疑似体験的ワクワク感も感じ取れるが、その史料読解作法は
頭の中に立体的に現実を再現するというもの。戦争にしろ同盟交渉にしろ、日本外交から「理念」という言葉が
消えていることにも気付かされた。
――原田敬一氏(時事通信書評)

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    国策の選択が様々な制度の制約を受け、国際環境や国内政治情勢の影響下でなされることが必至だが、重要なのは問題の本質が政治家やマスコミの誘導ではなく正しい形で選択肢に反映されているかを検討することと著者は述べる。
    日本が太平洋戦争での巨大な犠牲を払う結果に至る過程で、異なる結果になりえた外交交渉を、満州

    0
    2025年04月06日

    Posted by ブクログ

    加藤さんが解説してくれる戦争についてが分かりやすかったので、こちらも読んでみた。なぜ日本がこれほど戦争にのめり込んでしまったのか、分かったようで、まだ自分の言葉では説明出来るところまでは行き着かなかった。もう少し時間がかかるかもしれない。
    本としては、挿絵や写真もあり、易しい言葉でまとめられており、

    0
    2025年03月21日

    Posted by ブクログ

    教科書には載ってないことが掘り下げて書かれている。
    戦争を阻止する選択肢がいくつもあったこと、知りました。

    0
    2023年08月16日

    Posted by ブクログ

    日本が戦争へと向かっていくまでの歩みを史料から読み解いている。6回に渡る講演を書籍としたものなので、会話をするかのごとく進行する。
    世界が日本にどうすのか問いかけられた3つの交渉を史料から読み解き、当時の状況を適切に理解することを目指している。
    一つ目の交渉は、1931年9月に関東軍が主導した満州事

    0
    2022年01月13日

    Posted by ブクログ

    前著「それでも日本人は戦争を選んだ」を読んで、感銘を受け、こちらも拝読しました。
    前著に負けず劣らず、こちらも素晴らしい著書でした。

    史料に基づくこと、その史料についても一面的な見方をしないこと、歴史を考える上で重要なことは何かを教えてくれます。

    内容的には高度なことも含まれるのでしょうが、分か

    0
    2021年05月09日

    Posted by ブクログ

    タイトルにあるように、太平洋戦争に突入するまでの重要な交渉事にスポットを当てて、歴史を紐解いています。①リットン調査団の報告から始まる国際連盟脱退について②日独伊三国同盟について③ハル・野村交渉に始まる日米交渉と、三つの交渉を挙げています。「~これら三つに共通しているのは、これらの案件が日本の近代史

    0
    2019年04月21日

    Posted by ブクログ

    前作「それでも日本人は戦争を選んだ」に感銘を受けて読んだ。
    真珠湾の「ローズベルト陰謀論」の全面否定は、意外だったが、説得力のある内容だったので、自分の認識を改めた。
    教育の影響は勿論甚大なのだろうが、泥沼の日中戦や勝てる見込みの無い日米戦に民意諸共嵌り込んだ根本原因は、「10万人の英霊と20億円の

    0
    2019年01月06日

    Posted by ブクログ

    かつて日本は世界からどちらを選ぶかと三度問われた。そして愚者の道へ道へとそれていってしまった。それはなぜか?その背景などがわかる。とても面白い日本の近現代史であった。

    0
    2018年10月19日

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦、太平洋戦争を冷静に振り返る本。右左でいえば左ということになるだろう。最近は右寄りの歴史修正主義の本が多い気がするので、そういった本を読む前、読んだ後に加藤陽子さんの本読むことは、極端な結論になるのを防ぐ意味で役立つと思う。一次資料に基づいた考えが多いので、その点で信頼性が高い。

    0
    2017年10月17日

    Posted by ブクログ

     大日本帝国はなぜ国際連盟脱退とか、三国同盟とか、対米開戦とか、今からすると一寸先も見えない阿呆な選択をしてきたのかという疑問に対して、史料に丁寧にあたることで「答えよう」というより「考えていこう」という試みである。ただ一つの答えが書いてあるというタイプの本ではない。ゆたかな枝葉がある、得がたい一冊

    0
    2017年10月08日

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