【感想・ネタバレ】この国のかたちを見つめ直すのレビュー

あらすじ

日本近代史の優れた研究者として知られ、政府に任命拒否された日本学術会議の新会員候補6人のうちの一人となり、昨秋は「渦中の人」になった。それでも前向きに自らの道を究める著者による論考の書。

※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください

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Posted by ブクログ

歴史学は何をする学問か…「歴史の闇に埋没した『作者の問い』を発掘すること」…歴史上一定の時代に現れたり創られたりした制度・組織・論理が、なぜその時代に現れるのかを考える態度…制度や組織を創り出した「作者」の思索の跡をたどるのが歴史学の役割…(p28)

歴史の真実は、人間の行動の記録として残された事実だけで成り立っているのではなく、人間が書いたり発したりした「言葉」に現れた知性の営みの中にもあると先哲は教えてくれている。真実の歴史を「言葉」から探ること、本書ではこれを目指した。(p280 おわりに)

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2022年06月22日

Posted by ブクログ

今年一番のインテリジェンスな本だった。内田樹を初めて読んだ時の衝撃を思い出した。
『難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを愉快に、愉快なことをまじめに』

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2021年12月13日

Posted by ブクログ

この方の「歴史観」歴史へのスタンスは素晴らしい 権力に対峙し軸がブレない
だから政府は恐れ、学術会議から外したと理解できる 実力を認識している
1.危機の指導者 長期的戦略思考力とは
 対米戦争で長期化は回避と理解はしているが、具体策ないまま開戦 最悪
 ロジスティクスの算段が出来る指導者の不在 
2.戦後の「天皇退位規定」天皇の戦争責任論 一般人として極東軍事裁判
3.危機対応 平時も戦時も基本は同じ「構想手法」(下平拓哉防衛省)
 ①現状の把握 ②問題の析出 ③解決策の案出
4.現代資本主義経済体制の閉塞 水野和夫氏
 1971 ニクソン・ショック
 1973 オイルショック
5.必要な政治改革=参議院改革 衆議院に対して強すぎる

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2023年02月06日

Posted by ブクログ

内容は鋭く、嘆きたくなる時勢について語れど、あくまで冷静で知的な文章が心地よい。

「国家の再生が必要となる時、ひとは国家の来歴を求め、自らの父祖の歴史をたぐり寄せる。だが、そうする時、自らの国家が他国との間でつむいだ歴史に潤色を加えようとするのは無意味だ。嘘をつくには相手がいるが、他国は国家の嘘につきあってはくれない」

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2022年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読書は趣味、気楽なものがいい。
でも、たまにはと、この本を手に取った。

(著者は、政府に任命拒否された日本学術会議の新会員候補の一人。
歴史学の手法で首相官邸側の思惑を解き明かす時評を含む反骨の論評集。) 出版社より

老化の進む脳には厳しくて、メモを取りながら読んだ。
歴史学って 興味深いなあ。
 
真理に向かうための誠実で真摯な研究。
その一端をのぞかせてもらった。

記録を大切にしない風土の根幹には政治の不在がある。
そして、あとがきで著者は言う。
真実の歴史を「言葉」から探ること、本書ではこれを目指した、と。

≪ 国家とは 危機の時代に 問い直す ≫

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2022年09月18日

Posted by ブクログ

東大教授加藤陽子氏のコラム&エッセー集。日本学術会議の6人除外当事者であり、事件についても詳しく語られている。

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2022年04月06日

Posted by ブクログ

各一章を読んだあと
ふーん なるほど
そういう視点のとらえ方があったか
と 思わせてもらえる一冊

考えながら
行きつ戻りつしながら
読ませてもらいました

新年早々に
心地よい刺激をもらえました

もし、未読の方にお勧めするなら
p169~
ー井上ひさしが追い続けた「かけがえなさ秘めた笑い」
の一章から を挙げたい

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2022年01月13日

Posted by ブクログ

近代歴史学者の著者による評論集。第一章:国家に問う、第二章:震災の教訓、第三章:「公共の守護者」としての天皇像、第四章:戦争の記憶、第五章:世界の中の日本、歴史の本棚。文書を大切にしない国は歴史をも大切にしない。中国には史官という役目の官僚がいたのに。今の日本には、後から批判される可能性がある都合の悪い文書はみんな破棄する悪弊を官僚が持っているのか…。

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2021年11月16日

Posted by ブクログ

最近、加藤陽子さんの発言などに関心をもっていて、初めて著書を読んでみた。ざっくり読んでしまって、専門の近代日本史などに関する鋭い言及などは消化不足でごめんなさい。
冒頭のほうのインタビュー記事を起こしたところがよかった。「そもそも何の落ち度もない個人が、一方的に著しく時間と手間を強いられる制度の方が問題なので、悪い制度には誠実に対応しすぎないことが肝心」(p.37)というのは自分にとって至言。最近意地を張るかのように遵法精神旺盛なときがあったりするので、もっと都合よく生きないといかんなあ。

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2024年08月28日

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