加藤陽子のレビュー一覧

  • あの戦争になぜ負けたのか

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    対談の形で進行するが、整理されているのと、注釈が細かくつけられているため、非常に読みやすくわかりやすい。
    本書の最後に、各人が書いた文章があり、その主題で、それぞれがどこに主眼を置いているのかがわかる。それを前提としてもう一度読み直すのも興味深いと思う。

    「永遠の0」で、本当にこんな戦争だったのだろうかという疑問がわいた。小説は史実ではない。
    そしてこの本を読んだのだが、戦争というものがはじまり、継続していくということが、こういう形で行われていたのか、という再確認でもあった。国を存続させるために、やむなく開戦に至ったのだという認識を改めざるを得なかった。

    日本人とはどういう民族なんだろう、

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    2014年03月25日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

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    明治以降の日本近代史は戦争の連鎖と言え、ひとつひとつの戦争は点ではなく、鎖のように因果が繋がっている。
    特に、日露戦争➡第一次大戦➡満州事変➡日中戦争および大東亜戦争、の流れの中で揺れ動いた政治観が興味深い。
    国際情勢、政治の変化の対応して世論がどう変化していったか、という部分のはもう少し詳しく読みたかったな。

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    2012年07月14日
  • NHKさかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争

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    ネタバレ

    NHKのEテレで放映しているさかのぼり日本史の第二巻です。
    満州事変から敗戦までの歴史を東大の加藤陽子教授が解説しております。
    4つ上げたターニングポイントの中で、一番のポイントはマリアナ沖海戦・サイパン陥落(1944年)だと思います。この時点で戦争をやめていれば、原爆も沖縄戦も空襲もなかったと思います。

    あとは、満州事変の時に、東大生の9割が戦争を肯定していたという事実にびっくりしました。石橋湛山のような意見が少数だったのですね。

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    2012年04月25日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

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    『戦争』をテーマとしているが、明治維新から太平洋戦争までの日本外交全般について学ぶことができる良書。内容は難解ながら口述形式なので文章は平易で読みやすい。
    第一次世界大戦までの日本外交と、それ以降の日本外交の何が違っているのか。
    教科書的な事実の裏にある一本の論理の線を明かし、歴史の深みを知ることができる。

    以下あとがきからの引用
    ・日本の近現代史をながめてみただけでも、新たしく起こされる戦争というのは、以前の戦争の地点からは、まったく予想のつかない論法で正当化され、合理化されてきたことがわかります。
    そして、ここの戦争を検討すると、社会を構成する人々の認識ががらりと変わる瞬間がたしかにあり

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    2012年03月25日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

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    開国および明治維新の近代化政策から太平洋戦争にいたるまでの戦争史です。ここらへんの歴史観は人によってかなり異なる所ですが、高校までの歴史の世界から一歩踏み出して「歴史を線としてどう見たらよいか」というのを考えるのにとてもよく出来ています。"東大式レッスン"というタイトルも、口調が大学の授業風の口語体に近く、史料も噛み砕いて分かりやすく説明していますので、日本の近現代史に興味を持ち始めたばかりの人にお奨めしたい一冊です。最近流行りの「失敗学」を考えるにも有用な一冊かもしれませんね。

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    2011年11月17日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    6名のそうそうたる面々が大東亜戦争を討議。討議のかたちだが文章がうまく補足されてるので、戦史全体像と事件経緯もよく分かる。注釈も見開きごとにあるし。

    日本の戦略性ゼロというか「エイ、ヤー」の勢いってのはこんなにもヒドかったのか。かなりコキ下ろす一方で、昭和天皇の評価は高い。天皇と大元帥の二役で苦しいなか最大限の情報発信をしてきたと。

    それにしても「バスに乗り遅れるな」の勢いって、いまのTPPで騒いでんのといっしょだろ。日本人ってホントに歴史から学ばない民族なんだなあとつくづく思った。逆に外国からみればそれが不思議以上に得体の知れない恐怖を感じるのかもしれない。

    あの戦争で日本人は「攻勢の

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    2013年01月23日
  • シリーズ日本近現代史 5 満州事変から日中戦争へ

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     岩波新書のシリーズ日本近現代史の5冊目は、近代日本軍事史研究を手がける加藤陽子(現・東京大学大学院人文社会系研究科准教授)が担当。


     先日読んだ第6巻『アジア・太平洋戦争』が、ごく平凡な記述であったのに対して、この第5巻の視点は非常に面白い。

     一般的な通史の感覚でいくと、戦間期から日中戦争への記述は、主として軍部と大衆世論や、政友・民政の経済政策の変遷など政党政治の崩壊を中心とした国内政治を描くことが多いが、本書はそうではない。

     本書は、1920年代から30年代にかけての、いわゆる「満蒙特殊権益」を端に発する日中関係およびその周辺の外交史である。

     日露戦争以来の満蒙権

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    2011年01月22日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

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    日記や新聞から有名人物だけでなく、地方の有力者などの感覚をヒントに幕末•明治維新期からの歴史事実を読み解いていく良書。
    ちなみにmixiの作者のコミュニティーの管理人をしています。

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    2010年11月07日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

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    2度目の読破。中学生には少し難しいかも知れないけれど、高校生ならば読めるでしょう。近代以降の特に戦争を扱った書物には、極端なナショナリズムの影響が見られたり、戦争に反対するあまり事実の記載が少ないものが見られるが、本書はとてもバランスがよいと思う。誰が悪かったかではなく、(もちろん悪いヤツはいるけれど)「なぜそうなったか」ということが、私たちが一番知るべきことなのだと、この本は教えてくれる。合わせて「それでも日本人は戦争を選んだ」を読みたい。

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    2011年09月28日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

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    一番知っていないといけない時代なのに、一番知らない時代。歴史の授業は、現代から逆に進んで行くべきなのではないか。

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    2009年12月07日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

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    この本では、近代日本にて戦争がいかにして国民に受け入れられたのかが書かれている。

    まず、本書の近現代を見る視点が面白いし、教科書では流されている部分も分かりやすく説明がされている点も嬉しい。国民の同意なくしては出来ない戦争が、受け入れられていった過程と手段を学ぶことは非常に有意義であり、とても面白い本。

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    2009年10月04日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    どうして日本は太平洋戦争で負けたのかを座談会形式で六人の著者が8つのテーマを話し合っている。

    座談会形式なのでとても読みやすい。テーマも興味深く、変にイデオロギーを持ち出さず、あくまで実証的に論ずる姿勢は評価できる。また、第二部の「あの戦争に思うこと」では著者各自の歴史観などが述べられており、歴史との付き合い方を考えさせられた

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    2009年10月04日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

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     昭和史研究のスペシャリスト3人によるNHKラジオ番組『太平洋戦争への道』を刊行した本。
    三人とも昭和史や戦争についてたくさんの著書を出版されており、どんな話になるのか期待感が高まります。
    「なぜ日本は無謀ともいえる戦争に向かっていったのか?」歴史のifではなくwhyに浮かび上がってくる答えは何なのか?と興味を惹かれ手に取った作品。

    本書で印象的だったのは6つの分岐点!
    どの時点でも回避する術はあった。
    が、色々な事情が重なり悪い方へ悪い方へ向かってしまった。
    日清日露戦争の勝利で世の中は浮かれ、新聞やラジオが戦争を煽り、国民も便乗したり、クーデターや国連離脱など複雑な事情が重なって責任は軍

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    2025年12月09日
  • となりの史学 戦前の日本と世界

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    加藤陽子氏の著作ということと、表紙のフレンドリーな雰囲気のイラスト(本文中の緻密なイラストもすごい。高度な歴史知識も感じて、イラストもわたしには難しかったけど。でも加藤先生の顔のイラストが全部かわいい)に惹かれて買ってしまったけど、悲しいかな、わたしには難しくてまったく歯が立たない感じで残念だった。(「歴史総合」を学ぶ高校生に、みたいなことも前書きに書かれているんだけれども…。)そもそも、取り上げられている歴史書や研究書を読んでいることが前提みたいで、その歴史書や研究書も何巻もあるような専門的なものと思われるし、前もってそうと知っていれば買わなかったかも、とすら…。
    でも!、この世界をよくする

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    2025年10月12日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    上野千鶴子の担当する章が興味深かった。

    ホモソーシャルな集団(往々にして男性中心のコミュニティを指す)では、同性愛嫌悪(ホモフォビア)とミソジニー(女性蔑視)を持つことで成員資格が与えられる。つまり、異性愛者として女性を性の対象として扱うことができてはじめて「仲間」として認められる。

    ホモソーシャルの考え方を使えば、非モテ男性や弱者男性、インセルといった現象も説明できる。
    冷静に考えたら別にモテなくて落ち込む必要はないのに女性に性的にモテなくて落ち込む人が存在する。
    それは実は女性にモテないのではなく、自分が男社会で「仲間」と認められないから落ち込むのではないだろうか?

    そういうのは本当

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    2025年09月14日
  • 太平洋戦争への道 1931-1941

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    ネタバレ

    太平洋戦争に関しては日本史の授業で習ったぶりで、大体の流れや事件の名前など表面的なものしか理解できていなかったことがわかった。日本以外の視点を持つことができて改めてメディアの影響の強さを実感した。

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    2025年02月10日
  • 昭和史裁判

    匿名

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    昭和戦前期の首相などの政治家(広田弘毅、近衛文麿、松岡洋右、木戸幸一)と昭和天皇合わせて5人について、
    歴史探偵で作家の半藤一利さんと東大教授の加藤陽子さんが対談した本。

    分かりやすい注釈が随所にあるにもかかわらず、私の方に予備知識がなさ過ぎて、
    「何を言っているか分からない」状態になってしまったところが多々><

    だけど、昭和天皇について言及したものについては初めて触れた。
    「昭和天皇にとって、日中戦争は初陣だった」
    なんて言われてみなければ気が付かない感じ。
    そうか、その頃まだ昭和天皇は20代だったのかとか^^;

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    2025年01月13日
  • 歴史の本棚

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    日本近現代史が専門の歴史学者加藤陽子氏による書評集で、テーマは「未来のために過去はある」、つまり歴史に学ぶっていうことなんだけど、わたしにはかなり難しかった。挙げられている本も専門的な本が多いし、評している文章の言葉も堅く難しく感じて、集中して読まないとよく理解できないような。わたしは歴史苦手なので基本的なことがわかっていないっていうことも大ありなんだけども。それでも、(挙げられている本は読めないとしても)書評をなんとか読むだけでも勉強になり、知識が若干増える気はしたので、ためになったと思う、思いたい。

    そんななかでも、著者にとっては楽しみとして読む本と思われる、あるいは新聞の書評欄に掲載さ

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    2025年01月03日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

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    近代の戦争がどういう流れで始まったのか、国民はそれをどう受け止めていたのかが、わかりやすく解説されており、読みやすかった。誰かが憎くてではなく、一生懸命生きようとした結果が、戦争という思想になっていったのかもしれないと思った。

    時代によって正しいことがコロコロと変わり、何が正しいかなんて、本当にないのだと、改めて歴史から学べたことが良かった。

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    2024年11月05日
  • 昭和史裁判

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    教科書では習わない歴史。大変興味深く読めた。あらためて知った事も何点か。木戸光一は、さほど名の知れた人でないにも関わらず、戦争への関与が非常に大きかったこと。旧憲法化は、総理大臣の権限が小さかったこと。(従来からなぜ最も簡単に内閣総辞職と放棄しまうのか不思議だった) 昭和天皇の軍への関与がかなりあった事。2024.8.8

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    2024年08月08日