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Posted by ブクログ 2014年07月10日
第二次世界大戦まで日本社会がどのように戦争にかかわり、正当化し、それに対してどんな反論がなされてきたのか。些細な文献も取り上げ考証し、緻密な論理を組み立てます。
仮想敵国という言葉の"仮想"がいつなくなるかわからない時代にあって、戦争による他国領地の占領は自衛的方策としてリアリ...続きを読むティがあったのでしょう。
しかしそれはいまや空論でしかありません。国際社会が戦争によってもたらされる悲劇、絶望がいかに大きいかを理解したからです。
本書で明らかにされた前時代的な論理を我々が現代に発見するならば、それが如何に悲惨な結果をもたらしたかを思い出すべきでしょう。
Posted by ブクログ 2012年07月14日
明治以降の日本近代史は戦争の連鎖と言え、ひとつひとつの戦争は点ではなく、鎖のように因果が繋がっている。
特に、日露戦争➡第一次大戦➡満州事変➡日中戦争および大東亜戦争、の流れの中で揺れ動いた政治観が興味深い。
国際情勢、政治の変化の対応して世論がどう変化していったか、という部分のはもう少し詳しく読み...続きを読むたかったな。
Posted by ブクログ 2012年03月25日
『戦争』をテーマとしているが、明治維新から太平洋戦争までの日本外交全般について学ぶことができる良書。内容は難解ながら口述形式なので文章は平易で読みやすい。
第一次世界大戦までの日本外交と、それ以降の日本外交の何が違っているのか。
教科書的な事実の裏にある一本の論理の線を明かし、歴史の深みを知ることが...続きを読むできる。
以下あとがきからの引用
・日本の近現代史をながめてみただけでも、新たしく起こされる戦争というのは、以前の戦争の地点からは、まったく予想のつかない論法で正当化され、合理化されてきたことがわかります。
そして、ここの戦争を検討すると、社会を構成する人々の認識ががらりと変わる瞬間がたしかにあり、また、その深いところで変化が、現在からすればいかに荒唐無稽にみえようとも、やはりそれは一種の論理や観念を媒介としてなされたものであったことは争えないのです。
Posted by ブクログ 2011年11月17日
開国および明治維新の近代化政策から太平洋戦争にいたるまでの戦争史です。ここらへんの歴史観は人によってかなり異なる所ですが、高校までの歴史の世界から一歩踏み出して「歴史を線としてどう見たらよいか」というのを考えるのにとてもよく出来ています。"東大式レッスン"というタイトルも、口調が...続きを読む大学の授業風の口語体に近く、史料も噛み砕いて分かりやすく説明していますので、日本の近現代史に興味を持ち始めたばかりの人にお奨めしたい一冊です。最近流行りの「失敗学」を考えるにも有用な一冊かもしれませんね。
Posted by ブクログ 2010年11月07日
日記や新聞から有名人物だけでなく、地方の有力者などの感覚をヒントに幕末•明治維新期からの歴史事実を読み解いていく良書。
ちなみにmixiの作者のコミュニティーの管理人をしています。
Posted by ブクログ 2011年09月28日
2度目の読破。中学生には少し難しいかも知れないけれど、高校生ならば読めるでしょう。近代以降の特に戦争を扱った書物には、極端なナショナリズムの影響が見られたり、戦争に反対するあまり事実の記載が少ないものが見られるが、本書はとてもバランスがよいと思う。誰が悪かったかではなく、(もちろん悪いヤツはいるけれ...続きを読むど)「なぜそうなったか」ということが、私たちが一番知るべきことなのだと、この本は教えてくれる。合わせて「それでも日本人は戦争を選んだ」を読みたい。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
この本では、近代日本にて戦争がいかにして国民に受け入れられたのかが書かれている。
まず、本書の近現代を見る視点が面白いし、教科書では流されている部分も分かりやすく説明がされている点も嬉しい。国民の同意なくしては出来ない戦争が、受け入れられていった過程と手段を学ぶことは非常に有意義であり、とても面白...続きを読むい本。
Posted by ブクログ 2018年12月08日
明治から昭和までの戦争に視点を当て、当時の日本政治指導者たちの論理の変遷を述べたもの。とかく戦争批判者が、当時の政治家や軍部を、感情的な判断であるとか浅はかなチャレンジ精神と批判するが、時の為政者もそのような単純な思いから戦争を起こしたわけではない。当時の政治指導者、軍部が、どのように世界情勢をとら...続きを読むえ、国民を説得し、戦争に踏み切ったのかを克明に述べている。ただし、ジェームズ・ウッド著「Japanese Military Strategy in Pacific War - Was Defeat Inevitable?」で、日本の太平洋戦争の当初の戦略プランはほぼ完璧で日本の開戦決定は間違っていなかったとの論に比べると、加藤氏は、日本の誤った侵略戦争との前提に立った論理展開をしているようで、研究は極めて深いものの微妙に違和感を覚えた。
Posted by ブクログ 2013年10月05日
太平洋戦争をふりかえるとき、「なぜ日本は無謀な戦争に突入したのか」という命題が立てられがちだが、太平洋戦争だけを取り上げてそのような問いを立てるのは「正しい問い方」ではないと筆者は言う。
明治政府樹立後、次々に戦争を重ねてきた日本の歴史を一つ一つ検証し、戦争の相互性をとらえる中で、初めて太平洋戦争を...続きを読む巻き起こした理論が明らかになる。言われてみれば当たり前だが、なかなか気づきにくいこと。
明治維新に正当性を持たせた理論から順に、為政者が戦争に向けて国内外に訴えた理屈を見ていくと、今から見れば無謀で筋の通らない戦争がなぜ実現されてしまったのか、おぼろげながら見えてきた気がする。
もっと背景知識を身につけてからもう一度読みたい。
Posted by ブクログ 2011年09月10日
作者が言う、戦争を学ぶ、その必要性は大きい。
あの時代の点と点が繋がり線になって行く様子を
感じる事が出来た。
この作品以外の考え方や真実もあるんだろうから、
明治、大正、昭和の歴史を、側面ではなくて、
出来るだけの真実と「なぜ」とを知りたいと思った。
今現在、戦争なんて、と思ってしまうけど、
い...続きを読むかなる理由でも起こり得る事なのかも、
そういう認識も必要な世の中になってしまってそうで怖いな。
Posted by ブクログ 2011年01月15日
時の権力者たちが、戦争の「大義名分」を如何に得たかの分析。
前半の日露戦争・第一次大戦あたりまではかなり説得力があったのだが、日中戦争以降は、僕の読み込みが足りないせいもあるのだろうが、ちょっと迫力不足のような印象を受けた。
背景としてアメリカの世界戦略があって、戦略は石原莞爾のグランドデザインの...続きを読むとおりです、というふうに読めてしまって、あれれ、それでいいの?政府と軍部と関東軍の思惑は、結局のところ一緒なの?という感じ。
とはいえ、いわゆる後知恵なしのフェアーな立場で分析がなされていることは良いと思ったし、その時々の世界情勢に応じて外交と戦争を連続的に捉えるという見方はとても新鮮だった。
Posted by ブクログ 2010年11月25日
[ 内容 ]
日本はなぜ太平洋戦争に突入したのか?
明治維新以降の「戦争の論理」を解明した画期的近代日本論。
[ 目次 ]
第1講 「戦争」を学ぶ意味は何か
第2講 軍備拡張論はいかにして受け入れられたか
第3講 日本にとって朝鮮半島はなぜ重要だったか
第4講 利益線論はいかにして誕生したか
第5...続きを読む講 なぜ清は「改革を拒絶する国」とされたのか
第6講 なぜロシアは「文明の敵」とされたのか
第7講 第一次世界大戦が日本に与えた真の衝撃とは何か
第8講 なぜ満州事変は起こされたのか
第9講 なぜ日中・太平洋戦争への拡大したのか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ 2010年09月27日
近現代の日本が何故対外戦争を仕掛けたのか。
高校までの授業じゃそんな事は教えない。
何故なら
『日本史は高々、入試に使う科目であり、暗記科目に過ぎない。せいぜい常識として我が国の事を知る為。』
と言う前提程度しか教える方も学ぶ方も考えていないからだ。
だが、この本は東大生に教えた、『教育』ではない...続きを読む『教養』の本である。
高校までに習った(一部範囲外)歴史をベースに、何故戦争を侵したのか。
それを、丁寧に論証→考察を重ねて説明して下さっている本なのだ。
『何故戦争を起こしたのか。』
これを知ることは非常に大切なこと。
マスメディアに動かされやすい、世の中に対して、常に冷静な視点を持つ事が出来るからである。歴史とは、私達人間が重ねてきた、成功と失敗の時間の賜物。
それを学ぶ事は、人間が進歩する上で、非常に大切な事である。
星を4つにした理由は、証拠論証→考察に丁寧過ぎるが故の脆さ。
論証部分には確かに、何故民衆が、政府の主張や過熱する紙上論を受け入れていったかが書いてある。
だが、果たしてそれだけだろうか。
民衆側にも、不満があったり、むしろ政府側が民衆に圧されたと言う考え方があっても良いのではないだろうか。
また、周りに影響されやすく、人の目を気にするなどの日本人の性質を考慮すべきではないか?
そういう点も留意した上での考察ではないように思えるので、星4つ。
Posted by ブクログ 2010年08月09日
明治維新から太平洋戦争に至るまで、戦争を許容する「民意」が如何にして形成されてきたかを問う本書。内容的には、左翼的な「扇動論」とも「司馬史観」とも一線を画しており、冷静に資料を積み上げていこうとする姿勢に好感が持てる。紙幅の関係か、論証が論証になっていない部分もあるが、形成された民意の是非を扱ったり...続きを読むはせず、ひたすら民意の形成過程だけを追うという切り口が秀逸。新書にするには少々重すぎる内容なので、願わくは、専門書として読みたかったです。
Posted by ブクログ 2010年07月22日
国民や世論というのは本当に流されやすく、熱狂に走りやすいものである。万国共通ではあろうが、特に日本人は日々のマスコミ報道でも顕著なとおり、与えられた情報に過敏に反応し、熱狂しやすいという性質があるのではないか。
昭和の戦争だって「軍部がわるかった」というのが一面真実であっても、世論をかき立てて自ら...続きを読む方向を見失い、戦争に突入していった国民にも大きな責任があったのである。
現代においても、日本人は極端な熱狂によって、重要な問題で誤った方向に進みかねない危険をはらんでいる。外交、軍事、あるいは内政においてもそうである。
不幸な歴史を繰り返さないよう、軍だけでなく世論がいかに戦争を許容し、あるいは戦争を望んでいったのかを、冷静に見つめる必要がある。
Posted by ブクログ 2011年07月18日
大変勉強になりました。自分はあまり頭がよくないので、少しずつ読んで、頭を整理して、の繰り返しで、読むのに時間がかかりました。歴史そのものを知ることが勉強になったというよりも、文中で『歴史を学ぶ意味』を教えてもらい、『歴史学の手法や考え方』を学べたことが勉強になりました。歴史学の手法や考え方(詳しくは...続きを読む省きますが、人間の行動や認識の変化はどうして起こったのかという「問い」について考えること)は、日々の生活や仕事に必要な能力を鍛えることができるというのが、歴史を学ぶ意味ですが、私は歴史が好きなので、好きなことを通して、これから能力を磨いていければいいなと思いました。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
新書と思って軽い気持ちで読むには非常に難しい本。
中学レベルの知識すら危うい自分が読むには結構苦労した。
何せ「第一次世界大戦ってどの国が参加してどうなったっけ?」という状態だったので。
この本は戦争の概要を述べた教科書の延長上のような本ではない。
「なぜ戦争が起こったのか」という背景を深く...続きを読む掘り下げている。
なので戦争の結果すら書いていない。
自分の知識ではついていけない部分もかなりあった。
それでも中立的な観点から書かれた良著だと思う。
この手の本って右や左に偏ったりするので。
サブタイトルが恥ずかしいのだけど、東大生は普段からこのような中身の濃い一般教養を受けているかと羨ましくも思った。
それにしても難しい本(焦)。
Posted by ブクログ 2021年08月08日
明治維新から太平洋戦争までの時期を対象として、為政者や国民が世界情勢と日本の関係をどのように捉え、どのような論理の筋道で戦争を受け止めていったのか、その論理の変遷を追っている。当時の日本における、朝鮮や満州の位置づけがわかりやすく、近現代史のよい復習になった。
Posted by ブクログ 2017年09月03日
明治維新から太平洋戦争まで、政治家や軍部、報道、あるいは世論が日本を取り巻く環境やそれに対する外交・安全保障をどう認識していたか。そして、そうした認識が戦争の開始にどう影響したかをつぶさに見ていく。
客観的な事実として何があったかではなく、その事実をどう受け止め意義づけ、どのような主張や行為に結びつ...続きを読むいたのかという主観に焦点が当てられる。事実そのものでなく事実に対する認識が物事を動かすことは往々にしてあることで、そこに着目することは意義のあることだと思う。
Posted by ブクログ 2015年05月13日
為政者、そして国民が「だから戦争に訴えるのだ」という感覚を持つようになり、それを書き記すようになるのはどんな論理の筋道を得た時なのか。
というのがライトモチーフになっている。
戦争につぐ戦争の時代。
全九講。
その時期に書かれたものを引用して説明されている部分があり、なるほど…となった。
Posted by ブクログ 2014年10月10日
再読
書店で見かけて、思わず読んでみたけど2年前に読んでた。表紙の装丁が変わったので新刊かと思ったけど情けない限り。
とはいえ、歴史には出来事とともに「なぜ」という問題が潜んでいるという著者の視点にははげしく同意する。
国家の発展になぜ戦争が必要だったのか? 国民はなぜ戦争を選んだのか? 信じられな...続きを読むいけど日中戦争から太平洋戦争への拡大も、それを許す論理が存在していたからだ。ではなぜそんな論理が成立しえたのか。答えが用意されているわけじゃないけど、このアプローチには感心しちゃう。
Posted by ブクログ 2013年10月25日
難しい!のと、米国が敵とみなされてからがちょっぱやで、ん?となりました。読んでいるのに通じない…難しい。
ですます調に不慣れで、そこもなかなか厳しかった…。
そして戦争を学ぶというよりは外交駆け引きかなぁと。
決して軍事じゃないなぁと。
Posted by ブクログ 2013年10月24日
なんとなくまとめ。
明治政府誕生
海外列強やべえ
特にロシア。
軍備整えないと!
↓
清が朝鮮の属国化強化
しかも、列強に土地貸し出しとかしてる
ロシアに手出されたら怖すぎる
↓
日清戦争で朝鮮の独立を明記
↓
ロシアの中国、朝鮮での権力増大。
満州占領
↓
日露戦争
レーニン「専制国ロシアは立憲...続きを読む国日本にすでに打ち破られている」
↓
第一次世界大戦勃発
東アジアのドイツ領の奪取、中国での権益拡大の好機!
参戦!
↓
戦争ってもう総力戦だよね。
経済封鎖されても戦えないと・・・。
そうだ!中国あるじゃん!
↓
海軍「つっても、ある程度艦船があれば短期決戦いけるよ」
ロンドン海軍軍縮会議「日本軍艦つくりすぎ。アメリカの6割な」
日本「アメリカむかつくわー」
↓
陸軍「中国取れば30年でも戦えるわ。今ならソ連も弱いし・・・」
満州事変!
↓
ソ連パワーアップ。
中国「満州取られて日本ムカつく。日本製品なんて買わんわ」
日本「中国の野郎・・・。親日政権作らにゃ」
盧溝橋事件=日中戦争勃発
しかし、アメリカの中立法でお互い宣戦布告できずにグダグダに。
ドイツと日本の接近、ソ連での対日強行論など、日中戦争の国際化
アメリカ「中国とソ連まで日独伊側に入れるわけにはいかねーな」
↓
日本の東南アジアへの戦線拡大。
アメリカ「日本いい加減にしろ」
太平洋戦争!
Posted by ブクログ 2011年05月15日
事前にこのあたりの知識をもっていないと少々難解な内容です。新書だからといって侮るなかれ。少なくとも理系大学5年生の知識では結構難しいと感じました。
「それでも、日本人は戦争を選んだ」という同じ著者の本を読み、この本も同じような感じかと思って購入したのですが、少々あてがはずれました。
歴史を単なる...続きを読む知識、としてではなく「問い」としてとらえるその姿勢には変わりがなかったのですが、今回は「問い」にたどり着くまでの前提となる知識、解説が多すぎたような気がしました。
それでも内容は示唆に富むものは多いとは思います。特にp268以降の内容は、今の日本人のとある考え方が昔から何一つ変わっていないものだということを示すうえで、非常に面白い内容だと思いました。
Posted by ブクログ 2011年07月18日
加藤陽子の戦争の日本近現代史を読みました。「東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで」と言う副題が付いている、明治維新以降の日本の外交戦略について解説された本でした。明治維新以降、日本の指導者たちが日本を先進国の仲間入りをさせるために、どのような施策をとって国民に説明していたのか、国民はそれに対して...続きを読むどのように反応したのか、と言うことが解説されています。日本人が国際的に有利な条件で外交をするために国防を充実すべきであるという方針の下で軍備の拡充を行っていく中でも、国民の中には負担増に反対する意見もあったというのが面白いと思いました。しかし、一番知りたかった、なぜ満州事変から(無謀と思われる)太平洋戦争に突入していったのか、それを国民はどう感じていたのか、というところの解説が少なく、ちょっと物足りなく感じました。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
国会開設が未だならなかった明治期の民権派の論理は、地方に於いても国権の確立のためには民権の樹立が必須であるとの認識が強靭であったのであって、後に国権が優位にたつという論理構成にはなっていなかった。国権の必要性は、不平等条約から開放が、緊急の要諦であり、また列強による支配から逃れる道であるという認識...続きを読むを基にしていた。
対中21か条の要求
加藤高明外相
山東省についてドイツと協定すべき内容について中国は承認を与えなければならない。山東省還付について、中国の対戦参加によって、揉める。ドイツから一旦は山東省を引き取り、後に中国に返還するという「要求」。
旅順・大連の租借期限と南満州鉄道、安泰鉄道の期限を99年間延長。
元老山県有朋
「対支関係に付き各国の状況を取り調べず、訳の分らぬ無用の箇条まで羅列して請求したるは大失策なり」と述べる。米国の干渉を呼び起こす。中国の領土保全と門戸開放に反することが理由。
パリ講和会議 1918原内閣
1、北大西洋旧ドイツ領南洋諸島問題
2.山東省利権承継問題
3、人種差別撤廃問題。
日本としては、差別の撤廃を法律上において獲得することを非常に重視。一般に言われるような体面の問題ではなく、諸外国の日本に対する国力の過小評価につながり、それが中国の日本に対する軽蔑につながるのでかえって、戦争の機会を増すことになる。として人種問題を取り上げた。
米国の国内の移民排除の問題を、国際条約の権威によって抑制して行く契機だという参謀本部の発想は、米国上院の最も嫌うものだった。米国上院ではウイルソン大統領の理想主義が受け入れられるものではなかった。移民の問題は、国家の主権にかかわるものであった。
が、国際社会は、山東省を直接中国に返還しないという取引条件として人種差別撤廃問題を日本側が持ち出したと踏まえた。21箇条の要求は、日本の人種差別撤廃案と取引条件としての山東省の返還しないという条約は、国際的な信用力を失わせる結果となった。