あらすじ
第二次世界大戦に突き進む世界。
なぜ戦争は避けられなかったのか。
日本近現代史の視点で世界史を横断し、「世界の中の日本」を捉え直す。
本書では、近代の「戦争」と「世界」について、世界の第一線で活躍する歴史学者らが考え尽くした研究成果をわかりやすく解説。
近代日本が戦争を交えた相手国【中国、ロシア、英国、ドイツ】との二国間での歴史共同研究をもとに、戦争終結後の和解と共存の真の方向性を探る。
戦争に至る過程で双方に起こっていたことは何であったのか、双方の国家の指導者の意図や社会を構成する人々の意識はいかなるものであったのかについて、現時点で利用可能なあらゆる史料や記録によって明らかにする。
日本近代史をはじめ、隣接領域である西洋史、東洋史、グローバルヒストリーなどの世界史の面白さを堪能。歴史学者と手描きイラストルポライターによる類を見ない画期的な一冊!
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Posted by ブクログ
気鋭の学者とイラストレーター、奇跡のコラボ。
歴史を複眼的に見る視点の面白さ。日中、日露、日英、日独それぞれの関係を深く考察することで見えてくる歴史の実像。
東京大学出版のPR誌「UP」の連載記事の単行本化。
新教科「歴史総合」の魅力を十二分に伝える一冊。
日中の歴史認識の掛け違いが、中国の歴史のスタートを1911年の辛亥革命に置くか1945年に置くか、という指摘に感心した。
Posted by ブクログ
戦前の日本と世界。第一章:日中の戦争観、第二章:共存から緊張へ変化した日中関係、第三章:西洋と東洋を結ぶ懸け橋、第四章:明治日本はイギリスに何をもとめたのか、第五章:東アジアの国際情勢にみる日独関係。
Posted by ブクログ
加藤陽子氏の著作ということと、表紙のフレンドリーな雰囲気のイラスト(本文中の緻密なイラストもすごい。高度な歴史知識も感じて、イラストもわたしには難しかったけど。でも加藤先生の顔のイラストが全部かわいい)に惹かれて買ってしまったけど、悲しいかな、わたしには難しくてまったく歯が立たない感じで残念だった。(「歴史総合」を学ぶ高校生に、みたいなことも前書きに書かれているんだけれども…。)そもそも、取り上げられている歴史書や研究書を読んでいることが前提みたいで、その歴史書や研究書も何巻もあるような専門的なものと思われるし、前もってそうと知っていれば買わなかったかも、とすら…。
でも!、この世界をよくするために過去の歴史を学ぶうえで、自分の国の側から見た歴史だけではなく、他国の側からみた歴史を知ることが大切、っていうことを教えられただけでも読んでよかったと思った。たとえば、日本で教えられている中国史と中国で教えられている日本史ではギャップがある、とか、「自国史教育が世界史教育と乖離している現状」とか、そういうことを知っただけでもよかった。
(って、それしか言えない感じが悲しいが。もっと勉強しないと。またいつか読み返したりしたい…)
どうでもいいけど、加藤先生がル・カレ読んでらっしゃるのはうれしかった。
Posted by ブクログ
戦前という言葉を聞くと、遠い過去の出来事のように思える。しかし著者は、その時代を決して特別な異世界として描かない。むしろ、私たちの「となり」にある日常の延長として戦前を見つめる。国際情勢の緊張、経済不安、世論の熱狂――人々は少しずつ選択肢を失い、戦争へと傾いていった。歴史の転換点は、劇的な一日で訪れるのではない。小さな妥協や無関心の積み重ねが、大きな流れを生む。だからこそ歴史を学ぶ意味は、過去を知るだけではない。いま何を選ぶかを、自らに問い続けるためにある。
Posted by ブクログ
おっしゃる通りモリナガさんのイラストに惹かれ手にしたが、細か過ぎて。神は細部に宿るし、歴史の大きな流れをつかむには同時代の資料の読み込みが必要だけど。専門書の解説とはいえ、ちょっと期待外れ。「日本は古代中国の偉人たちを見続け、中国は近代日本の侵略者たちを見続けている」「日中両国の歴史教育観が実のところ近い?まずは両国とも自国史教育が世界史教育と乖離している現状に対して深く反省する必要がある」
Posted by ブクログ
菅が嫌った加藤陽子はどんな人かと読んでみたが、ただひたすら学究の人という印象で、右派が何を恐れたのかわからない。
親しみやすい題名や表紙絵に誘われて手にしたが、とにかく対象にした研究者や論文などが多すぎて、加藤さんって賢い人なんだろうなあということしか普通の人にはわからんだろうなと思った。私程度には手に負えんということ。
ただ、中国、ロシア、イギリス、ドイツとの互いの国の歴史観を研究しあうことの大切さは感じた。我が国目線オンリーは危険ですよね。◯◯ファーストは排外主義の合言葉ですから。
モリナガ・ヨウさんのイラストは面白かったです。
Posted by ブクログ
戦時中に外国が日本との関係をどう捉え、どう考えていたかについて記されており、興味深いもの。中国が必ずしも日本と対立だけを予定してなかったことなどから、もし〇〇だったらどうなったのだろう、と考えてしまう。論文を読んでの評が中心なので、その論考の内容がもっと知りたいところ。それを解説した方が面白いのでは?と感じた。
Posted by ブクログ
東大出版会のPR誌に連載された専門書の解説書評なので仕方がないとはいえ、紹介されるのはどれも多国籍の研究者による論文集であり、相当に専門的な(トリビアルな?)内容である。数多くの論文を限られた文字数で紹介しながら評していく流れであり、モリナガ氏の絵文である程度マイルドに編集されているが、追いかけるには相当な歯ごたえで消化がおぼつかない。加えて「有名な」とか「よく知られた事実として」等のあとに来るのが初見の内容だったりすると読んでいて心が折れる。
田中上奏文の出どころを扱ったものや、欧米語を漢語訳する際、日本で訳された和製熟語と中国の翻訳家(厳復)訳が競合し、やがて和製熟語が優勢となった経緯など、詳細を追いたくなるものも少なくないなか、ほぼ唯一まとまった書評となっている桂太郎の書簡集ほどの分量があればと惜しまれる。
気になったのは「日・中・ソ・独による反ベルサイユ・ワシントン体制(反英米)の連合構想」なるものが繰り返し出てくる点で、保阪正康による陳立夫からの聞き取りではトラウトマン工作の際、日・中・独で対ソ・英の枠組が模索されていた形跡があり、国民党の対ソ観はどのようなものだったか、いまだ歴史家の間でも揺れ動いているのだろうか。