加藤陽子のレビュー一覧
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昭和史研究のスペシャリスト3人によるNHKラジオ番組『太平洋戦争への道』を刊行した本。
三人とも昭和史や戦争についてたくさんの著書を出版されており、どんな話になるのか期待感が高まります。
「なぜ日本は無謀ともいえる戦争に向かっていったのか?」歴史のifではなくwhyに浮かび上がってくる答えは何なのか?と興味を惹かれ手に取った作品。
本書で印象的だったのは6つの分岐点!
どの時点でも回避する術はあった。
が、色々な事情が重なり悪い方へ悪い方へ向かってしまった。
日清日露戦争の勝利で世の中は浮かれ、新聞やラジオが戦争を煽り、国民も便乗したり、クーデターや国連離脱など複雑な事情が重なって責任は軍 -
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加藤陽子氏の著作ということと、表紙のフレンドリーな雰囲気のイラスト(本文中の緻密なイラストもすごい。高度な歴史知識も感じて、イラストもわたしには難しかったけど。でも加藤先生の顔のイラストが全部かわいい)に惹かれて買ってしまったけど、悲しいかな、わたしには難しくてまったく歯が立たない感じで残念だった。(「歴史総合」を学ぶ高校生に、みたいなことも前書きに書かれているんだけれども…。)そもそも、取り上げられている歴史書や研究書を読んでいることが前提みたいで、その歴史書や研究書も何巻もあるような専門的なものと思われるし、前もってそうと知っていれば買わなかったかも、とすら…。
でも!、この世界をよくする -
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上野千鶴子の担当する章が興味深かった。
ホモソーシャルな集団(往々にして男性中心のコミュニティを指す)では、同性愛嫌悪(ホモフォビア)とミソジニー(女性蔑視)を持つことで成員資格が与えられる。つまり、異性愛者として女性を性の対象として扱うことができてはじめて「仲間」として認められる。
ホモソーシャルの考え方を使えば、非モテ男性や弱者男性、インセルといった現象も説明できる。
冷静に考えたら別にモテなくて落ち込む必要はないのに女性に性的にモテなくて落ち込む人が存在する。
それは実は女性にモテないのではなく、自分が男社会で「仲間」と認められないから落ち込むのではないだろうか?
そういうのは本当 -
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日本近現代史が専門の歴史学者加藤陽子氏による書評集で、テーマは「未来のために過去はある」、つまり歴史に学ぶっていうことなんだけど、わたしにはかなり難しかった。挙げられている本も専門的な本が多いし、評している文章の言葉も堅く難しく感じて、集中して読まないとよく理解できないような。わたしは歴史苦手なので基本的なことがわかっていないっていうことも大ありなんだけども。それでも、(挙げられている本は読めないとしても)書評をなんとか読むだけでも勉強になり、知識が若干増える気はしたので、ためになったと思う、思いたい。
そんななかでも、著者にとっては楽しみとして読む本と思われる、あるいは新聞の書評欄に掲載さ -
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満州事変前には東大学生でも満蒙を守るためには武力行使やむなしとのアンケート結果が9割。満州事変は陸軍の暴走というイメージだったが、すでに国民全体に戦争への空気が醸成されていたという事実は考えさせられる。自分がその時にその場にいたらどう判断したのか。
世論に流される無垢な国民の1人なのか、補助金目当てに満州に多くの農民を送り込んだ役人なのか、それとも反対した村長なのか。
また、当時の日本は日中戦争を戦争と思っておらず、討匪戦との位置付けだった事と、9.11の後のアメリカの対テロへの感覚が同じというのは面白い見方。
今の日本は国防への関心が高まっており、勇ましい意見が国民に醸成されつつある。
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ネタバレ勉強になった。『侍女の物語』に見られる女性の分断は、男女雇用機会均等法や派遣法などによって現実に起きている、といわれると、たしかにそういう見方もあるなと気付かされた。専業主婦、一般職、総合職…
ルネ・ジラールの欲望の三角形の話は聞いたことがあったので、それが上野千鶴子さんの話に出てきて嬉しかった。たしかに、頼朝の女ばかり口説く「鎌倉殿の十三人」の三浦義村はそれだなと思う。
男は男に認められることで男になるが、女は男に認められることで女になる、その性の非対称性もわかりやすかった。結局この社会はそんな家父長制の尾っぽを引きずったホモソーシャルな社会だけれど、会社と半身で関わる・プライベートを大切に -
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2023.1.2放送のものに、放送では伝えられなかった内容を加えさらに充実させた1冊です、とディレクター山田氏の「はじめに」弁。
「伊藤野枝」は番組では辻潤と大杉栄との関係と28歳までに7人の子供を出産、というのがとても印象に残ってしまってあまりいい印象は無かったのだが、加藤陽子氏の活字を読むと、思索の人ではあったのかもという印象が少し増えた。明治28年の生まれで生家は没落はしていても潤沢だったころの生活の名残があり、労働者の開放を思想しながらも、女工たちの生活との間には一線がひかれている、などのことが改めて分かった。
「侍女の物語」では筋書きや登場人物の意味付けが書かれていて、気づかなか -
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紹介されている本はどれも興味深かった。
ジュディス・ハーマンの心的外傷と回復は、特に読みたいと思った。
・伊藤野枝の「階級的反感」にはめちゃくちゃ共感する。
正義に燃え、階級による格差や差別をなくしたいと思って活動しているのに、(活動による救済の対象である)労働者階級と仲良くできない。相手には拒まれてしまうし、相手のそんな振る舞いに自分も苛立ってしまう。
それを率直に認めて見つめるのは勇気がいるがとても大切なこと(今のリベラル知識人に足りていないこと)。
そして、上間陽子の「階層的な違いや壁は確かに存在する。でもそこからだけどな、そこからスタートすればいい」というのは説得力があった。
・アト