加藤陽子のレビュー一覧

  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

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    当時の戦争に関することを様々な目線で見ることができた。一般市民の目線から考えると自分の事に忙しい日常の中で、あまり深く考えず世論や軍の表面的な言葉になんとなく流されてしまうのもわかる。なんなら「戦争すんのも仕方ない」とも思ってしまっていたかも。今の日本には「どんな状況になっても戦争だけは絶対に起こしてはならない」という価値観が広まっている気がする(そもそも戦争できない、というのもあるけど)。この価値観を守り伝え続けていくこととが大切だと思った。当時の日本が歩んでしまった過ちにも目を向けることで、よりそれが認識できた。

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    2023年11月26日
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く

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    有識者3名による鼎談。歴史から学ぶ現代の施策の方向を見直すことが大切だと思った。多数意見に流される日本人の特質も歴史から成立している部分もあるとの指摘は新鮮だった。2012.11.6

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    2023年11月06日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

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    数年前から何度か読んでは途中で止まってしまい…今回初めて最後まで読み終えた。
    この時代の歴史こそ、学ばなければと感じた。
    日本が戦争をしない道を選ぶことができたのか、という問いの答えはハッキリと分からなかったが、色々な本を読んで探っていきたいと思った。
    太平洋戦争は兵士にとっても、国民にとっても悲惨な戦争だったため、日本の場合、受け身「被害者」として語られることが多いが「加害者」の側面も忘れてはならないと感じた。

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    2023年11月01日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    ザ・フェミニズム、という人選でなく、専門とは少し離れた視点もっ、てのが絶妙な匙加減。とはいえ、一番感銘を受けたのは、上野さんが取り上げている”ホモソーシャル”のそれ。さすが第一人者。ミソジニー、ホモフォビアといった、ヘテロセクシャル一辺倒な男性特有の思想も、ホモソーシャルの視点から説明され得る。なるほど。短い中にも気付きの多い一冊。

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    2023年10月24日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

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    満州事変前には東大学生でも満蒙を守るためには武力行使やむなしとのアンケート結果が9割。満州事変は陸軍の暴走というイメージだったが、すでに国民全体に戦争への空気が醸成されていたという事実は考えさせられる。自分がその時にその場にいたらどう判断したのか。
    世論に流される無垢な国民の1人なのか、補助金目当てに満州に多くの農民を送り込んだ役人なのか、それとも反対した村長なのか。

    また、当時の日本は日中戦争を戦争と思っておらず、討匪戦との位置付けだった事と、9.11の後のアメリカの対テロへの感覚が同じというのは面白い見方。

    今の日本は国防への関心が高まっており、勇ましい意見が国民に醸成されつつある。

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    2023年09月30日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    ネタバレ

    勉強になった。『侍女の物語』に見られる女性の分断は、男女雇用機会均等法や派遣法などによって現実に起きている、といわれると、たしかにそういう見方もあるなと気付かされた。専業主婦、一般職、総合職…
    ルネ・ジラールの欲望の三角形の話は聞いたことがあったので、それが上野千鶴子さんの話に出てきて嬉しかった。たしかに、頼朝の女ばかり口説く「鎌倉殿の十三人」の三浦義村はそれだなと思う。
    男は男に認められることで男になるが、女は男に認められることで女になる、その性の非対称性もわかりやすかった。結局この社会はそんな家父長制の尾っぽを引きずったホモソーシャルな社会だけれど、会社と半身で関わる・プライベートを大切に

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    2023年08月29日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    どの章もわかりやすく興味深く読めたけれど、上間さんの語りは私の中で別格。
    なぜ傷や暴力や怒りやトラウマを、悲しみと絶望あふれる世界を、こんなに力強く静かに語れるんだろう。
    彼女の文章を読んでいると私はいつも深海に潜ってる気持ちになる。

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    2023年08月23日
  • 歴史の本棚

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    ネタバレ

    歴史には、様々な切り込み方がある。特に情報の多い近代については、どこに立脚するかで見える歴史が変化する。歴史の専門書を紐解くことは、ほぼ無い。けれど、そのエッセンスだけでも十分に楽しかった。「歴史を知る読書」より、自分には感じる面が多かった。

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    2023年07月27日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    2023.1.2放送のものに、放送では伝えられなかった内容を加えさらに充実させた1冊です、とディレクター山田氏の「はじめに」弁。

    「伊藤野枝」は番組では辻潤と大杉栄との関係と28歳までに7人の子供を出産、というのがとても印象に残ってしまってあまりいい印象は無かったのだが、加藤陽子氏の活字を読むと、思索の人ではあったのかもという印象が少し増えた。明治28年の生まれで生家は没落はしていても潤沢だったころの生活の名残があり、労働者の開放を思想しながらも、女工たちの生活との間には一線がひかれている、などのことが改めて分かった。

    「侍女の物語」では筋書きや登場人物の意味付けが書かれていて、気づかなか

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    2023年07月13日
  • 別冊NHK100分de名著 フェミニズム

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    紹介されている本はどれも興味深かった。
    ジュディス・ハーマンの心的外傷と回復は、特に読みたいと思った。
    ・伊藤野枝の「階級的反感」にはめちゃくちゃ共感する。
    正義に燃え、階級による格差や差別をなくしたいと思って活動しているのに、(活動による救済の対象である)労働者階級と仲良くできない。相手には拒まれてしまうし、相手のそんな振る舞いに自分も苛立ってしまう。
    それを率直に認めて見つめるのは勇気がいるがとても大切なこと(今のリベラル知識人に足りていないこと)。
    そして、上間陽子の「階層的な違いや壁は確かに存在する。でもそこからだけどな、そこからスタートすればいい」というのは説得力があった。

    ・アト

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    2023年07月10日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

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    著者は日本学術会議の任命拒否で話題になった人物で発行が朝日出版社。想像に反してイデオロギーの偏りはない。
    石原莞爾や松岡洋右には甘めの記述で「日本切腹、中国介錯論」など初めて知る内容が多く勉強になった。

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    2023年04月30日
  • 歴史の本棚

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    挙げられる作者の大半は聞いたこともない人物ばかりであり
    歴史書の類も概観めいた広く浅くといったものに偏りがちな身からすると
    サーキュレーターとしての仕事が専門家としての立ち位置から信頼に足るのは疑いないが
    平易すぎずそれでいて断念せずに済むような適度な骨太さで書評を編んでいく充実ぶりは、別の分野でもこの書のような案内役が一分野に一冊に限らず広がってくれればと期待したくなる。

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    2023年02月27日
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く

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    まさに戦後の歴史の転換期に入ったなと痛感。読み応えあったが、過去から学ばないのがヒトという生き物。「ちょっと緩めると、とてつもなく邪悪で下劣なことの加担者になりかねない。どんな体制、制度であろうが、いつも気をつけていないといけない」しっかり声上げていく事が大事だけど…。

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    2023年02月26日
  • この国のかたちを見つめ直す

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    この方の「歴史観」歴史へのスタンスは素晴らしい 権力に対峙し軸がブレない
    だから政府は恐れ、学術会議から外したと理解できる 実力を認識している
    1.危機の指導者 長期的戦略思考力とは
     対米戦争で長期化は回避と理解はしているが、具体策ないまま開戦 最悪
     ロジスティクスの算段が出来る指導者の不在 
    2.戦後の「天皇退位規定」天皇の戦争責任論 一般人として極東軍事裁判
    3.危機対応 平時も戦時も基本は同じ「構想手法」(下平拓哉防衛省)
     ①現状の把握 ②問題の析出 ③解決策の案出
    4.現代資本主義経済体制の閉塞 水野和夫氏
     1971 ニクソン・ショック
     1973 オイルショック
    5.必要な政

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    2023年02月06日
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く

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     安部菅政権は全く否定している。
    今の岸田自民党政治は過去の歴史は否定、立憲政治も否定し集団的自衛権などは憲法違反、議会政治、民主政治は蔑ろにされていると断じている。
     今の選挙制度を見直し、政治を身近なものにして政治意識を啓発しなければと言っている。

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    2023年01月22日
  • あの戦争になぜ負けたのか

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    ネタバレ

    対談集。
    著者 : 半藤一利 中西輝政 福田和也 保阪正康 戸高一成 加藤陽子
    さまざまな視点から、太平洋戦争について、どんな経緯で、誰がどんな動き・発言をしたか、などを語り合う。
    読んでいると、果たして、どうして、あんな戦争が起きてしまったのか(止められなかったのか)、やめられなかったのか、いったい、どれくらいの方が亡くなられたのかと思うと、いたたまれない。
    「なぜ負けたのか」というより、勝ち負けよりも、なぜ戦争を始めてしまったのか、もっともっと検証していかなければならないと思う。

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    2023年01月21日
  • 歴史の本棚

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    歴史に関心無くても「エッそうだったんだ」と驚きと気づきある、お得本。歴史から炙り出される、この国の現状と世界情勢。歴史を未来を創り出す力にしなければならないが、繰り返されるばかり。ウクライナ侵攻と国際社会の支援も素直に見られなくなる。供物?なんだろうな…結局。「公共的記憶すら持てない日本」「民力含めた広義の国防」「人間の常識に敬意を払いつつ世間の常識を批判する」とても紹介された本まで届きそうにない…無念。

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    2022年11月07日
  • シリーズ日本近現代史 5 満州事変から日中戦争へ

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    複数の切り口からの情報、考察を以って、当時の状況をうまく分析、評価している。
    その意味で、分かり易いか?というと、そのような感想はなく、その理由は、日本が満州事変、日中戦争へと進むことについて極めて中途半端な、なし崩し的な判断で進んでいることがよく理解できるからだ。

    誤算は、
    ・中国に対しての英米の思惑。国際金融、市場として日本に独占されることを良しとしていなかった。
    ・満州国設立に典型的に言えることだが、中国人のナショナリズムを過小に評価していた。(五族協和は、結局は絵に描いた餅でしかなかった)

    日本はワシントン体制下、大国の一員になっていたものの、結局、反ワシントン体制側につくことにな

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    2022年11月03日
  • この国のかたちを見つめ直す

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    内容は鋭く、嘆きたくなる時勢について語れど、あくまで冷静で知的な文章が心地よい。

    「国家の再生が必要となる時、ひとは国家の来歴を求め、自らの父祖の歴史をたぐり寄せる。だが、そうする時、自らの国家が他国との間でつむいだ歴史に潤色を加えようとするのは無意味だ。嘘をつくには相手がいるが、他国は国家の嘘につきあってはくれない」

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    2022年11月03日
  • 歴史の本棚

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    近現代史を語る上で非常に参考になる書籍を加藤陽子が評する本で、この分野に興味を持つ人々にとっては大変に危険な本だということもできるだろう。というのは次から次に読まなくてはと思ってしまうので、いくら手元に金があっても間に合いそうにない。
     さすが加藤陽子である。

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    2022年10月19日