加藤陽子のレビュー一覧

  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    タイトルにあるように、太平洋戦争に突入するまでの重要な交渉事にスポットを当てて、歴史を紐解いています。①リットン調査団の報告から始まる国際連盟脱退について②日独伊三国同盟について③ハル・野村交渉に始まる日米交渉と、三つの交渉を挙げています。「~これら三つに共通しているのは、これらの案件が日本の近代史上において歴史の転換点だっただけでなく、日本と世界が火花を散らすように議論を戦わせ、日本が世界と対峙した問題だった~」(94頁)

    東大教授である著者が、高校生相手に(一部中学生もいますが)6回連続の特別講義をしたものをベースに本書は書かれています。その為わかりやすく書かれてはいますが、中身は非常に

    0
    2019年04月21日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

    Posted by ブクログ

    日本は戦争に巻き込まれたのではない。戦争を選んだというのが被害者ぶるなというメッセージが良い。今も気づかぬうちに危機が来てるかもしれない。

    0
    2019年04月21日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

    Posted by ブクログ

    2010/3/5 R25を見て予約、2011/2/1借りる。2/27 読み終わる。
    まず、あとがきから読み始める。
    高校の講義を書籍化ということなので、読みやすい。
    が、内容は深くかつ論理的・客観的、歴史は科学!
    日清戦争から太平洋戦争までを通して 世界的な視野と多くの史料を基に書かれたすばらしい本です。

    太平洋戦争というと、よく見聞きするのは、
    日本本土が受けた攻撃と被害、南方や満州などでの兵士の苦闘など。

    タイトルを見たときは、湿っぽく過去にとらわれた内容の本かと思い 読むのをためらいそうになったが、
    本書では、太平洋戦争までが、過去の歴史として分析されていて、ちょっと驚き。
    この本の

    0
    2019年01月12日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    前作「それでも日本人は戦争を選んだ」に感銘を受けて読んだ。
    真珠湾の「ローズベルト陰謀論」の全面否定は、意外だったが、説得力のある内容だったので、自分の認識を改めた。
    教育の影響は勿論甚大なのだろうが、泥沼の日中戦や勝てる見込みの無い日米戦に民意諸共嵌り込んだ根本原因は、「10万人の英霊と20億円の戦費を投入した日露戦の成果を手放したく無い」という、既得権への執着に行き着くのだろうなと感じた。(行動経済学的視点から)
    そうであれば、こうしたベストでない選択をするリスクは、日本人固有のものというより、人間のDNAレベルのものだろうから、余程意識的でないと、再現するリスクがありそうだ。

    0
    2019年01月06日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    非常にわかり易く解説された講義です。
    歴史から学ぶというけれど、結果を知っているからこそ振り返る事ができ、その選択肢の評価ができる。
    時の為政者たちは本当にいろいろ考えを巡らせていることがわかるが、総意としての選択肢は一つ。
    今回、失敗と言ってしまっているが、そう言っていいのだろうか。確かに沢山の人が亡くなったわけだけど、その選択肢の結果である今の日本は失敗なのか。
    過去を総括するのもいいけど、歴史に学ぶのは未来に対してだけでいい。
    少なくとも、今の為政者たちが、半径3mの幸せを考えている群衆へのプロパガンダやアジテーションの方法を歴史から学ぶことがないことを望む。

    0
    2018年12月06日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

    Posted by ブクログ

    NHK教育のさかのぼり日本史に触発されて読んでみた。
    いままで自分が触れたことがなかった視点。大変興味深かった。この先生の授業を取りたいものだ。

    0
    2018年11月11日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    かつて日本は世界からどちらを選ぶかと三度問われた。そして愚者の道へ道へとそれていってしまった。それはなぜか?その背景などがわかる。とても面白い日本の近現代史であった。

    0
    2018年10月19日
  • 戦争と日本人 テロリズムの子どもたちへ

    Posted by ブクログ

    率直に言って難しかった。
    歴史は大好きだけど、近現代史は苦手だ。嫌いといってもいい。なぜって怖いから。大正や昭和なんて新しすぎて歴史って感じがしないし、ただただ戦争ってものが怖い。
    だからずーーーーっと避けてきた。火垂るの墓だって怖いから見ない。
    戦争の悲惨さや恐ろしさは、NHKの番組で毎年いやというほどやるし、学校でも習うし、正直辟易さえしていたから子供の頃から若い頃までは避けてきた。

    けれど、ここ数年で日本はどんどん良くない風に変わっていっているように感じる。数に物言わせて必要かどうかもよくわからない法律ができたり、何か起きればマスコミ国民の一斉バッシング。忖度なんて言葉が流行語になっち

    0
    2018年06月21日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦、太平洋戦争を冷静に振り返る本。右左でいえば左ということになるだろう。最近は右寄りの歴史修正主義の本が多い気がするので、そういった本を読む前、読んだ後に加藤陽子さんの本読むことは、極端な結論になるのを防ぐ意味で役立つと思う。一次資料に基づいた考えが多いので、その点で信頼性が高い。

    0
    2017年10月17日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

     大日本帝国はなぜ国際連盟脱退とか、三国同盟とか、対米開戦とか、今からすると一寸先も見えない阿呆な選択をしてきたのかという疑問に対して、史料に丁寧にあたることで「答えよう」というより「考えていこう」という試みである。ただ一つの答えが書いてあるというタイプの本ではない。ゆたかな枝葉がある、得がたい一冊と言えるだろう。
     4章で、ゾルゲのスパイグループの一員として活動したというジャーナリスト・尾崎秀美の言を引いているところが興味深い。
    〈日本国内の庶民的意向は、支配層の苦悩とほとんど無関係に反英米的なことである。[中略][それもそもそも]満州事変以来十年、民衆はこの方向のみ歩むことを、指導者階級に

    0
    2017年10月08日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    『それでも日本人は「戦争」を選んだ』が良かったのでこれも手に取った。
    満州事変・三国同盟・日米交渉決裂、それぞれの選択の過程でなにがあったのか、別な選択はあり得なかったのかなど資料に当たりながら進める講義は歴史を真摯に見る姿勢を学ぶことが出来る。
    謀略史観を撒き散らかしてきた人が保守の重鎮と言われてしまう日本の現状に警告を発する書。多くの人に読んでいただきたい。
    それにしても、講義に参加している中高生のレベルの高さには驚くとともに、日本の未来は暗くはないかもしれないと思えてくる。

    0
    2017年05月28日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    リットン調査団、日独伊三国同盟、日米交渉。世界から日本に突きつけられた3つの局面で、日本がそれぞれどんな状況下でどんな選択をし戦争に突き進んでいったのか。中高生向けの講義をまとめたもの。

    この内容を理解し、投げかけられた問いに対し各自がネットや文献を駆使し調べて答えを探っていくとはなんという意識高い中高生!!
    こんな若者達が素直に成長していけば日本の未来も捨てたもんではないと思わせてくれる。是非中高生に向けて学校の授業に取り入れて欲しいのと同時に大人も読むべき一冊。

    戦争という決断を下しめ、昭和天皇でさえ抗えなかった”時の勢力”とは何だったのか。

    フェイクニュース溢れるポスト・トゥルース

    0
    2017年05月19日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    普通の子供たちにとっての天皇は、修身な授業で習う天孫降臨神話の中の登場人物です。本当の古代史上の天皇について、資料から日本史を教えてもらえるのは、旧制高校に入ってようやく1年目です。しかし、その真実を教えてもらえた人は、割合から言えば、100人に1人位しかいなかった。正直な教育が大事ですね。

    0
    2017年05月03日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    中高生を対象とした講義録の第ニ作。
    一作目につづく素晴らしい作品だ。今回は「リットン調査団報告書」「日独伊三国同盟」「日米交渉」の3件につき、どんな選択肢があって、なぜその選択をしたのか、背景はどうだったのかを一次資料を読みながら考えていくもの。なかで日米交渉をしていた1940年前後の国民の意識につき昭和天皇が「国際平和に貢献するために同盟を結んだし、国際連盟を脱退したのもそのためなのに、国民には英米に対抗するためと伝わっているのはまことにおもしろくない」としているのには泣けた。情報の公開もできてなかったけど、教育も足りなかったわけだ。

    0
    2017年03月29日
  • 戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗

    Posted by ブクログ

    日本人は…よりこっちの方が数段面白かった。多数の当事者それぞれの利害と得ている情報の差とタイミングとを丁寧に解説されておる。要因はいくつかにまとめられるが、世で言われていることとは結構違っている。しかし、調べて来いと言われてネットで真実ブログと赤旗ぶつける高校生、好き。

    0
    2017年03月21日
  • NHKさかのぼり日本史(2)昭和 とめられなかった戦争

    Posted by ブクログ

    浅くもなく広すぎも深すぎもせず、ちょうどいい塩梅の量と質の良書。何があったかではなく何故そうなったかという視点が、近代史を知るうえで、また将来に生かすために、とても重要なポイントだと思う。中学2年生の3学期の社会科の授業では本書を読ませるだけで十分だろう。

    0
    2016年09月23日
  • それでも、日本人は「戦争」を選んだ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    世界を絶望の淵に追いやりながら、戦争は生真面目ともいうべき相貌を湛えて起こり続けた。その論理を直視できなければ、かたちを変えて戦争は起こり続ける‥。国民の認識のレベルにある変化が生じていき、戦争を主体的に受けとめるようになっていく瞬間というものが、個々の戦争の過程には、たしかにあったようにみえる。それはどのような歴史的過程と論理から起こったのか、その問によって日本の近代-日清戦争から太平洋戦争-を振り返る。
      ――2009/08/31

    0
    2022年10月20日
  • 昭和史裁判

    Posted by ブクログ

     半藤氏のわかりやすい記述による戦中、戦後の一史。対談風になっているのでよりよかったのか、加藤氏のコメント、弁護?がよかったのか、時代背景とともに把握できた。無論全てを網羅しているわけではないが、類書をあたるうえでの大きな参考になる。そして通史感覚を得られるのが良い。
     高校の教科書っというわけにはいかんだろうが、良い教材にもなるのでは?

    0
    2015年05月27日
  • 戦争の日本近現代史 東大式レッスン! 征韓論から太平洋戦争まで

    Posted by ブクログ

     第二次世界大戦まで日本社会がどのように戦争にかかわり、正当化し、それに対してどんな反論がなされてきたのか。些細な文献も取り上げ考証し、緻密な論理を組み立てます。
    仮想敵国という言葉の"仮想"がいつなくなるかわからない時代にあって、戦争による他国領地の占領は自衛的方策としてリアリティがあったのでしょう。
     しかしそれはいまや空論でしかありません。国際社会が戦争によってもたらされる悲劇、絶望がいかに大きいかを理解したからです。
     本書で明らかにされた前時代的な論理を我々が現代に発見するならば、それが如何に悲惨な結果をもたらしたかを思い出すべきでしょう。

    0
    2014年07月10日
  • シリーズ日本近現代史 5 満州事変から日中戦争へ

    Posted by ブクログ

    歴史は一つの方向に直線的に向かって行ったわけではなく、天皇も含めて様々なアクターが思いの外、冷静に考えていたことに驚く。最後のアジアの秩序が提示される箇所など興味深い。

    ・不戦条約への大国の留保
    ・満蒙の沃野を頂戴する。対、盗んだ泉の水は飲むな。
    ・満州事変への新聞と無産政党の沈黙。吉野作造

    0
    2014年04月01日