武田砂鉄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「口が達者なら、あのときああいった人にこうやって言えたのにな」という文章がたくさんある。本書でも言っているが、言語化する力は、この上ない武器だと思う。言語化能力が低いけれども、「それは違う」ということは伝えたくて、言葉の応酬になったときに、この本から最適なフレーズを選んで発射ボタンを押せば相手に届く仕組みがあればいいのに。
何段重ねかの論法で、いきりの皮を剥いでいくのが、爽快すぎる。いきり側からの攻撃に対する迎撃体制も万全で、その万全さに若干笑いが浮かんでしまう。
もちろん「いきる」自分に心当たりはある。そんな振り返りに赤面はする。ただ、意図的に論点をずらし続ける人たちのいきりのハシゴを、な -
Posted by ブクログ
2023年初出(2021–2022『青春と読書』連載)、
2026年05月30日集英社文庫版刊行(加筆ぶんは文庫本書き下ろし)
世に蔓延るマッチョイズム、女性差別、子なし夫婦差別などに対するヌルヌルとした当てこすりに対して、それ以上のstickyな態度とことばで「それはおかしいよ」と突き詰めていく、その粘着性(stickyness)こそが、自分自身から出し切れぬやりすごしてきたものごとであり、武田砂鉄が必死で抗う中で発揮し続けてきた粘り強さであり、ありがとう、武田砂鉄のバトル粘液……自分もこのくらいとまではいかずとも少しはイカスミでもなんでも吐き出して「どういうことだコラァ」と理詰めで争って -
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Posted by ブクログ
議論の混乱を整理するのは哲学の得意とするところだが、それを同時代の生の政治状況のただ中で、自らもそれに巻き込まれる形で実践するのは大変なことだ。しかも相手はまともに議論するつもりなどなく、とにかく「勝つ」ことだけにこだわる人々だ。そうした相手に対して著者は何と粘り強いことか。見習いたいがなかなかできることではない。「19 届ける」だけでも、「オールドメディア」と揶揄されて悩み惑っている既存メディアの人々に読んでもらいたい。
94頁
「 この本で問うている「いきる」とは、物申す、ではなく、むしろ、(ちょっと変な形容だが)「そう簡単に物申させてたまるか」にあるのかもしれない。自分で感情を暴走さ -
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世の中から「対話」とか「話し合い」が駆逐されつつあるようだ。細かいテクニックで分断が進むその様子が描かれていてゾッとしました。ニュースダイエットはしているので、不快な情報発信に触れることは少ないが、少ないからと言っても、不快な状況が現実を侵食するのは避けられず、所詮はこれもただの小手先のテクニックだったか、と反省しきり。
「自己責任」という便利な言葉をわざわざ弱者が口にするようになってずいぶんたつ。まあミクロ的にはそれぞれがスキルを獲得することには意義があるかもしれないけれど、システムがアホな方に向かっては蟷螂の鎌になってしまう。村上春樹は真っ当なことをエルサレムで言ってたな。
道具というもの -
Posted by ブクログ
なんていいタイトルなんだ。いつからフェミニストになったのか、いつフェミニズムに出会ったのか、ではなくインターネットでは揶揄や冷笑の単語となっている『フェミ』を使い、おなじみの風邪薬のキャッチコピーのようなリズム感でフックと軽快さを両立している。
タイトルの通りなのだが、この本にはあらゆる人がフェミニズムにいつ、どのようにして出会ったのかがリレーエッセイ形式でまとめられている。もちろんトランスジェンダーの書き手も、ノンバイナリーの書き手もいる。
フェミニズムとの出会いが劇的な人もいれば、ぬるっとじわっと出会っていたという人もいて、これはあらゆる人に語ってほしいテーマだと思ったし、私も近いうちにま