作品一覧 2023/05/19更新 告発と呼ばれるものの周辺で 試し読み フォロー たまたま生まれてフィメール 試し読み フォロー 「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 小川たまかの作品をすべて見る
ユーザーレビュー たまたま生まれてフィメール 小川たまか 「女性だからと言うだけの理由で、そういうあつかいされるのって、おかしくない? まちがってるよね」と思うことは、これまでいっぱいあった。 私の場合は、どうしても我慢できないほどのことではなかったから、「まあいいか」と自分を騙して、そのままにしてきた。 だって、正論で抗議しても、理屈にもなっていない屁理...続きを読む屈で反論されたり、「なんで冗談にそんなにむきになってるの」って流されて、自分が疲れて傷つくだけだとわかっていたから。 でも、それって、耐えがたい被害を受けている人たちへの裏切りであり、自分も加害者の一人になっているのと同じなんだなと思った。 たまかさんのようには闘えなくても、少なくとも自分の感じる違和感からは目を背けずにいたいと思わせてくれる本でした。 Posted by ブクログ 「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 小川たまか 勉強になりました。私の過去を思い出しながら読み進めてました。 特に共感した言葉が「「ほとんどがいい人なんだから、一部の過剰反応を気にして対処を行う必要はない」ことにするのは大人の責任放棄」です。ジェンダーレストイレの件についてたまたまテレビでコメントしていた人が似たようなことを言っていて「何言って...続きを読むんだこの人」と怒りや悲しさ、悔しさを感じました。たった一部の異常な心理によって性被害に遭っている人たちがいるのに「そういう事件は滅多にないことなので気にする必要がない」というようなことを言ってました。この人やこの人と同じような考えをする人たちには被害者の存在が「ほとんどない」ことにされているんでしょうね。 何度も読めば今以上に理解が深まると思うので時間をあけて再読予定です。 Posted by ブクログ たまたま生まれてフィメール 小川たまか 著者であり、ライターの小川たまかさんの書籍は、2018年出版の「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話しを。」、2022年出版の「告発と呼ばれるものの周辺で」、に続く3冊目の読書となった。 性暴力の取材に取り組むライター小川たまかさんのエッセーなのだが、女性蔑視に関する問題発言やSN...続きを読むSの検証などは、研究者のように理路整然としてる。自身の生い立ちや家族関係、夫婦や家族の価値観など赤裸々に綴られ、性別役割分業が蔓延(はびこ)る現代社会で料理が得意な主夫の存在を優しく綴る。日本社会の本音と建て前への疑問符。フェミニズムに対する政治やインターネット、特にインターネットでのフェミニスト・バッシングに辟易し、エモい(エモーショナル:心を震わせる)よりデモが必要ではないかと投げかける。最後にルッキズムに関する自身の経験を交えた複雑な心境を問いかける。私見だが、今までのやや尖った「たまか」さんからマイルドになった「たまか」さんに感じるのは私だけだろうか? Posted by ブクログ 「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 小川たまか 「年齢の話」 25歳を過ぎると女の価値が下がってしまうことが当たり前と受け取れるような広告についての話があった。 私も年を重ねることに恐怖を感じていた。 子供がいない、この先やりたいことも特に無いのに、年ばかりとって自分の価値が無くなっていってしまうような気がして、誕生日を迎える度にタイムリミット...続きを読むが近づいてくるような焦燥感があった。 だけど幸運なことに、心から尊敬できる年上の女性達にたくさん出会うことができた。 彼女たちは人生を目一杯楽しんでいて、もし過去に戻れるなら50代に戻りたいと言う。 「物事の分別がついてきて、しかも体力がまだあったから一番楽しい時期だった」らしい。 そして、自分に合ってると思える仕事に就けたこともあって、年を取りたくないという気持ちは無くなった。 尊敬する先輩たちのようにかっこよく年を重ねていきたいと思えるようになった。 この前、25歳の女性に年齢を聞かれ33歳だと答えたら、申し訳なさそうに「そんなに年上だと思いませんでした。若く見えますね」と言われた。 私自身は33歳に見られる事が嫌ではないし、若く見られたいとも思っていない。 だけど私も25歳の頃は、年上の女性に対して悪気無く同じような言動をしていたかもしれない。 「歳を取ると女の価値は下がる」という呪いは社会だけがかけてくる呪いではなくて、自分自身でも無意識かけてしまっているのだと思う。 申し訳なさそうにしていた25歳の女性はまだ呪いにかかっているのかもしれない。 結局私は彼女に何も言えなかったけど、いつか先輩たちのようにかっこいい女性になって、年齢を重ねることに恐怖を感じている若い後輩たちの呪いを解いてあげたい。 「半分だけわかる、でもいいと思う」 欅坂46の「月曜日の朝、スカートを切られた」という歌の話。 この曲は、 月曜日の朝、スカートを切られた 通学電車の誰かにやられたんだろう どこかの暗闇でストレス溜め込んで憂さ晴らしか 私は悲鳴なんか上げない と続く。 スカートを切られるという理不尽な性被害にあいながらも、大人になるにはこれくらい仕方ないと社会を冷めた目で見ている女の子。 そんな女の子がカッコいいというメッセージまでは無いにしても、この歌を国民的アイドルが歌うことで、こんな状況に共感する女の子が多いという事が社会で当たり前になってしまうのは悲しいと感じた。 私自身痴漢にあった時、大声を出した方が良いのか、でももし逆上されたら?相手がナイフを持っていたら?なんて考え始めると怖くなって、結局何もできなかった。 それに、痴漢くらい女なら皆あってるし、そんなに特別なことじゃない、と正直そこまで大事に捉えていなかったし、通報もしなかった。 何もできなかった自分を責めてはいないけど、この本を読んで、やっぱり「悲鳴なんかあげない」のが当たり前な世の中はおかしいと、改めて思った。 「男女平等の話」 【あるとき、私よりも若い女性が、こんな風につぶやいたのを聞いたことがある。 「セクハラでもパワハラでも残業代が払われないのでもそうだけど、やられた方がそれを言った途端、会社は態度を変える。『お前、そういう面倒くさいことを言い出すヤツだったのかよ』って」】(p159) この部分、確かにそうなんだよなぁ。 私も前職でパワハラ、セクハラにあっていた時、上司に相談したら、「だけどあの人はあの人にしかできない仕事があるし、辞められたら困るでしょ?」と言われたことがある。 私自身は全然困らなくて、困るのは上司なんだろうけど、もう上にいくら言っても無駄だ、と戦う気力が無くなってしまった。 職場内でもなんとなく、大事にすると面倒だからうまくいなすのが仕事ができる人、みたいな雰囲気も出来上がっていた。 適当にかわしたり我慢する能力ばかりが長けてしまって、そんな自分が時にどうしようもなく嫌になった。 うまく対処できなかった時は、私は社会不適合者なんだろうかと悩んだりもした。 そんな環境から離れてみると、おかしいのはセクハラ、パワハラをしてくる人だったと一目瞭然だけど、当時はそんなことにも気付けなかった。 もし今後同じような状況になったら、今度こそ私はきちんと戦いたい。 そして理不尽な事に対して戦っている人がいたら、ちゃんと味方になりたいと思う。 Posted by ブクログ 告発と呼ばれるものの周辺で 小川たまか 前作『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話しを。』から4年が経過し、性暴力被害、年齢差別、ジェンダー格差、など、多くの人がフタをする問題を取材し、発信し、声をあげるライター小川たまかさん。本書は、緻密に、そして多面的に調査し、インターネットとSNSの書き込みも明確にし、性暴力被害の裁...続きを読む判録とその課題、特に被害女性へのセカンドレイプの問題などを明らかにしていく。野球場のビールの売り子がなぜ女性が多く、マネージャーの男性から支配・搾取される自身の体験。痴漢被害者については、牧野雅子さんの著書「痴漢とはなにか 被害と冤罪をめぐる社科学」と連携する内容が充実。痴漢の加害と被害、警察と裁判のありようなど、これからの課題を問題提起する。ジェンダー問題に潜在化する様々な課題が綴られ「はっ」とすることも多い。男女を問わず、多くの人に手に取ってもらって知見を広げて欲しい。 Posted by ブクログ 小川たまかのレビューをもっと見る