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夫婦別姓、政治とジェンダー、性暴力事件、そしてわたし自身のこと。この国の女性たちが抱える困難を問うフェミニズム・エッセイ。
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Posted by ブクログ
「女性だからと言うだけの理由で、そういうあつかいされるのって、おかしくない? まちがってるよね」と思うことは、これまでいっぱいあった。 私の場合は、どうしても我慢できないほどのことではなかったから、「まあいいか」と自分を騙して、そのままにしてきた。 だって、正論で抗議しても、理屈にもなっていない屁理...続きを読む屈で反論されたり、「なんで冗談にそんなにむきになってるの」って流されて、自分が疲れて傷つくだけだとわかっていたから。 でも、それって、耐えがたい被害を受けている人たちへの裏切りであり、自分も加害者の一人になっているのと同じなんだなと思った。 たまかさんのようには闘えなくても、少なくとも自分の感じる違和感からは目を背けずにいたいと思わせてくれる本でした。
著者であり、ライターの小川たまかさんの書籍は、2018年出版の「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話しを。」、2022年出版の「告発と呼ばれるものの周辺で」、に続く3冊目の読書となった。 性暴力の取材に取り組むライター小川たまかさんのエッセーなのだが、女性蔑視に関する問題発言やSN...続きを読むSの検証などは、研究者のように理路整然としてる。自身の生い立ちや家族関係、夫婦や家族の価値観など赤裸々に綴られ、性別役割分業が蔓延(はびこ)る現代社会で料理が得意な主夫の存在を優しく綴る。日本社会の本音と建て前への疑問符。フェミニズムに対する政治やインターネット、特にインターネットでのフェミニスト・バッシングに辟易し、エモい(エモーショナル:心を震わせる)よりデモが必要ではないかと投げかける。最後にルッキズムに関する自身の経験を交えた複雑な心境を問いかける。私見だが、今までのやや尖った「たまか」さんからマイルドになった「たまか」さんに感じるのは私だけだろうか?
なんで結婚したんだろう、から始まる様々な立場で困難に打ちのめされている女性たちや、男尊女卑の社会について語るフェミニズムエッセイ。 著者もいろいろあったようで、だからこんな本が書けたんだなぁと思う。 男尊女卑、そしておのおのの性のこと。 日常に潜む小さなことから、フェミニズムを語っていく。フェミニズ...続きを読むムと政治は密接に繋がっているのだと、目から鱗。 良かったです。
3章までは星5つの本だなあと思って読んでいた。 多くの足を運んで書いた事例がよくぞ書いてくれた!というものだったし、耳にしたことのある事件でも、初めて知ることも多く、作者と一緒に怒りを感じたり膝を打ったりして共感できた。 それにしてもはらわたが煮え繰り返るような事件の多さよ!被害者のズタボロな胸の内...続きを読むを想像すると胸が潰れそうになる。このシスターフッド的共感はきっと広がっていくと信じたい。 「日本のレイシストは恐ろしいがしょぼい。しょぼいが恐ろしい」と言う梁英聖さんの言葉が引用されていたが、最近映画化された森達也の「福知山事件」を思い出した。普通の人の怖さ。世間という共同幻想が支配する社会。 そうなのだ。他の国で見られるような苛烈さは無いのに、じわじわくる感じは確かにある。でもすぐに方向性がコロっと変わったりもする。確かになあと思いつつ読んだ。 また、ちょっとずつ世の中は変わってると思いたいという筆者の言葉を読んで、昔、作家の山下千恵子さんが大学祭の講演で、「確実に世の中は変わっている。焦らないでいい。女性の革命はゆっくりとした革命だから」と言っていたことを思い出した。これも確かになあ思った。確かに変化してきているよね。確かに。 でも4章から自分語りになってからは、うーむとしか思えない内容だった。正直でいいと評価する人もいるだろうが。脱毛や病気、占いの話、どうなんでしょう。 最も首を捻ってしまったのが、占いの話。 小川さん、占いやっちゃうんだ、信じちゃうんだーって思った。この人には占いやって欲しく無いなあ。残念。占いの話は、やっぱり信じちゃダメよねえ私ったら!と最後はオチがつくのかと思ったのだが、それもなかった…。 最後の「おたまさん」のエピソードも、自己開示する必要あるのだろうか。誰しもが人に誇れない過去を持っていると思う。それを書かなくてはならない、贖罪しなくては、てなことを思ってるんだろうなと思うとそのナイーブさが読んでいてしんどかった。 最後のフェミ叩きの話も、歯を食いしばっていてほしかったな。敢えて胸を張って堂々としてみせることも必要なのでないかな。辛いと思っている気持ちそのままで、読むのが辛かった。友人や身内に弱音を吐いても、こういう本は後に続く人たちが読んでくれるわけだし。弱さをそのまま開示すればよい、と言うものでもないと思うのだが、どうだろう? 「『ほとんどない』ことにされている側から見た社会の話を」を読んだ時に感じた「弱さ」を、ここでも感じた。「ほとんど〜」を読みたいなといった10代の子にあまりお勧めしないよ、と言ったことがあるのだが、そこらへんなんだよね…。だって元気でないもの。 いや、弱くてもいいのだが…。 繊細さの取り扱いは、難しい。
まさにそれ!って共感したところ多数。 「生意気な女を前にして共感し合い「わかるでしょう、ねえ?」という目配せが通じる場であるかのように。」 こういう場面何度も経験ある。
この本は、作品紹介でも書かれている通り、専門書ではなく、あくまでもエッセイなんだと思う。 フェミニズムの活動を行なったり、取材をしている中で感じたことを綴ったという感じ。 タイトルの付け方が上手だな、と思った。
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