あらすじ
“わかりやすさ”の妄信・猛進が止まらない。「すぐにわかる」に頼るメディア、ノウハウを一瞬で伝えるビジネス書、「4回泣ける映画」で4回泣く観客。すぐに「どっち?」と問われて「どっちでもねーよ!」と答えたくなる日々。納得と共感に溺れる社会で与えられた選択肢を疑うための一冊。
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Posted by ブクログ
読んでる途中は、『分かりやすいとか、分かりにくいとかよりも、大事なお客さんや大切な人への言葉を一生懸命考えて、何回も推敲するような事が大事だと思う。』と言うような見当違いな事を考えながら読んでいました。
でも読み終わってみると、『物事をA対Bとか、どっちが優れているとか、そんな単純なものの見方ばかりしてると、自分が何が分からないのかも分からなくなっちゃうから気をつけよう。』と思うようになりました。
全体的に分かりにくいし、全部に納得できた訳ではないのですが、何となく自分なりに考える事や納得した部分もありました。
自分に耳障りの良い話や共感できるような本ばかり手に取ってしまいがちですが、物事を簡単に考えずにもう少し複雑に考えてみようと、考え方に対する自戒の念を意識する事ができました。
Posted by ブクログ
たまたま本屋で出会っ本。こっそり並べてあったんだけど。わかりやすくすることばかりを考えてたから、逆に目が止まりました。
本は、頭の中であっちこっち、いろんなことと繋げてみたり、立ち止まって考え込んでしまったり。そんな頭の中で思考が巡り回るのが好きだったりする。
一方、動画やセミナーは頭の中をすーと通り過ぎている感じ。
本を読みながら、自分自身、何かとわかりやすさばかりを求めてきでたなあと振り返る。
この本を読んで「わからないという体験が分かり始めるという現象の始まり」と思う。
Posted by ブクログ
読んでる間心が痛かった…。図星の指摘がグサグサと刺さる。感想聞かれて「おもしろかった!好き!」だけで返してしまうことなんてあるあるだ。キャッチーで早いもの。
わかりやすく伝える努力は必要かもしれない。でも、そこからいろんな要素が抜け落ちていることを聞く側は意識しておかないといけないと思った。
世の中複雑なんだから、もっと、自分で考えよう。
Posted by ブクログ
これはまだ、単行本でギリギリ読んでなかった。存在は知っていたから、てっきり読んだつもりでいた。見事にぶれないな~、という視点に改めて拍手。ただ、主張をそのまま受け入れて、ひたすら追従するって立場は、著者からすれば却って不審を感じるものだろうし、あくまでゆっくり立ち止まって考えるきっかけとしたい。周りより早く上手く、空気を読んで従うことが要求されるTV番組。即効性のためにサビから始まり、飽きさせないために複雑な展開が要求される楽曲群。身近なところには分かりやすさを求める圧力だらけ。だからこそ、すぐに分かろうとしない努力、分かりにくくする試みを、自分の中に絶やさずにいきたい。
Posted by ブクログ
日々起こる出来事について、実はこんな見方・考え方がありますよ、しっかり考えようね、と言われた気がした本でした。そしてこの本自体、わかりやすくは無いですが、新たな見方・視点が得られました。
わかりやすく伝えるメディア、わかりやすいを売りにする本、わかりやすく伝えられることが当たり前の現在。削ぎ落とされる部分のために、伝わらないこと、間違って伝わること、それが意図的に行われていることがあること。
わかりやすいものばかりに触れていると、考える余白がどんどん少なくなって、自分の頭で考えなくなっていきそう。しっかり自分で考えるために、意図的に騙そうとするものに負けないように、わかりづらいものから逃げないようにしたい。
Posted by ブクログ
社会現象や世情といったものについて書かれれている本は、出版時から時間がたつにつれて現状との乖離がでてくる。もちろん、それを承知で読むわけだが、この本は著者によって工夫がなされている。
元本は、雑誌コラムの連載を単行本化し2020年に出版されている。この文庫版は、2024年に出版されている。そして、各章に「いま思うこと」という一文が追加されている。つまりフォローアップがなされているのだ。さらに巻末に、「文庫版によせて」という章が追加されている。こんな本は初めて出会った。
Posted by ブクログ
自分自身わかりやすさを大事にして日常を過ごしていたので、自分の中に全くなかった価値観に会えて嬉しい。
書店で出会えた偶然に感謝。
追記
この本で討論されていたこと、それを読みながら自分の頭でうんうん考えたこと、これが頭から離れない
今の自分を構成する一部になってしまった気がする
Posted by ブクログ
「わかりやすい文章」や「わかりやすい問題」それ自体には特に違和感を持たないが「わかりやすさ」そのものにモヤモヤを最近感じていたので、そこに対して新たな視点を一つ得られたと思う。
でもやはりまだ「わかりやすさ」に対して霧が晴れていない感覚があるので何度か読み返したい
Posted by ブクログ
2024.2.21
私も「泣ける映画」と謳われる映画は嫌いだ。
感情を規定されたくない。
今絶賛就活中で、自分をいかに分かりやすく相手に伝えるかに苦戦しているが、そんなちょっとの時間で私のことが分かってたまるかとも思う。
分かりやすいことの危険性について常に意識したい。
Posted by ブクログ
ラッパーのTaiTan氏の後書きに興味を惹かれ購入。
コスパ・タイパが正義という価値観が蔓延し、「5分でわかる」「〇〇が9割」のようの自己啓発本が本棚を埋め尽くす現代に警鐘を鳴らす一冊。情報が溢れて人間の処理能力を超えた結果、つい考えることを放棄してしまいそうになるが、それではいけない、屈するな!と我に返らせてくれる。
Posted by ブクログ
わりと普通のエッセイでした。
解説にもあった、これ自分のことだなって思ったり確かに確かに、としたり顔でうなづいたりした。
2倍速でみるのはいいけど、ちゃんと伝わっていないよと自覚を持ってみたい、というところに共感した。
Posted by ブクログ
『わかりやすさの罪』は、分かりやすさを善とする社会への鋭い批評だと感じました。
特に「どっちがいい?」という問いが、無自覚に他の可能性を排除してしまう指摘は強く印象に残ります。選択肢が提示された瞬間に、考える余地は狭まり、深い思索や創造力が奪われるという視点は、日常のあらゆる決断に潜む危うさを突きつけます。
また、「要するに?」の思考停止にもハッとさせられました。本を要約することで便利さを享受してきた自分に、削ぎ落とされた背景や文脈への想像力の欠如を痛感します。
さらに、当事者性への過剰な依存が対話を妨げ、想像力を奪うという指摘も現代的です。
本書は、効率や即答を追う日常に潜む「思考放棄」の構造を暴き、敢えて遠回りすることの価値を教えてくれる一冊でした。
読後、情報に飛びつく前に「本当にこれでいいのか」と問い直す癖をつけたいと思いました。
Posted by ブクログ
テレビが登場して以来、現代(2025年)時点でAIが大きく台頭し、多くの学生や大人にも普及してきており、「わかりやすさの罪」が拡大している昨今、私たちに必要な思考と知的戦略の視点を教える良書である。
本著で述べられいる「わかりやすさ」は私たちに本来必要な思考を奪っており、その結果、私たちは考える力を失っていると示唆している。スマホがあるだけで思考力は低下するとの研究もある。私たちは考える力や見る力が急速に衰えているのかもしれない。この影響を大きく受けるのは10代や20代だろう。必要な知識の吸収をタイパ・コスパと謳い、本来必要な思考力の訓練を放棄し、情報を鵜呑みにせずに自分の頭で考え抜く力を失いつつあるのだ。本著においても自分の頭で複雑な情報や知識に対する考え抜く力の耐性の必要性を主張している。
この考えは2500年前のプラトンも見かけの情報に対する本質に同様の批判的思考を主張している。
「わかりやすさの罪」とは、有史以来、情報や知識がある時から始まっており、その問題や課題は現代においても継続している。これからも今までもそうであったように、自分の頭で考え抜く力と情報を鵜呑みせず自分の頭で周囲に流されず思索する重要性を説いて主張している。
時には立ち止まって考えていいのだ。時間をかけて情報を吟味するのも、思索するのもいいのだ。
これからの時代は更に情報やテクノロジーが発展し多くの恩恵を私たちは受けるだろう。同時に、私たちは人間であることも忘れてはならない。思想も知恵も視点も生き方も人生も幸せも自分の頭で考えて考えて自分なりの答えを出せばいいのだ。
本著は、現代の私たちがないがしろにしまいがちな姿勢を問い、気付くきっかけとなりうる良書といえよう。
Posted by ブクログ
朝日新聞出版から出ている雑誌「一冊の本」に二〇一八年から二〇二〇年まで連載されていたコラムをまとめた本。テーマは書名の通りで、連載当時に世の中で流通していたわかりやすい言説に対して著者が疑念なり考察なりをめぐらせていく。二〇二四年の文庫化にあたり各章に「いま思うこと」という付記が加わっている。書かれている対象はさまざまで、池上彰の『わかりやすく<伝える>技術』だったり川口俊和の『コーヒーが冷めないうちに』だったりするのだけれど、どちらも電車内の広告や書店で平積みされているのをチラッと見る程度しか馴染みのない(なんだか嫌だなこういう本は、と感じるだけで、手に取ろうとは全く思わなかった)自分には、まあそういう内容だろうな、仮にああいう本を読んだとしても、という感じだった。読み応えのあったのは、著者が文芸誌の編集者をしていた頃新人賞の応募作をひたすら読み続けていた話から始め、流行りの音楽に話題をすべらせつつ、ベタな共感を目指す創作姿勢に疑問を投げかける13章。一冊の本をページごとに分担して読み発表しあうという、よくある読書会のスタイルに、それって本を読むより、その場にいる人と繋がることを優先してない? と疑念を呈する23章。そもそも未知の新型のウイルスだから、どうしたらいいかわからないのに、それにわかりやすい説明を求め続ける人々と、わかりやすい説明を提供しようとする側の両方とも変なのでは? という「おわりに」。推し活って、とにかく推し続ければいいのだから迷わなくていいし、スッキリしてるし、楽しいんだろうけど、そんなわかりやすく誰かを、何かを、推し続けていいの? という「文庫版によせて」。実務上では、限られた時間の中で会議をしてとりあえずの結論を出して仕事をせざるをえないけれども、いや、でも、自分は、そんな簡単に結論や方針なんか出せないもんね、という気持ちでこれからも生きていきたい。
Posted by ブクログ
世の中の物事は複雑で、自分の頭の中も複雑なのだから、その複雑な状態を簡単に手放して、わかりやすく考えてみようと強制してくる動きにからめとられないようにしよう。
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ル・ボン『群衆心理』 2021年9月 (NHK100分de名著)★3
Posted by ブクログ
簡単にわかりやすさを選ばないで、違和感やわかりにくいというところを大事にしよう。というのでこの本も最後に結論という章は無かった。
武田氏の感じるモヤモヤ感は共感できるところも多いが、そもそもが誰かに対しての反論で構成されているような本書、そこがちょっとスッキリしなかった。
Posted by ブクログ
わかりやすく端的に説明することが美であったり、複雑な世の中の事象を二者択一で判断しようとする(させる)ことへの警鐘。
途中までは、面白かった。
途中から、政権(自民党)や名古屋市長などの批判がつらつら書いてあり、納得感もなく、「あ、この人左系なんだ」と思った。分かりやすく右か左か判断してしまっている自分もいるし、なかなか二者択一の判断をしないのって難しい。著者がこういうこと狙って、わざと低レベルな政権批判をしたのかな。そしたら見事にハマった。
Posted by ブクログ
はじめに
P8 初手で池上彰さんを持ってくる
P32 医師の話に感化→告白を決意
通常は捨てカットや回想のカットを挟んで納得させにくるかと
P33- 言葉にできないものを携えておく
言葉=成果物なので、ポジショントーク
P39-
粗悪なビジネス書なら、A4一枚でも余る
P67
>中央分離帯に乗り上げたまま暴走
中央分離帯に乗り上げた時点で制御できないのが通常かと
P69 論破もだけど、"w"付きにろくなのはない
P75
コントラバスの重さが12kgと仮定すると、ケース込でも20kg未満
それと、成人が倒れた音と同じに聞こえるものだろうか
P98
池上彰さんの行動は、局内における生存戦略かと
意見を言わないのは、視聴者を誘導したくないとかいう発言があったような
P104
関東大震災における朝鮮人犠牲者問題
中国、台湾、共産党員、吃音の人、方言話者にも言及されてほしい
映画『福田村事件』はあったけど
P112
NHKの怖さ
NHKなら安心という考えなしに受け入れる姿勢は怖い。戦中のNHKの報道も決して軍からの押しつけだけではなかった研究もあるし
P118 着物のコスプレ
コスプレがコスチュームプレイなのか和製英語のコスプレなのか
さらに、コスプレでも本気な人は趣味というより生き方にしている人もいるので、「コスプレ」という言葉がすぐに侮蔑的意味とは言えない
P137
レクチャー形式バラエティにおいての芸人起用は、話の腰を折りにくるので嫌気してる。しかも、つまらないし。なので、実際は起用する立場の人間を嫌っているのだけど。芸人は目立ってなんぼが生存戦略なのはわかっているつもり
P169 伏線の回収
サンキュータツオさんが、「全部を回収するのはやめろ」的な発言をしてました
P188 『コーヒーが冷めないうちに』
宣伝が気に入らないからといって、そこまで酷く言うことはないかと。
P200
飲み物を吹いたことなら、経験あり。投稿はしないけど
P203 関根麻里
居合わせたオーストラリア人にいきなり話しかけるから驚いた。調べたら、海外留学してたのね
P208 2019年 NGT48 運営の対応
表ざたになるだけマシ。アイドルの意思で謝罪という体で進まなくてよかった
P211 通称畜ペン
他チーム横浜のdianaのメンバーにまでちょっかいを出してた
P224 池上彰のわかりやすさ
「わかったつもり」を言われてしまった
P246
書店の棚が読めるレベルにない私にはなんとも
P295
『Qサイクル』がどうこうというより、そこに座った時点で負け
P309- おわりに
新型コロナでわかったように、国は国民を守るつもりなし。なので、防衛力=米国から割高な武器を購入
先の大戦でも、守らなかったし、戦後補償は上級で山分け
P317- 文庫版によせて(新規)
熱というものに戦争を連想する自分。
P329- 解説(新規)
事前情報なしなら、こっちから読むとわかりやすいかと。「わかりやすい」は禁句でしたか
「わかりやすさ」
シングルイシューで票集めとか危険。ナチスとか
ただ、行政手続きを例に、わざとわかりにくくして、一般人を排除する手法もありますよね
Posted by ブクログ
普段、仕事は分かりやすく話すように伝えていましたが、この本を読んで、全てを分かりやすく簡潔に伝えることは果たしていいのかと考えさせられました。
自分の立場だけではなく、様々な立場から考えたとき、誰しもが同じ考え方ではないなぁと思いました。