武田砂鉄のレビュー一覧

  • 父ではありませんが 第三者として考える

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    やっぱ好きだな、氏の論考。色んな事象に関して、当事者じゃない圧倒的多数が存在するのは事実だろうし、その中でもこと家庭については、確かに”じゃない人”の語りを制限する空気がある。さてこの”空気”だけど、本書内で言うところの”共感”と根を一にするものであり、当たり前の存在のようでいて、その実、とても厄介な存在。そんな目に見えない縛りから自由に、色んな視点から見て、それぞれに優劣なんかつけず、フラットに考えましょうよ、と。通底するのはいつも通りの氏の考察だけど、いつもながら新たな気付きを得る。

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    2023年03月10日
  • 父ではありませんが 第三者として考える

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    自分の人間関係のなかにも、様々な家族形態の人たちがいるわけだが、そのいろんな人に対して、無頓着だったんだなと恥入り、この本に書かれているようなことに関連する過去の振る舞いを反省した。

    自分には3人の子供がいるが、確かに子供がいることで、対子供耐性のようなものは否応なしに身に付いてきた。動じないというか、余裕を示せるというか、諦念をまとっているというか。

    しかし、自分の子供以外の子供にはうまく接することができないのがデフォルトである。時々にしか会わなかったり、週に何度も会うことがあっても数十秒程度の上っ面の言葉を交わすだけで、関係が深まるといった類の他人の子は、いないのが現状である。

    保育

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    2023年02月21日
  • べつに怒ってない

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    エッセイ本

    1日で読み切るというよりから何日かかけてじっくり読みたいタイプのもの。何でもない一日のようでも感じたことを文字化にしていただくと「そうだよな〜」ってなった。

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    2023年01月21日
  • 今日拾った言葉たち

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    ここ数年、聞いた言葉、聞き流していた言葉。
    政治の隠蔽やごまかし、コロナ、オリンピック、ウクライナ戦争なんかの大きな事件から、その傍にある小さな暮らしまで。
    向き合ってきた言葉もあれば、何かと理由をつけて、もしくは何も理由なんてつけずに無視してきた言葉もある。どうしようもなくて、どうにもならないことばっかだった数年の出来事に、一つひとつと向き合って考えることで、どうにかしなきゃと思うことがまずは必要だったのかも。
    考えるのを止めることほど怖いこともないと。

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    2023年01月09日
  • 今日拾った言葉たち

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    どうしても今年のうちに読み切りたかった本。
    濃いチーズケーキぐらい中身が濃く、示唆に富むので、あれこれ考え、行きつ戻りつしながらじっくり読みました。社会を映す言葉に対してじっくり向き合うことは社会と向き合うことであり、それはそれは濃かったです。
    僕たちが時代の流れの中でいつのまにか失ってしまった観点、人間として失いたくない観点に溢れており、過度に思考回路が自動化された現代人の脳の眠りについた部分を呼び起こしてくれる優しい本だと思います。
    やはり武田砂鉄さんの著作は素晴らしい。

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    2022年12月24日
  • 今日拾った言葉たち

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    聞いたことあるニュースばかりなのに、自分が驚くほど詳しい情報に無知なことに気がつく。いかに表層だけを聞いて、声なき声に耳を傾けずに生きているか、身につまされた。政治家って、悪い人ばかりなのではないかと思う。そうではないと信じるために、調べてみたいと思う。

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    2022年11月21日
  • 今日拾った言葉たち

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    武田砂鉄さんらしい細かい言葉への言及が心地良いです。言葉について真剣に考えるきっかけをいつも与えてくれて、真剣に考えて良いやと立ち直らせてくれます。

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    2022年11月20日
  • べつに怒ってない

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    おかしくておかしくてたまらないエッセイ集でした。そして自分の行動パターンとちょっと似てるかなと、著者に親近感が湧きました。毎週ラジオ聴いてます。

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    2022年11月11日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    あっという間に読んでしまったが、あっという間に読める本ではない。頭のいい人は、すぐ理解できると思うけど、私にとって何度も何度も読み返したい本。

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    2022年11月03日
  • 今日拾った言葉たち

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    雑誌「暮しの手帖」で2016年から続く連載を1冊にまとめたもの。

    あとがきにもあるように、ここ数年は戦争・感染症・元首相の銃撃など大きな出来事が続いたが、著者はあくまで日常の暮らしの中にアンテナを張り言葉を拾い集める。

    これだけまとまった量の文章があると、著者が言葉に求めているもの、正確にいえば言葉を発する人間に求めるものが浮き彫りになっているように感じられる。
    それは決して「言葉遣いの巧みさ」などではなく、「言葉の根っこにある誠実さ」ではないかと思う。

    著者がその言葉に誠実さを認めれば、5歳の子供が電話相談で投げ掛ける質問さえ面白さと驚きと共に拾い上げるし、不誠実な言葉で責任を逃れ問題

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    2022年10月15日
  • 今日拾った言葉たち

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    人の言葉をあれこれつっこんで考えることは
    一歩間違えば揚げ足取りになったりもしそうですが
    それを恐れずに言えば、

    人の言葉の使い方には、その人の思想が表れる。

    2018年、東京電力の原発再開宣言の際の
    東電ホールディングス社長記者会見での言葉

    「二度と事故を起こさないような
    技術を作れる事業者になれると信じて」

    この言葉には、二度と事故を起こさないという自信は存在しない。
    やりながら模索しようという言葉だ。
    だから軽く聞き流してはいけないのだと思う。

    言葉を発した側の真意、受け取り方の可能性、一面的に受け取らない受け取る側の思慮。
    この本はそれらの大切さを教えてくれる。


    思い込

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    2022年10月03日
  • 今日拾った言葉たち

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    色んな場面で自己責任を求められるけど、それを求める側から聞かされるのは、通り一遍の空虚な言葉の数々。その空気にならされるのを嫌い、おかしな言葉のいちいちにしっかりと声を上げ続けていく。更には、必死に抗う小さな声は、ちゃんと拾い上げていく。当たり前のことと言われるかもしれないけど、これはまさしく名人芸。いつもながら、勉強になります!

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    2022年09月29日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    日本人は忘れっぽいのか、優しいのか、時間が
    経ったり新しい問題が発生すると、それまでの
    議論されていた問題は無かったかのように忘れ
    てしまいます。

    メディアがそれに拍車をかけて、新しいことへ
    と誘導するのも一因にあります。

    だからこそ、無かったことにはさせない、いつ
    までも未解決の諸問題を追求するぞ、という姿
    勢のこの著者には敬意を払って応援しなければ
    いけません。

    内容は2016年〜2020年あたりに起きた時事問
    題に対する追求です。

    政治やセクハラ問題、五輪実施までの道のりな
    ど「あれ、そういえばあの問題って結局うやむ
    やじゃん」と思い返すことが多いと思います。

    忘れてはいけない

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    2022年07月18日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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     少し読みにくい文章だが、内容が面白くてどんどん読み進められる。100分de名著で著者を知りタイトルで手に取ったが、日頃感じているモヤモヤがきちんと言語化されていたので、私はこう思っていたんだな、と気持ちを確認できた。斜に構えて冷笑したり、ポジティブに評価しよう、も悪いとは言わないが、怒るべき時には怒らなくてはいけない。アベノマスクや素手でトイレ掃除の回が面白かった。

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    2022年06月18日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    初めに白状してしまうと、自分は政治家の不祥事(特に与党)が発覚して批判が起きた時にはどちらかというとまたメディアや野党がなんか言ってら、と批判される側に同情的になってしまいがちである。従って筆者が考える「呆れることが多すぎて批判が追いつかない」と真剣に批判する立場はとっていなかったし、「冷笑系を下に見て、愚かな同調圧力をかけてくる」側の人間であると思う。
    というわけで自分とは立場が違う人の書いた本であったが、諸問題に対する筆者の意見・批判は適切、明瞭、且つ文章としても読みやすいもので確かにと感じる部分が多かった。
    民主党下野後からではないかと思うが、権力側の不祥事に寛容な意見を出すことの方が心

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    2022年05月07日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    日本社会に跋扈する「偉い人」ら。
    具体的には、自民党や政府やJOCや、その周りの取り巻きたち。
    彼らの無知蒙昧で卑怯で誤魔化しばかりの言動に、丁寧にNoを突きつける本。

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    2022年02月20日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    「天邪鬼」「ひねくれ者」という呼ばれ方は、自分にとっては長らくほめ言葉だと思ってきた。
    だが最近では、そういう人を「面倒くさい人」「ウザい人」として社会が忌避するばかりか、公式非公式に弾圧すらされるようになってきたと感じる。
    武田氏の著書で叫ばれる「当たり前さ」は、こういう世の中で「天邪鬼」でいることの誇りを取り戻させてくれる。

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    2022年02月20日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    自分らしさを演出しないと保てない自分なら、自分を助けてくれることもないので捨てればいい

    又吉の言葉と、それを引き出す武田砂鉄の質問が心地よい良い本でした。装丁もスキ。

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    2022年01月04日
  • 日本の気配 増補版

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    そう言えば、安保法制について初めて耳にした時、こんなものが成立したらやばい、と怖さを感じたはずなのに、いつのまにかその感情を忘れ、「右から左へと受け流してしまった」。
    武田さんはそういう無関心あるいは怠慢を許さず、とにかく怒る。
    つい世の中の空気に沿って動いてしまうけど、力のある人達に人生をいいように支配されないためには、各自もっと自分の感情ファーストで、ムカつきをしっかり発信していかなければならないのかもしれない。
    本書は、現代の問題を分かりやすくピックアップしているけど、自分はどう思うかをよく考えず、本の内容に引きずられてしまうことも危険だと思った。頭を使わなくては。

    あと、この本を読ん

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    2021年11月09日
  • 日本の気配 増補版

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    終わってみれば、ほぼいつも通りの結果だった衆院選。いつも通りだいぶガッカリしながらも、せめて部分的に良かった結果を拾っては自分を慰めてみる。投票に行かなくても、とりあえず今の状況が大きく変わることは無いんだろうし、みたいなのも一種の気配なんかな。声が大きいだけで、実際には何も語っていないんだけど、何となくそれでよし、みたいな気配に、結局支配し続けられるしかないんかな。そんな中でも、武田さんの声が一人でも多くに届けば、少しずつでも変わっていくんじゃないか、って期待を持ちたくもなるんですけどね。

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    2021年11月01日