武田砂鉄のレビュー一覧

  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    2016年からの『文學界』で連載している「時事殺し」から選びカテゴリー分けをして掲載されている。
    安倍菅政権で起こった、理不尽だったり理解不能だったり説明しないままになっている出来事を思い出すので、また怒りが湧いてくる。
    しかし思い出して怒って声を上げることをしなければ権力者の思うツボだ。そのことを繰り返し思い出させてくれる。
    各章の最初にその章立てをした理由となるような解説があるのだが、それがまた秀逸。

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    2021年08月16日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    タイトルが秀逸すぎる。
    コロナ禍でのオリンピックを見ただけでも、逃げた「偉い人」、たくさんいたなぁ。
    どうして、謝ることができないのだろう。完璧な人はいないし、ぬる~い人権感覚が晒された日本という社会で、私も含めて愚鈍(という言葉が適切かも心もとない)な部分がたくさんある。だからこそ、指摘されたこと、批評されたことは、真摯に向き合うことが大事なのではないかと感じる。そして、適切ではなかったり、間違っていたりしたことは、きちんと謝る。なんか、謝ることが負けみたいな変な空気(?)が蔓延しすぎているような気がする。

    武田さんが取り上げていたことで、言われてはじめてそうか!それが問題の本質だ!と気づ

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    2021年08月10日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    これはもうタイトルが絶妙過ぎて笑う。与党政治家、ネトウヨ作家、出版社社長、大手マスコミ…。この国に蔓延る不誠実で無責任な発言の数々にしっかりと対峙し、精緻に批評して見せる武田砂鉄氏の論説は、私に胸のすく思いをさせてくれる。読んでいて何度も快哉を叫ばせてもらった一冊。

    #武田砂鉄

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    2021年07月17日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    安倍政権から続く世の中の不条理、理不尽を作者が爽快にぶった切りする一冊。

    読んでいくうちにそういえばそんなことあった、こんな事言っていたというのを思い出した。
    最初のうちは大多数は怒るがそれが

    半数ほどが怒りを残す

    一部しかもう怒っていない

    大多数が忘れ結局なかったみたいな事に繋がる。
    これを忘れてもらおう作戦と筆者は名付けている。

    去年から色々ありすぎて、何が起きたかほぼ忘れていて気付けば結局ずーっと同じことを繰り返す。
    菅政権になってもそれは一緒。

    これらをスパッと切った筆者は爽快である

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    2021年07月16日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    私たちはいつから、偉い人が間違っていることをしたことに対して声を上げられなくなってきたんだろう。
    偉い人だけじゃなく、大衆に異論することに臆病になってしまったんだろう。

    一人の大人として情けなく、このままではいけない。声を出していこうと鼓舞された思いです。

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    2021年07月14日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    ”災間の唄”の感想で書いたように、本作者の幕間コメントに大いに惹かれた身としては、単著たる本作は、どうしても読みたくなる一品。すぐ逃げる偉い人と言われると、真っ先に現&前首相が浮かぶ訳だけど、本書における矛先はそこに留まらず、企業のトップとか、各業界の権威にまで及ぶ。卑怯な逃げ方のオンパレードに、いい加減うんざりしてしまうんだけど、切り返しの妙が素晴らしくて、何なら笑えてしまうような文言まで散りばめられていたりして、実に痛快。言われてみれば確かにそうだよな、って大いに納得できる反面、でもそれ、自分で考えて自分で判断できなきゃいかんな…って、ちょっと自信喪失してしまったりもする訳だけど、”偉い人

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    2021年06月21日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    武田砂鉄は、1日にどれだけの文章を読んでいるのだろうか。さまざまな話題と引き出しの多さに驚く。皮肉の効いた言い回しが冴えている。語彙の多さとピタッとくる言葉遣いは素晴らしいと思う。
    なんとなくスルーしてしまいそうな言葉遣いにも敏感で、わたしはもう忘れてた、言われてみればそんなことあったよな、ということをしっかり思い出させてくれる。しかもきちんとした裏付きだ。毎月「プレミアムフライデー」も今でも、きちんと追ってくれている。
    そういうバイタリティあふれる批評精神を見習いたい。

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    2021年06月11日
  • 日本の気配

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    ラジオで砂鉄さんを知りすっかりファンになり紋切型の次にこの本を読んでみた。相変わらずネチネチとしつこく、もし身近な人だったらとにかく面倒臭い人。今の世の中、いろいろつっこみたくなることが満載の政治や社会の問題でもすぐにわすれないようにこれぐらいしつこく考え続けなきゃいけないかも。
    マンションのゴミ出しで管理人とのコミュニケーション能力の話がそこまで飛躍する!?と思いつつそうだよなぁと思う話の展開で面白かった。
    前作に続きけっこう疲れる読み応えなんだけど砂鉄さんのようなしつこさを持ち続けたい。
    また再読してみよう。

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    2020年09月30日
  • 紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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    『一冊の本』に今年の1月まで連載されていた「わかりやすさの罪」を愛読していたので、同様の切れ味の素晴らしい爽快な書きっぷりを堪能できた.「"泣ける"と話題のバラード」でプレスリリースの中身のなさを指摘しており、それをまた使いまわす輩が跋扈している現状を批判している.そうだ、プレスリリースの中身のなさはわかっているので読む奴はいないだろう.「誤解を恐れずに言えば」で東大話法の虚しさを指摘しているが、国会では頻出している.御用記者は批判しなくなっているので、言う方もその空気をつかんでのさばっているのだ.こんなことがまかり通ることは、ほどなく解消すると予測している.「そうは言って

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    2020年05月14日
  • 日本の気配

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    最初、読みにくいな、と感じたが、それは多分、ことば、表現の細部に至るまで、著者独特の考えがあり、それが文章に現れていると最後の方は思えるようになった。こうしたライターは今時珍しいと思う。著者の苛立ち、怒りなどが無骨な形で現れており、読み手はそれを丸ごとそのまま
    受け止めることが必要ではないか。

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    2020年02月15日
  • 紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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    はじめはなんだかゆる〜い社会批判かと思いきや、どうしてどうして。独特の比喩や例示で、しっかりと社会批判している。軽い気持ちで読んでいたら、おおっと!となる。優しい当りで手厳しい批評、とても興味深い。もっと読みたくなる。

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    2019年08月26日
  • 紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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    09国益を損なうことになる の章を
    2019年の選挙の前までに色んな人に読んで貰いたい

    私は武田さんの考えがとても好きです。

    2、3回読まないとって思ったこの作品。

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    2019年05月25日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    『火花』の又吉直樹と『紋切り型社会』の武田砂鉄による往復書簡。
    相手の手紙への完全な応答とも言い切れない返信で、思索を発展させ進んでいく感覚が、1人で考えている状態を再現・言語化してくれているような本。

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    2019年05月19日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    例えば〇〇が結婚した、〇〇が転職した、とか具体的な噂話が聞きたいんじゃなくて、ではそこから派生する、例えば結婚観や仕事観というと大袈裟だけど、そういう概念的な抽象的な話が好きな自分にはとても好きな本。
    まさに「無目的な思索の応答」が好きなので、心地よかった。

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    2019年04月06日
  • ナンシー関の耳大全77 ザ・ベスト・オブ「小耳にはさもう」1993-2002

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    話の対象になる芸能人に「さすがに最近見ないな」という人もちらほらいるものの、文章自体は没後16年も経っているとは思えないほど面白い。
    小倉智昭の回の「ボクは先代の社長に
    たいへんかわいがってもらってね」という
    何でもなさそうな一言に対する怒涛の考察は
    この本の1つのクライマックスだと思う。

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    2018年11月09日
  • ナンシー関の耳大全77 ザ・ベスト・オブ「小耳にはさもう」1993-2002

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    2002年に亡くなったナンシー関が矛先を向けるのは、当時のテレビの中の人たち。だから、十五年以上経過した今となっては、誰だかよく分からん人も登場する。
    けれども、彼女が丹念に拾い集めて指摘する、テレビの中の発言から感じる違和感、もっと言えば不快感は、いまの読者にもありありと伝わってくる。なぜなら、その違和感は、いまのテレビ、マスコミ、ネットからも常に垂れ流され、自分たちも確かに感じているんだけど、目をつぶってやり過ごしているものと同じだから。そして、その「おかしいな」「何か嫌だな」という感情に目を瞑らず、かと言って怒り散らすわけでもなく、その違和感の源をピシャリと言い当てる彼女の言葉、その言葉

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    2018年10月28日
  • ナンシー関の耳大全77 ザ・ベスト・オブ「小耳にはさもう」1993-2002

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    「武田鉄矢のどこが嫌なのかを歯をくいしばって考えてみよう。」
    ナンシー関さんの、テレビについてのコラム。この一文のとおり、ナンシー関さんの文章は、テレビを見て嫌だと感じる部分をなぜ嫌なのかを掘り下げることをメインとしている。そしてその指摘が鋭すぎて残酷だったりして面白い。谷亮子の出馬を予言したりしている。

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    2018年10月16日
  • 日本の気配

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    読んでいるとだんだん辛くなってくる箇所(日本の政治家について)もありましたが、後書きの「今、いちいちこんなことを言わなくてはいけないのだ」という一文に納得しました。

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    2018年09月16日
  • 紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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    「全米が泣いた」「そうは言っても男は」など、日常で何気なく聞いたり目にしたり使ったりする「紋切型」の言葉が持つ曖昧さや胡散臭さなどに正面から立ち向かっていく著者の圧倒的な知識量と構成力が凄い。政治からエンタメまで幅広い分野での例を挙げながら、時に皮肉を交えて展開する持論は説得力があるし、読んでいて痛快だった!

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    2016年10月29日
  • 紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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    おお、頑固おやじさんだ。いやいや、隣にいないというのはこれほどありがたく面白いか。おばさんとおじさんとは大いに違うんですねえと思うがそれはそれとして、なかなかいやはや。

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    2015年11月19日