武田砂鉄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『一冊の本』に今年の1月まで連載されていた「わかりやすさの罪」を愛読していたので、同様の切れ味の素晴らしい爽快な書きっぷりを堪能できた.「"泣ける"と話題のバラード」でプレスリリースの中身のなさを指摘しており、それをまた使いまわす輩が跋扈している現状を批判している.そうだ、プレスリリースの中身のなさはわかっているので読む奴はいないだろう.「誤解を恐れずに言えば」で東大話法の虚しさを指摘しているが、国会では頻出している.御用記者は批判しなくなっているので、言う方もその空気をつかんでのさばっているのだ.こんなことがまかり通ることは、ほどなく解消すると予測している.「そうは言って
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Posted by ブクログ
2002年に亡くなったナンシー関が矛先を向けるのは、当時のテレビの中の人たち。だから、十五年以上経過した今となっては、誰だかよく分からん人も登場する。
けれども、彼女が丹念に拾い集めて指摘する、テレビの中の発言から感じる違和感、もっと言えば不快感は、いまの読者にもありありと伝わってくる。なぜなら、その違和感は、いまのテレビ、マスコミ、ネットからも常に垂れ流され、自分たちも確かに感じているんだけど、目をつぶってやり過ごしているものと同じだから。そして、その「おかしいな」「何か嫌だな」という感情に目を瞑らず、かと言って怒り散らすわけでもなく、その違和感の源をピシャリと言い当てる彼女の言葉、その言葉 -
Posted by ブクログ
「いきり」ってどこから生まれてくるの?の説明をしながら、いきりの周辺にいる人の構造とありかたを批評する本。
主張としてはわかるし、そうだねとは思うんだけど、雑誌連載してた時の雰囲気をそのまままとめてるから一冊の本として読むと主張が整理されてなくて読むのがキツいところが目立った。一番最後に書き下ろされたところが一番まとまってたように思う。
論の中身ではなくテクニックとパワーによって論理を潰そうとする「いきり」は、自分の中身の無さから目を逸らさせ、自分でも自分から目を逸らすために使われるもの。
忙しくてじっくり考える余裕を作れない日々だけど、いきらないようにちゃんと考えながら生きてこうと思った。 -
Posted by ブクログ
いろんな巷の言説を「いきり」という視点で切り取っています。問いより答え、日和見と言い切り、議論より論破。そんな今の時代の空気を見事に言語化してくれていると思います。
何より共感したのは、相手の発言者としての資格を問いたり、質問の質を問うことで議論に勝つ手法のこと。自分の思考の欠落を相手の権利の欠落で補う。日々そういうのを見せられて嫌な気持ちになっているので納得です。DaiGoや石丸伸二など、名指しで書いているところが痛快です。
怒りとか不機嫌などのネガティブな感情や態度が社会通念として封殺され、幸せの形が規定され、それを強制されるような社会はユートピアなのかディストピアなのか。上機嫌である