武田砂鉄のレビュー一覧

  • 紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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    社会というより、言葉の力について、その紋切型の言葉をベースに語られる。武田砂鉄さんの本は初めて読むのもあってか、やや思考の変遷や深みへの潜り込み方についていけないぶぶんがあったが、それも自分の社会学的素養や、最近そういった種類の文章に触れていないせいかも、と思い知らされる。
    言葉は自由な一方、紋切型になった途端に社会を制約する存在になる。言葉によってバイアスが固定化されていると感じる瞬間は、見渡せば日々の中でも多く、誰でもこの「言葉」というものを操れるのだからこそ、その言葉の果たす役割や影響には、簡単に追従せずよくよく吟味せねば、と感じさせられた。

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    2023年01月28日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    文學界の連載コラム。引用もしっかり、一本書くのにそれなりに資料を読んでいるということだ。keeo going.という感じ。

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    2023年01月22日
  • べつに怒ってない

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    自分と同じだったり違ったり、気にしたこともなかったことだったり、違う視点と気付きの機会になって良かった

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    2023年01月22日
  • べつに怒ってない

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    ネタバレ

    一人でいる時間、砂鉄さんのように
    色々と考えたら、寂しくないなと思った。
    一方で、考え過ぎてグルグルしてしまわないだろうか
    と思った。

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    2022年12月10日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    学生時代にしていた交換ノートを思い出した。
    どうでも良い話だったり、日常の引っかかりなど、
    読んでて楽しかった。

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    2022年11月18日
  • せいのめざめ

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    武田さんの著作であれば読みたいっていうのと、性教育本の一種かなという考えの下、手にした本。これはでも、あのころ特有のバカバカしい妄想を笑い飛ばそう、っていうのが主旨だから、性教育的な要素は皆無。でも『分かる、わかる』みたいな感覚が楽しい。女性の観点からも描かれているのがまた、ある種味わい深い。

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    2022年11月16日
  • 今日拾った言葉たち

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    わかってもらえないことや、わかってあげられないことが、ちゃんと心地よいままでいたい。わかんない部分があるからあなたと私は他人なんです。

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    2022年10月29日
  • せいのめざめ

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    ミリさんと砂鉄さん、ちょっと珍しい組み合わせではないだろうか。テーマもこのお二人が扱うにしては珍しい気がする。ミリさんは漫画で、砂鉄さんは文章で、異性の体や性の何たるかもわからなかった時分の思い出を語る。
    漫画と文章という違いかもしれないけど、ミリさんのほうが赤裸々的に突き抜けてる。男子の金玉とか、大きく硬くなるってどんなことだろうとか、知らないなりに女友だちの間でまとまった仮説で納得してみたり。女子が相手にはそうとは見せずに男子の体に興味深々だったことがわかる。
    対して砂鉄さん、いつもの世相を切るようなさっぱり感がない。ミリさんの思い出からは「私」の思い出って感じがするけど、砂鉄さんは僕たち

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    2022年08月06日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    ネタバレ

    偉い人ほどすぐ逃げる

    著者:武田砂鉄
    発行:2021年5月25日
    文藝春秋
    初出:文学界2016年3月号~2020年10月号

    武田砂鉄という人はとても興味をそそる書評を書く人だ。彼の書評を読むと、必ずといっていいほどその本が読みたくなる。この本に書かれていたが、彼は河出書房の編集者をしていたとのこと。本を読んで評価するのがうまいはず。この本は辛口コラムだが、彼はコラムニストでもなければ文芸評論かでもなく、ライターと名乗っている。なお、タモリ倶楽部などのテレビでも見かけたことがあるが、なかなかに面白いキャラでもある。

    僕とは政治的な考え方でも一致することが多い側の人だと言える。ところが、こ

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    2022年03月27日
  • 日本の気配 増補版

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    ムカつくものにムカつくと言うのを忘れたくない。
    個人が物申せば社会の輪郭はボヤけない。
    個人が帳尻を合わせようとすれば、
    力のある人たちに社会を握られる。
    今、力のある人たちに、自由気ままに社会を握らせすぎだと思う。

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    2022年02月22日
  • 日本の気配 増補版

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    世の中のいろんなことを知っていくと左寄りになっていく(と思っている)ので、ものの見方的なものは参考になった

    ただ、やはり批判的な論調に必要なものはユーモアで、このひとの文章にはそれが欠けているので息苦しくなる

    ま、おれにはユーモアの欠片もないのだが

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    2021年11月17日
  • 偉い人ほどすぐ逃げる

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    所々の強烈な皮肉に吹き出しながら読んだ。内容は概ね賛成。政治や強者の放つ言動に対して怒る人や感情を出す人を冷笑し、自分は一段階上にいて俯瞰していますよという態度がスマートだとされる世の中の風潮も良くないと思う。日本人の国民性もあり世の中全体が変わることは難しい。このような活字の力を通して、自分の頭で考えて発言、行動できる人が老若男女問わず増えていく社会であってほしいと思う。

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    2021年08月29日
  • せいのめざめ

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    漫画かわいかった~!わかるようでわからんでもない話。理想論とか目覚める前の話だから夢物語っぽくて、そんな時期もみんなにあったのか~って感じ。私自身なんかいろいろ悟るの早かった方だと思うので。笑

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    2020年09月06日
  • 紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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    少し、例えが分かりにくい所があったけど、いろんなタブーを、はっきり言ってくれていて、面白かった。
    情熱大陸は日曜昼にやって、ノンフィクションを夜に!
    語尾はコスプレ、東大話法、、、共感した。

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    2020年08月12日
  • 日本の気配

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    日々ニュースを見ていて思う、嫌な・ムカつく感じに、なぜそう感じるのかという過程を書いている。かなり共感できる。
    全体として政治に関するものが多い。ここ数年でどれだけのめちゃくちゃが通ってきたか(そしてそれを忘れてきたか)を再認識することになるので、読んでいてムカムカしてくるが、ちゃんとムカつくこと、おかしいと言い続けることは大切だと思う。

    僕はこの人のもっどどうでもいいことに関する文章の方がすきかもしれない。

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    2019年07月13日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    『自分の名前で文章を書くことは、身体に文字を彫ることと似ている』と又吉さんは言う。
    その言葉の重みに圧倒されてしまいました。
    人の心はうつろうし、考えることだって日々変わっていく。
    又吉さんにとって文章を書くというのは、その時その時の思いをちょうどいい熱量で
    自意識と闘いながら言葉にしていくという作業なのだろう。
    その途方もない困難さが、『スリジャヤワルダナプラコッテ!!(スリランカの首都)』と叫ぶ小学生の話に笑っているうちに、泣き笑いのように伝わってくるのです。
    分かりやすい思考の方程式や、世の中が提示してくる『正解』を許さない二人のやりとりは
    読んでいてとても刺激的で楽しかったです。

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    2019年07月03日
  • 日本の気配

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    誰しも、うっすらと感づいている日本のおかしさ。こうやってひとまとめになっていると、とんでもない人達によって日本は「経営」されているのが分かる。目をそらさずに意見し続けることを諦めないのが大事だとおもうが、その声は確実に消去されるんだろう。

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    2019年05月30日
  • せいのめざめ

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    コミックエッセイと普通に文章のエッセイが交互に書かれている。
    コミックエッセイでは著名な方だが、絵の好き好きは様々だろう...。個人的には余り好みではないが、ともすると生々しい話題なので軽過ぎるくらいの現実味の乏しい線画がバランス的に良いのかも知れない。
    女性・男性の交互のエッセイという点でも面白い。特に女性視点は自分には未知なので、「へえ~、そうなんだ!」と思わされる何気ない描写もあったり。
    決して子供向けではなく、大人だからこそ振り返ってみて他人の視点での絵や文章になったものを味わえるのだと思った次第。

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    2019年04月15日
  • 日本の気配

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    主張的に私の思うところにかなり沿っている……んだけど、なかなか読みにくい文調だった。 あとがきによれば武田氏は「ズルい」って言葉をよく使うといわれるとか。「うまいことやってる奴」が嫌いだとか。やっぱり自分とよく似てる。そして屁理屈こねるところも。そんな私の近親憎悪(?)というか自分を見ているような恥ずかしさが読みにくくさせていたのかなあ。

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    2019年03月24日
  • 紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす

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    あちこち言及しながら転がってゆくスピード感のある文章なので、読んでいてもどうにも落ち着かないのである。
    もう少し、頭の悪い人の手を取ってゆっくり伴走してくれるような優しさがほしい。

    最後の章で触れる竹中労さんや本田靖春さんの本もぜひ読んでみたい。

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    2019年03月19日