齋藤孝のレビュー一覧
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「百姓は市民のことを『軽薄だ』というし、市民は百姓を罵って『頑迷だ』という。その様子はまるで互いに片目を閉じてその美点を見ず見にくい点のみを見ているようなものだ。もし、その両目を開かせ、片目で相手の長所を見て、片目でその短所を見るようにすれば、長所短所の公平な観察ができて、その争いがやむばかりではなく、ついにはお互いを友とみなし、それぞれ益を得ることもあるだろう。」p27
「世論を物事の基準とし、それから外れることがあれば、異端だとか妄説だとして、すべての議論をこの世論の枠内に押し込めようとする。こんな状態では、智者というのは国のためにいったい何をすればよいのか。」pp31
「かつての異端妄説 -
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偉大な思想家たちの思考法を、ワザ化して習得し、現代社会版に焼き直して自分のものにしていくという発想が面白い本。
そう考えると、哲学者や思想家などの小難しい思考法が「ライフハック」に見えてくる不思議。
【気にいった内容】
自分に応用して自分を変えること、現代に応用して実社会の役に立たせることこそが大切です。(P27)
今は知らない情報に出会った時は、インターネットなどで検索さえすればたいてい出てきます。
ですから「知っていること」は大した価値を持ちません。
そこで差をつけるのはとても難しいのです。
重要なのは、検索しても出てこない「ワザとしての思考法」です。
それを試行錯誤しながら「身につけ -
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齋藤孝先生がおすすめされている音読を実践するための本。
音読というと、短めの文章のものが多い気がするが、夏目漱石の坊ちゃんを丸ごと読むので、ボリュームはあるが達成感がものすごい。
ちなみに、齋藤先生によると、5、6時間で読むことができるそうなので、1日30分でも2週間で終わるイメージ。
大きめの活字で、読み仮名や意味も添えてあり、小学校高学年ぐらいから、楽にチャレンジできると思う。
最後に、解説やクイズもついていて、楽しめる。
坊ちゃんは昔読んだが、またこうして音読してみると、とても面白いし、文章も一文が短めですっきりしており、上手いのだな、と再認識できた。 -
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齋藤先生のお話を聞いてるようにサクッと読める新書。国語が好きな人は面白く読めると思う。特に序盤の、引用は教養のアウトプットである論にはなるほどなあと思った。確かに古典は引用が大好き。本歌取りや枕草子の香炉峰のくだりなど、引用元を知ってるからこそ面白みが二倍的なことって昔からあったんだよなあ。紫式部はほんと清少納言のこと嫌ってて笑う。
脚本家で観るドラマを選ぶ話があってすごく共感。もうわたしは坂元裕二が大好きなので齋藤先生と握手したい。あの人の書く台詞は最高です。
さて、この本は面白かったがわたし自身に実践的かと言われると黙ってしまう。もちろん、難しい古典の言葉を引用したり、かたい言葉を間違えず