ネタバレ
Posted by ブクログ
2022年05月08日
感想文を書く際は個人的な問いを立てて、それに対する答えを本から導き出すようにしている。(厳密には読んだときの個人的に気になったポイントや印象に残った文章などのとっかかりから自分の中にあった問いがなんだったのかを改めて捻出しているので、プロセス上は逆。)
ただ、この書き方だと、自分のアイデアは問いを立...続きを読むてるところにしかないし、答えつまり、本から得たモノに対して首肯する形となるため、次の課題やより深い論点を追究するといった探求プロセスを創造しにくくなる。そのため、筆者繋がりで選んだ本や誰かが勧めていた本、別のメディア(雑誌、TV,ラジオなど)で紹介されていた本を読むことが多く、ふと振り返ったときに結局自分の関心とか興味がどこにあるのか分からなくなる。読書体験としては全くそれでも問題ないのだが、せっかくならより深く知識を身につける分野があってもいいのではと思うし、むしろ身につけたい。
そんなことを思ってこの本を手に取った。
この本でいくつか文章の書き方が提示されている。
体験に対する学び、名文に対する自分のエピソードなど、つまりある出来事を踏まえて自分の想像力や体験を使うということ。そこにその人ならではのポイントがあって、それこそが価値になると。
いわばSoWhat?の部分に時間をかけて吟味すべきではないかと。
読書感想文の場合、これをすると筆者に対して批判的になりがちになってしまうように思う。読者のアイデアの部分、読者自身の創造の範囲は重箱の隅をつつくことや、筆者の主張に批判することに広がっているように思うから。まあそれが、悪いことではないし、批判を経ていくことが哲学のプロセスではあると思う。が、主義主張を表明する場を持たない自分が簡単に批判をする人間になりたくない、批判人間こそ悪いおっちゃん像な気がする。。
批判だけおじさんにならないように意識しながら、SoWhat?の部分の想像を膨らますことで、より豊かな読書体験にしていきたいと思う。