上田惇生のレビュー一覧
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経営学の父とかマネジメントの創始者とか言われてるけど、この本の内容はファシズム全体主義とブルジョア資本主義とマルクス共産主義に関して。面白いほどにマネジメントとかの話は出てこない。ドラッカーが1939年に書いた論文で、その頃はまだ大量生産の時代だったから知識労働とかの話は出てこないけど、エッセンスを集めました的ビジネス本なんかより、非常に勉強になる。
どんな社会背景からファシズムが芽生え、なぜイタリアやドイツで国民の支持を集め広まったのか。そのあたりのことが熱を込めて書かれている。ちなみにこれを書いたのはドラッカーが27歳の時、マジかよ -
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あまりにも有名な本著は、ドラッカー29歳の時の処女作として、そして1933年という宥和政策の時代にファシズム全体主義を喝破した本として知られています。
その若さで既にして膨大な著作を読み、混沌とした時代に先を見据えたことは驚愕に値します。
本著を読み終えたウィンストン・チャーチルは真っ先に書評を書き激賞しました。そしてその後首相になったとき真っ先に取り組んだ仕事は、士官学校の卒業生への支給品に本著を入れたことでした。前線に立つ指揮官へ、ファシズム、レイシズム、全体主義が許されざるものだという理論的支柱にしたのです。
宥和政策の時代、ナチズムはドイツ人の国民性に起因する特殊要因とする説と、 -
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複雑に絡み合った事象から繰り出す鋭利な法則。
当たり前に見える風景から切り出す非常識とも思える見識。
普通を普通として受け取らずに、
疑問を疑問のままにせず、
考えて行動し失敗し成功する。
これぞイノベーションと企業家精神、か。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
●外部の予期せぬ変化をイノベーションの機会として利用し成功する条件は、
その機会が自らの事業の知識と能力に合致していることである。
(中略)
自らの事業の性格を変えてはならない。
多角化ではなく展開でなければならない。(P.44)
●1870年に発明されたプロセスそのものが、
これも -
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先日紹介した「思考編」の続編である「行動編」
上記2冊はドラッカー教授が示したセルフマネジメントの極意を二部作にまとめたものであり、基本的な考え方を記したのが「思考編」であり、それを実現するための行動原理を記したものが本書「行動編」である。
すべての資源となる時間をどう確保し、目指すべきゴールをどう決め、どのような道筋で向かい、長い人生の中でいかに自分自信を成長させ続けるかということをワークシート形式で以下の5章から構成されている。
①時間管理
②意思決定
③自己目標管理
④計画
⑤生涯を通して学ぶ
2冊を読み終えてあらためてドラッカーの偉大さを痛感した。
多くのビジネス書の多くは海外で -
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監修者である上田惇生氏はピーター・F・ドラッカー教授の主要著作の全てを翻訳。もっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。著書に「ドラッカー入門」「ドラッカー時代を超える言葉」等。
編著者である佐藤等し氏はドラッカー学会の幹事を務め、公認会計士として活躍している。主催する有)ナレッジプラザの研究会として「読書会」を北海道と東京で開催している。
「役に立つ」「実務に使える」という二つのポイントからドラッカーの探求を始めた編著者。
本書は企業のマネジメントに視点を当てているドラッカーの著書を企業のマネジメントではなく個人とセルフマネジメントに焦点を合わせて書いたガイドブック。
成長し続ける -
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「企業とは何か」はドラッカーが36歳のときの著作である。前作「産業人の未来」で、第二次世界大戦後、アメリカ中心の産業社会が来ることを予見したドラッカーは、一人ひとりの位置と役割に尊厳と正当性を持つことが社会には必要であるとの保守主義を基盤にして、大規模組織が機能する基本原理と、組織で働く人の位置づけについて、本書は書かれている。自由主義体制を基盤に持つ産業社会にとって、企業、特に大企業の存在は、社会的に大きな影響を持つ、企業の本質とは社会的存在であり、また企業は人間組織である。本書でドラッカーは、その当時のアメリカ最大の企業、GMを、企業の在り方を考える実例として取り上げている。更に、大企業が
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ドラッカーシリーズの4冊目。
NPOをターゲットに論じたこの本も、1冊目の「経営者の条件」と真髄は同じだな、という印象だった。
「ミッション」という言葉で語られる「そもそも何が目的なのか?」ということの捉え方や、それを実現するための戦略とその過程でスタッフが自己実現を達成できる、すなわち「人間の尊厳」を重視した巧い采配を振るうことがリーダーの条件である、と説いている。
平たく言えば、成果を出すことで自己実現の喜びを味わってモチベーションを維持し、さらにはそこに安住せず「もっとよく」するためのイノベーションを常に行うべし、といったところ。
もちろん、真髄が同じとは言っても、戦略という観点で -
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約半世紀前の1969年に書かれた、あまりにも有名なドラッカーの社会科学書。この著作名から「●●の時代」とその年を安易に名づけることが流行りましたね。
今読んでもこれが50年前にかかれたものかと驚くほど、的確に時代の流れを見据えています。当時まだ萌芽したばかりのコンピューターについても、今の時代が到来することを明白に予想しています。驚くばかりの先見の明には、知の巨人たるドラッカーの面目躍如たるものがあります。
本書あとがきにいみじくも「本書で述べたものはすでに起こった事実であるがゆえに消え去るものではない。解決すべき問題はますます重要性を増す。だが本書は何が起こるかは教えない。何に取り組まざ