黒川博行のレビュー一覧

  • 螻蛄―シリーズ疫病神―

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    この疫病神シリーズも4作目ということで、塚本・二宮コンビもだいぶかみ合ってきたみたい。
    事件(シノギ)そのものは嘘っぽいけれども、二人の掛け合いはいかにも大阪人コンビという感じで、面白い。

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    2016年11月20日
  • 悪果

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     やはり黒川博行、面白い。しかも私の好きなノワールもの。悪徳警官がやらかしてくれます。
     大阪府警のマル暴担当の堀内と伊達のコンビは、高級クラブでは毎晩のように5000円ぽっきりで飲み食いをし、それぞれ自分のシノギを持っていて稼いでいる。
     そんな彼らの元に、大きなネタが転がり込んでくる。そのネタとは、カラオケボックスでヤクザが賭場を開帳するというものだった。上にあげると手柄を横取りされてしまうマル暴組織。そこでコンビは独自に調査を始める。上手く一斉検挙まで持ち込んだ。
     その賭場がらみから大きなシノギの匂いを嗅ぎ取った堀内は、自分のネタ元の編集長を使って捕まった客に強請りをかけさせるが、その

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    2016年10月27日
  • 左手首

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     暗黒小説の短編集。黒川博行は『後妻業』で知ったのだが、こういった暗黒小説を描かせると本当に上手い。
     それぞれの章にアンダーグラウンドに生きる人々が登場するが、いづれも警察に捕まったりヤクザに捕まったりする。それがあまりにもリアルで、背筋が寒くなる思いがする。
     悪いコトはするもんじゃないと、つくづく思い知らされる。

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    2016年10月01日
  • 国境(上)

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    面白かったぁ。笑った。
    黒川博行氏の作品はいつも楽しんでいるが、二宮、桑原コンビのシリーズがあるのはシラナカッタ。
    北朝鮮事情や詐欺のからくりなど勉強になることも数々。
    1番笑った、桑原のセリフ
    「わしはヤーさんやない。クーさんや。」

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    2016年07月24日
  • 八号古墳に消えて

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    黒マメシリーズ第三作目。
    テンポの良さと描写の丁寧さ、展開の強弱と、土台は相変わらず手堅く上質。
    今回は、ミステリとしても読み応えがある。スタンダードな刑事調査の描写は運びが上手く、進むにつれてどんどんのめり込めるし、派手なトリックがあるわけではないが、明かされていく真実にはしっかりアクセントがある。
    警察小説として質のいい直球である一方で、舞台は少し変わり種にしてくるあたりは、「読ませる」センスが強く感じられる。
    4-

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    2016年06月23日
  • 国境(上)

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    ネタバレ

    疫病神シリーズ。

    シリーズ屈指の名作といわれていましたが、一時期絶版となっていて、復刻後すぐに購入したものの、積読状態でした。
    冒頭は北朝鮮の観光ツアーで不穏な活動をする桑原と二宮ですが、中盤でその理由が明確になり、再び北挑戦に不法入国してターゲットの詐欺師を捜索するところで上巻は終わりです。
    北朝鮮には行ったことがないのでわかりませんが、金正日時代とはいえ、現在とそんなに変わっていない(むしろ現在の方がもっとひどくなっているかも)ひどさの臨場感は伝わりました。
    スカパーで昨年からドラマ化されているようですが、本作は北朝鮮が舞台なだけに難しいでしょうね。
    ともかく、名コンビは絶好調な感じなの

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    2016年06月14日
  • 悪果

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    大阪府警の刑事で頭のキレる堀内とメチャクチャケンカが強い刑事・伊達が、賭場を摘発したところから話は始まる。ヤクザに経営コンサルタント、パチンコ屋が絡んで複雑な利害関係を見せる。
    謎解きとは言えないけど、話の行き先が見えず、二人が金欲しさに暴れまくる姿が面白い。

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    2016年05月29日
  • 文福茶釜

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    美術や骨董の贋作を中心とした悪巧みの顛末を書いた短編集。
    人物や会話が独特で飽きがなく、懲悪をベースとした展開も、意外性がないのにとにかく面白い。
    毎回テーマとなる品が変わっていき、それぞれの「偽物造り」や「詐欺手口」はバラエティに富み、いづれも唸るような奥深いものばかり。品のいい舞台に、品のない人たちばかり出てきて化かし合いをするスタイルは、趣と可笑しみという他では両立しない味わいを生んでいる。
    表題作と最後の一話が特に読ませるが、これは何話でも何冊でも読める。
    4+

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    2016年05月13日
  • 雨に殺せば

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    黒川博行の黒マメコンビシリーズ。
    著者の初期作品群の魅力は、軽快で歯に衣着せない会話や主観描写と、対照的に緻密なロジックを器用に導入している点、そしてバラエティ溢れる事案や業界エピソードである。
    中でも本作は、刑事コンビの捜査とその進展が、非常に自然であることから、同時期の作品でも特に完成度が高いと思われる。
    パズラー的な要素はないが、読み物としてのミステリとして、お手本のような作品だった。
    4-

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    2016年04月02日
  • 国境(上)

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    3月-4。4.0点。
    二宮・桑原コンビふたたび。
    詐欺に遭い、相手が北朝鮮へ逃亡。
    違うルートだが、ふたりとも同じ詐欺師の被害。
    北朝鮮へ乗り込み、犯人を追う。
    前作より、スピード感あり、面白い。
    下巻楽しみ。

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    2016年03月10日
  • 繚乱

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    ネタバレ

    警察小説・経済小説・ハードボイルドなどが
    交わった作品。

    大阪が舞台のため、土地勘はわからなかったが
    関西のカオスの雰囲気がして面白かった。

    行く店行く店でもてまくるのはご愛嬌だが
    ダークヒーローはこんなものか。

    スピード感が半端ないので、ストレス発散できる作品。

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    2016年03月09日
  • 暗闇のセレナーデ

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    黒川博行の、初期本格長編。
    バランスがとてもよい。トリックのリアリティや、登場人物たちの掛け合い、美術界や技法の豆知識、当時の女子美大生の生態、刑事ものとしての各シーン…
    様々な小さい魅力が上手く作用し合い、クオリティの高いエンタメになっている。
    あとがきにもあるが、人物たちの肉付けとしか思えなかった美術談義が、事件の真相の一部に昇華するのはすごい。そうそう古びない傑作だと思う。
    それにしても、1985年は国内ミステリの当たり年である。
    4+

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    2016年01月28日
  • 繚乱

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    堀内と伊達がヤクザ相手に大立ち回りをするシリーズ第二弾。自分が二人と一緒に大阪の街を飛び回ってるような気にさせてくれる。続編を読みたいところだが。

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    2016年01月09日
  • 悪果

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    大阪を舞台にヤクザより悪い刑事達が活躍する。ディテールがしっかりしていてスピード感もあり面白い作品だった。

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    2016年01月03日
  • 国境(上)

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    厄病神シリーズを初めて読みました。詐欺師を追いかけ、北朝鮮へ行くシーンが緊迫感あります。下巻も楽しみです。

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    2015年12月29日
  • 国境(下)

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    スリリング。北朝鮮相手に暴力と根性で対抗する力強さ。思わず黒川氏の他の小節をすぐにオーダーしてほどです。

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    2015年12月23日
  • 離れ折紙

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    黒川博行による、美術界の化かし合いを描いた短編集。
    ストーリーは派手でなく、予想通りの展開を見せるのだが、キッチリ必要充分の動きと、オチがある。話がとても端整。
    そんなシンプルな小説の中で、素人には分からない美術作品や美術商かけひきが次々登場することで小さなインパクトが生まれ、何話でも読みたくなる。
    妙手による小品。
    4

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    2016年07月11日
  • 国境(下)

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    2015年11月14日読破! 

    以前から読みたかった一冊だったが、なかなか手に入れることが出来ず、やっと入手できた一冊。
    北朝鮮を舞台にした物語で、読みづらい部分もあったが、無駄な物を排除したスピード感溢れる一冊でした。

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    2015年11月15日
  • 国境(下)

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    2度目の北朝鮮行で、ついに目的を達成か。と思いきや、そもそも北朝鮮を平和に脱出できるのか・・。その後も裏の黒幕が出るわ出るわ、相変わらず、「この状況はもうどうにもならないのでは。」という環境から、細い糸をたぐりよせて先に進んでいく展開。最後までドキドキして楽しめました。

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    2015年09月14日
  • 国境(上)

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    「疫病神」シリーズ第二弾。前半の舞台は北朝鮮が大部分。関西ヤクザ世界と同様に、北朝鮮の実情にも非常にリアリティを感じる。挑戦に逃げ込んだ詐欺師を捕まえに二度目の北朝鮮行。はたして、詐欺師を捕まえられるのか、下巻が気になります。

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    2015年09月14日