黒川博行のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
黒川博行の本は初めて読みました。
ものすごーく、描写が細かく、地名などもものすごくリアルで、、、そういう意味でも楽しめました。
関西在住ですが、「ええっ!大阪ってそんなに怖いの!」って思いながら読みました。
しょっちゅう、梅田とかウロウロしていますが、そういう人に、そんなにしょっちゅう出会ってるつもりないんですけど・・・
話がそれましたが、そういう世界のことをまったく知らない私でも、内容に引きこまれました。
誰を主体に書いているわけでもない文章なので、内容的にはどんどん入り込んでいっても、なんとなく冷静に傍観している感じで読み進めることができて、それも良かったのだと思います。
黒川さんの -
Posted by ブクログ
ネタバレ遺跡発掘現場の壁面崩壊に巻き込まれたように死んでいた浅川教授。しかし浅川の遺体から検出した泥は現場の物ではなかった。殺人事件として捜査にあたる黒木、亀田両刑事。浅川教授の研究室の植田の転落死。矢倉から飛び降りたように見える死。死の直前のこした「アツ」という言葉。関西の考古学会の派閥争い。事件への関与を疑った余沢に話をきき尾行するがタイヤのパンクで見失う二人。行方をくらました余沢。余沢の部屋に残された壁画の写真。どこの古墳の物でもない壁面に隠された秘密。余沢の遺体発見。脚の骨を折り餓死していた余沢。余沢の遺体の体内の水から死体の移動を考える黒豆コンビ。浅川教授の娘婿・今村と助手の秦野の関係。八号
-
Posted by ブクログ
冒頭───
街灯に明かりが入った。降りはじめた雨がルーフを叩き、フロントガラスにはじける。エンジンをかけてワイパーを作動させ、デフロスターのスイッチを入れる。
「見えんな------」稲垣が助手席のウインドーを下ろして、油膜とりのスプレーを吹きつける。白い泡が散り散りになって流れ落ちた。
「そろそろ一時間やで。いったい、いつになったら出てきよるんや」
じりじりする。友永はステアリングを強く握りしめた。
黒川博行、1995年の作品。
スピード感あふれたクライムサスペンス。
堅気の男たちがヤクザの組長を誘拐し身代金をせしめようという物語。
誘拐を企てた主要人物ははどうしようもないハグレ三人。 -
Posted by ブクログ
冒頭───
大阪難波、淀屋デパートに着いたのは十時五分前だった。タクシーを降りて新館に向かう。玄関前には七、八人の女性客が並んでいた。待っているはずの美術部長の姿が見あたらない。
「どうしたんや、伊谷は。おらんやないか」
腕の時計に眼をやって、いらだたしげに室生がいう。
「おかしいですね。十分前には新館の前にいるというたんですけど」
大村は室生のそばを離れた。小走りで『虹の街』のほうへ行く。カフェテリアの向かいにもう一カ所、淀屋の入り口があったが、そこにも伊谷はいなかった。
黒川博行の作品は特徴がいくつかある。
一、常に関西が舞台である
二、主人公と連れ添う相方が存在し、二人を中心に話が展