黒川博行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1989年初版の大阪府警ブンと総長シリーズ。久しぶりの再読。
工事現場で見つかったバラバラ死体は、首が腐敗、脚はミイラ化という奇妙なものだった。その数日後に起きた男女の無理心中事件の現場の部屋から、バラバラ事件の記事の切り取りが多数発見される。バラバラ事件の被害者と無理心中した男女はどう繋がっているのか。
以前読んだのが10年近く前なのですっかり詳細を忘れていて、新たな気持で楽しめた。
<疫病神>シリーズや悪徳警官シリーズと違って、こちらは真正面に事件にぶつかる刑事たちの話なので読みやすい。
しかし後のこうしたアクの強いシリーズに繋がりそうな部分もちらほら見えて思わずニヤついてしまう。
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Posted by ブクログ
古美術品に絡めて、ひと儲けを企む海千山千の山師達が繰り広げる古美術ミステリの連作短編集。
舞台は関西。美術系出版社社員、古道具屋、表具屋、ブローカーと言った金の匂いに敏感な登場人物たちは悪徳業者ばっかりかといえばそうでもなく、読んでるうちに読者は彼らに味方してしまうのが不思議。活き活きとした関西弁の台詞は、ガツガツとした雰囲気もありながら人間味を感じる。そしてオチには思わずニヤリ。
黒川博行というとハードボイルドよりのミステリ作家という印象が強いのだが、美大を卒業して高校の美術教師というと経歴の持主だという。その経験を存分に活かした傑作だと思う。 -
購入済み
北朝鮮からの脱出
相変わらずのテンポの良い展開で、ベタベタやくざの桑原と二宮の大阪弁のお約束通りのやりとりが面白い。
この本の最大の読みどころは、豆満江の脱出場面だ。息もつかせぬ迫力に時間の経つのも忘れ読みふけった。
あと、北朝鮮の庶民のくらしの陰鬱さなどに著者の体験取材のご苦労がうかがえる力作である。