黒川博行のレビュー一覧

  • 破門
    軽妙な語り口で陰惨な内容をそう感じさせない。ポイントは主人公の二宮をどうみるかによる。わたしは、他人として話を聞く分には楽しい輩だと思う。でも、身内や友人には持ちたくない。
  • 喧嘩
    大好きな疫病神シリーズの第6弾。前作で二蝶会を「破門」された元極道の桑原と「サバキ」を生業とする建設コンサルタント二宮が巨大利権を背景に、悪徳議員秘書を追い込む姿を描きます。
    今回もテンポ良く読め、一気読みでした。このシリーズの読みどころは、イケイケ極道の桑原と桑原から逃げようとあがく二宮の微妙な関...続きを読む
  • 八号古墳に消えて
    大阪弁をうっとおしいと思う人には受け入れられないだろうが、黒マメコンビの軽妙なやりとりが事件の核心にせまる、いつものおもしろさに加え、古墳を殺人現場に使ったところがユニークで、反抗現場の特定に至る「証拠」も秀逸。
  • 熔果
    堀内・伊達の元マル暴担刑事シリーズ 第4弾

    競売物件に居座る占有屋と交えた時に、福岡で起きた密輸金塊強奪事件の端緒を見つけた堀内と伊達。

    密輸され、強奪された金塊を持ち去った人物を特定しようと、筋者や半グレ、ブローカーなどとゴロを巻きながら、黒幕へ迫っていく。

    巧妙に逃げ隠れする犯人を追い詰...続きを読む
  • アニーの冷たい朝
    大阪府警と猟奇殺人犯の戦い
    犯人が襲うシーンから始まり
    刑事視点、犯人視点で物語が進み
    後半女性視点が加わる
    この女性が積極的すぎてちょっとなぁとは
    思いましたが・・・
    それでもテンポよく進む展開が読み進めやすかったです
    刑事が犯人を追う、追い詰める展開は楽しめました
  • キャッツアイころがった
    推理ものの感想は、下手するとネタバレの方向に走ってしまう…先走る気持ちに待ったをかけながら本書をプレイバックしたい笑

    選んだ理由はズバリ!インドにまで舞台が及んでいて、何だか壮大そうだったから!笑
    推理小説は今まで数えるくらいしか読んでこなかったが被害者の発見からインド行きに至るまでがキュッと引き...続きを読む
  • 後妻業
    老人の保険金狙いで結婚離婚を繰り返し、殺人までしている後妻業の女とその協力者たちの悪事を暴いていく話。本多といい、守屋といい、頼りになる人ばっかりで、悪者が詰められていく様子が気持ちよかった。ラストが個人的には、納得しつつももどかしさが残った。ドラマや映画にもなってるみたい?なので見てみようと思った...続きを読む
  • 疫病神
    ヤクザもの、アウトローもの、暴力的な描写―

    こうしたものには苦手意識があったが、この作品においては、登場人物の、ユーモラスかつコミカルに感じるテンポの良い会話、またピリピリとした緊張感が伝わる腹の探り合いややり取りに、作中の世界に引き込まれ、楽しく読むことができた。
  • 疫病神
    『スカッとする本教えて下さい!』と
    ブク友のbera5227さんにオススメしてもらい
    手に取った本。『疫病神』

    根っからヤクザ、桑原と
    黒ではないけれど真っ白でもない
    建設コンサルタント二宮。
    正反対の2人のタッグがサイコー‼︎

    2人の独特の会話リズムがとにかく面白く、
    一体どんな人がこんなに面...続きを読む
  • 海の稜線
    好きな作家の一人、黒川博行が内航海運の乗組員の経験があったとは知らなかった。内航海運の実情についても勉強になる部分があって面白かった。意外な驚きとともに仕事の勉強になってしまった。
  • 悪果
    大阪は今里署の暴力団担当刑事である堀内は、情報屋から近々賭博が行われるという情報を入手する。その中には、学校法人の代表であり、不動産屋の森本が含まれていた。逮捕の後、森本をゆすりに行った経済誌の社長が、交通事故で死亡する…。

    「堀内・伊達シリーズ」とされるものの1作目だったらしい。何も考えずに読ん...続きを読む
  • 煙霞
    ドラマ化されてると知って買った一冊。

    高校教師が犯罪に巻き込まれる話だった。

    読み始めはあまり興味がわかない話だなと思っていたが、話が進むにつれて話に引き込まれた。

    この作品も登場人物や移動場所が多かったりしたが、登場人物はまだわかりやすかった。

    場所については大阪の地理はほとんどわからない...続きを読む
  • 破門
    あらすじ

    建設コンサルタントの二宮は、二蝶会のヤクザ・桑原から映画製作を手伝って欲しいと頼まれる。小清水という映画プロデューサーが二蝶会に持ち込んだ、映画「フリーズムーン」の企画書。二蝶会の若頭・嶋田が映画に出資したので、何としても売れる映画にしなければならないという。しかし小清水は、嶋田や他の出...続きを読む
  • 喧嘩
     桑原と二宮の疫病神コンビが関わるトラブルと、(悪)知恵を絞ってピンチを切り抜けていくさまを描く、バイオレンスサスペンス。
     シリーズ第6作。
              ◇
     二宮は、元同級で議員秘書の長原から相談を受け、暴力団絡みの依頼を請け負った。
     大阪府議会議員補欠選挙での票集めをめぐり麒林会とい...続きを読む
  • 泥濘
    相変わらず2人のやり取りは面白い。イケイケの桑原といつもババを引く二宮。二宮と桑原との報酬交渉のシーンは、まさに漫才さながらで笑い無しには読めません。今回は悪徳警官の中川の絡みも多く、悪党3人が警察OBを向こうに回し、一物持ちながらシノギを進めていきます。ただ、シノギの構造が複雑な為、2、3回読み直...続きを読む
  • 悪果
    人間の業が剥き出しで描かれている。金、女、暴力。大阪府内の土地勘があると、よりこの話の設定を堪能できる。
    地域性を押し出しながら矮小化せずに、読み物として機能させているところが、海外のハードボイルド的だ。
    黒川作品は、大阪を世界に売る方法のひとつになりえるのではないだろうか。
  • 疫病神
    疫病神シリーズ第1弾!
    ドラマがおもしろすぎて原作購入!逆輸入(笑)ナポリタンと髪かきあげシーンは原作になしで残念。
  • 泥濘
    自堕落でダメ人間を絵に描いたような主人公二宮、破門された後、復帰した途端、元のイケイケ全開のヤクザ桑原。
    経済小説とまではいかないものの、桑原が金の匂いを嗅ぎつけた先の登場人物の関連は複雑。ただ物語の中心は、桑原と二宮のドタバタ劇。
    2人を繋げる糸は欲。
    二宮を利用する為に、飯に誘う桑原、今度こそそ...続きを読む
  • 悪果
    大阪府警の暴力団担当刑事、堀内。彼とその相棒、伊達は正義感あふれ、悪を許さないありがちなイメージの刑事像とはほど遠い。出世のためには裏社会の情報は欠かせない。情報のためには金と汚い付き合いも欠かせない。というのが彼らの理論。

    そんな2人が賭博場開催の情報を掴み、大勢の現行犯逮捕。事件は一件落着、署...続きを読む
  • 後妻業
    映画を見てから読んだ。映画はラストが違ってたしブラックコメディみたいになっていたけど、小説のほうはさすがにより現実感がある感じ。おもしろかった。
    世のなかいろんなワルがおるもんや。出てくる人、出てくる人、まったくの善人はいなかった感じがする。身内のことやお金のことがからんでくるときれいなままではいら...続きを読む