黒川博行のレビュー一覧
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黒川氏の小説の面白さはズバリ「大阪弁」。自分は小学5年性まで関西だったのでスルッと入るし、本書を読んでいると自分の頭での呟きが関西弁になってしまう。
これまでは面白さはそれだけだった(失礼)感じだったが、本書は当初から犯人を主人公の一人にすることで追う側と追われる側が同期してそれぞれに感情移入しながら読むことができた。どうやって犯人を追い詰めるか?これが残り数ページまで全然分からないのだが、多少「まぁそれね」という感じがないわけではない。
しかし大阪弁で(漫才のように)ツッコミ合う二人の刑事。一方の犯人は理知的な標準語。この対比が面白かったのか、止まらなくなった。 -
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以前、テレビドラマで「後妻業の女」として木村佳乃主演のドラマがあったが、原作はもっとエグい
ドラマのラストは主役2人がフェリーで逃げ切ったが、原作のラストはまた違う これ以上は言わないが…
資産家の老人が不審死を遂げる… 結婚詐欺とは違う
籍を入れたり内縁の妻だったり
戸籍に書き足されることは厭わない
何とも恐ろしい限りだが、それがいつまでも続くとは限らないのが世の常なわけで、そこを探偵が追い込んでいくところが興味深い
元々は相続人の弁護士から依頼された案件なのに、元刑事の探偵がその性格からかどんどん操作にのめり込んでいく
もちろん探偵はお金も家庭も全て幸せな境遇では共感できないわけで、そこそこすさんだ生活をしている
ラスト 報われないところが何故かホッとする作品 -
Posted by ブクログ
読みやすさ★★★
学べる★★★★
紹介したい★★★★
一気読み★★★★
読み返したい★★★
関西の闇社会を画かせたら天下一品の黒川ワールド。カネと欲望が行動原理の登場人物たち。女は何歳になっても身体を張れるようだ。
元より、結婚詐欺は立証が難しいと聞く。死人に口無しならなおのこと。被害者家族は恥ずかしくて大きな声を出せない。死というナイーブな事象だからこそ、きっちりと死ぬ前に書類を整えなければならない。
業の深い人間が画策するカネ勘定は、最初は面白いように計画通りに上手く行く。途中から歯車が少しずつ崩れて行く様子も楽しませてくれる。
本作に感化され、両親や自分の死を考えて、この度相続・贈与の本を買ってしまった。他人事ではないなと思わせる細部まで作り込まれた一冊。 -
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建設会社と暴力団の間に入る「サバキ」を得意とする建設コンサルタントの二宮と二蝶会の桑原。
今回、二蝶会の下部組織の嶋田組が映画製作に出資した金の回収にまつわる話。
Vシネマを得意とする小清水なる映画プロデューサーに1500万円出資した嶋田。映画の内容に北朝鮮が関係するので過去に渡航歴がある桑原と二宮にアドバイスせよと二蝶会若頭の嶋田から指示が出る。
が、途中で小清水が出資金を持って姿を消す。取り立てに行き、小清水のガサで桑原が同じ直系の組筋とトラブルを起こす。
果たして出資金は取り戻せるのか?直系と揉めた桑原はどうなるのか?
相変わらず小気味の良いストーリーで長編ながらサクサク読める。 -
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シリーズ疫病神、5作目。直木賞受賞作。
映画製作の出資金をプロデューサーの小清水に持ち逃げされた桑原と、いつものごとく巻き込まれた二宮。小清水の行方を追ううちに、同じ組の本家筋の構成員が裏で糸を引いていることが発覚し、邪魔をしてきたチンピラを桑原が半殺しにしてしまい、それが組同志の込み合いに発展していく。
3作目の暗礁をすっ飛ばして5作目を読んでしまったけど問題なかったです。
ヤクザの同じ組でも枝別れした組織があって、その中でも格上とか格下とか色々あってちょっとややこしかったけど、とにかく逃げた小清水を地獄の果てまで追いかけまわしてぼこぼこに殴り飛ばして金を取り返すっていう今までのシリーズの中では一番単純明快でわかりやすいストーリーだったんじゃないかと思いました。
相変わらず桑原はイケイケで怖いものなしで立ちふさがる相手は同じ組内の格上組織の構成員でもお構いなしに半殺しにするから痛快。このシリーズあんだけドンパチやってても誰も死なないのすごい。
そして、二宮も桑原の扱いがうまくなってきてことあるごとに金をくすねようとするところ笑う。いいコンビだなぁ。ところどころ挟まる食事風景が妙に美味しそうなのも好き。あと、二蝶会若頭の嶋田さんが人格者で好きです。
同じ組内の構成員同士でいざこざを起こした罰で二蝶会を破門されてしまった桑原、これからどうなるんだろう。続きも楽しみです。 -
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ネタバレ快調の疫病神シリーズ第4作。巨大寺院の宗宝をめぐるシノギに、金の亡者たちが乱戦を繰り広げる。
タイトルの「螻蛄」は、無一文を意味する「おけら」と、人を蔑んで呼ぶ「虫けら」のWミーニングでしょうか。
信者五百万人を擁する伝法宗慧教寺。その宗宝『懐海聖人絵伝』を巡るスキャンダルに金の匂いを嗅ぎ付けた、相性最悪の"疫病神"コンビ、建設コンサルタント・二宮啓之と二蝶会幹部のイケイケ経済ヤクザ・桑原保彦。巨大宗派の蜜に「虫けら」のごとく群がるのは、大阪府警の腐敗刑事・美濃、新宿系極道・勢羽組、怪しい画廊の美人経営者・稗田涼子ら有象無象の金の亡者たち。金満坊主から金を分捕るのは誰か。東京に出張った最凶コンビの命運は?
今作から二宮が飼い始めたオカメインコの「マキ」。その調子っぱずれ鳴き声がノワールなこのシリーズに異様な"癒し"をもたらしています。
さて、今回のシノギは巨大寺院の宗宝と、寺の勢力争いに絡んだ裏金の分捕り合戦。
「坊主丸儲け」を地で行くような腐れ坊主ばかりが登場。そしてその利権に吸い寄せられるように湧いてくる強欲な者ども。
いやぁ、今作も欲の皮が突っ張った連中のオンパレード。そのあくどさは、疫病神コンビがかわいく見えるほど。
大阪府警の腐れ刑事・中川はほとんど出てこないものの、美しい画商・稗田涼子が裏金争奪戦の背後で怪しく糸を引き、不気味な存在感を示すのが印象的でした。 -
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ネタバレ疫病神シリーズ第2作は、前作から遥かにスケールアップした巨編でした。
建設コンサルタントの二宮啓之と二蝶会幹部の桑原保彦は、自分たちを嵌めた詐欺師の趙成根(チョウソングン)を追って、中国との国境から再び北朝鮮に入った。北朝鮮の凄まじい現実と極寒の中、趙を追い込んだ二人だったが、脱出にはさらなる困難が待っていた…。
詐欺師の趙をひっ捕らえるまでが長い道のりでしたが、実は趙も詐欺師の親玉に切り捨てられた駒に過ぎなかった…。趙も知らない金主を追って日本で再び"疫病神"コンビが奔走する。金欲にまみれた曲者たちのオンパレードに腸が煮えくり返ること必至ですが、圧倒的面白さも折り紙付き。大阪府警マル暴担の腐れ刑事・中川や、ヤクザ御用達の内藤医院も初登場し、ストーリーがさらに広がりを見せます。内藤医院は他の黒川作品にも出てくるんですよね。ニヤリ。 -
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ネタバレシリーズ最高傑作との呼び声も高い疫病神シリーズ第2作。舞台はまさかの北朝鮮。
「疫病神」コンビこと、建設コンサルタントの二宮啓之と二蝶会幹部の桑原保彦は北朝鮮に飛んだ。
二宮は重機の輸出で、桑原は組の若頭・嶋田がカジノ建設の投資話でそれぞれ趙成根(チョウソングン)の詐欺に遭い、高飛びした趙を追ってのことだった。平壌に降り立った二人だが、そこには想像以上に厳しい現実と監視が待っていた…。
腐れ縁の疫病神コンビが北朝鮮に飛び出し、前作から一層スケールアップ。北朝鮮には入国することはもとより、その実情を把握することすら難しい。
エンタメを真ん中に据えながら、綿密な取材に裏打ちされているのが黒川作品の特色。北朝鮮のことをここまで詳しく調べられるのかと驚愕させられます。
ストーリーと並行して描写されるかの国の実態に、背筋がうすら寒くなること必至。
入国や自由行動さえ難しい北朝鮮で、行方をくらませた詐欺師を捜し出すという困難に挑む二宮と桑原。趙に接触する間際で逃げられて何とも焦れったい!