黒川博行のレビュー一覧

  • 破門

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    軽妙な語り口で陰惨な内容をそう感じさせない。ポイントは主人公の二宮をどうみるかによる。わたしは、他人として話を聞く分には楽しい輩だと思う。でも、身内や友人には持ちたくない。

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    2022年02月11日
  • 喧嘩

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    大好きな疫病神シリーズの第6弾。前作で二蝶会を「破門」された元極道の桑原と「サバキ」を生業とする建設コンサルタント二宮が巨大利権を背景に、悪徳議員秘書を追い込む姿を描きます。
    今回もテンポ良く読め、一気読みでした。このシリーズの読みどころは、イケイケ極道の桑原と桑原から逃げようとあがく二宮の微妙な関係。大阪弁の2人のやり取りを読んでいると大阪弁を話せる人が羨ましいと思ってしまいます。
    ドタバタしながらも一応の戦略を練り「悪」を追い詰めるという本シリーズは冒険小説であり、しかも良く出来ていると思います。やはり、読み始めたらやめられなくなりました。
    毎回、魅力的なキャラクターが登場しますが、今回は

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    2022年02月04日
  • 八号古墳に消えて

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    大阪弁をうっとおしいと思う人には受け入れられないだろうが、黒マメコンビの軽妙なやりとりが事件の核心にせまる、いつものおもしろさに加え、古墳を殺人現場に使ったところがユニークで、反抗現場の特定に至る「証拠」も秀逸。

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    2022年02月03日
  • アニーの冷たい朝

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    大阪府警と猟奇殺人犯の戦い
    犯人が襲うシーンから始まり
    刑事視点、犯人視点で物語が進み
    後半女性視点が加わる
    この女性が積極的すぎてちょっとなぁとは
    思いましたが・・・
    それでもテンポよく進む展開が読み進めやすかったです
    刑事が犯人を追う、追い詰める展開は楽しめました

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    2022年01月23日
  • キャッツアイころがった

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    推理ものの感想は、下手するとネタバレの方向に走ってしまう…先走る気持ちに待ったをかけながら本書をプレイバックしたい笑

    選んだ理由はズバリ!インドにまで舞台が及んでいて、何だか壮大そうだったから!笑
    推理小説は今まで数えるくらいしか読んでこなかったが被害者の発見からインド行きに至るまでがキュッと引き締まっており、真相に近づく前に息切れ…なんてことがなかった。
    緊迫した捜査会議からインド女子旅へと切り替わる瞬間が個人的に震えた。

    「お啓」が本当に頼もしい!(プラス敵に回しちゃいけないタイプだと段々明らかになっていく…)
    一般的な推理小説好きのはずなのに、推理や行動力がずば抜けていた。小説を読む

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    2022年01月15日
  • 後妻業

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    老人の保険金狙いで結婚離婚を繰り返し、殺人までしている後妻業の女とその協力者たちの悪事を暴いていく話。本多といい、守屋といい、頼りになる人ばっかりで、悪者が詰められていく様子が気持ちよかった。ラストが個人的には、納得しつつももどかしさが残った。ドラマや映画にもなってるみたい?なので見てみようと思った。地名も関西住みだから知ってる名前ばかりで、読みやすくて良かった。

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    2022年01月04日
  • 疫病神

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    ヤクザもの、アウトローもの、暴力的な描写―

    こうしたものには苦手意識があったが、この作品においては、登場人物の、ユーモラスかつコミカルに感じるテンポの良い会話、またピリピリとした緊張感が伝わる腹の探り合いややり取りに、作中の世界に引き込まれ、楽しく読むことができた。

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    2021年12月31日
  • 疫病神

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    『スカッとする本教えて下さい!』と
    ブク友のbera5227さんにオススメしてもらい
    手に取った本。『疫病神』

    根っからヤクザ、桑原と
    黒ではないけれど真っ白でもない
    建設コンサルタント二宮。
    正反対の2人のタッグがサイコー‼︎

    2人の独特の会話リズムがとにかく面白く、
    一体どんな人がこんなに面白い会話を思いつくんだろう⁉︎とまだ本書を読んでいる途中で、
    作者のインタビュー記事を読みあさってしまった。

    二宮は危険な匂いのする
    産業廃棄物処理場をめぐる依頼を請け負う。
    その仕事にのっかり一儲けしようと
    ヤクザの桑原も参戦。
    仕事を受けてから任務完了まで、ヤクザや政治家、建設会社を相手に怒涛

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    2021年12月29日
  • 海の稜線

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    好きな作家の一人、黒川博行が内航海運の乗組員の経験があったとは知らなかった。内航海運の実情についても勉強になる部分があって面白かった。意外な驚きとともに仕事の勉強になってしまった。

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    2021年11月27日
  • 悪果

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    大阪は今里署の暴力団担当刑事である堀内は、情報屋から近々賭博が行われるという情報を入手する。その中には、学校法人の代表であり、不動産屋の森本が含まれていた。逮捕の後、森本をゆすりに行った経済誌の社長が、交通事故で死亡する…。

    「堀内・伊達シリーズ」とされるものの1作目だったらしい。何も考えずに読んで買っているので、もう1冊持っているのが3作目で、2作目は買っていなかった。最初に1作めで良かった。

    それはともかく、600ページに文字も小さめのギッシリの内容であるが、最初から最後まで全くだれずに読みきれる内容で、やっぱり黒川博行はうまいなあと思わされる1冊である。ハードボイルドの背景を持つ作品

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    2021年10月14日
  • 煙霞

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    ドラマ化されてると知って買った一冊。

    高校教師が犯罪に巻き込まれる話だった。

    読み始めはあまり興味がわかない話だなと思っていたが、話が進むにつれて話に引き込まれた。

    この作品も登場人物や移動場所が多かったりしたが、登場人物はまだわかりやすかった。

    場所については大阪の地理はほとんどわからないから、細く書かれてもどうゆう場所かわからなかった。

    この作品も死人が出なかった。
    黒川さんの作品には死人がでないのが多いと感じた。

    痛快で面白い小説でした。

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    2021年09月17日
  • 破門

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    あらすじ

    建設コンサルタントの二宮は、二蝶会のヤクザ・桑原から映画製作を手伝って欲しいと頼まれる。小清水という映画プロデューサーが二蝶会に持ち込んだ、映画「フリーズムーン」の企画書。二蝶会の若頭・嶋田が映画に出資したので、何としても売れる映画にしなければならないという。しかし小清水は、嶋田や他の出資者から集めたカネを持って愛人の玲美と失踪する。小清水の行方を追う二宮と桑原だったが、その途中、桑原が尼崎の亥誠組と揉め事を起こしてしまう。亥誠組は二蝶会が属する神戸川坂会の本家筋で、二蝶会よりも格上。亥誠組副本部長の滝沢は、桑原のことを不問にする代わりに「フリーズムーン」製作委員会の手形の決済を求

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    2021年09月01日
  • 喧嘩

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     桑原と二宮の疫病神コンビが関わるトラブルと、(悪)知恵を絞ってピンチを切り抜けていくさまを描く、バイオレンスサスペンス。
     シリーズ第6作。
              ◇
     二宮は、元同級で議員秘書の長原から相談を受け、暴力団絡みの依頼を請け負った。
     大阪府議会議員補欠選挙での票集めをめぐり麒林会という暴力団組織とトラブルになった、その収拾をつけるというものだ。

     議員事務所に火炎瓶が投げ込まれるほど関係が拗れているばかりか、調べるうちに麒林会のケツ持ちとして大きな組織が付いていることに気づいた二宮は、やむを得ず破門中の桑原を担ぎ出した。
     イケイケの桑原は、二宮の話から大儲けの匂いを嗅ぎ取り

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    2021年09月01日
  • 泥濘

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    相変わらず2人のやり取りは面白い。イケイケの桑原といつもババを引く二宮。二宮と桑原との報酬交渉のシーンは、まさに漫才さながらで笑い無しには読めません。今回は悪徳警官の中川の絡みも多く、悪党3人が警察OBを向こうに回し、一物持ちながらシノギを進めていきます。ただ、シノギの構造が複雑な為、2、3回読み直しが必要かも。
    ブラックユーモアではありますが、コロナ禍の現在では、こういったカラっと笑える小説は貴重な存在と思いました。

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    2021年08月12日
  • 悪果

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    人間の業が剥き出しで描かれている。金、女、暴力。大阪府内の土地勘があると、よりこの話の設定を堪能できる。
    地域性を押し出しながら矮小化せずに、読み物として機能させているところが、海外のハードボイルド的だ。
    黒川作品は、大阪を世界に売る方法のひとつになりえるのではないだろうか。

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    2021年08月10日
  • 疫病神

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    疫病神シリーズ第1弾!
    ドラマがおもしろすぎて原作購入!逆輸入(笑)ナポリタンと髪かきあげシーンは原作になしで残念。

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    2021年07月24日
  • 泥濘

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    自堕落でダメ人間を絵に描いたような主人公二宮、破門された後、復帰した途端、元のイケイケ全開のヤクザ桑原。
    経済小説とまではいかないものの、桑原が金の匂いを嗅ぎつけた先の登場人物の関連は複雑。ただ物語の中心は、桑原と二宮のドタバタ劇。
    2人を繋げる糸は欲。
    二宮を利用する為に、飯に誘う桑原、今度こそその手には乗らんと断る二宮、そこで出る桑原の心にもない桑原の一言にニヤけてしまう。「二宮くん、ワシは君と飯が食いたいんや」

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    2021年07月19日
  • 悪果

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    大阪府警の暴力団担当刑事、堀内。彼とその相棒、伊達は正義感あふれ、悪を許さないありがちなイメージの刑事像とはほど遠い。出世のためには裏社会の情報は欠かせない。情報のためには金と汚い付き合いも欠かせない。というのが彼らの理論。

    そんな2人が賭博場開催の情報を掴み、大勢の現行犯逮捕。事件は一件落着、署内での2人の評価は大幅アップ。となるはずだが、堀内は新たなカネのなる木を見つけ出す。

    凄まじくカネに執着する悪徳刑事2人。チームワークも正義もあったもんじゃない。彼らの行動原理は犯人逮捕ではなく、安い給料以外のシノギを得ること。そこに同情すべきところはない。が、それでも彼らを憎めないのは大阪弁のト

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    2021年06月23日
  • 後妻業

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    映画を見てから読んだ。映画はラストが違ってたしブラックコメディみたいになっていたけど、小説のほうはさすがにより現実感がある感じ。おもしろかった。
    世のなかいろんなワルがおるもんや。出てくる人、出てくる人、まったくの善人はいなかった感じがする。身内のことやお金のことがからんでくるときれいなままではいられないってことかな。

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    2021年05月08日
  • 絵が殺した

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    岬で墜落死した日本画家の死体が筍山で白骨死体として発見される。大阪、京都、金沢、山口と捜査は続く。贋作と画商、美術界という狭い世界の醜い関係が謎を作っていく。主人公の刑事が食いしん坊で食事の表現が面白い。
    携帯電話のない時代のミステリー。
    今にないよさがあった。

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    2021年05月04日