推理ものの感想は、下手するとネタバレの方向に走ってしまう…先走る気持ちに待ったをかけながら本書をプレイバックしたい笑
選んだ理由はズバリ!インドにまで舞台が及んでいて、何だか壮大そうだったから!笑
推理小説は今まで数えるくらいしか読んでこなかったが被害者の発見からインド行きに至るまでがキュッと引き
...続きを読む締まっており、真相に近づく前に息切れ…なんてことがなかった。
緊迫した捜査会議からインド女子旅へと切り替わる瞬間が個人的に震えた。
「お啓」が本当に頼もしい!(プラス敵に回しちゃいけないタイプだと段々明らかになっていく…)
一般的な推理小説好きのはずなのに、推理や行動力がずば抜けていた。小説を読む際話の流れを追うだけではここまで鋭くならないだろうな。人助けじゃなくてただの好奇心からインド行きを決行するのだって普通なら出来てもしない。そこが彼女ならではだし、探偵と一線を分つところだろう。『ダ・ヴィンチコード』みたく、捜査のプロ達より何歩も先を進んでいるところも…おっと、誰か来たようだ。
考えてみれば、たとえリアリティがあってもフィクションの世界は大それたことが平気で出来るから凄いよね。(以上ノンフィクション派より)
芝居めいた関西弁は多少引っかかりはしたが笑、弘美との夫婦漫才なみに息ピッタリな会話も楽しい。凄惨な事件簿における、一服の清涼剤以上の役割も果たしてくれている。
作中の刑事達同様、宝石通の気分になった笑 タイトルのキャッツアイをはじめ、流通経路に産出国の事情までを彼らと一緒にサクッと学習。(80年代の話だから多少変わっているだろうけど) 宝石商から漂うあの独特な陰が何なのか、今なら何となく分かる気がする。
序盤であれだけ鮮烈な印象を残した村山だから、終盤でももーちょい会話が欲しかったこと以外は満足!
たまたま知ってからいきなり良質なミステリーに出会えた。そのまま開拓に乗り出したいところだが、お啓みたいな度胸が自分にはない…推理ものを気軽に読めるタイプじゃないから、今回みたいにたまたま良い感じのが転がっていてくれないかなーと密かに願っている笑