あらすじ
「わしのケジメは金や。あの爺には金で始末をつけさせる」
映画製作への出資金を持ち逃げされた、ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。失踪したプロデューサーを追い、桑原は邪魔なゴロツキを病院送りにするが、なんと相手は本家筋の構成員だった。禁忌を犯した桑原は、組同士の込みあいとなった修羅場で、生き残りを賭けた大勝負に出るが――。
第151回直木賞受賞作にして、エンターテインメント小説の最高峰「疫病神」シリーズ!
2016年12月刊行予定の、『破門』の続編『喧嘩』冒頭を収録した電子特別版!!
※本作品は 2016年11月24日まで販売しておりました単行本電子版『破門』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『破門』:直木賞受賞作
テンポとリアリティが炸裂する、
極道×カタギの凸凹バディ。
1.物語
建設コンサルタントの二宮と、イケイケヤクザの桑原。この「疫病神コンビ」が、映画製作への出資金詐欺被害をきっかけに、関西からマカオまでを詐欺師確保にむけて奔走する物語です。
2.選考委員(東野圭吾さん・浅田次郎さん)の書評
●浅田次郎さんの評
細密なディテールの集積は、まったく映像の表現しきれぬ、小説ならではの世界である。(中略)強く推した。
●東野圭吾さん
普通の人間社会の常識が通用しない異世界を見事に描いている。会話の練り方も半端ではない。(中略)作者にしか描けない独自の世界で、それを貫くことで勝ち取った受賞だと思う。
3.推しポイント
一気読み必至の「熱量」
読書のスピードを加速させるテンポの良さがこの本の最大の魅力です。
その要因は、選考委員の書評にもあった通り、まるで漫才のような会話中心の構成にあります。
二宮と桑原の関西弁による軽妙なやり取りは、緊迫した状況の中でも読者を飽きさせず、ページをめくる手が止まりません。
4.読みおえて
堅気の世界から想像できないほどのリアリティ
この小説の大きな醍醐味は、極道のリアルな世界の描写です。
・組同士の力関係
・仁義
・資金回収の手口
そのディテールは生々しく、読んでいるこちら側まで緊張感が走ります。
著者が、マカオまで数回取材に行かれているとのことで、海外パートも含めた描写のリアリティに圧倒されます。
その結果、「ありそう」と感じさせる描写が続き、頭の中で映像として甦るような感覚で読めました。
Posted by ブクログ
本作読もうと思ったら、シリーズ途中作と気付き急遽疫病神を購入して事前予習を済ませた。 両作とも艶めかしいヤクザもので、ディテールの表現までいやらしいくらいの作品である。 主人公二人の切り離せない関係性が魅力で、ついつい読み進められる。 会話中心の丁々発止も読み止まらなくなる要因だった。 ヤクザの世界って怖いですね。
Posted by ブクログ
男2人の会話がたのしい!
ヤクザの桑原
そんな桑原を恐れないカタギの二宮
ストーリーよりも、この2人の会話がまるで漫才のように繰り広げられる楽しさがハンパじゃなかった!
内容はヤクザものだし、ゴリゴリの大阪弁なので好き嫌いは分かれてしまうかもしれないけど自分はすごい好きです!
他のシリーズが読みたくなった
Posted by ブクログ
なんでこの本読むことになったんかは、よう覚えとらん
直木賞作品
たぶんそれが理由や
内容はやくざのはなしや
飛田新地やら新世界やら釜ヶ崎やらジャンジャン横丁やら
大阪のディープな場所がようさん出てくる
アメ村、心斎橋、道頓堀、よ~お知っとる場所も
尼の七松町や立花や、兵庫でもガラの悪い場所も
そこらにも組の事務所があるんやな~
ええんかどうか知らんけど、親近感湧くわ
なんか血が騒ぐんやな
文章のほとんどが「○○○○。。。」
なんせ8割ぐらいかっこつけた文章
格好ちゃうで、「」やがな
シナリオかいな?潔くシナリオゆうたらええのに
それもどぎつい大阪弁ばっかりで
わしは、ここちよかったわ
会話のリズム感がたまらんわ
癖になるし、なんやったら日常の会話もそれでいっとかんかい、ってなもんや
実際ここんとこ影響されてそっち寄りのしゃべり方や
「なんか柄悪い」言われてたからのう(^o^)
仕事も健康面も生活面も、災難続きやしうまいこと行っとらん
それで、余計にこんな口調になってるんも有るかもしれん
さ~けどまあええわ
この本のリズムもノリもたまらんのや(^o^)
単純におもろかったわ
ほんで、調べたんやけど
なんやまたやってもたわ
これ!シリーズもんの最終作や(^o^)
疫病神シリーズ
1「疫病神」
2「国境」
3「暗礁」
4「螻蛄(けら)」
そして第5弾が今回の「破門」
なんやねん
ま、最初から読みなおしたらんかい
ってことや
逆に楽しみ増えたわ(^o^)
この話に出てくる桑原っちゅのが、頭の回転クリクリでイケイケや
面倒くさいやつやけど、ちょっと憧れるわ
なんせ勢いとテンポが真髄の内容や
これじゃわからんわな
せやけど、どや、ちょっとぐらい興味湧いたんかい
ほな、みつけて読んどかんかい
大阪を舞台にした作品らしく、「何を食べるか」とか「いくら儲かったか、あるいは損をしたか」ということについて描写を決しておろそかに
していないのも、私が、黒川作品で好きだと思うところの一つだ。桑原や、二宮も結構金遣いが荒いところが、やはり一般人でないという
Posted by ブクログ
黒川博行さんの疫病神シリーズの5作目。めちゃくちゃな面白さ。
映画製作への出資金を持ち逃げされた暴力ヤクザの桑原と建設コンサルタントのダメ男二宮。失踪した詐欺師を追っているうち、桑原は邪魔するゴロツキを病院送りにします。ところが、なんと相手は本家筋の構成員。本書は、組同士の込み合いの中で危険な状況に追い込まれた桑原の生き残りを賭けた大勝負とそれに巻き込まれる二宮の活躍と災難を描きます。
予想のつかないストーリー、テンポの良さ、大阪弁の美しさ(?)で読ませるのはいつもの通りですが、今回はヤクザ組織の込み合いで二宮を必死に救おうとする若頭・嶋田の侠気が光ります。また、本書では桑原と二宮の食事のシーンが頻繁に出てきます。「天空の城ラピュタ」でパズーとシータが目玉焼きパンを食べるシーンを思い出しました。やはり、桑原と二宮は「仲間」です。
前巻と同様、本書も睡眠時間を削っての一気読み。登場人物が多く、詐欺師、本家筋が複雑に絡み合うので、一気読みをお勧めします。直木賞を取った本書だけを読んでも楽しめると思いますが、二宮と桑原の腐れ縁を理解するためにも第1作の「疫病神」から読んで頂ければと。超一級のエンターテイメント。読んでない人は幸せです。
Posted by ブクログ
直木賞受賞作。今回は映画への出資がこじれる話。相変わらず疫病神コンビはあっちに行ったりこっちに行ったりして忙しい。二宮は一般人だが稀に異様なほど腹がくくれる。桑原は相変わらず。関西弁のやりとりも、何気ない話に関係ない描写も世界観を造っている。
Posted by ブクログ
イケイケヤクザの桑原が破門
小清水から騙しとられた金を取り返すために東へ西へ遂にはマカオまでその執念は流石。
二宮は嫌と言いつつも桑原から金を頂戴している図々しさがすき。
テンポのいい掛け合いとストーリーの軽快さが読み手の心を掴んで離さない。
そんな一冊 シリーズ全巻読破必至です。
Posted by ブクログ
直木賞受賞作とシリーズ物だったって事は知らずに買った本。
タイトル見てもっと重い内容の本だと思っていたが、そんな事はなく、スピード感があり軽い感じの内容で面白かった。
会話中心で物語が進んでいくのは読みやすかった。
ヤクザ物の内容なのに予想に反して人が一人も死んでない小説でした。
Posted by ブクログ
全シリーズ面白いけど、特に面白かった。テンポもいいし、二人の関係にも年季が入って読んでいて楽しい。続きが気になるなあ、さすがの桑原もピンチだと思うけど、どうなるのか。
Posted by ブクログ
560ページぐらいあったけど、舞台が大阪と言うこともあってイメーションしやすく読みやすかった。ヤクザとカタギ?のコンビの掛け合いが最高に面白い。コミカルなバディものとして楽しみみした。直木賞作品なんですね。
Posted by ブクログ
感想
二宮もお金がないのに美味しいもの食べたり、博打したりどうしようもないな。
いつも桑原は最後の最後までお金を騙し取ろうとして失敗するパターンだな。
しかし、桑原の今後はどうなるのか?二宮も廃業か?
あらすじ
二宮は暴対法の影響でサバキの仕事が減って青息吐息であった。そこに、二蝶会の嶋田がVシネに出資することになったので、桑原と二宮に脚本家にアドバイスするように言う。
プロデューサーの小清水は出資された金を持ち逃げする。小清水を追ううちに桑原は同じ川坂系の上部団体の滝沢組とモメる。
二宮が手に入れた情報で、小清水を追いかけて、マカオへ行く。二人は小清水を香港で捕らえて、詐欺の絵図は滝沢組が描いたことを知らされる。1400万円を取り返すも残りの2500万円が見つからない。
小清水を追い、滝沢組とモメる。小清水は逃げ出すが、なんとか捕まえる。滝沢から若頭の嶋田に決着をつけるように圧力がかかる。桑原は、滝沢組の上部の亥誠組の若頭に仲裁してくれるように金を預け、絶縁を免れる。滝沢組に小清水のガラを渡すように約束したが、小清水の残りの2500万円を手に入れるために約束を反故にして、2500万円せしめる。
しかし、川坂系の組内でモメたことが仇となって、桑原は破門される。
Posted by ブクログ
建設会社と暴力団の間に入る「サバキ」を得意とする建設コンサルタントの二宮と二蝶会の桑原。
今回、二蝶会の下部組織の嶋田組が映画製作に出資した金の回収にまつわる話。
Vシネマを得意とする小清水なる映画プロデューサーに1500万円出資した嶋田。映画の内容に北朝鮮が関係するので過去に渡航歴がある桑原と二宮にアドバイスせよと二蝶会若頭の嶋田から指示が出る。
が、途中で小清水が出資金を持って姿を消す。取り立てに行き、小清水のガサで桑原が同じ直系の組筋とトラブルを起こす。
果たして出資金は取り戻せるのか?直系と揉めた桑原はどうなるのか?
相変わらず小気味の良いストーリーで長編ながらサクサク読める。
Posted by ブクログ
シリーズ疫病神、5作目。直木賞受賞作。
映画製作の出資金をプロデューサーの小清水に持ち逃げされた桑原と、いつものごとく巻き込まれた二宮。小清水の行方を追ううちに、同じ組の本家筋の構成員が裏で糸を引いていることが発覚し、邪魔をしてきたチンピラを桑原が半殺しにしてしまい、それが組同志の込み合いに発展していく。
3作目の暗礁をすっ飛ばして5作目を読んでしまったけど問題なかったです。
ヤクザの同じ組でも枝別れした組織があって、その中でも格上とか格下とか色々あってちょっとややこしかったけど、とにかく逃げた小清水を地獄の果てまで追いかけまわしてぼこぼこに殴り飛ばして金を取り返すっていう今までのシリーズの中では一番単純明快でわかりやすいストーリーだったんじゃないかと思いました。
相変わらず桑原はイケイケで怖いものなしで立ちふさがる相手は同じ組内の格上組織の構成員でもお構いなしに半殺しにするから痛快。このシリーズあんだけドンパチやってても誰も死なないのすごい。
そして、二宮も桑原の扱いがうまくなってきてことあるごとに金をくすねようとするところ笑う。いいコンビだなぁ。ところどころ挟まる食事風景が妙に美味しそうなのも好き。あと、二蝶会若頭の嶋田さんが人格者で好きです。
同じ組内の構成員同士でいざこざを起こした罰で二蝶会を破門されてしまった桑原、これからどうなるんだろう。続きも楽しみです。
Posted by ブクログ
疫病神シリーズ 第5段
二宮(にのみや)と桑原(くわはら)、2人の掛け合いに引き込まれる
口がよく回り憎めないキャラクターの二宮、頭がキレ計算高いが人情味のある桑原、2人の魅力が存分に発揮された作品
Posted by ブクログ
登場人物の男性陣は誰1人まともな人がいない‥
二宮の金魚の糞ぶりに呆れてしまうし、桑原の向こう水さは命がいくつあっても足りない!
でも二宮も桑原も結局逃げずに戦い抜く姿に仁義を感じた。
Posted by ブクログ
軽妙な語り口で陰惨な内容をそう感じさせない。ポイントは主人公の二宮をどうみるかによる。わたしは、他人として話を聞く分には楽しい輩だと思う。でも、身内や友人には持ちたくない。
Posted by ブクログ
あらすじ
建設コンサルタントの二宮は、二蝶会のヤクザ・桑原から映画製作を手伝って欲しいと頼まれる。小清水という映画プロデューサーが二蝶会に持ち込んだ、映画「フリーズムーン」の企画書。二蝶会の若頭・嶋田が映画に出資したので、何としても売れる映画にしなければならないという。しかし小清水は、嶋田や他の出資者から集めたカネを持って愛人の玲美と失踪する。小清水の行方を追う二宮と桑原だったが、その途中、桑原が尼崎の亥誠組と揉め事を起こしてしまう。亥誠組は二蝶会が属する神戸川坂会の本家筋で、二蝶会よりも格上。亥誠組副本部長の滝沢は、桑原のことを不問にする代わりに「フリーズムーン」製作委員会の手形の決済を求める。実は「フリーズムーン」の詐欺は、滝沢組が裏で糸を引いていた。小清水がマカオにいるという情報を入手した二宮は、騒動を収束させるため、小清水を捜して桑原とマカオを奔走する。
感想
任侠物語、意外に面白かった。
Posted by ブクログ
面白かった!本当は「疫病神シリーズ」というシリーズものらしく、順番どおりに読み進む方がよかったらしいが、そんなことはどうでもよいと思えるぐらい、なかなか面白かった。私が大阪生まれだからかもしれないが、関西弁のひとつひとつに味が合って笑えた。桑原のキャラが憎めなくて、韓国映画の「チョンチョン兄貴」のようだった(←わかる人にはわかるはず)。おすすめです。
Posted by ブクログ
疫病神シリーズ、3作目。直木賞作品とのことで楽しみに読みました。相変わらずのスピード感でしたが、ラストが中途半端な感じです。セリフの嵐でした。この続きがあるのでしょう。
Posted by ブクログ
疫病神シリーズ第5弾。
「疫病神」→「国境」→「暗礁」→「螻蛄」と計6冊を連続して読み、そして本作。本作で直木賞受賞。なので、タイトルだけは以前から知っていた。
今度は映画プロデューサーを追いかけて、香港、マカオへ。
桑原と二宮のコンビのやり取りは相変わらず楽しい。
シリーズ7作を連続して読んでいるので、若干のマンネリ感は拭えないが、それでも楽しい。ずっと2人のやり取りを読んでいられる。
いつものように移動、カチコミ、病院、移動という展開だが、面白いのだから構わない。
タイトルにもあるように桑原が二蝶会を破門になってしまったが、次作どうなるのか。しかし、本シリーズは残り「喧嘩」と「泥濘」しかないので、いったん休憩して違う作品を読むことにする。
星は3つでも4つでも。
あと、新作はでないのか。
Posted by ブクログ
第151回直木賞受賞作。筆者黒川博行氏と言えば私の中では『後妻業』、これは無茶苦茶面白かったですねー。
で、この『破門』、一気読みです。私のドライアイが加速しました。いつも本当にありがとうございます。
テンポ良い関西弁での会話(ヤクザですが)、最後の最後までハラハラさせたままぶっ飛ばす黒川氏の上手さ、会話メインの話だと得てして安っぽい脚本を読まさせれている感になりますが、これはプロ、素晴らしい、あゝ目が乾く、スマホで読むとこれが辛い、涙が出ないです、困ります、さあ、今からネトフリで『イカゲーム』を見て夜更かしでもしますかね、。
皆様も素敵な1日になりますように、、、なんのこっちゃ。
Posted by ブクログ
第15回直木賞受賞作ともあったので、新分野開拓の第2弾としての購入本
ヤクザが主役という点と、シリーズものを途中から読んだ事になってしまったという点で、今ひとつ共感出来ない点は多々あったが、まぁ面白い。
とりあえず、シリーズ第1弾「疫病神」を購入した。
Posted by ブクログ
小清水はどこまでも桑原に追われ、益々人生を狂わされた。
極道からは逃げられない。これからの時代はますます逃げるのが難しくなっていくので、悪いことはできなくなってくると感じました。これからの時代はモラルや自分の中の美意識を高める努力をする必要があると考えさせられました。