黒川博行のレビュー一覧

  • 蒼煌

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    芸術院会員選挙をめぐる日本画壇の話。
    芸術院会員になることは、最高の権力と名誉を手にすることであり、次は文化功労者、文化勲章に繋がっていく。
    芸術院会員は、欠員が生じると現会員の選挙によって決ま。そこでは莫大な金が動くという。

    芸術院会員を座を切望する日本画家の室生は、選挙参謀に老舗の画商をつけて、億の金を使い、あらゆる手段を講じて選挙戦に挑む。
    画商、百貨店の美術部長、政治家などが絡み合い、選挙はヒートアップしていく。

    面白かった!!
    なりふり構わぬ室生の姿がいじましく、勝ってほしいと思いながら読んだ。

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    2019年03月06日
  • 文福茶釜

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    古美術でひと儲けをたくらむ男たちの騙しあいの短編集。
    水墨画を薄く剥いで二枚にする相剥本、入札目録の図版差し替え等々あらゆる手段を用いて贋作づくりに励む。

    騙し騙され、狐と狸の化かし合い。
    面白かった。

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    2019年03月03日
  • 悪果

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    主人公2人は刑事だがヨゴレ中のヨゴレ。
    登場人物は全員が悪役。
    だが、そこがいい。
    黒川博行の真骨頂。

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    2019年02月12日
  • 大博打

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    前半は刑事の一人称が誰なのかなかなかわからないし(結局竹内だとわかる)、展開がわかりにくくてかったるいなーと思いながら読んだんだけど、中盤からどんどん引き込まれて読み終わった今は面白かったの一言。刑事たちの描写が多いけどあまり意味がなくて、犯人が追い詰められるようであまり追い詰められないからあれらのシーンはなんなのかなとも思う。人質の爺さんのキャラが最高で、ラストも凄く良かった。破滅的なラストしか無いような題材で、あのラストはすごく好き。流石黒川博行。

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    2019年02月07日
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―

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    安定の面白さ。
    桑原と二宮の会話はもちろんだが、二人のベタベタしていない友情がいい。
    読ませるなあ。

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    2019年01月18日
  • 国境(下)

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    疫病神シリーズ。憎めないキャラの二宮と、笑えるキャラ桑原。北朝鮮の内情も詳しく描かれていて興味深かった。おすすめ

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    2019年01月01日
  • 大阪ばかぼんど 夫婦萬歳

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    夫婦の話を主体にしたエッセイ短編集。

    1.ムササビのよめはん
    2.原風景
    3.ベンガイの記
    4.食中日記
    5.この国のカタチ
    あとがき

    かかあ天下のコミカルなやりとりが、そのまま疫病神シリーズの桑原と二宮を彷彿とさせる。

    作品ではグルメな一面もみせる作者だが、こだわりの店はなく、でも料理はできるという変わった一面も垣間見える。

    黒川作品の源流のよう。

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    2018年12月30日
  • 切断

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    比較的初期の作品だと思うがマクロ的に見てもミクロ的に見ても矛盾がなく良くできていて面白かった。ただ沢木の村津にやられるまでとその後の変わりっぷり特に全く抜け目がなく強くなった点がちょっとありえないかなと思ってしまった。それと内面描写がやや不足してたかな。

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    2018年12月18日
  • 破門

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    面白かった!本当は「疫病神シリーズ」というシリーズものらしく、順番どおりに読み進む方がよかったらしいが、そんなことはどうでもよいと思えるぐらい、なかなか面白かった。私が大阪生まれだからかもしれないが、関西弁のひとつひとつに味が合って笑えた。桑原のキャラが憎めなくて、韓国映画の「チョンチョン兄貴」のようだった(←わかる人にはわかるはず)。おすすめです。

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    2018年11月24日
  • 繚乱

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    「悪果」に続く元マル暴担コンビ伊達と堀内の第2弾。

    競売屋の物件調査員となった伊達と堀内が、競売物件に上がっているパチンコ屋「パルテノン」の調査に入る。

    パルテノンには、ヤクザから金融屋、警察OBなど、利権の巣窟で、金のなる木のにおいがプンプン。

    脅し、殴りつけ、拳銃を奪っての大立ち回りを演じながら、パルテノンにまつわる金の流れを暴いていく。


    今回も話は複雑ですが、堀内と伊達が腐れから、正義の味方に見えてくるほど、貪欲にシノギを削ります。

    黒川小説最強のコンビですね。

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    2018年11月16日
  • 破門

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    疫病神シリーズ、3作目。直木賞作品とのことで楽しみに読みました。相変わらずのスピード感でしたが、ラストが中途半端な感じです。セリフの嵐でした。この続きがあるのでしょう。

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    2018年10月22日
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―

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    疫病神シリーズ/ 出版社が違うせいか、時間が経っているからか、昔の設定をど忘れしてるのか過去と整合性がない描写がある/ 親父の寺の名前とか/

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    2018年10月08日
  • 煙霞

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    騙し合いの小説なのに妙に清々しい気分にさせてくれた。それはやはり主人公の2人、特に菜穂子の緊張感のなさと肝の太さがそうさせているのではと思う。主人公は2人だが、前半は熊谷、後半は菜穂子の視点を重視しているのが飽きさせなくてよかった。丹頂の最後に見せた変な器の大きさも良いラストの要因と思う。

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    2018年10月04日
  • 国境(下)

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    面白かった。スピード感のある展開で上下巻だったけど一気に読めました。飽きさせない展開で、単純に小説として楽しめるシリーズで、次も読もうと思います。

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    2018年10月04日
  • 国境(上)

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    相変わらずのスピード感。見知らぬ国、北朝鮮の様子などの描写があり興味深いです。
    どんな結末にたどり着くのか、楽しみにして下巻へ。

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    2018年09月30日
  • 疫病神

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    一筋縄ではいかない登場人物達が次々と絡んできて、最後の決着が知りたくて一気に読めました。産廃の事情や企業とヤクザの絡みなど一度には理解できないけど雰囲気で読み進めた。次の話しも読みたくなった。くせになりそう。

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    2018年09月29日
  • 悪果

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    堀内・伊達シリーズ第一弾。大阪府警今里署のマル暴担当刑事・堀内は、淇道会が賭場を開くという情報を掴み、開帳日当日、相棒の伊達らとともに現場に突入し、27名を現行犯逮捕した。取調べから明らかになった金の流れをネタに、業界誌編集長・坂辺を使って捕まった客を強請り始める。だが直後に坂辺が車にはねられ死亡。堀内の周辺には見知らぬヤクザがうろつき始める…。

    重厚。文句なしに面白い。スカッとするカタルシスというよりは、ひりつくようなリアリティに没頭できる。細部の描写まで手抜きがないからこそ、小説の深みが出ているように思う。

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    2018年06月07日
  • 勁草

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    安定の黒川センセ。安定といっても非常に高いレベルで安定。
    主人公がとても魅力的。変なとこが冷静で理知的だけど、ちょっと抜けてたりもして。学歴秀才ではない頭の良さを持った人がアウトローの世界に入った場合のすごく魅力的な感じ。著者はこういうのがうまい。
    トラブルメイカーの相棒がクソ野郎すぎて、巻き込まれ型の小悪党という設定も面白い。ほんとにダメなやなやつで、トラブルの種をまいては責任を取らずにグチグチいい、思いつきでモノを言うすごくイライラするやつ。
    愛すべき刑事より、こういうちょっと友達にはなりたくないような奴らを描くときのほうが、著者の筆は冴える。いや、愛すべき刑事たちもすごくる楽しませてくれ

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    2018年05月25日
  • 迅雷

    kt

    購入済み

    テンポ良い

    疫病神コンビの面白さとは少し違う男気が感じられ、テンポも良く一気読みしました。

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    2018年05月08日
  • てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書

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    こういう刑事モノもあるのか。もちろん事件解決が前提だけれど、トリックや動機よりも、刑事や犯人、関係者の人柄や人生にフォーカスした短編集だった。馴染みのない大阪弁もすんなり読むことができて、楽しい。次は長編を読んでみたいと思うことができた。

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    2018年05月06日