黒川博行のレビュー一覧

  • 後妻業

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    小夜子の年齢が原作とテレビでは違うが、ストーリー展開も早く、一気に読み終えました。この本で黒川博行さんを知り、国境も読みましたが、こちらも息つく間のない展開で非常に楽しめ、おすすめです

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    2021年05月04日
  • 後妻業

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    毎日の楽しみは就寝前の1時間、発泡酒を飲みながら読むエンタメ本。亀田の6:4ではなく、私の理想とする3:7の柿ピーをアテに飲む淡麗ほど美味しいものはないと思います。

    で、黒川博行さんの後妻業。面白かったーー!読み始めたらやめられず、寝る時間を削ってしまいました。
    とにかく、登場人物殆どがクセがありキャラが立っています。本作は69歳の小夜子が結婚相談所を根城に、相談所の所長と組んで再婚を希望する資産家を物色することが物語の中心。小夜子の全財産掠奪を阻止しようとする資産家の娘、興信所の探偵が絡み、先の展開が気になる一級の娯楽小説になっています。会話は99%大阪弁。この大阪弁がエグい物語展開をさら

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    2021年05月01日
  • 二度のお別れ

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    1983年の第一回サントリーミステリー大賞佳作にして黒川さんのデビュー作。
    その手口が「グリコ・森永事件」に似ていたために当時警察から事情聴取されたという曰く付きの作品でもある。
    久しぶりに再読した。

    銀行で強盗事件が発生。犯人は現金約四百万円を奪った上、勇敢に飛びかかってきた男性客に発砲し怪我を負わせ、男性客を人質に取って逃亡した。その後、男性客の自宅へ身代金一億円を要求する脅迫状が届く。

    一番の山場は一億円の身代金を巡る犯人と警察との攻防。逆探知を避けるため、事前の指示は基本的に手紙や伝言。長くなりそうな電話については男性客宅ではなくその隣家や銀行を通じて行う。
    身代金の運搬もまるで警

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    2021年07月09日
  • 後妻業

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    内容としては面白く、どんどん読み進めることができました。
    しかし、ラストが微妙な終わり方で、結局被害者も何とも言えない感じで終わりました。

    又少し専門用語が出てくるので、読みにくい人もいるかもしれません。

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    2021年03月26日
  • 離れ折紙

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    古美術、骨董品を巡り、欲望渦巻く者たちの騙し合いの世界。そう言うとダークなイメージになりがちだが、テンポの良い関西弁が飛び交い、短編ならではのスピード感ある展開が一瞬の爽快感をもたらす。
    関西のの洛鷹美術館の学芸員が何かと絡む連作短編集となっている。ガラス工芸品、刀剣、浮世絵、絵画、焼き物等作品毎に取り上げられる美術品の薀蓄、制作工程(贋作づくり)の描写も興味深い。
    タイトルの離れ折紙という言葉、知らないとなんとも意味深な感じだが、これも作品の中でちゃんと説明されている。

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    2021年03月20日
  • ドアの向こうに

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    1989年初版の大阪府警ブンと総長シリーズ。久しぶりの再読。

    工事現場で見つかったバラバラ死体は、首が腐敗、脚はミイラ化という奇妙なものだった。その数日後に起きた男女の無理心中事件の現場の部屋から、バラバラ事件の記事の切り取りが多数発見される。バラバラ事件の被害者と無理心中した男女はどう繋がっているのか。

    以前読んだのが10年近く前なのですっかり詳細を忘れていて、新たな気持で楽しめた。
    <疫病神>シリーズや悪徳警官シリーズと違って、こちらは真正面に事件にぶつかる刑事たちの話なので読みやすい。
    しかし後のこうしたアクの強いシリーズに繋がりそうな部分もちらほら見えて思わずニヤついてしまう。

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    2021年03月16日
  • 文福茶釜

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    古美術品に絡めて、ひと儲けを企む海千山千の山師達が繰り広げる古美術ミステリの連作短編集。
    舞台は関西。美術系出版社社員、古道具屋、表具屋、ブローカーと言った金の匂いに敏感な登場人物たちは悪徳業者ばっかりかといえばそうでもなく、読んでるうちに読者は彼らに味方してしまうのが不思議。活き活きとした関西弁の台詞は、ガツガツとした雰囲気もありながら人間味を感じる。そしてオチには思わずニヤリ。
    黒川博行というとハードボイルドよりのミステリ作家という印象が強いのだが、美大を卒業して高校の美術教師というと経歴の持主だという。その経験を存分に活かした傑作だと思う。

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    2021年03月14日
  • ドアの向こうに

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    だいぶ前の作品やけど、黒川君の作品やし安心して読めるなぁ。全編大阪弁の会話てんこ盛りでスピーディーやけど、誰の会話か考えんでも良えしな。
    大沢君のなんか、一体誰の会話やねんと考えなあかんの多いし疲れるわ。最近こういう手合いが多いのが嘆かわしい。
    ブンのオカンに逢うてみたいわ。

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    2021年03月07日
  • 海の稜線

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    疫病神シリーズや一連の大阪刑事物の原点
    黒川独特の大阪弁のやり取りは秀逸
    東京者と大阪者の対比
    ミステリーとしての要素も十分

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    2021年02月19日
  • ドアの向こうに

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    ネタバレ

    1989年の作品。新しく文庫化されたので読んでみた。
    悪徳警官はまだ登場せず、真っ当な捜査をする警察小説で、意外にもガチの本格の密室ものだった。

    捜査の過程も謎解きも、警官たちの会話も面白く、とても満足度が高い。
    さらに関西に馴染みがあると、大阪vs京都も楽しめる。

    『悪果』より前のものは読み残しているものもあって気になっていたのだが、こんなに面白いなら全部制覇しなくちゃと改めて思った。

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    2020年12月07日
  • 海の稜線

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    大阪府警捜査一課の文田と総田(通称“ブンと総長”)は、高速道路で乗用車が爆破された現場に来ていた。東京から来た新人キャリアの萩原警部補は何かにつけ関西人をこき下ろすため、文田たちはこの年下の上司と反りが合わない。続いてマンションで起きたガス爆発から、過去の海難事故が捜査線上に浮かぶ。複雑に絡まった糸をほぐすように捜査を続ける文田たちは意外な事実に近づく。

    創元推理文庫版は読んでいないので、講談社文庫版以来、30年ぶりの再読だと思う。社会派でもあり本格派でもある、美味しい一冊でした。

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    2020年12月03日
  • ドアの向こうに

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    大阪の工事現場で発見された、男のバラバラ死体。
    首は腐敗、足はミイラ化という奇妙な姿に、府警一課の刑事たちも困惑する。
    さらに数日後、マンションの一室で男女の密室心中事件が発生。
    現場からはバラバラ事件の記事の切り抜きが何枚も見つかった。
    2つの事件は繋がっている?
    直情型の若手・文田と冷静沈着なベテラン・総田の刑事コンビ「ブンと総長」は、文句を垂れ、軽口もたたきながら、地道な捜査で着実に真相へと迫っていく!

    初期の黒川作品は何冊か読んだが、この作品は記憶がない。軽妙なテンポの警察小説だが、結構本格ミステリ仕立て。

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    2020年11月23日
  • 切断

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    ネタバレ

    大阪府警シリーズ。

    かなりのバイオレンス作品に仕上がっている。

    スピード感があり、面白かった

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    2020年09月21日
  • 八号古墳に消えて

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    ネタバレ

    考古学会を舞台にしたミステリー。

    大学内の権力争いを軸にストーリーが進む。

    現代の中で死因が「餓死」はかなり凄惨だろう。

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    2020年09月14日
  • 喧嘩

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    疫病神シリーズ第6弾という事で買った一冊。

    今回は政治家がらみの話だった。

    やっぱりこのヤクザとコンサルタントのコンビは楽しい。

    今回も登場人物が多くごちゃごちゃしがちだが、今回はまだわかりやすかった。

    ヤクザがらみの話しでいつも暴力が出てくる話だが、やっぱり死人は出なかった。

    次の話しも楽しみな小説でした。

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    2020年08月26日
  • 海の稜線

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    ネタバレ

    被害者が特定できない連続爆破殺人事件。
    被害者が不明の中操作していくと意外なつながりがあった。

    二転三転展開していくストーリーは面白い。

    意外な人物が真相に迫っていく。

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    2020年08月22日
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―

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    疫病神シリーズなので買った一冊。

    相変わらず楽しいコンビだった。

    今回は宗教に関する話だったが、このシリーズは毎回人物や組織の関係が難しい。

    この「螻蛄」の小説も一冊が結構厚い本だったが、コンビのやりとりが、面白く本の厚さを感じる事なく読み終えた。

    この小説の作家黒川さんの小説は疫病神シリーズしか読んだ事がない。
    疫病神シリーズ以外ね本も読んでみたくなった小説でした。

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    2020年07月29日
  • アニーの冷たい朝

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    思いのほか緻密なできだった。冒頭から呆気に取られたけどその後もアッと思わされて自分の予測と違うことが多かった。最後も賛否両論あるかもしれないけどエーッて感じで楽しませてもらった。

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    2020年07月22日
  • 二度のお別れ

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    ネタバレ

    大阪府警シリーズ第一弾。

    読みやすい内容だが、最後のどんでん返しが面白かった。

    真相に辿り着くプロセスに一工夫あればもっと良かったかも。

    最後の三輪車の記述が胸を打つ。

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    2020年06月25日
  • 勁草

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    オレオレ詐欺実録小説。親玉を殺して残された銀行口座からの引き出しを目指す「受け子」と、追いかける警官の物語。悪人のはずの受け子の橋岡が主人公となっているために、感情移入の対象なっていく。オレオレ詐欺の組織的な働き方は会社のごとし。

    大阪や和歌山の街の雰囲気が伝わり、ロードムービーを見るかのごとし。駐車場じゃなくてモータープール!

    しかし、偽名で買った航空券で高飛びというプロットは現在ではもう使えないな、と余計なことが気になった。

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    2020年06月13日