黒川博行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1989年の書き下ろし作品であるが、この頃はバブル絶頂期であったことを思い出しながら読む。
工事現場から発見されたバラバラ死体。
それに続きマンションでの密室心中事件が発生。
その2つが実は繋がっていて…という流れが。
密室殺人の謎、、難解だったな。
若手の文田とベテランの総田の掛け合い漫才のような大阪弁のコンビは最高に面白く、地道な捜査ながらも退屈さを感じさせない。
それに加えて京都出身である五十嵐との会話で大阪と京都の違いをスパッと明確に表現しているのも面白くさせている。
生活感を漂わせているのは、文田と母との事件考察のやりとりだがそれもテンポが良い。
事件を追いながらもふっと笑いがあるようなやりとりなので、あっという間に読み終える。
大阪の知っている地名が多く出てきたので思い浮かべることができ楽しめた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
最後の行を読み終えて「え?」ってなって、あまりの驚きというかあっけなさというか情報が少なすぎて、思わずいつもは読まない解説を読んだくらい、何事かと思ったけどね。
テーマ的には、それこそ映画原作でもなかったら読まないし、序盤もまーまー内容がしんどかったので読むのやめたいくらいだったけど、涼介のお芝居を楽しむためだけにがんばった!!www
おかげで楽しく過ごせましたけどね。
何より、文章が良い。テンポとか展開とか表現とか、端々でてくる身近さとかそういうの全部計算されてるんかなーって思うくらい、とにかく読んでいて面白い!お話として本当によくできていて面白かった。
だからこそ、きっと個人的な好みとしてはちょっと違うのかなーって思ってしまうところもあったけど。実際のところ圭吾先生とか伊坂先生、神永先生、貴志先生っていう、とにかくエンターテイメントなお話が好きなのでね、ここまで生っぽくてリアルでベタベタしているお話は、正直気持ちがしんどいし考えて眠れなくなるw
ただ好印象なのは「犯罪はダメだぞ!」とか「因果応報!」とか「大どんでん返しー」とかそういうの一切なくて、ただただ行き着いた先でこうなったよ。。。っていうお話が、最終的に「なんでこーなってしもたんやろ」「俺何やっとんのやろ」っていう橋岡のつぶやきがすべての伝えたいことで、表現したい感情で、そういうのまとめ方が嫌いじゃないなーって、周りの力に押されて避けて転がり続けたらこんなところに来ていたっていう、そういうのを結末にもってきた感じがとても好き。
あんだけ終盤バタバタと楽しく面白く、読み手を幸せにするお話で進んでいながら、最終的な決着があれってw救いようのない結末が待ってるなんてw
これ、映像化したやつどんなんになるんだ?!
蝉の時より、より一層クズでどうしようもない矢代を涼介がやるってことで、とにかく楽しみで仕方ない!あの美しい隙のない顔が、どうしようもないほんとのほんとにクズな男になるなんて、とにかく楽しみ!! -
Posted by ブクログ
大阪府警の捜査員を描いた短編集。
2話目と6話目は容疑者や事件関係者の視点で、残り4話は捜査員の視点で描かれている。全6話。再読。
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個人的に気に入っているのは「黒マメ」コンビが捜査に当たる話。(1・4・5話)
マメのマメさと卓越した推理力が痛快なのはもちろんだけれど、黒マメの会話が何と言っても軽妙でおもしろい。テンポがよくてユーモラス。往年のオール阪神巨人の漫才を彷彿とさせるしゃべくりです。
そして全編に渡って、会話部分で物語を展開させる手法も見事です。もちろん会話でごまかしてしまうような作りではありません。
短編で勝負を早くしなければいけないという縛りがあるにも関わらず、どの話も読み応えがあり、謎解きが納得いく展開だったのもよかった。
ぜひ黒マメコンビの長編を読んでみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
ロードショーされてる時に映画を見に行ったことがありすごく面白かった記憶があるが、原作もかなり面白かった。
欲に塗れた悪人たちを徐々に追い詰めていく展開はスカッとしたが、追い詰めていく側の人間も実は...。
金銭に突き動かされる人間って、ここまで罪悪感なく罪を犯してしまうのか。逆に清々しいというか。(身近には絶対いてほしくないけど)
そういう人間は、傍から見ると本当に滑稽だし、哀れだ。
結局最後は全部自分に返ってくるんですよね。世の中そんなうまいこと行きません。
地元周辺が舞台になっていて、今自分が住んでいる周辺に小夜子が住んでいたり、その辺も面白かった。
解説でもあるように、リアリティがあり土地の匂いを感じることができた。違和感のない大阪弁も相まってテンポが良く、スピード感もあり読みやすかった。
面白い本をちびちび読み終えると、一気読みすればよかった...と後悔することがよくあるが、後妻業もそう感じた一冊。
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Posted by ブクログ
ネタバレこないだ吉本興業がつくった映画『文福茶釜』を楽しく見ちゃったんですが、わりと評価低くてね。駿河太郎の熱演とぽっちゃり小芝風花ちゃんが可愛くて良かったんですよ。そしたら原作が素晴らしいっていうんで、これ。
言っちゃえば古美術を小道具に人の騙し合いを愛でるといったところでしょうか。もうやんなっちゃう。あたし呑気に暮らしすぎ。凄いんですね贋作の世界! まずは相剥。和紙は重ねてあるのでそれを剥いで1枚目を真本として2枚目を相剥本(正確には贋作ではないみたい)としてお金儲ける人がいるんだとか。
茶杓、茶碗、茶釜といった茶道具も贋作の宝庫。これは「誰がどこで使っていたか」が重要になるんだとか。信長が武功をあげた部下にあげる土地がなくなっちゃったんで「名物」として茶器を与えるとかってもうちょっとした詐欺よね。
最後のお話はタイムリー。新興宗教の教祖が持っている中国の古い焼物について。あの詐欺師どもは税金がかからないことを良いことに信者さんから集めたお金でごっそり買うんでしょうねぇ。「信者」を縮めて「儲ける」だもんなぁ。昔っからこの関係はあるんでしょうね。
好きなところいくつか。
「美術品なんてもんは、所詮は金ですわ。値段が上がった下がったで、持ち主は一喜一憂する。ただ好きなだけで、何百万、何千万とする絵を買う人間はいてません」
「あの番組はヤラセやから派手な値がつく、売るとなったら半値ですわ」
「偽物を買ってしまったときはどうするんです?」「贋物は天下のまわりもの、いうてね、目利きの甘い道具屋に売りつけるんですわ。道具屋が道具屋を騙すのは褒められこそすれ、非難されるもんやない。騙されるほうが悪いんでっせ」
「お客さんに売ったりはしないんですか?」
「そら、売りますがな。きれいごとはいうてられへん。その代わり、客にクレームつけられたら、売値で買いもどすのが道具屋の仁義ですわ」
「我々のような素人が掘り出し物を手に入れることはないんですね」
「道具屋が掘り出しもんを客に売ってどないしますねん。飯の食い上げですがな」