黒川博行のレビュー一覧
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大阪は今里署の暴力団担当刑事である堀内は、情報屋から近々賭博が行われるという情報を入手する。その中には、学校法人の代表であり、不動産屋の森本が含まれていた。逮捕の後、森本をゆすりに行った経済誌の社長が、交通事故で死亡する…。
「堀内・伊達シリーズ」とされるものの1作目だったらしい。何も考えずに読んで買っているので、もう1冊持っているのが3作目で、2作目は買っていなかった。最初に1作めで良かった。
それはともかく、600ページに文字も小さめのギッシリの内容であるが、最初から最後まで全くだれずに読みきれる内容で、やっぱり黒川博行はうまいなあと思わされる1冊である。ハードボイルドの背景を持つ作品 -
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あらすじ
建設コンサルタントの二宮は、二蝶会のヤクザ・桑原から映画製作を手伝って欲しいと頼まれる。小清水という映画プロデューサーが二蝶会に持ち込んだ、映画「フリーズムーン」の企画書。二蝶会の若頭・嶋田が映画に出資したので、何としても売れる映画にしなければならないという。しかし小清水は、嶋田や他の出資者から集めたカネを持って愛人の玲美と失踪する。小清水の行方を追う二宮と桑原だったが、その途中、桑原が尼崎の亥誠組と揉め事を起こしてしまう。亥誠組は二蝶会が属する神戸川坂会の本家筋で、二蝶会よりも格上。亥誠組副本部長の滝沢は、桑原のことを不問にする代わりに「フリーズムーン」製作委員会の手形の決済を求 -
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桑原と二宮の疫病神コンビが関わるトラブルと、(悪)知恵を絞ってピンチを切り抜けていくさまを描く、バイオレンスサスペンス。
シリーズ第6作。
◇
二宮は、元同級で議員秘書の長原から相談を受け、暴力団絡みの依頼を請け負った。
大阪府議会議員補欠選挙での票集めをめぐり麒林会という暴力団組織とトラブルになった、その収拾をつけるというものだ。
議員事務所に火炎瓶が投げ込まれるほど関係が拗れているばかりか、調べるうちに麒林会のケツ持ちとして大きな組織が付いていることに気づいた二宮は、やむを得ず破門中の桑原を担ぎ出した。
イケイケの桑原は、二宮の話から大儲けの匂いを嗅ぎ取り -
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大阪府警の暴力団担当刑事、堀内。彼とその相棒、伊達は正義感あふれ、悪を許さないありがちなイメージの刑事像とはほど遠い。出世のためには裏社会の情報は欠かせない。情報のためには金と汚い付き合いも欠かせない。というのが彼らの理論。
そんな2人が賭博場開催の情報を掴み、大勢の現行犯逮捕。事件は一件落着、署内での2人の評価は大幅アップ。となるはずだが、堀内は新たなカネのなる木を見つけ出す。
凄まじくカネに執着する悪徳刑事2人。チームワークも正義もあったもんじゃない。彼らの行動原理は犯人逮捕ではなく、安い給料以外のシノギを得ること。そこに同情すべきところはない。が、それでも彼らを憎めないのは大阪弁のト -
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毎日の楽しみは就寝前の1時間、発泡酒を飲みながら読むエンタメ本。亀田の6:4ではなく、私の理想とする3:7の柿ピーをアテに飲む淡麗ほど美味しいものはないと思います。
で、黒川博行さんの後妻業。面白かったーー!読み始めたらやめられず、寝る時間を削ってしまいました。
とにかく、登場人物殆どがクセがありキャラが立っています。本作は69歳の小夜子が結婚相談所を根城に、相談所の所長と組んで再婚を希望する資産家を物色することが物語の中心。小夜子の全財産掠奪を阻止しようとする資産家の娘、興信所の探偵が絡み、先の展開が気になる一級の娯楽小説になっています。会話は99%大阪弁。この大阪弁がエグい物語展開をさら -
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1983年の第一回サントリーミステリー大賞佳作にして黒川さんのデビュー作。
その手口が「グリコ・森永事件」に似ていたために当時警察から事情聴取されたという曰く付きの作品でもある。
久しぶりに再読した。
銀行で強盗事件が発生。犯人は現金約四百万円を奪った上、勇敢に飛びかかってきた男性客に発砲し怪我を負わせ、男性客を人質に取って逃亡した。その後、男性客の自宅へ身代金一億円を要求する脅迫状が届く。
一番の山場は一億円の身代金を巡る犯人と警察との攻防。逆探知を避けるため、事前の指示は基本的に手紙や伝言。長くなりそうな電話については男性客宅ではなくその隣家や銀行を通じて行う。
身代金の運搬もまるで警 -
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1989年初版の大阪府警ブンと総長シリーズ。久しぶりの再読。
工事現場で見つかったバラバラ死体は、首が腐敗、脚はミイラ化という奇妙なものだった。その数日後に起きた男女の無理心中事件の現場の部屋から、バラバラ事件の記事の切り取りが多数発見される。バラバラ事件の被害者と無理心中した男女はどう繋がっているのか。
以前読んだのが10年近く前なのですっかり詳細を忘れていて、新たな気持で楽しめた。
<疫病神>シリーズや悪徳警官シリーズと違って、こちらは真正面に事件にぶつかる刑事たちの話なので読みやすい。
しかし後のこうしたアクの強いシリーズに繋がりそうな部分もちらほら見えて思わずニヤついてしまう。
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古美術品に絡めて、ひと儲けを企む海千山千の山師達が繰り広げる古美術ミステリの連作短編集。
舞台は関西。美術系出版社社員、古道具屋、表具屋、ブローカーと言った金の匂いに敏感な登場人物たちは悪徳業者ばっかりかといえばそうでもなく、読んでるうちに読者は彼らに味方してしまうのが不思議。活き活きとした関西弁の台詞は、ガツガツとした雰囲気もありながら人間味を感じる。そしてオチには思わずニヤリ。
黒川博行というとハードボイルドよりのミステリ作家という印象が強いのだが、美大を卒業して高校の美術教師というと経歴の持主だという。その経験を存分に活かした傑作だと思う。