黒川博行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アートの詐欺師ものの小説。
著者の黒川さんの本は初めて読んだのですが、
普通に面白くて、あっという間に読んでしまいました。
短編だけど、ストーリーもちゃんとまとまっている。
主人公の美術雑誌の編集者がまたいい味を出している。
イケメンと言うよりは、ブサメンで、
正義のヒーローという訳でもない。
むしろ、金儲けのことばかり考えるようなワルなのですが、
時々ヒーローっぽいこともする。
そのアンバランスさ加減が絶妙で面白かったです。
騙し騙され合いのアート・骨董の世界。
素人の自分は怖くて踏み出せないですね、
こんな小説を読んでしまったら(笑)
他にも関連作品があるみたいなので、
読んでみたい -
Posted by ブクログ
原田眞人監督の『BAD LANDS』がとても良かったので原作にも手を出してみた。
基本的なストーリーラインは映画と同じなのだが、登場人物は原作は男性主人公で映画の方は女性主人公である。バディは共に男性だが、映画の方は兄弟である。
原田眞人監督は登場人物を魅力的に描くことに長けており見た目や話し方、仕草一つとっても面白い。原作はそういう描き方はほとんどないので一番の魅力の部分が欠けた感じ(原作がこちらなので欠けたも何もないけど)
良かったのはやはりオレオレ詐欺の細かい描写部分。
黒川博行作品は初めて読んだが、他の著作を見てみるとその道のプロフェッショナルを描いた作品が多い。そういう描写は映画で -
Posted by ブクログ
ネタバレお話としては、大阪の銀行で銀行強盗が発生。
その場に居合わせた男性客が犯人を取り押さえようとしたが犯人に撃たれ負傷、そのまま連れ去られ犯人からは身代金の要求が。
大阪府警捜査一課が犯人逮捕に当たるが、最初は行き当たりばったりでの誘拐かと思われたが、犯人は意外に巧妙な交渉を持ちかけてくる。
事件の真相自体はある程度事件が進展した時点で何となく思っていた通りでしたが、エンディングの持って行き方は新鮮でした。
あと書かれたのが80年代前半なので携帯電話も登場せず電話ボックスが犯人からの連絡に頻繁に使用されるのが懐かしかった。
この小説は登場人物のキャラが一人一人個性的で、こんな奴ら本当に居るんだ