黒川博行のレビュー一覧
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黒川さん得意の大阪府警の刑事物、大阪出身ノンキャリ刑事の文田(ブン)、総田(総長)コンビに東京出身の若手キャリア係長荻原警部補の3人が織りなす事件解決小説。
ブン(コテコテの大阪人で30目前でお袋さんと同居の寡男)と荻原係長(東京出身のキャリア上司)との良くある大阪vs東京の掛け合い口論に年配の総長が間を取り持つ関係で話が進む。
事件は、高速道路で若い男女が乗った車が爆破され事件が始まる。事件を追う大阪府警捜査本部の中に総長、ブン、荻原の3人トリオも居て犯人を追う。総長とブンのコンビは足で事件を追い、キャリア荻原は多少自由が効く事から独自の推論から事件を追う。事件の裏には過去発生した船舶沈没 -
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黒川博行〈シリーズ疫病神〉の4作目。私にとっては3作目(『破門』『国境』と順番バラバラ)。
建設コンサルタントの二宮とイケイケヤクザの桑原が、好むと好まざるとにかかわらず一緒に行動する、というか、もっばら二宮が巻き込まれる形で桑原に引き摺りまわされるのは毎度おなじみ。今回はとある仏教系巨大宗教団体のお宝である絵伝の巻物を巡る争奪戦。宗門争いに東京ヤクザが一枚噛んで、そこに桑原の親分の元愛人の美人画商が絡む。
東京に乗り込んだ桑原と二宮は生臭坊主たちと渡り合うが、東京ヤクザも黙ってはいない。だがそこは我らが桑原さん、東京ヤクザの三下どもを次々に病院送りにする。その巻き添えを食った二宮も顔をボ -
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黒川博行の珍しい短編集。ほとんど詐欺のような美術雑誌の副編集長佐保を中心に、その周辺でのホンモノ・ニセモノの騙し騙されあい。
敦賀市に残る蔵に眠る芦屋の茶釜。そこに「初だし屋」と呼ばれるハイエナがごとき2人組が現れ、不用品の回収と称して、時価500万円とも言われる茶釜をだまし取っていく。その家族からの依頼で、二人組に復讐を計画する…。
短編ということもあり、特に最初の2本で「あ、本物やと思ってたら偽物やったという話か」と納得してしまいがちだが、3本目からは流石にそうはいかんのが黒川流。偽物とわかってからの二転三転を短い中に折り込む超ハイスピードな展開で、飽きさせないというよりは、ついていく -
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読み終えて…なんか。。気分が悪くなる本。実際に、警察の不祥事って確かにある…でも、実態は良く分からないところがあるが…この本を読むとあるのだろうと確信できる。
ただ犯罪者を取り締まるには、正攻法だけでは取り締まる事も出来ない事も理解できる。
反社会組織には、目には目をなんだろうけど反社会組織より、ある意味タチが悪い腐った組織なのが理解できる。
不祥事が多い大阪府警を舞台にしてるのがリアリティ溢れ、賭博もかなり詳しく描かれてノンフィクションの様に話しが進む。前半ダラダラ進むけど後半は一気に読み込んで行ける。
中々、興味深く読んだ。ただ、一般市民から言えば実態を知ってしまうと気分が悪い…隠蔽だらけ