黒川博行のレビュー一覧
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とある自殺未遂事件(他殺の可能性あり)に遭遇した京都の美大に通う2人の女子大生が。警察を出し抜こうと独自にデコボコ捜査をする、というミステリー。
1985年に出版された小説ということで、以前読んだ「キャッツアイころがった」よりも前に書かれたものみたい。京都、美術大学、女子大生2人が探偵役、と、共通点の多い物語。解説を読んだら「キャッツアイ〜の原型とも言える…」という記述も。
設定は似ているけれども、ミステリーとしては全然別もの。
時刻表トリックあり、ミスリードあり、密室トリックあり、と、トリックも盛りだくさん。活躍する2人の女子大生のキャラクタも面白いし、刑事たちのキャラもしっかり作り込まれていて面白い。
1つマイナスポイントがあるとすれば、題名にインパクトがないことかな。この題名だと、あとから物語を思い出せなさそう。 -
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黒川博行さんの警察小説。でも、今まで読んだものと少し毛色が違っていました。
私が今まで読んだのは、「2度のお別れ」「雨に殺せば」「八号古墳に消えて」「絵が殺した」などなど。殺人トリックも素晴らしいのだろうけれど、私が黒川さんの小説で面白いと思っていたのは、登場する刑事たちの関西弁による軽快で味のある会話とキャラクタでした。
その系列の警察小説だと思って読んだら、この小説は違う。今まではあまり記述されなかった犯人側の視点や、時系列をさかのぼった出来事と、現在の犯人や被害者視点での出来事と、刑事たちの捜査の物語が交互にすすんでいく。いままでとは違って、刑事たちは、むしろ脇役。
今まで私が読んだの黒川博行さんの作品とはずいぶん違う作風だけれど、どんどん物語に引き込まれていく面白い作品でした。犯人は最後のほうまで明かされず「彼」と記述されるのですが、途中から誰もが犯人の正体に気がつく。それを確かめたい、そしてどうしてこの物語につながっていくのか確かめたい、と、あっという間に読み終えました。
解説を読んでみると、この作品から少しずつハードボイルドな犯罪小説に移行した作品を発表しているとか。そちらの系統も読んでみようと思わせた作品。 -
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黒川博行さんの警察小説シリーズ。
この間読んだ「海の稜線」に出てきたブンさんこと文田くんと、総長こと総田部長コンビの第2弾。
工事現場のパイルからバラバラ死体が発見されることから始まるミステリー。工事現場のパイル、殺人、浮び上がる高名な建築家の名…と、刑事コロンボの「パイル3-D」を思い出させる展開(小説中でも自ら指摘(笑))。
「海の稜線」では、東京から来たキャリア組の若造との東西文化対決での会話が面白かったけれど、今回は京都から来た新米刑事との京阪文化対決な会話が軽快でシャレた関西弁で要所要所に散りばめられていて楽しい。ブンさん、大阪にこだわりがあり過ぎ!(笑)だからこそ、キャラとして愛おしいんだけど(笑)
刑事たちのキャラクタがしっかりしていて読みやすいうえに、捜査によって明らかになっていく事実が意外な展開を見せるところもさすが。
安心して読める警察小説。黒川さんのは全部読もう〜!と思っている今日この頃。 -
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黒川博行さんの警察小説シリーズ。
深夜の高速道路で車が爆発炎上。乗っていた2人の被害者は黒こげ。被害者の身元を捜査していくうちに、海運業界の内側が見えてくる…。予想外の展開で、ミステリーとしても面白かったけれど、なんと言っても面白いのが、捜査一課の刑事たちの人間模様。
大阪府警捜査一課深町班。総長こと総田部長(53)とブンこと文田(29)のコンビと、警視庁から出向中のキャリア組のメガネをかけた優男・萩原(23)がメインキャラ。主人公は、ノンキャリア組で、独身で、ウダツの上がらない文田(ブンさん)。彼が、キザで東京弁のヒヨッコ(でも、位は上)の荻原に、いちいち突っかかりながらも、事件を解決していく。
ブンさんの子供っぽいヒガミ根性が可愛い(笑)。
黒川博行さんの小説は、たまたま手に取った黒マメシリーズが面白かったんですが、黒マメシリーズは3冊しか書かれていないとがっかりしていたのだけれど、今作のように大阪府警捜査一課の、別のチームの視点で書かれた小説が、まだ何冊もあるらしい。軽快な大阪弁での刑事たちの人物描写が楽しいので、飽きるまで読んでみるつもり。ブンさんも他の小説にも登場しているらしいので、まずは、そのあたりから〜。