黒川博行のレビュー一覧
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冒頭───
やっと帰り着いた。ガスストーブのスイッチを入れ、次いでポットのコンセントを差し込む。コートをベッドの上に放り、縒れたネクタイを外しにかかった時、電話が鳴った。壁の時計を見ると、もう午前一時半、非常識だ。すぐに出るのも業腹で、しばらくようすをみることにした。
汗じみたワイシャツのボタンを外しながらバスルームへ行き、水道の栓をひねった。ワイシャツと靴下を洗濯機に放り込み、つまり私の夜毎の儀式を終えて部屋に戻れば、まだ電話は鳴っている。
大阪府警捜査一課の黒マメコンビの第二弾。
第二回サントリーミステリー大賞佳作賞受賞作。
黒川氏はこの作品で、第一回に続いて佳作賞を受賞した。
氏に -
Posted by ブクログ
とある自殺未遂事件(他殺の可能性あり)に遭遇した京都の美大に通う2人の女子大生が。警察を出し抜こうと独自にデコボコ捜査をする、というミステリー。
1985年に出版された小説ということで、以前読んだ「キャッツアイころがった」よりも前に書かれたものみたい。京都、美術大学、女子大生2人が探偵役、と、共通点の多い物語。解説を読んだら「キャッツアイ〜の原型とも言える…」という記述も。
設定は似ているけれども、ミステリーとしては全然別もの。
時刻表トリックあり、ミスリードあり、密室トリックあり、と、トリックも盛りだくさん。活躍する2人の女子大生のキャラクタも面白いし、刑事たちのキャラもしっかり作り込ま