黒川博行のレビュー一覧

  • 文福茶釜
    3月-12。3.0点。
    美術界の内情を描く、怪しげな短編集。
    長編に繋がるらしいが、サラッと読んだ。
  • 切断
    黒川博行初期作品集シリーズの一角。解説にもあるが、著者作ではかなり異色。
    犯人・捜査・過去の三視点を五月雨に綴っていくスタイルは、スピーディな展開と合間って、読み込んでしまう。
    そんな完成度の高いスリリングな犯罪小説でありながら、相当に斬新なトリックがはさまれているのだが、個人的にはこれがマイナスに...続きを読む
  • 煙霞
    二転三転する展開に惹き付けられ後半は一気読み。小狡く相手を出し抜こうとする男たちに比べ、望むがまま図太く動こうとする女たちがコワイ。
  • 悪果
    3月-1。3.5点。
    大阪のマル暴担当の刑事コンビ。
    数々の悪事、シノギをこなしていく。
    ある学校法人の恐喝ネタから、悪徳マスコミが殺害され、
    主人公にも魔の手が。
    面白かった。次作も期待。
  • 落英(下)
    作者お得意の、複雑に絡みあった事件の背景はいいのだが、その割に拳銃の価値がイマイチなような。。。
    ちょっと失速した感は否めない。
    ラストもあっけない。
    これだけの長編なのに、もったいない。
  • 二度のお別れ
    黒川博行のデビュー長編。
    洒脱な大阪人の刑事の会話と、スリリングな誘拐~身代金受け渡しと、いずれもテンポが非常によい。とてもすんなり読め、入り込めた。
    トリックもよかったが、解説者のいうとおり探偵役が暴くというプロセスが抜け落ちている。それがないと、ミステリとしては片手落ちだと思う。
    とはいえ、アイ...続きを読む
  • 二度のお別れ
    初めて読む作家さん。予想した通りの結末であっけなかった…。
    コンビが地味ってことで、大賞がもらえへんかったみたいやけど、良いコンビで大阪弁もとぼけた感じがして、やりとりは面白かった。
  • キャッツアイころがった
    黒川博行の初期作品。
    『離れ折紙』が良かったので読み返したが、古き良き国内ミステリだと感じた。
    三府県にまたがる謎を、組織だってつめていく警察と、行動力だけで切り開いていく女子大生との二面から追いかける構図が面白い。
    また、軽妙な関西人の描きっぷりは、初期の頃からの魅力だと再認識した。
    3+
  • 蒼煌
    日本画の勉強にもなるかと思い読み始めた。
    が、どろどろとした汚い世界の連続。
    伏魔殿をあえて書くにはなんらかの理由があるのだろが、なんだか事実のように思えてきてやるせなくなる。
  • 煙霞
    写生 船着場 潮汁 グチ=イシモチ 熊谷34 近景と遠景 腰かけ 正教員 常勤講師 タタミ=小山田は体育教員 ブラックアウト 岸和田市 地下鉄御堂筋線なんば駅 愛媛県今治沖の小島の民宿 北新地 ミナミ 吹田市佐竹台 城東区今福 杜撰な計画 酒井理事長=丹頂 正木菜穂子=キーボードミュージシャン 尻馬...続きを読む
  • 文福茶釜
    わぁー、これは面白い。
    文福茶釜のタイトルに納得。

    紹介文に古美術ミステリーと書いてありますが、そんな堅苦しい感じではなく
    いい具合にトンチのきいた落語みたい。

    骨董品の事をほぼ知らない私でもとても楽しんで読むことが出来ました。
    作者はとても賢い人なのだろうなぁ。

    他の作品も読んでみよう。
  • 繚乱
    最近黒川さんに縁があって、家にあったこちらも。この人の作品もTV向きのテンポの良いストーリー。ラストに⁉︎っで最後まで楽しめた♡
  • てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書
    黒まめコンビ等、大阪府警捜査一課果が関わる事件を扱う短編集。
    この文庫は2014年に発行されたものだが、読んでいると、古さが感じられ……
    あとがきを読んでみたら、表題作の「てとろどときしん」は1987年に書かれたものだった。

    大阪人の私は普段、当然ながら大阪弁を話す。
    が、いつも思うのだが、大阪弁...続きを読む
  • 煙霞
    なかなかスピード感のがある展開であれよあれよと事件に巻き込まれていってしまうどたばた感は面白い。

    主人公の臨時職員教師が、校長に直談判するだけだったのに、億単位の金をめぐる犯罪に巻き込まれてしまう。ヒロインの女性教師の大胆さも面白い。
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―
    疫病神シリーズ第四弾は宗教。二宮と桑原は、伝法宗慧教寺派の宗宝『懐海聖人絵伝』をめぐるスキャンダルを嗅ぎつける。絵伝を金にしようと画策する二人を待ち受けるのは、巨大宗派の蜜に群がる悪党たち。おもろい。
  • 暗礁(上)
    ヤクザの桑原に頼まれ、賭け麻雀の代打ちを務めた建設コンサル二宮。利のよいアルバイトのつもりだったが、その真相は大手運送会社の利権が絡む接待麻雀。運送会社の巨額の裏金にシノギの匂いを嗅ぎつけた桑原が絡んでいつものドタバタ。『疫病神』『国境』に続く第三弾。今回は沖縄遠征、二人のかけあい、漫才みたいになっ...続きを読む
  • キャッツアイころがった
    著者の初期の作品です。サントリーミステリー大賞受賞作でした。以前読んだはずなのに読み返してみると、初めてのような気がします。
    琵琶湖の北にある余呉湖で死体があがる。しかも身元が分からないように、顔はほとんど原形をとどめていないようにされ、指紋も取れないように指先は切断されていた。そして解剖すると胃か...続きを読む
  • 繚乱
    警察官崩れの二人組が主人公の痛快小説です。
    競売物件の調査員となって調査段階で鍛え上げた体力と、暴力団担当だった経験を生かして、仕事を小気味よく進めるのが痛快です。
    ここに書かれているほど警察は腐敗しているのでしょうか。相当誇張して描かれているとは思いますが、パチンコ屋や不動産会社との癒着は、ひどい...続きを読む
  • 迅雷
    ヤクザの組長を誘拐するという面白い設定。
    昔の映画で、ジョニー大倉と柴田恭平の『チンピラ』(だったかな?)を思い出した。
    人質の交換やカーチェイスなど、スリリングな場面が多いのだが、大阪の地理がわからない自分には、面白さが半減してしまうところが残念。(泣)
  • 二度のお別れ
    黒田刑事に、ついて 概要が浮かばず
    真面目すぎるような ナニワ刑事なら裏の仕事やっていさそうなのに…