黒川博行のレビュー一覧

  • 煙霞

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    ネタバレ

    帯に書かれていた『教師が金に目ぇ眩んで何が悪い!』の言葉に、
    開き直る悪党を翻弄する主人公像や痛快な展開を期待していたのですが、過度に期待してしまったせいか、少し物足りないまま読み終えました。
    ハラハラ・どきどき・急展開というよりは、ドタバタ・都合良く片付いてしまった印象が強い作品でした。

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    2012年03月07日
  • 大阪ばかぼんど ハードボイルド作家のぐうたら日記

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    ネタバレ

     夕刊フジに連載されていたエッセイらしい。もう少し読みたいかなくらいの量で終わるのがいかにもそれっぽい。内容も夕刊紙にぴったりのいかにも黒川節。好きな人は好きだろうなと思わせる。読むとマージャンがしたくなる。ペットが飼いたくなる。自分のかみさんが少しだけやさしく思えてくる。ちなみに黒川博行と東野圭吾が同期というのをこのエッセイ集ではじめて知った。

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    2011年05月13日
  • 文福茶釜

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    古美術の贋作をテーマにした短編集。

    物語に登場する男たち(美術雑誌の副編集者、表具師、美術ブローカー、初だし屋etc)は、とにかく欲の皮がつっぱった小悪人ばかり。

    登場人物に善人がいないし、
    騙した方も結局ババを引くようなオチが読めてくるので、
    とにかく「関西弁で繰り広げられる腹の探りあい・騙しあい」と、
    「次々と明かされる贋作作りの手口・薀蓄」を楽しむのが筋の作品です。

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    2011年05月22日
  • 左手首

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    ネタバレ

    フェリー用に文庫本。久しぶりの黒川博行だけど、いまいち。短編集なんだけど、全部ヤクザまでいかないチンピラが、身の丈に合わない犯罪をしようとして結局警察につかまったり、ヤクザにつかまったりするだけの話。全部が。で、最初の一遍を読んだときに「つまんねー」と思ったけど、解説を読んだら、まぁこれも楽しめるか、と思って再読。というか続読。こんなに解説に助けられた?ことはない。オチはないけど、まぁまぁ。

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    2011年03月11日
  • 切断

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    黒川博行さんの警察小説。でも、今まで読んだものと少し毛色が違っていました。

    私が今まで読んだのは、「2度のお別れ」「雨に殺せば」「八号古墳に消えて」「絵が殺した」などなど。殺人トリックも素晴らしいのだろうけれど、私が黒川さんの小説で面白いと思っていたのは、登場する刑事たちの関西弁による軽快で味のある会話とキャラクタでした。

    その系列の警察小説だと思って読んだら、この小説は違う。今まではあまり記述されなかった犯人側の視点や、時系列をさかのぼった出来事と、現在の犯人や被害者視点での出来事と、刑事たちの捜査の物語が交互にすすんでいく。いままでとは違って、刑事たちは、むしろ脇役。

    今まで私が読ん

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    2010年10月31日
  • 絵が殺した

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    黒川博行さんの警察小説。

    「海と稜線」「ドアの向こうに」で活躍した総長とブンさんと同じ深町班のハンサムコップ吉永誠一が主人公。竹林で見つかった白骨遺体。その後に起こる不可解な自殺。日本画の贋作をめぐる、画家や画商たちの裏側を捜査していく。

    贋作の裏側の駆け引き、難しかったー。けれど、今回も探偵役である刑事たちのキャラクタが魅力的で楽しく読めました。

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    2010年10月07日
  • ドアの向こうに

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    黒川博行さんの警察小説シリーズ。
    この間読んだ「海の稜線」に出てきたブンさんこと文田くんと、総長こと総田部長コンビの第2弾。

    工事現場のパイルからバラバラ死体が発見されることから始まるミステリー。工事現場のパイル、殺人、浮び上がる高名な建築家の名…と、刑事コロンボの「パイル3-D」を思い出させる展開(小説中でも自ら指摘(笑))。

    「海の稜線」では、東京から来たキャリア組の若造との東西文化対決での会話が面白かったけれど、今回は京都から来た新米刑事との京阪文化対決な会話が軽快でシャレた関西弁で要所要所に散りばめられていて楽しい。ブンさん、大阪にこだわりがあり過ぎ!(笑)だからこそ、キャラとして

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    2010年08月25日
  • 海の稜線

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    黒川博行さんの警察小説シリーズ。

    深夜の高速道路で車が爆発炎上。乗っていた2人の被害者は黒こげ。被害者の身元を捜査していくうちに、海運業界の内側が見えてくる…。予想外の展開で、ミステリーとしても面白かったけれど、なんと言っても面白いのが、捜査一課の刑事たちの人間模様。

    大阪府警捜査一課深町班。総長こと総田部長(53)とブンこと文田(29)のコンビと、警視庁から出向中のキャリア組のメガネをかけた優男・萩原(23)がメインキャラ。主人公は、ノンキャリア組で、独身で、ウダツの上がらない文田(ブンさん)。彼が、キザで東京弁のヒヨッコ(でも、位は上)の荻原に、いちいち突っかかりながらも、事件を解決し

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    2010年08月02日
  • 二度のお別れ

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    銀行強盗に来た男が銀行の客を誘拐・逃亡し身代金を要求する。
    誘拐されたのは倒産寸前の鉄工所経営者。

    「黒マメコンビシリーズ」の第一弾。

    事件は解決せずに3年後に犯人から告白されるが、なんとなくすっきりしない終わり方だった。
    シリーズの続きがどうなるのかが楽しみ。

    『サントリーミステリー大賞』第1回(1983年)佳作賞

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    2010年09月09日
  • キャッツアイころがった

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    第4回サントリーミステリー大賞。
    関西で起きた連続殺人事件の話。
    タイトルからくる軽い印象(ねこふんじゃった的な?)とは裏腹に、宝石商業界の実情、県警のなわばり意識などがからみあう本格刑事小説。でも実際は女子大生2人組が事件の大筋を明らかにしていく。

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    2010年07月03日
  • 海の稜線

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    ネタバレ

    ブンと総長シリーズ。&東京から来たエリート警部補。海運業界の利権を事件に絡め、展開が二転、三転していくのに加え、黒川作品ならではの軽妙なテンポの会話が合わさり、面白くて一気に読めた。黒川作品初期の最高傑作と呼ばれるのにも頷ける。

    ただ、、、最終的にエリート警部補が事件を持っていくのがどうしても気に食わず、☆減点。

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    2012年05月31日
  • 二度のお別れ

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    黒マメコンビシリーズの第1弾で、黒川博行さんのデビュー作(1984年)。銀行強盗が人質を連れて逃げ、身代金を要求。その犯人を追う警察のお話。

    第3弾から先に読みはじめてしまったからなのか、黒マメコンビのテンポが、まだ確立されていなくて、すこし肩すかしを喰った感じ。新しいミステリーをいろいろ読んでしまった後だったからなのかもしれないけれど、途中から筋書きが読めてしまったのも残念。そして、2003年の文庫の解説でも書かれていたけれど、結末がちょっと不満。

    とはいえ、大阪弁での刑事物。テンポよく読み進むことができて、悪くなかった。黒マメコンビシリーズ、第3弾→第1弾と読んだから、次は第2弾を読ま

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    2010年04月03日
  • 雨に殺せば

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    大阪府警「黒マメ」コンビ第2弾。
    第2弾だけど、主人公の名字が「黒田→黒木」、設定が「既婚→独身」に
    マイナーチェンジされており、第一弾から連続で読んだ者には、違和感がある中から始まる。

    そして事件の核心に迫るのはいつも「マメ」ちゃんで、主人公は上司の文句を言ってるだけなので説得力がない。

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    2010年04月07日
  • 二度のお別れ

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    大阪府警シリーズの第一冊目。
    お話としては、大阪の銀行で銀行強盗が発生。
    その場に居合わせた男性客が犯人を取り押さえようとしたが犯人に撃たれ負傷、そのまま連れ去られ犯人からは身代金の要求が。
    大阪府警捜査一課が犯人逮捕に当たるが、最初は行き当たりばったりでの誘拐かと思われたが、犯人は意外に巧妙な交渉を持ちかけてくる。

    事件の真相自体はある程度事件が進展した時点で何となく思っていた通りでしたが、エンディングの持って行き方は新鮮でした。
    あと書かれたのが80年代前半なので携帯電話も登場せず電話ボックスが犯人からの連絡に頻繁に使用されるのが懐かしかった。

    この小説は登場人物のキャラが一人一人個性

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    2009年11月16日
  • 文福茶釜

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    『今日はきっちり二日酔いや。頭の中でコロポックルが踊ってますねん』

    海千山千のわるうい奴しか出てこない。
    知らない美術用語が乱発されるにも関わらず、つつつん、と楽に読めるのは大阪弁のなせる業でしょうか。知ってる地名がちょいちょいあるのも嬉し。

    ミステリというより、スティングみたいな展開の小噺が5つ。

    もっかい読むことはないと思うけど、おもろかったわぁ。

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    2011年09月04日
  • 大博打

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     相変わらず軽快な関西弁のやりとりは、リズムよく楽しく読ませてくれます。
     しかし・・・肝心のストーリーが何というかパンチが効いてないです。
    1、なぜあのチケット屋を狙ったのかのかの動機が最後に突然出てきて、主人公の動機に同感させるにはあまりにも少ないページ数だった。
    2、金塊を屋敷から運び出す描写がいまいち掴みきれない。(自分の読解力に問題あり?)
    3、刑事の其々のキャラがいまいち魅力的ではなく、感情移入しづらい。
    4、泰三爺さんの最後の行動が不明。  動機を知ってからの行動なら、まあギリギリ納得。

     誘拐ものの最大の見せ場は身代金の受け渡し場面にあるのはいうまでもなく、そこに作家たちは様

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    2009年10月04日
  • 切断

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    無駄のない筆致で、ぐいぐい読ませる。
    淡々と作業を進める犯人の描写に引き込まれます。これまでの作品と違って娯楽色は弱い。
    ラストを単行本と書き換えているらしいが、この文庫版の終わりの方がすっきりとしていてベター。

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    2009年10月04日
  • 迅雷

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    大した理由もなく転がり始めてしまった雪玉が、よくあるマンガやアニメのようにどんどん大きくなって...。テンポの良さ、大阪弁の掛け合い、丁々発止の騙し合い、登場人物のキャラ立ちとこの人の作品には外れがない。解説にもあったが、落語的な人の可笑しさというものが滲み出ていて、宮部みゆきの時代ものに近しいものを感じる。現代を舞台にしたこうした話しを描けるのは貴重。もっと読まれてもよい作家だと思う。

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    2009年10月04日
  • 雨に殺せば

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    端的に、うまい。力の抜き加減も良いし、大阪弁の会話もほどよく面白い。意外な真犯人にも無理はないし、バランスのいい作品。確かに華はないんだけど。

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    2009年10月04日
  • キャッツアイころがった

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    警察側の堅実な捜査と、女子大生二人の二時間ドラマのような捜査行が交差する展開が、さすがに多少古さは感じるけど、面白い。
    ミッシングリンクものとして読めば、「なぜキャッツアイが転がっていたのか」に対する答えには感心した。

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    2009年10月04日