黒川博行のレビュー一覧
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黒川博行さんの警察小説。でも、今まで読んだものと少し毛色が違っていました。
私が今まで読んだのは、「2度のお別れ」「雨に殺せば」「八号古墳に消えて」「絵が殺した」などなど。殺人トリックも素晴らしいのだろうけれど、私が黒川さんの小説で面白いと思っていたのは、登場する刑事たちの関西弁による軽快で味のある会話とキャラクタでした。
その系列の警察小説だと思って読んだら、この小説は違う。今まではあまり記述されなかった犯人側の視点や、時系列をさかのぼった出来事と、現在の犯人や被害者視点での出来事と、刑事たちの捜査の物語が交互にすすんでいく。いままでとは違って、刑事たちは、むしろ脇役。
今まで私が読ん -
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黒川博行さんの警察小説シリーズ。
この間読んだ「海の稜線」に出てきたブンさんこと文田くんと、総長こと総田部長コンビの第2弾。
工事現場のパイルからバラバラ死体が発見されることから始まるミステリー。工事現場のパイル、殺人、浮び上がる高名な建築家の名…と、刑事コロンボの「パイル3-D」を思い出させる展開(小説中でも自ら指摘(笑))。
「海の稜線」では、東京から来たキャリア組の若造との東西文化対決での会話が面白かったけれど、今回は京都から来た新米刑事との京阪文化対決な会話が軽快でシャレた関西弁で要所要所に散りばめられていて楽しい。ブンさん、大阪にこだわりがあり過ぎ!(笑)だからこそ、キャラとして -
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黒川博行さんの警察小説シリーズ。
深夜の高速道路で車が爆発炎上。乗っていた2人の被害者は黒こげ。被害者の身元を捜査していくうちに、海運業界の内側が見えてくる…。予想外の展開で、ミステリーとしても面白かったけれど、なんと言っても面白いのが、捜査一課の刑事たちの人間模様。
大阪府警捜査一課深町班。総長こと総田部長(53)とブンこと文田(29)のコンビと、警視庁から出向中のキャリア組のメガネをかけた優男・萩原(23)がメインキャラ。主人公は、ノンキャリア組で、独身で、ウダツの上がらない文田(ブンさん)。彼が、キザで東京弁のヒヨッコ(でも、位は上)の荻原に、いちいち突っかかりながらも、事件を解決し -
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黒マメコンビシリーズの第1弾で、黒川博行さんのデビュー作(1984年)。銀行強盗が人質を連れて逃げ、身代金を要求。その犯人を追う警察のお話。
第3弾から先に読みはじめてしまったからなのか、黒マメコンビのテンポが、まだ確立されていなくて、すこし肩すかしを喰った感じ。新しいミステリーをいろいろ読んでしまった後だったからなのかもしれないけれど、途中から筋書きが読めてしまったのも残念。そして、2003年の文庫の解説でも書かれていたけれど、結末がちょっと不満。
とはいえ、大阪弁での刑事物。テンポよく読み進むことができて、悪くなかった。黒マメコンビシリーズ、第3弾→第1弾と読んだから、次は第2弾を読ま -
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大阪府警シリーズの第一冊目。
お話としては、大阪の銀行で銀行強盗が発生。
その場に居合わせた男性客が犯人を取り押さえようとしたが犯人に撃たれ負傷、そのまま連れ去られ犯人からは身代金の要求が。
大阪府警捜査一課が犯人逮捕に当たるが、最初は行き当たりばったりでの誘拐かと思われたが、犯人は意外に巧妙な交渉を持ちかけてくる。
事件の真相自体はある程度事件が進展した時点で何となく思っていた通りでしたが、エンディングの持って行き方は新鮮でした。
あと書かれたのが80年代前半なので携帯電話も登場せず電話ボックスが犯人からの連絡に頻繁に使用されるのが懐かしかった。
この小説は登場人物のキャラが一人一人個性 -
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相変わらず軽快な関西弁のやりとりは、リズムよく楽しく読ませてくれます。
しかし・・・肝心のストーリーが何というかパンチが効いてないです。
1、なぜあのチケット屋を狙ったのかのかの動機が最後に突然出てきて、主人公の動機に同感させるにはあまりにも少ないページ数だった。
2、金塊を屋敷から運び出す描写がいまいち掴みきれない。(自分の読解力に問題あり?)
3、刑事の其々のキャラがいまいち魅力的ではなく、感情移入しづらい。
4、泰三爺さんの最後の行動が不明。 動機を知ってからの行動なら、まあギリギリ納得。
誘拐ものの最大の見せ場は身代金の受け渡し場面にあるのはいうまでもなく、そこに作家たちは様