Posted by ブクログ
2021年09月11日
内容紹介文の段階でもう既に面白そうな上に「なにわ犯罪小説」という斬新な分類をされている短編集。
とにもかくにも登場するのは半端な悪党ばかり。どの話も肩ががっくり落ちるような、何とも虚しく碌でもない結末を迎える。
ところがこの悪党達が拙い計画や策を巡らせている描写が実に活き活きとエネルギッシュで、ま...続きを読むたそれが面白可笑しいのだ。
どの話も個が立っていて印象に強く残る。
私は「淡雪」の一等惨めなラストと「冬桜」のまさに烏合の衆と呼べる彼らの蜘蛛の子散らす終わり方が特に心に残った。
8刷
2021.9.11