あらすじ
大阪の私立晴峰女子高校──そこでは理事長が学校法人を私物化していた。あるとき、ホステスと欧州視察旅行に出かける理事長を誘拐した、美術講師の熊谷と音楽教諭の菜穂子。私学助成金の不正受給をネタに、正教員の資格を得ようとするが、2人を操る黒幕の狙いは理事長の“隠し財産”だった。教育現場の闇は100キロの金塊に姿を変え、悪党たちを翻弄する。計画の首謀者は誰なのか、奪った金塊の行方は? 騙し騙され、コン・ゲームの要素が加わった痛快ミステリー!
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とても面白かった。大阪ならではの現実主義。この著者の描く主人公はヒーローでもなく悪漢でもなく、市井にいそうな弱点もある普通の人であるところがいい。ハードボイルドのような真っ当な人生観を語ったりせずに、リアリティと話の展開の面白さで惹きつけるので、他作も読みたい。
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黒川さんの作品は、スピード感のある展開と登場人物達のユーモア溢れる会話が特徴。本作も十分楽しめました!記憶には残らないかも知れませんが、それはそれで、読書の楽しみ方の一つだと思います
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ドラマ化されてると知って買った一冊。
高校教師が犯罪に巻き込まれる話だった。
読み始めはあまり興味がわかない話だなと思っていたが、話が進むにつれて話に引き込まれた。
この作品も登場人物や移動場所が多かったりしたが、登場人物はまだわかりやすかった。
場所については大阪の地理はほとんどわからないから、細く書かれてもどうゆう場所かわからなかった。
この作品も死人が出なかった。
黒川さんの作品には死人がでないのが多いと感じた。
痛快で面白い小説でした。
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騙し合いの小説なのに妙に清々しい気分にさせてくれた。それはやはり主人公の2人、特に菜穂子の緊張感のなさと肝の太さがそうさせているのではと思う。主人公は2人だが、前半は熊谷、後半は菜穂子の視点を重視しているのが飽きさせなくてよかった。丹頂の最後に見せた変な器の大きさも良いラストの要因と思う。
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先日、作者のエッセイの本を読んだばかり。以前にこの作者の小説を読んだ時と、今回はちょっと印象が違ったかも。エッセイから作者の日常の様子をいろいろ知ることが出来たが、本作にはその日常がちょいちょい顔を出しているのが伝わってきたというか。それがいいのか悪いのか、どちらでもたぶんないのだけど。
ストーリーはスピード感があって面白かった。展開が早く、騙し騙されの役どころがぽんぽん次々に変わっていくのも楽しめた。以前読んだ小説でもそう感じたが、会話でストーリーを展開させていくのが、一つのこの作家の特徴か。その会話も、ところどころ掛け合い漫才のようなほわんとしたものが挿入されることがあり、無駄っちゃ無駄な気がしないでもないが、小説全体の味付けになっている。また、登場する女性のうち、音楽教師とホステスの二人が、どちらも個性的で面白い。音楽教師は普段からちょっと変わっていて、しかし実は肚が座っていて、途中からどんどんかっこよくなっていく。ホステスはとにかく気が強く、相手が男だろうが、強面だろうが関係なく、どんな状況でも強気に立ち回ろうとする。それに比べると、主人公の美術教師を始めとして、男どもが全員どこか間抜けで頼りない。他の小説でもそうだし、エッセイを読んだのでそう思うのだが、そういう男たちには、どこか作者が自分を少しずつ投影して描いているように思う。
あまりひどいバイオレンスもなく、胸が締め付けられるようなどろどろの愛憎劇も特にない。さっぱりというか、あっさりとした結末。しつこいようだが作者の人間味が出ていると思わせられた。別にそれが悪いということもないが。例えるなら、お茶漬けを食べたような読後感、というか。
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なかなか痛快でテンポのあるミステリー。私学の理事長の不正をネタに正教諭の資格を取得しようとする美術講師の熊谷は、いつの間にか大きな犯罪に巻き込まれていく。
関西弁のセリフとストーリー展開のテンポが良い。欲を言えば、もう少しヒネリがあり、過激なアクションがあれば良かった。
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高校教師という黒川のキャリアを使っちゃったことが裏目でいつもの爽快感は薄いが、ボクにとって黒川節は個々の作品の良し悪しは超越して、そこにあって読めれば幸せなんで、あまり気にならず。ダメダメ主人公と男勝り女の組み合わせもどこかで見たような安心感があってオッケー。ああ、オレも関西に生まれたかったぜw
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学校ブローカーなる存在がいることをご存知でしょうか。
少子化が進み、全入学時代に突入しました。
私立学校も、あの手この手で生徒集めに必死です。
私学の理事長、北新地のホステスが私学助成金の不正受給を働く。
不正を働く理事を一掃するべく教室たちが立ち上がるが、学校ブローカーなる存在が裏社会の住人を召喚。
不正受給金はそのまま貰えないので、一度、金の延べ棒に換金してから受け取る算段へ。
しかし、その行手には...
序盤はかなり緩やかで穏やかな運びだが、物語中盤から急加速。
元教師が描く学園?ミステリでした。
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疫病神シリーズっぽくテンポのいいストーリー展開はさすが。
ただ主人公の2人の高校教師以外の詐欺師連中が間抜けすぎて、ちょっと軽く感じてしまった。
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スピード感がある展開であっという間に読めた。
日常が非日常に転がっていく展開が面白い。
大阪の女は強い。
肝が座ってるから清々しい。
会話も大阪らしくテンポがいい。
大阪のアンダーグラウンドな所が見れてワクワクした。
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私学の教員2名が、悪徳経営者の悪事を暴くため(そしてちょっぴり自分たちの利益のために)探偵まがいのことをするお話。
主人公の教員2名の熊谷と菜穂子が、疫病神シリーズの二宮と悠紀をほうふつとさせて面白かった。
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内容(「BOOK」データベースより)
北新地のホステスと欧州視察旅行に出かける理事長を誘拐した美術講師の熊谷と音楽教諭の菜穂子。私学助成金の不正受給をネタに正教員の資格を得ようとするが、二人を操る黒幕の狙いは理事長の隠し財産だった。教育現場の闇は百キロの金塊に姿を変え、悪党たちを翻弄する。元高校教師の著者が描く痛快ミステリー。
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私立高校の先生が待遇改善を求めてオーナーを誘拐する/ から、隠し財産の強奪事件に発展し、という展開/ 序盤、女教師がクレイジーすぎて展開が強引に感じる/ いつもの黒川だが最後うまくいくのが珍しい/
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黒川博行のノンシリーズピカレスク小説。
市民が黒い人たちの悪巧みに巻き込まれるという、定番だが作者にしては珍しいスタイル。
顛末に捻りがあるわけではないが、バラエティ溢れるキャラクターの行動一つ一つが事件を複雑にしていく様はよい。大阪人のトークと、主人公二人の軽快な価値観ともマッチし、暴力シーンはあれどドタバタの冒険喜劇となっていると思う。
誘拐劇がそっけないのと、事件の収拾が無難なとこが惜しい。
3+
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写生 船着場 潮汁 グチ=イシモチ 熊谷34 近景と遠景 腰かけ 正教員 常勤講師 タタミ=小山田は体育教員 ブラックアウト 岸和田市 地下鉄御堂筋線なんば駅 愛媛県今治沖の小島の民宿 北新地 ミナミ 吹田市佐竹台 城東区今福 杜撰な計画 酒井理事長=丹頂 正木菜穂子=キーボードミュージシャン 尻馬に乗る 声楽は身体が楽器 フューエルメーターはエンプティーの手前 泉佐野市 関空 伊丹空港 大阪の南北格差を是正 エクスプローラー(アメ車)はガソリンを撒き散らして走る 男は精神年齢が低い 桜ノ宮橋 京橋 蒲生 守野朱実=ホステス 今福 視察旅行 ヘミングウェイというクラブ GUCCIかエルメス リベート(キックバック)支払い代金の一部を謝礼金・報奨金など として支払人に戻すこと。また、その金。道頓堀川 狸の泥舟 誓約書 自嘲 解雇権の濫用 校長の裁量 JR環状線鶴橋駅近くで冷麺 オンドル 済州島 ニョクマム魚醤 バジル コリアンダー レモングラス フォー 生春巻き タージマハル コルカタ昔はカルカッタ カトマンズ ハシシ=大麻樹脂を固めたもの 頭が身体から離れて、感覚だけが浮遊してる感じ。 抽出しひきだし これが人類の棲家? 鳥羽 賢島かしこじま リッツ・カールトンかウェスティン 中尾 着たきりすずめ 箕輪45 ビリー・ホリデイ 声帯が違うんやと思うわ インゴット=金の延べ棒8本 レクサス アルファロメオ ムンバイ昔はボンベイ 鮑と雲丹と伊勢海老 大大崎(通称波切)の灯台 天満 低次元の喧嘩 飼い犬に手を噛まれるとはこのことだ 島ノ内の倉庫 スプリンクラー 井沢 ナイフ スパナ 梅田 難波 手切れ金 退職金 1969学生運動 少子化問題
Posted by ブクログ
なかなかスピード感のがある展開であれよあれよと事件に巻き込まれていってしまうどたばた感は面白い。
主人公の臨時職員教師が、校長に直談判するだけだったのに、億単位の金をめぐる犯罪に巻き込まれてしまう。ヒロインの女性教師の大胆さも面白い。
Posted by ブクログ
私立晴峰女子高校では、理事長の酒井が学校法人を私物化していた。美術講師の熊谷と音楽教諭の菜穂子は、酒井に不正の証拠をつきつけ、退任と教員の身分保障を求める計画に同僚から誘われる。交渉は成功したかに見えたが…。。
黒川作品らしく私の土地勘がない関西が舞台なのでのめり込めないところがあった。どこで何を食べたとか、どうでもいい描写が多く(これも黒川作品らしい)、そういうところは読み飛ばした。オチもやや期待外れだった。
(C)