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Posted by ブクログ 2018年05月20日
黒豆コンビの第1作。
刑事黒田の手記の形で話は進んでいきます。
まさかこういうことやったとは!
豆さんユニークでいいキャラしてます。
続編も是非読みたい。
Posted by ブクログ 2015年03月24日
普段から刑事小説が好きで色々と読んでいるが、これは新感覚で個人的に中々 面白い作品だった。
大阪弁で展開される会話のテンポがいいし、主人公が所々、他の登場人物の動作等に対して心の声としてツッコミを入れている文章が笑えたし、自分の地元の懐かしい方言なんかも出てきたし。
刑事小説=硬派、緊迫、ハラハ...続きを読むラ、知的なイメージがつきものだと個人的には思うのだが、それをちょっと打ち崩したような刑事小説もありだなぁ!と思えた。
結末は、すごく悲しくてやり切れないけれど。
Posted by ブクログ 2016年01月04日
冒頭───
風呂あがり、やっとありついた晩飯。冷めたアサリの吸物をひとすすりして、さてこれからと箸をとりあげた時、電話が鳴った。反射的に壁の時計を見る。もう午後十時、こんな時間の電話にろくなものはない。
「おーい、電話やでー」
ちょっと振り向けば電話に届くものなぜかおっくうで、隣の部屋にいるは...続きを読むずの佐智子に声をかけた。返答がない。代わりに、ザーッと水の走る音のするところをみれば、残り湯で洗濯でもしているのであろう。
「えーい、しゃあないなあ」
受話器をとる。
「破門」で直木賞を受賞した黒木博行さんの、正真正銘のデビュー作。
第一回サントリーミステリー大賞佳作賞受賞作品である。
キレのある日本語。
関西弁特有のテンポの良い文章が続く。
実にうまい。
エンタメ読み物としては、すでにこの時点で一流である。
主人公の黒田とマメちゃんという、漫才風の会話のやり取りをする二人のキャラも面白い。
この面白さは、のちの「疫病神」シリーズでも存分に活かされているようだ。
これは銀行強盗から派生した誘拐ものだが、警察と犯人との身代金の受け渡し方法などは、今でこそ同様のものが多くあるが、当時としては画期的だったのではなかろうか。
最後のどんでん返しについては、動機的にはやや弱い気もするが、それでもあっと驚かされる。
いやあ、面白いミステリー作品でした。
これでも佳作なのだから、サントリーミステリー大賞はレベルが高かったんだよな。
そういえば、第一回で読者賞を受賞した「桜子は帰って来たか」というのも、遥か昔に読んだが、かなり面白かった覚えがある。
でも、受賞者のみなさんが、今でも作家として活躍しているかというと、そうでもないところに文筆業の難しさがあります。
一発屋で終わる受賞作家のなんと多いことか。
黒川博行、今後も読み続けます。
好きな作家がまた一人増えました。
直木賞のおかげです。
受賞しなかったら一生出会わなかったかもしれない作家だから。
Posted by ブクログ 2012年09月15日
黒マメコンビシリーズの第1弾。
銀行強盗が人質をつれて逃げ、身代金をまんまとせしめる。しかし、本当の犯人は?
最後の犯人の告白による真実は、思ってもいない大どんでん返しでした。
Posted by ブクログ 2009年12月09日
銀行強盗が客の一人を人質にして逃走、そして身代金の要求。
この事件を大阪府警捜査一課の黒マメコンビが解決に奔走するが・・・
黒マメコンビにとどまらず、大阪弁の会話が心地よい。
(関西人以外は読みにくい?)
最後はちょっとガッカリする終わり方で不満が残りますが、楽しく読めました。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
四月一日午前十一時半、三協銀行新大阪支店に強盗が侵入。四百万円を奪い、客の一人をピストルで撃った後、彼を人質にして逃走した。大阪府警捜査一課は即刻捜査を開始するが、強奪金額に不服な犯人は人質の身代金として一億円を要求、かくして犯人と捜査陣の知恵比べが始まる。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
黒川博行の作品を讀むのは、これが初めて。
この作品は、1983年の第1囘サントリーミステリー大賞で佳作となつたさうである。
大賞を逃した理由として、「刑事コンビに華がない」といふことがあげられたさうだ。
さて、この作品、讀んでみて面白かつた。
ストーリーとしては、銀行強盜事件とそれに引續く人質誘...続きを読む拐事件を搜査するといふことになるが、面白さの一つには、主人公の刑事コンビの會話がある。
主人公は大阪府警搜査一課の黒田憲造とそのコンビの龜田淳也、通稱マメちやん。
此の二人を稱して「黒マメコンビ」といふ。
黒田の視點で描かれてゐるので一人稱小説だが、マメちやんとの大阪弁の輕妙な會話が樂しい。
しかもその大阪弁のナチュラルなこと。
ふだんはアホなことを話してゐる二人だが、マメちやんの芯の強さには感心する。
事件を解決に導くのは、こちらのマメちやんである。
樂しく讀める警察小説だ。
2004年2月7日讀了
Posted by ブクログ 2009年10月04日
結末の付け方には多少不満が無いでもないんだけど全体的にはかなり楽しめた。語り口は極めて軽く、ユーモアに溢れてて楽しい。それでいて警察内部のこともしっかりと書き込まれている点すごいと思う。また誘拐ミステリとしてもトリッキーで捻りが効いてて驚いた。さりげない伏線が誘拐計画のキモになってるあたり巧いと思う...続きを読む。意外な真相もあってこれだけ楽しめたら文句なし。
Posted by ブクログ 2016年06月05日
大阪府警捜査一課シリーズ,「黒さん」と呼ばれる黒田憲造刑事と,「マメちゃん」と呼ばれる亀田淳也刑事が主人公のシリーズの最初の作品である。融資依頼に来て,担当者不在ということでロビーで待っていた「垣沼一郎」が,銀行強盗犯にとびかかり,銃で撃たれ,人質として連れ去られる。銀行強盗犯から,垣沼一郎の身代...続きを読む金として1億円を要求されるというストーリー。
誘拐モノの常で,身代金の引き渡しを求める犯人側と,捜査側の知恵比べの様相を見せるが,捜査側の様子が丁寧に書かれている。
キャラクターの描写も丁寧にされており,現場の捜査担当者,捜査指揮をするキャリア,たたき上げの課長などの捜査陣の思惑の違いなどがリアルに描かれている。
行き当たりばったりで始まった誘拐かと思っていると,警察の関与をはぐらかすために,犯人側の巧みに要求をしてくる。逆探知を避けるために,第三者を仲介して伝言をしてきたり,人質の指や耳を切って送ってくるなど…。身代金はマンホールを使って奪い取る。捜査側は完全に後手後手。人質だと思われる死体が発見され,事件は迷宮入りとなる。
その後,実は,誘拐が狂言であったとして,人質ではなく真犯人だった垣沼一郎から,黒田刑事のところに犯行を告白する電話が掛かってくる。真犯人からの犯行の告白で物語は終わる。その真相は,マメちゃんこと亀田刑事の推理と酷似したものだった。
テレビドラマの2時間サスペンスとして見れば良作の部類に入ると思う。分かりやすい筋書きで,テンポよく展開し,キャラクターの未了もある。小説として見ると,やや物足りない印象がある。捜査側としても,ここまで裏を掛かれると,垣沼側をもう少し疑いそうなものだが…。黒・豆コンビがあまり活躍しないのもイマイチ。犯人にやられっぱなしのストーリーは,ややフラストレーションがたまる。トータルの評価は★3か。つまらなくはないが,もう少し,何かがほしいところ。
Posted by ブクログ 2016年02月19日
黒川博行のデビュー長編。
洒脱な大阪人の刑事の会話と、スリリングな誘拐~身代金受け渡しと、いずれもテンポが非常によい。とてもすんなり読め、入り込めた。
トリックもよかったが、解説者のいうとおり探偵役が暴くというプロセスが抜け落ちている。それがないと、ミステリとしては片手落ちだと思う。
とはいえ、アイ...続きを読むデアも文章も、初作とは思えないくらい安定してると感じた。
3-
Posted by ブクログ 2016年01月12日
初めて読む作家さん。予想した通りの結末であっけなかった…。
コンビが地味ってことで、大賞がもらえへんかったみたいやけど、良いコンビで大阪弁もとぼけた感じがして、やりとりは面白かった。
Posted by ブクログ 2014年04月29日
大阪府警捜査一課のシリーズ。
まずは第一弾。
黒マメコンビ、
大阪弁の掛け合いも軽妙で面白かった。
最終章は事件の種明かしになるのだが、
あと味苦いものとなってしまい、少し残念。
Posted by ブクログ 2012年10月22日
なるほど・・・のタイトル。
このエピローグは想像できない、全く思いつかないモノだった。
書き手のアイデアと、読者の想像力のせめぎ合い?
なんだか違った形での読書の面白さを感じた作品。
Posted by ブクログ 2010年09月09日
銀行強盗に来た男が銀行の客を誘拐・逃亡し身代金を要求する。
誘拐されたのは倒産寸前の鉄工所経営者。
「黒マメコンビシリーズ」の第一弾。
事件は解決せずに3年後に犯人から告白されるが、なんとなくすっきりしない終わり方だった。
シリーズの続きがどうなるのかが楽しみ。
『サントリーミステリー大賞』第...続きを読む1回(1983年)佳作賞
Posted by ブクログ 2010年04月03日
黒マメコンビシリーズの第1弾で、黒川博行さんのデビュー作(1984年)。銀行強盗が人質を連れて逃げ、身代金を要求。その犯人を追う警察のお話。
第3弾から先に読みはじめてしまったからなのか、黒マメコンビのテンポが、まだ確立されていなくて、すこし肩すかしを喰った感じ。新しいミステリーをいろいろ読んでし...続きを読むまった後だったからなのかもしれないけれど、途中から筋書きが読めてしまったのも残念。そして、2003年の文庫の解説でも書かれていたけれど、結末がちょっと不満。
とはいえ、大阪弁での刑事物。テンポよく読み進むことができて、悪くなかった。黒マメコンビシリーズ、第3弾→第1弾と読んだから、次は第2弾を読まなくちゃ。
Posted by ブクログ 2009年11月16日
大阪府警シリーズの第一冊目。
お話としては、大阪の銀行で銀行強盗が発生。
その場に居合わせた男性客が犯人を取り押さえようとしたが犯人に撃たれ負傷、そのまま連れ去られ犯人からは身代金の要求が。
大阪府警捜査一課が犯人逮捕に当たるが、最初は行き当たりばったりでの誘拐かと思われたが、犯人は意外に巧妙な交渉...続きを読むを持ちかけてくる。
事件の真相自体はある程度事件が進展した時点で何となく思っていた通りでしたが、エンディングの持って行き方は新鮮でした。
あと書かれたのが80年代前半なので携帯電話も登場せず電話ボックスが犯人からの連絡に頻繁に使用されるのが懐かしかった。
この小説は登場人物のキャラが一人一人個性的で、こんな奴ら本当に居るんだろうな・・・と思わせる。
大阪府警が舞台と言うことで会話はすべて大阪弁、特に主人公の黒田と亀田の会話は軽妙で楽しく読むことができた。