黒川博行のレビュー一覧

  • 破門
    投資詐欺にあったヤクザが詐欺師を見つけ出して報復するというのはヤクザものとしてはありきたりなストーリーなのですが、そこにひとりの堅気(ヤクザとは関係のない一般ピーポー)を主人公として加えてヤクザとコンビを組ませたところが、この本を面白くしていると思いました。
    直木賞受賞作品という事で初めてこの著者の...続きを読む
  • 疫病神
    自分にはバイオレンスすぎて読んでて疲れたけど、筋を通す考え方には共感、意外と読後感はさわやかだった。
  • 繚乱
    なんか荒っぽい小説。
    上下2段で読むのに時間かかったけど
    ちっともすかっとしなかった。
    ハードボイルドはだんだんときつくなってきているのだろうなぁ。

    伊達さんと堀内さん何度もごちゃごちゃになる辺りからして
    興味失っているみたい。
    誠やんって誰どっちだったっけ。
    と何回も確認。

    女性が蔑ろにされる...続きを読む
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―
    再読。
    疫病神シリーズ第四作。
    今回もテンポ良く読めた。宗教家も檀家もヤクザも警察官も、そして画商も、みんなが金を巡って必死の意地汚い闘いをしている。
    さすがに四作目となると段々とパターン化(二宮拐われる、桑原怪我をする或いはやはり拐われる、最後に嶋田出て手打ち等)してくるが、それも込みで面白いし、...続きを読む
  • 繚乱
    元悪徳警官二人組み,相変わらずの無茶苦茶しのぎで,向かうところ敵だらけ.パチンコ店の複雑怪奇の利権の絡みをごり押しながらも解きほぐす頭脳が魅力.
  • 破門
    疫病神を買った時点でのシリーズ最新作がこの破門で、破門まで読んだらもういいかなー、なんて思っていたけれど、こうなってくると次の展開が気になるね。桑原、どうなっちゃうの?
    でも直木賞は、「五回も落としてごめんね」分が加味されてると見た。最近読んだ「恋歌」「蜜蜂と遠雷」ともにとても良かったから、それと比...続きを読む
  • 悪果
    腐った組織の中で強烈な個性がぶつかり合う。
    息はピッタリとあってはいるが、堀内は相棒である伊達のことも信じてはいない。
    出世にしか興味がなく、自己保身に汲々としている奴ら。
    濁りきった水の中で、堀内もまた自らの意思で汚れていく。
    犯罪者は許せない。取り締まる側のはずの警察も、犯罪者に負けないくらいに...続きを読む
  • 燻り
     黒川さんの短編集。黒川さんは良い作家さんだと思うのだが、短篇になると、やや物足りなくなります。
     いろいろと悪い奴らが登場して、結末は良い方向には行かず、捕まったりします。正直言って、この小説は最後まで読んでいません。花村萬月さんの『たびを』という上下段の1000ページ超えの大作と同時進行で読んで...続きを読む
  • 悪果
    前半はグダグダしてるけど、後半につれスラスラ読める。大阪や関西圏の地理を知ってたら更に楽しめる。
    本の内容に出てくる警察とヤクザとの関係が現実にもあるんだろうなー
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―
    転んでもただでは起きない二宮が面白かったー!いやいやそこは諦めなよ、と思いながら、金目当てでずるずる桑原につきあうのを見届ける。でも結局おいしい思いもしてるんだから、理解はできないけど2人は良いコンビなんだよなぁ、と。
  • 落英(上)
    大阪府警の万年一兵卒の刑事、桐尾と上坂が、覚醒剤密売捜査の最中、容疑者宅で想定外のブツを発見。迷宮入りした射殺事件で使われた拳銃だ。二人は拳銃を調べる専従捜査に入り、射殺事件を担当した和歌山県警の満井と出会う。

    関西ローカルを舞台にうだつの上がらない刑事たちの話…つまり黒川博行お得意の物語。上巻は...続きを読む
  • 後妻業
    罪悪感まるっきりなしの開き直りと軽快なツッコミの大阪弁のせいか、命を奪う悪巧みも軽く聞こえて小夜子たちにあまり嫌悪感を感じずにラストまできてしまう。小夜子の金に対するがめつさとか博司のコテコテのヤクザ口調とか憎めない人間くささがあって、怒りを通り越して笑えてくる魅力に抗えない。そう思わされるのもよく...続きを読む
  • 八号古墳に消えて
    開発現場で遺跡発見で調査費用が開発業者持ちとは驚き、ましてや費用が莫大、工事は止まるはじゃ始末におけない。
  • 煙霞
    黒川博行のノンシリーズピカレスク小説。
    市民が黒い人たちの悪巧みに巻き込まれるという、定番だが作者にしては珍しいスタイル。
    顛末に捻りがあるわけではないが、バラエティ溢れるキャラクターの行動一つ一つが事件を複雑にしていく様はよい。大阪人のトークと、主人公二人の軽快な価値観ともマッチし、暴力シーンはあ...続きを読む
  • 大博打
    黒川博行のノンシリーズ、誘拐ものの長編。
    身代金受け取りの只中から物語が始まり、以降遡って犯人側と捜査側が交互に発生からの過程が描かれる。
    全体像も犯人の思惑も徐々に明るくなってきたところで回想が冒頭に追い付く。
    そこからは疾走感も高揚感もある冒険譚になっており、サスペンスとしてもなかなか鋭い。ハー...続きを読む
  • 二度のお別れ
     大阪府警捜査一課シリーズ,「黒さん」と呼ばれる黒田憲造刑事と,「マメちゃん」と呼ばれる亀田淳也刑事が主人公のシリーズの最初の作品である。融資依頼に来て,担当者不在ということでロビーで待っていた「垣沼一郎」が,銀行強盗犯にとびかかり,銃で撃たれ,人質として連れ去られる。銀行強盗犯から,垣沼一郎の身代...続きを読む
  • 国境(上)
    二宮&桑原シリーズ、第2弾。
    いきなり北朝鮮潜入から始まる。詐欺に引っかかった組の資金を回収するため詐欺の実行者を追う二人に、朝鮮総連や詐欺の実行グループ、そしてカモにされた他の組や警察が入り乱れていく・・・。
    相変わらず凝ったストーリー展開も、物語が錯綜しすぎで疾走感に欠けてるし、何より北朝鮮が舞...続きを読む
  • 暗礁(下)
    やっぱりスッキリとは終わらせてくれないんだねーーー!!
    までもそういう現実を描いていくのかな、これからも。
    シリーズはあと2作?かな?そこまでは読む気でいるけどその後に刊行されるやつまでチェックするかは微妙なところ。
  • 暗礁(上)
    色々とパターン化されてきてる部分はあるかな。
    前作が悔しい終わり方だっただけに今回はスッキリした結末を迎えてほしいけど、どうなることやら。下巻も楽しみます。
  • 国境(下)
    上巻冒頭、「あれ?私下巻から読み始めちゃった?」ってくらい唐突に始まるけれど、徐々に状況がわかってくる。ハードで、スリリングで、普段読むジャンルの本ではない。ただ、これはこれで楽しい。血なまぐさいシーンもあるし、気分爽快!な結末ではない分、最後のエピソードのおかげで読後感が好転した。