黒川博行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
再読。
疫病神シリーズ第四作。
今回もテンポ良く読めた。宗教家も檀家もヤクザも警察官も、そして画商も、みんなが金を巡って必死の意地汚い闘いをしている。
さすがに四作目となると段々とパターン化(二宮拐われる、桑原怪我をする或いはやはり拐われる、最後に嶋田出て手打ち等)してくるが、それも込みで面白いし、二人の掛け合いは段々と息ピッタリになってきている。
そしてなんだかんだで二人の結び付きが良くなってるのも感じる。
あれほど酷い目に遭って、あちこち引き摺り回され駆け回って、色んな経費使って(特に桑原は)、手に入って金がこれだけだと、真面目にコツコツが一番良いのかなとも思える。
もう少し腐れ坊主供を叩 -
Posted by ブクログ
腐った組織の中で強烈な個性がぶつかり合う。
息はピッタリとあってはいるが、堀内は相棒である伊達のことも信じてはいない。
出世にしか興味がなく、自己保身に汲々としている奴ら。
濁りきった水の中で、堀内もまた自らの意思で汚れていく。
犯罪者は許せない。取り締まる側のはずの警察も、犯罪者に負けないくらいに腐っている。
社会のルールにも組織のルールにも堀内は縛られない。
自分だけが信じるルールの中で、悪徳警官として生きている。
やり方に問題はあるけれど堀内なりの「正義」がそこにはある。
まっとうではないけれど悪党だと決め付けることもできない。
グレーゾーンの中で椅子取りゲームをしているような毎日は、や -
Posted by ブクログ
ネタバレ二宮&桑原シリーズ、第2弾。
いきなり北朝鮮潜入から始まる。詐欺に引っかかった組の資金を回収するため詐欺の実行者を追う二人に、朝鮮総連や詐欺の実行グループ、そしてカモにされた他の組や警察が入り乱れていく・・・。
相変わらず凝ったストーリー展開も、物語が錯綜しすぎで疾走感に欠けてるし、何より北朝鮮が舞台というのがヤクザ者二人にはスケールが大きすぎて話のテンポがそがれた気がする。
北朝鮮の国体が丁寧に書かれているあたりは、その取材の細かさに驚くし緻密な取材をうかがわせるが、果たして舞台を北朝鮮に設定する必要があったのか疑問で、社会的なテーマをふくませると物語が重くなってしまう。
元来二人の達者な会 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大阪府警捜査一課シリーズ,「黒さん」と呼ばれる黒田憲造刑事と,「マメちゃん」と呼ばれる亀田淳也刑事が主人公のシリーズの最初の作品である。融資依頼に来て,担当者不在ということでロビーで待っていた「垣沼一郎」が,銀行強盗犯にとびかかり,銃で撃たれ,人質として連れ去られる。銀行強盗犯から,垣沼一郎の身代金として1億円を要求されるというストーリー。
誘拐モノの常で,身代金の引き渡しを求める犯人側と,捜査側の知恵比べの様相を見せるが,捜査側の様子が丁寧に書かれている。
キャラクターの描写も丁寧にされており,現場の捜査担当者,捜査指揮をするキャリア,たたき上げの課長などの捜査陣の思惑の違いなどがリア