黒川博行のレビュー一覧

  • 螻蛄―シリーズ疫病神―

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    疫病神シリーズの四作目。
    五作目が先日直木賞受賞ということで、おめでとうございます。
    そのニュースを見て久々にこのシリーズを読もうと思って購入。

    相変わらず桑原と二宮の掛け合いが面白かったです。
    『国境』を読んでからなので、そうすると少しインパクトとかスケールが小さく感じるかもしれませんが、登場人物がなんとか把握できる程度だったので読みやすかったです。いや、それでも多いほうだとは思うけど…。
    あとは、東京が舞台のシーンが多くて、今まで大阪の描写はわからないとこが多かったけど東京は「あぁ」となれたのでその辺も読みやすさの一因だったのかも。

    それにしてもなんだか二宮がほんとに意地汚いというか

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    2014年08月19日
  • 二度のお別れ

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    冒頭───

     風呂あがり、やっとありついた晩飯。冷めたアサリの吸物をひとすすりして、さてこれからと箸をとりあげた時、電話が鳴った。反射的に壁の時計を見る。もう午後十時、こんな時間の電話にろくなものはない。
    「おーい、電話やでー」
     ちょっと振り向けば電話に届くものなぜかおっくうで、隣の部屋にいるはずの佐智子に声をかけた。返答がない。代わりに、ザーッと水の走る音のするところをみれば、残り湯で洗濯でもしているのであろう。
    「えーい、しゃあないなあ」
     受話器をとる。

    「破門」で直木賞を受賞した黒木博行さんの、正真正銘のデビュー作。
    第一回サントリーミステリー大賞佳作賞受賞作品である。
    キレのあ

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    2016年01月04日
  • 海の稜線

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    車が爆発炎上し二人の焼死体が発見されます。身元が割れないまま第二の爆発事件が…。
    意外なところから事件が発展するところや、ロジカルに犯人を追い詰めていくところが秀逸です。非常に計算されたミステリーだと思いました。
    また、関西のベテラン刑事と関東のキャリア刑事のソリの合わない掛け合いが面白かったです。
    ラストはハッピーエンドでしたが、何か唐突な感じがしたので、出来れば「関連エピソード」を追加して盛り上げて欲しかったです。

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    2014年02月06日
  • 迅雷

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    「これ警察に届けますか」「あほんだら。眠たいことぬかすな」…「カマシはそれだけかいな、え」「お、おどれら」
    わーい、ポンポンと交わされるこんな会話が聞きたくてワクワクしながら読み始めるのよねえ。調子の良いのは最初だけ。大概は思い通りにならなくて足掻きながらドツボにはまっていく愚かしくも愛おしい男たちが右往左往してるのが黒川作品の醍醐味ね。実際に目の前にこんな度外れた男がいたら引いてしまうけど、横から見てる分には楽しくて哀しくて応援したくなっちゃう。小説で良かった。2013.8

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    2013年08月14日
  • 絵が殺した

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    相変わらずテンポの良い大阪弁で綴られる警察小説。偶然発見された白骨死体を巡り、日本美術界に吉永誠一刑事が斬り込んで行く。登場人物の会話の面白さは大阪ならではだな。

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    2013年04月06日
  • 繚乱

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    「悪果」の続編。同じく堀内&伊達コンビだが、二人とも前作より依願退職&懲戒免職で刑事を辞めている。

    元マル暴刑事のダーティーコンビは健在。刑事ではなくなっているため、多少動き辛そうだが、持ち前の行動力と警察時代のコネを駆使して精力的に動き回り、転んでもただでは起きぬしぶとい姿を見せてくれる。シリーズ化してほしいコンビだが、次はあるか、な?

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    2013年03月08日
  • 繚乱

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    ネタバレ

    相変わらずややこしい話だが、それがいい。
    2人の会話も面白い。
    疫病神コンビもいけるが、このコンビも
    これからも続けていって欲しい。
    しかし、警察辞めた彼らは、いちいち大変そうだ。
    よく考えたら、気軽に個人情報を元同僚から
    とってるが、最近メチャクチャ問題になってる情報漏洩じゃないか。
    前作やこの作家の他の著作を読んだときは、
    不良警官なんて小説の世界と思っていたが、こういう小説の話は
    やっぱり現実なんだな。
    繚乱に関しては、面白くて読み終わるのがもったいないと思う反面、
    冗長にも感じたし、終盤は、単なる強盗みたいになってるのが残念。

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    2013年02月03日
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―

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    疫病神シリーズ四作目。少しマンネリ化したのか、スケールも小さくなっている。前作まであったどこか間が抜けたコミカルな雰囲気もなくなって、どちらかというとシリアスなヤクザ物に近い。それはそれで悪くないのだが。
    桑原の疫病神的ないやらしさが余り前面に出ていないのが残念だ。もっと滅茶苦茶やったほうが面白いのだが。

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    2013年01月04日
  • 二度のお別れ

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    ネタバレ

    黒マメコンビシリーズの第1弾。
    銀行強盗が人質をつれて逃げ、身代金をまんまとせしめる。しかし、本当の犯人は?
    最後の犯人の告白による真実は、思ってもいない大どんでん返しでした。

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    2012年09月15日
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―

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    疫病神シリーズ第4弾。

    これまでと同じく金の臭いを嗅ぎつけて桑原が暴れまくり、二宮がぼこぼこにされ、騙し騙されてバイオレンス溢れる楽しい1冊でした。
    毎回複雑な人間関係と利権争いを描いているシリーズで、今回は巨大宗教組織を相手に悪徳坊主がわんさか出てきます。ばちがあたるぞおまえら!という感じです。

    神も仏も恐れぬ桑原の清々しいほどの暴力と、貧乏で暢気な二宮のへたれっぷり、そしてこの二人の関西弁での漫才のようなやりとりはこのシリーズの最大の魅力です。何度読んでもおもしろい。

    桑原と二宮、二人ともお互いを「疫病神」だと思っていますが、わたしはこれまではどちらかというと桑原が二宮の疫病神という

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    2012年08月31日
  • 二度のお別れ

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    タイトルから、シリアスものと思っていたが、読んでみると違い、会話がとても軽くて面白い。エンディングがよかった。

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    2012年08月18日
  • 蒼煌

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    面白かった。出張の帰り道と家に帰ってきてから読む。飛行機で寝られなかった。ラストは予想できたがいつもながらひどい奴しか出てこない。芸術院会員から訴えられるようなひどい話。しかしボーっと口をあけて待っているだけでは地位も名誉も転がり込んでこないのはその通り。

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    2012年06月27日
  • 迅雷

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    人質交換のシーンでは、もう少しスピード感があった方がよかったかも。
    関西弁とドタバタ系の組み合わせが最高です。

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    2012年04月12日
  • 蒼煌

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    芸術院会員の座を狙うふたりの日本画家。
    選挙の投票権を持つ現会員への猛烈な接待攻勢。
    はたして勝つのはどちらか・・・
    魑魅魍魎が闊歩する芸術界の深部を暴く問題作。

    展覧会で入賞するのもコネと金
    ひとつ段階をあがるたびにコネと金
    芸術院会員になるためには1億からの資金・・・

    これ、すごいリアルなんだけど、現実もこんなのかなあ

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    2012年02月22日
  • 煙霞

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    高校教師という黒川のキャリアを使っちゃったことが裏目でいつもの爽快感は薄いが、ボクにとって黒川節は個々の作品の良し悪しは超越して、そこにあって読めれば幸せなんで、あまり気にならず。ダメダメ主人公と男勝り女の組み合わせもどこかで見たような安心感があってオッケー。ああ、オレも関西に生まれたかったぜw

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    2011年07月27日
  • キャッツアイころがった

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    私が完璧に読み切った本の2冊目。とてもいい推理小説。先が気になってスラスラ読めた。だいすきな本です。

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    2011年05月21日
  • 切断

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    第2の被害者水谷は、第1の被害者沢木の小指を耳の穴に差しこまれて殺されていた。第3の被害者篠原は、第2の被害者水谷の耳を口にくわえて殺されていた。そして第4の被害者となる赤峰は、第3の被害者篠原の舌を……

    このリレー式の猟奇的連続殺人事件に色めき立つ警察。被害者同士にどんなつながりがあるのか?登場人物の誰が犯人か?犯行の動機は何なのか?

    「彼」で語られる犯人の視点と、大阪府警捜査一課・海部班の久松を中心とする刑事たちの視点、さらに過去と現在の時間軸、これらが章を分けることなく入り混じりながら進む物語の果てに読者が見るものとは……

    東野圭吾がその自叙伝の中で絶賛した本書は、彼が容疑者Xの献

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    2010年12月18日
  • ドアの向こうに

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    ブンと総長シリーズの2作目。
    前作は大阪VS東京という感じだったが、本作は大阪VS京都のやりとりがおもしろかった。

    頭部は腐乱、脚部はミイラ化したバラバラ死体が見つかり捜査していくが怪しい人間が次々に死んでいく。

    バラバラ死体の謎やその後の殺人事件のトリック明かしは読んでて楽しかった。

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    2010年11月11日
  • キャッツアイころがった

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    滋賀・京都・大阪で起きた殺人事件で宝石キャッツアイが被害者の胃の中や口の中から見つかり、京都での被害者大学生と同じ教室で知り合いだった女子大生二人がインドまで旅に出て真相を探る。

    3府県の警察と張り合うように女子大生が事件を調べていくのにはちょっと無理を感じるが、ミステリーとしては面白かった。

    第4回サントリーミステリー大賞受賞作。

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    2010年11月11日
  • 海の稜線

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    大阪府警捜査一課深町班の総田と文田の"ブンと総長"シリーズ第1弾。

    東京出身のキャリアで新米警部補・萩原とどっぷり大阪人の先輩巡査部長・文田がそれぞれの文化の違いをやりあいながら捜査を進めていく。
    また、総田の娘・伶子をめぐる二人のやりとりも楽しい。

    総田と文田のコンビに見習いの荻原が扱う事件が交通死亡事故から数億円が絡む偽装海難事故に事件が大きくなっていき面白かった。

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    2010年11月02日